はじめに

この機械はリール式の回転刃を使用する歩行型の芝刈り機であり、そのような業務に従事するプロのオペレータが運転操作することを前提として製造されています。この製品は、集約的で高度な管理を受けているゴルフ場やスポーツフィールドの芝生、あるいは商用目的で使用される芝生に対する刈り込み管理を行うことを主たる目的として製造されております。本機は、雑草地や道路わきの草刈り、農業用地における刈り取りなどを目的とした機械ではありません。

この説明書を読んで製品の運転方法や整備方法を十分に理解し、他人に迷惑の掛からない、また適切な方法でご使用ください。この製品を適切かつ安全に使用するのはお客様の責任です。

弊社に直接おたずねをいただく場合:www.Toro.comで製品の安全・運転講習資料の入手、アクセサリ情報の閲覧、代理店についての情報閲覧、お買い上げ製品の登録などを行っていただくことができます。

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマーサービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。モデル番号とシリアル番号を刻印した銘板の取り付け位置を図1に示します。いまのうちに番号をメモしておきましょう。

g016832

この説明書では、危険についての注意を促すための警告記号(図 2)を使用しております。これらは死亡事故を含む重大な人身事故を防止するための注意ですから、必ずお守りください。

g000502

この他に2つの言葉で注意を促しています。重要は製品の構造などについての注意点を、はその他の注意点を表しています。

この製品は、関連するEU規制に適合しています。詳細については、DOC シート(規格適合証明書)をご覧ください。

警告

カリフォルニア州

第65号決議による警告

カリフォルニア州では、この製品に使用されているエンジンの排気には発癌性や先天性異常などの原因となる物質が含まれているとされております。

カリフォルニア州の森林地帯・潅木地帯・草地などでこの機械を使用する場合には、エンジンに同州公共資源法第4442章に規定される正常に機能するスパークアレスタが装着されていること、エンジンに対して森林等の火災防止措置をほどこされていることが義務づけられており、これを満たさない機械は、第4442章または4443章違犯となります。

この製品に使用されているスパーク式着火装置は、カナダの ICES-002 標準に適合しています。

標高が1524~2438m の現場でこの機械を使用する場合には、高地対応キットをお買い求めいただくことが必要です。代理店にご相談ください。

安全について

この機械は、EN ISO 5395:2013 規格およびANSI B71.4-2012 規格に適合しています。

安全に関する一般的な注意

この機械は手足を切断したり物をはね飛ばしたりする能力があります。重大な人身事故を防ぐため、すべての注意事項を厳守してください。

この機械は本来の目的から外れた使用をすると運転者本人や周囲の人間に危険な場合があります。

  • エンジンを始動する前に必ずこのオペレーターズマニュアルをお読みになり、内容をよく理解してください。

  • 機械の可動部の近くには絶対に手足を近づけないでください。

  • ガードなどの安全保護機器が正しく取り付けられていない時は、運転しないでください。

  • 排出口の近くに、手足などを近づけないでください。周囲の人や動物を十分に遠ざけてください。

  • 作業場所に子供を近づけないでください。子供に運転させないでください。

  • 整備、燃料補給、詰まりの解除作業などを行う前には、必ずエンジンを停止させてください。

間違った使い方や整備不良は人身事故などの原因となります。事故を防止するため、以下に示す安全上の注意や安全注意標識のついている遵守事項は必ずお守りください 「注意」、「警告」、および「危険」 の記号は、人身の安全に関わる注意事項を示しています。これらの注意を怠ると死亡事故などの重大な人身事故が発生する恐れがあります。

運転の前に

  • 作業にふさわしい服装をする;安全めがね、すべりにくく安全な靴、聴覚保護具を着用してください。長い髪は束ね、服のだぶついている部分はまとめるなどし、装飾品は身に着けないでください。

  • これから機械で作業する場所をよく確認し、機械に巻き込まれそうなものはすべて取り除きましょう。

  • マフラーが破損したら必ず交換してください。

  • 作業場所を良く観察し、安全かつ適切に作業するにはどのようなアクセサリやアタッチメントが必要かを判断してください。

  • 弊社(Toro® カンパニー)が認めた以外のアクセサリやアタッチメントを使用しないでください。

  • オペレータコントロールやインタロックスイッチなどの安全装置が正しく機能しているか、また安全カバーなどが外れたり壊れたりしていないか点検してください。

運転操作

  • 一酸化炭素ガスなどの有毒ガスが溜まるような閉め切った場所ではエンジンを運転しないでください。

  • 機械の運転は十分な視界の確保ができる適切な天候条件のもとで行ってください。落雷の危険がある時には運転しないでください。

  • エンジンを掛ける前には、アタッチメントのクラッチをすべて外し、ギアシフトをニュートラルにし、駐車ブレーキを掛けてください。

  • 隠れた穴、わだち、盛り上がり、岩などの見えない障害物に注意しましょう。不整地ではスリップ事故や転倒事故を起こしやすくなります。

  • 道路付近で作業するときや道路を横断するときは通行に注意しましょう。

  • 移動走行を行うときはリールの回転を止めてください。

  • エンジンのガバナの設定を変えたり、エンジンの回転数を上げすぎたりしないでください。規定以上の速度でエンジンを運転すると人身事故が起こる恐れが大きくなります。

  • 次の場合は、アタッチメントの駆動を止め、エンジンを止めてください:

    • 運転位置を離れる前

    • 燃料を補給するとき

    • 集草バスケットを取り外す時

    • 刈り高を変更するとき:ただし運転位置から遠隔操作で刈り高を変更できる時にはこの限りでありません

    • 詰まりを取り除くとき

    • 機械の点検・清掃・整備作業などを行うとき;

    • 異物をはね飛ばしたときや機体に異常な振動を感じたとき機械に損傷がないか点検し、必要があれば修理を行ってください。点検修理が終わるまでは作業を再開しないでください。

    移動走行中や作業を休んでいるときはアタッチメントの駆動を止めてください。

  • エンジンを停止する時にはスロットルを下げておいて下さい。また、燃料バルブの付いている機種では燃料バルブを閉じてください。

  • 旋回するときや道路や歩道を横切るときなどは、減速し周囲に十分な注意を払ってください。刈り込み中以外はリールの回転を止めておいてください。

  • 疲れている時、病気の時、アルコールや薬物を摂取した時は運転しないでください。

  • 見通しの悪い曲がり角や、茂み、立ち木などの障害物の近くや視界のきかない場所では安全に特に注意してください。

保守整備と格納保管

  • 常に機械全体の安全を心掛け、また、ボルト、ナット、ねじ類が十分に締まっているかを確認してください。

  • ガス湯沸かし器のパイロット火やストーブなど裸火や火花を発するものがある近くでは、絶対に機械や燃料容器を保管・格納しないでください。

  • 閉めきった場所に本機を保管する場合は、エンジンが十分冷えていることを確認してください。

  • 集草バスケットは頻繁に点検し、必要に応じ、メーカーが推奨する交換部品と交換するようにしてください。

  • 各部品、特に油圧関連部が良好な状態にあるか点検を怠らないでください。消耗したり破損した部品やステッカーは安全のため早期に交換してください。

  • 燃料タンクの清掃などが必要になった場合は屋外で作業を行ってください。

  • 機体を傾けると燃料が漏れ出す可能性があります。燃料キャップに燃料が触れる場合にはキャップを交換してください。燃料は非常に引火・爆発しやすく、人身事故の原因になります。燃料を吸い出さないでください。ポンプで抜きとるかタンクが空になるまで運転してください。

  • 機械の調整中に指などを挟まれないように十分注意してください。

  • 整備・調整作業の前には必ず機械を停止し、カッティングユニットを止め、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止し、念のために点火プラグからワイヤを抜いてください。また、必ず機械各部の動きが完全に停止したのを確認してから作業に掛かってください。

  • 火災防止のため、カッティングユニットや駆動部、マフラー、冷却スクリーンの周囲に、草や木の葉、ホコリなどが溜まらないようご注意ください。オイルや燃料がこぼれた場合はふき取ってください。

  • 機器類を取り外すとき、スプリングなどの力が掛かっている場合があります。取り外しには十分注意してください。

  • 修理を行うときには必ずバッテリーの接続と点火プラグコードの接続を外しておいてください。バッテリーの接続を外すときにはマイナスケーブルを先に外し、次にプラスケーブルを外してください。接続はプラス側を先、マイナス側をその後にしてください。

  • リールの点検を行うときには安全に十分注意してください。必ず手袋を着用してください。

搬送する場合

  • トラックなどへの機械の積み下ろしは十分注意して行ってください。

  • 車体が落下しないように確実に固定してください。

安全にお使いいただくために: TORO からのお願い

  • エンジンの緊急停止方法に慣れておきましょう。

  • 燃料の取り扱いには十分注意してください。こぼれた燃料はふき取ってください。

  • エンジン始動時や芝刈り作業時には必ず正規の運転位置であるハンドルの後ろに立ってください。

  • 道路横断時の安全に注意。常に道を譲る心掛けを。

  • 刈り込み作業中の安全を確保するため、カッティングユニットには、必ず集草バスケットを取り付けてください。また、溜まった刈りかすを捨てる時は必ずエンジンを停止させてください。

  • エンジン回転中や停止直後は、エンジン本体、マフラー、排気管などに触れると火傷の危険がありますから手を触れないでください。

保守整備と格納保管

  • 燃料ラインにゆるみや磨耗がないか定期的に点検してください。必要に応じて締め付けや修理交換してください。

  • エンジンを回転させながら調整を行わなければならない時は、手足や頭や衣服をカッティングユニットや可動部に近づけないように十分ご注意ください。また、無用の人間を近づけないようにしてください。

  • Toro正規代理店でタコメータによるエンジン回転数検査を受け、安全性と精度を確認しておきましょう。この機械のエンジンの最大調整速度速度は 3,190 ~ 3,340RPMです。

  • 大がかりな修理が必要になった時、補助が必要な時Toro 正規代理店にご相談ください。

  • いつも最高の性能と安全性を維持するために、必ずToroの純正部品をご使用ください。他社の部品やアクセサリを御使用になると危険な場合があり、製品保証を受けられなくなる場合がありますのでおやめください。

安全ラベルと指示ラベル

Graphic

以下のラベルや指示は危険な個所の見やすい部分に貼付してあります。破損したりはがれたりした場合は新しいラベルを貼付してください。

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組み立て

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

トラクションユニットの整備

オプション

このトラクションユニットにカッティングユニット・モデル 04251、02452、04253、または 04254 を取り付ける場合には、以下の作業を行ってください:

  1. カッティングユニットを、平らなテーブルの上に置く。

  2. 左右のピッチアーム(図 3)で、タブのコーナー部を 2mm 削って図 4のようにする。

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    g034506
  3. 金属部が露出した部分には防錆のために塗装する。

トラクションユニットにカッティングユニットを取り付ける

この作業に必要なパーツ

ボルト(3/4 x 3/8 インチ)2
  1. 平らな場所で走行ドラムを接地させて駐機する。

  2. キックスタンドを下げ、ロッキングピンを差し込んでキックスタンドを整備位置に固定する(図 5)。ロッキングピンで機体を支える。

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  3. カッティングユニットをトラクションユニットの下に押し込み、次に左に押してトランスミッションのカップリングに接続する(図 6)。

    g000483
  4. トラクションユニットのフレーム(図 7)を前方に引き出してカッティングユニットのピボットアームに接続する。

    g032418
  5. トラクションユニットのフレームをカッティングユニットのピボットアームに固定する;3/8 x 3/4 インチのボルト(2本)を使用する(図 7)。

    Note: カッティングユニットを外すには、3/8 x 3/4 インチのボルト(2本)を1.5回転ほどゆるめればピボットアームから外すことができます。

  6. キックスタンドを押し下げてロッキングピンを外す(バネの力でキックスタンドが収納位置に戻る)。

ハンドルリテーナを取り付ける

この作業に必要なパーツ

ハンドルリテーナ2
ヘアピンコッター2
  1. ハンドルを支えながら、ハンドルクランプをサイドプレートに固定しているケーブルタイを外す(図 8)。

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  2. 希望する高さ位置にハンドルをセットし、ハンドルクランプの上からハンドルリテーナを差し込んでサイドプレートの穴に通す(図 8)。

  3. ヘアピンコッターでクランプを固定する(図 8)。

  4. 同様の方法でハンドルの反対側でも作業を行う。

  5. ハンドルの高さを調整する:ハンドルを調整するを参照。

    Note: 出荷時には、ハンドルを一番低い位置にセットしてあります。通常は、ハンドルを一番高い位置まで引き出して使用します。

移動走行用車輪を取り付ける

この作業に必要なパーツ

移動用タイヤ(オプション:移動用車輪キット;モデル 04123)2
  1. キックスタンドを立てる:キックスタンドの中央部に足を置き、機体の下部についているハンドルで機体を持ち上げるとスタンドの上に機体が載る(図 9)。

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  2. 車輪についているロッククリップが車軸に掛かるようにして車輪を六角シャフトに通す(図 10)。

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  3. 車輪を前後に回転させながら車軸の奥まで押し込み、ロッククリップを溝に嵌めて固定する。

  4. 機体の反対側のタイヤについても同じ作業を行う。

  5. タイヤに空気を入れる(83-103 Pa = 12-15 psi = 0.827-1.034 bar = 0.8-1.0 kg/cm2)。

  6. キックスタンドから、注意深く機体を床に下ろす(機体を前方へ押すか、機体下部についているハンドルを持ち上げてスタンドを収納位置に跳ね上げるかする)。

エンジンオイルの量を点検する

エンジンオイルの量を点検する;エンジンオイルの量を点検するを参照。

集草バスケットを取り付ける

この作業に必要なパーツ

集草バスケット1
  1. バスケットのハンドルをつかむ(図 11)。

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  2. バスケットのリップ部をカッティングユニットの左右のサイドプレートの中央部に合わせて前ローラの上にセットする(図 11)。

  3. フレームループの上からバスケットを取り付ける(図 11)。

Important: もしバスケットを落としてしまった場合には、バスケットの下側リップにあるピッチアームの接触点(図 12)が破損していないか点検してください。曲がっている場合には真っ直ぐに直してから使用してください。ピッチアームが曲がったままの状態でバスケットを使用すると、バスケットとリールが接触して無用な騒音が発生したり、バスケットやリールに破損が生じる可能性があります。

g032408

製品の概要

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スロットルコントロール

速度コントロール(図 14と図 15)はコントロールパネルの右後側にあります。スロットルを回すとエンジンの速度を調整することができます。

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走行&リール制御レバー

走行&リール制御レバー(図 16)はコントロールパネル右前側にあります。走行用には2つのレバーポジションがあります: ニュートラルと前進です。レバーを前に倒すと前進します。

Note: レバーを操作するには、まずオペレータプレゼンス・コントロールが握りこまれている必要があります。

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リール制御用にも2つのポジションがあります:接続(回転)と解除(回転停止)です。レバー上部を左に動かし、次に前へ倒すとリールが回転を開始して刈り込み状態となりmす。レバーを右に動かすとリールの回転は止まりますが、前進走行は継続します;レバーを手前に引くとリール回転と走行の両方が停止します。

Note: 運転中にOPCから手を離すと、レバーがニュートラルに戻り、マシンが停止します。

常用ブレーキ

常用ブレーキ(図 17)は、コントロールパネルの左前側にあります。レバーを手前に引くとブレーキが掛かります。走行するときには必ずブレーキを解除してください。

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駐車ブレーキのラッチ

駐車ブレーキのラッチ(図 17)は常用ブレーキと併用します。常用ブレーキを掛けた状態で、駐車ブレーキラッチをブレーキハンドル側に回し、常用ブレーキをラッチに掛けて解放すると常用ブレーキラッチをブレーキハンドル側に回すと駐車ブレーキがロックされます。ブレーキレバーを引くと解除されます。

ON/OFF スイッチ

ON/OFF スイッチ(図 14)はコントロールパネルの上部にあります。エンジン始動時にはON とし、停止する時にはOFFとします。

オペレータプレゼンス・コントロール(OPC)

走行レバーを入れる前に、このオペレータコントロール(図 14)を「入」にしておく必要があります。運転中にオペレータコントロールを解除すると、マシンはニュートラルに戻ります(エンジンは停止しません)。

チョークレバー

チョークレバー(図 18)は、エンジンについています。通常運転RUN位置とチョークCHOKE位置の2つの操作位置があります。エンジンが冷えている場合はチョークを半開きにします。始動後はRUN位置とします。

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燃料バルブ

燃料バルブ(図 19)はエンジンについています。閉位置CLOSEDと開位置OPENがあります。機体運搬時や格納時には閉位置とします。エンジンを始動する前にOPEN位置としてください。

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リコイルスタータハンドル

スタータのハンドル(図 20)を引くとエンジンが始動します。

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キックスタンド

キックスタンド(図 22)は機体後部にあり、移動用タイヤの着脱作業時に機体後部を浮かせるのに使用するほか、カッティングユニットを取り外す際にマシンが後ろに倒れないように支持します。

  • 移動走行タイヤの着脱のためにキックスタンドを操作するには、スタンドを床面まで下げ、ループを足で踏みつけた状態のままで、機体下部についているハンドルを持ってマシンを後方に引いてください(図 21)。

    注意

    機体は重いので、正しく持ち上げないと背中を傷める恐れがあります。.

    必ずキックスタンドに載せた足をしっかりと真下方向に踏ん張り、また機体中央下部についているハンドルだけで機体を引き上げてください。この方法以外のやり方で機体を持ち上げようとするとけがをする恐れがあります。

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    g016833
  • リールを外している間にユニットが後ろに倒れないように、キックスタンドを下げて、ロッキングピンを差し込んでキックスタンドを整備位置にロックします(図 23)。

    g018142

1820 のトラクションユニット

82.5cm
高さ104.8cm
全長(集草バスケットを含む)152.4cm
純重量(11 枚刃カッティングユニットと集草バスケットを装着した状態で)117 kg
刈幅46cm
刈高1.5~7.5mm(マイクロカット・ベッドナイフ使用時)
クリップ周期調整可能(カッティングユニットのオペレーターズマニュアルを参照)

2120 のトラクションユニット

90.1cm
高さ104.8cm
全長(集草バスケットを含む)152.4cm
純重量(11 枚刃カッティングユニットと集草バスケットを装着した状態で)117.9 kg
刈幅53.3cm
刈高1.5~7.5mm(マイクロカット・ベッドナイフ使用時)
クリップ周期調整可能(カッティングユニットのオペレーターズマニュアルを参照)

アタッチメントとアクセサリ

トロが認定した各種のアタッチメントやアクセサリがそろっており、マシンの機能をさらに広げることができます。 詳細は弊社の正規サービスディーラ、または代理店へお問い合わせください;弊社のウェブサイト www.Toro.com でもすべての認定アタッチメントとアクセサリをご覧になることができます。

せっかく手に入れた大切な機械を守り、確かな性能を維持するために、交換部品はトロの純正部品をご使用ください。純正パーツは、トロが設計・指定した、完成品に使用されているものと全く同じ、信頼性の高い部品です。確かな安心のために、トロの純正にこだわってください。

運転操作

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

安全第一

このマニュアルに記載されている安全上の注意やステッカーの記号や表示内容を良く読んでください。オペレータや周囲の人を事故から守る重要な情報が掲載されています。

注意

この機械を長時間使用しつづけると聴覚に障害を起こす可能性がある。

運転に際しては聴覚保護具を使用すること。

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エンジンオイルの量を点検する

使用ごと或いは8運転時間ごとにエンジンオイルの量を点検してください;エンジンオイルの量を点検するを参照。

燃料を補給する

燃料タンク容量は 3.0リットルです。

  • 機械の性能を最も良く発揮させるために、オクタン価87以上の、きれいで新しい(購入後30日以内)無鉛ガソリンを使ってください(オクタン価評価法は(R+M)/2 を採用)。

  • エタノール: エタノールを添加(10% まで)したガソリン、MTBE(メチル第3ブチルエーテル)添加ガソリン(15% まで)を使用することが可能です。エタノールとMTBEとは別々の物質です。エタノール添加ガソリン(15% 添加=E15)は使用できません。エタノール含有率が 10% を超えるガソリンは絶対に使用してはなりません:たとえば E15(含有率 15%)、E20(含有率 20%)、E85(含有率 85%がこれにあたります。これらの燃料を使用した場合には性能が十分に発揮されず、エンジンに損傷が発生する恐れがあり、仮にそのようなトラブルが発生しても製品保証の対象とはなりません。

  • メタノールを含有するガソリンは使用できません

  • 燃料タンクや保管容器でガソリンを冬越しさせないでください。 冬越しさせる場合には必ずスタビライザ(品質安定剤)を添加してください。

  • ガソリンにオイルを混合しないでください

危険

燃料は非常に引火・爆発しやすい物質である。発火したり爆発したりすると、やけどや火災などを引き起こす。

  • 燃料補給は必ず屋外で、エンジンが冷えた状態で行う。こぼれた燃料はふき取る。

  • 箱型トレーラに本機を搭載した状態では、絶対に本機への燃料補給をしてはならない。

  • 燃料タンク一杯に入れないこと。給油は燃料タンクの首の根元から 6~13mm 程度下までとする。これは、温度が上昇して燃料が膨張したときにあふれないように空間を確保するためである。

  • 燃料取り扱い中は禁煙を厳守し、火花や炎を絶対に近づけない。

  • 燃料は安全で汚れのない認可された容器に入れ、子供の手の届かない場所で保管する。30 日分以上の買い置きは避ける。

  • 運転時には必ず適切な排気システムを取り付け正常な状態で使用すること。

危険

燃料を補給中、静電気による火花が燃料に引火する危険がある。発火したり爆発したりすると、やけどや火災などを引き起こす。

  • 燃料容器は車から十分に離し、地面に直接置いて給油する。

  • 車に乗せたままの容器に燃料を補給しない。車両のカーペットやプラスチック製の床材などが絶縁体となって静電気の逃げ場がなくなるので危険である。

  • できれば、給油は、機械をトラックやトレーラから地面に降ろし、機体を接地させた状態で行う。機械を車両に搭載したままで給油しなければいけない場合には、大型タンクのノズルからでなく、小型の容器から給油する。

  • 大型タンクのノズルから直接給油しなければならない場合には、ノズルを燃料タンクの口に常時接触させた状態で給油を行う。

警告

燃料を飲み込むと非常に危険で生命に関わる。また気化した燃料に長期間ふれると身体に重篤な症状や疾病を引き起こす。

  • ガソリン蒸気を長時間吸わないようにする。

  • ノズルや燃料タンク、コンディショナーのボトルの口などに顔を近づけないこと。

  • 皮膚についた場合には、石鹸と水で十分に洗い流す。

  1. 燃料キャップ(図 25)の周囲をきれいに拭いてからキャップを外す。フィルタスクリーンの下まで給油する。入れすぎないこと。

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  2. タンクにキャップをはめ、こぼれた燃料は必ず拭き取る。

ハンドルを調整する

Note: 出荷時には、ハンドルを一番低い位置にセットしてあります。通常は、ハンドルを一番高い位置まで引き出して使用します。

  1. ハンドルを左右のハンドルクランプに固定しているキャリッジボルトとナット各3をゆるめる(図 26)。

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  2. ゆっくりとハンドルを左右均等に引き出し、使いやすい高さにする。

  3. キャリッジボルトとナットを締めてハンドルを固定する。

ハンドルの角度を調整する

  1. 機体左右のハンドルリテーナからヘアピンコッターを抜き取る(図 27)。

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  2. ハンドルを支えながら、左右のヘアピンコッターを抜き、ハンドルを希望の位置にセットする(図 27)。

  3. ハンドルリテーナとヘアピンコッターを取り付ける。

スロットルコントロールの調整

  1. コンソールのカバーを取り外す。

  2. スロットルコントロールを固定している2つの固定具をゆるめる (図 28)。

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  3. スロットルコントローラの位置を希望位置に調整する。

  4. 締め具を締め付ける。

  5. 先ほど取り外したコンソールカバー。

エンジンの始動手順

Note: 点火プラグに高圧ケーブルが取り付けられているのを確認してください。

  1. 走行レバーとリール回転レバーが「解除」位置にあることを確認する。

    Note: 走行レバーが走行位置にあるとエンジンは始動できません。

  2. ON/OFFスイッチをONにセットする。

  3. スロットルコントロールをFAST位置とする。

  4. エンジンについている燃料バルブを開き。

  5. エンジンが冷えている場合はチョークを半開きにします。エンジンが暖まっているときはこの操作は不要です。

  6. スタータのハンドルをゆっくり引く。抵抗を感じたらそこから力強く引っ張る。エンジンが始動したらウォームアップが進むにつれてチョークを戻す。

    Important: 引き出しきったスタータロープを無理に引っ張ったり、引き終わったロープの握りを放さないでください。どちらもロープやスタータ内部の破損の原因となります。

エンジンの停止手順

  1. 走行リール制御レバーを解除位置に、スロットルコントロールをSLOW位置にして、ON/OFFスイッチをOFFにする。

  2. エンジンが停止したら、安全のために点火プラグのコードを抜いておく。

  3. マシンを保管する時や搬送する時には燃料バルブを閉じる。

移動走行を行うとき

Important: 移動用トレーラに載せて搬送中は、芝刈り機のエンジンを停止させておいてください。芝刈り機を傷つける恐れがあります。

移動走行ホイール(オプション)を取り付けない場合には、ステップ4に進んでください。

  1. キックスタンドを立てる(スタンドを足で下げながらハンドルで機体を持ち上げて機体をスタンドで支える)。

  2. 移動用タイヤを取り付ける。

  3. タイヤを取り付けたら、ハンドルを持ち、機体を前に押してスタンドをはね上げる。

  4. 走行&リール制御レバーが解除位置にあることを確認し、エンジンを始動する。

  5. スロットルをSLOWとし、機体前部を浮かせた状態で徐々に走行位置につなぎ、ゆっくりとエンジン速度を上げる。

  6. スロットルで適当な走行速度に調整し、目的地に移動する。

刈り込みの準備

  1. 走行レバーを解除とし、スロットルを SLOWとして、エンジンを一旦停止する。

  2. キックスタンドを立てる(スタンドを足で下げながらハンドルで機体を持ち上げて機体をスタンドで支える。

  3. 移動用タイヤを取り外す。

  4. キックスタンドから、機体を慎重に降ろす。

芝刈機の調整に間違いがないか、左右均一に調整されているか確認します。調整不良は仕上がりを大きく損ないますから十分な注意が必要です。作業場所に落ちている異物を取り除いてください。また、作業場所には誰も入れないように、特に子供や動物を入れないようにしてください。

芝刈りのヒント

Important: 芝刈り運転中、刈りカスは潤滑剤の役割を果たします。刈りかすが出ない場所で長時間カッティングユニットを回転させるとカッティングユニットを損傷します。

  • グリーンは直線往復刈りで刈ります。

  • 円状や渦巻き状に刈ると芝を傷つけますから避けてください。

  • ターンをする時はグリーンの外で、リールを浮かせて(ハンドルを押し下げて)行います。

  • 芝刈りの速度は普通に歩く速さが適当です。早く歩いても時間の節約にはなりません。むしろ仕事が粗くなります。

  • 真っ直ぐに刈るコツの一つは、集草バスケットについている線(図 29)を目安にして、となりの刈り跡と平行に、常に一定の距離をおいて歩くことです。

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薄暗い時の運転について

薄暗い中で作業を行う場合には、オプションのLEDライトキットのご使用をお奨めします。代理店でご購入ください。

Important: エンジンのAC出力系のトラブルを防止するため、これ以外のヘッドライトをご使用にならないでください。

芝刈り時のコントロール操作

  1. エンジンを始動、スロットルを下げ、ハンドルを押し下げてカッティングユニットを上げ、オペレータコントロールを握り、走行レバーを入にセットして、グリーンのカラー(縁)に入る(図 30)。

  2. 走行レバーを解除し、リールレバーを回転側に倒す(図 30)。

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  3. 走行レバーを走行に入れ、スロットルで希望の走行速度に調整し、グリーン入ってリールを下ろし、刈り込み作業を始める(図 30)。

芝刈り後のコントロール操作

  1. グリーンを出てリール回転と走行を解除位置にし、エンジンを止める。

  2. 集草バスケットにたまった刈りかすを捨て、空になった集草バスケットを取り付けて保管庫へ移動する。

インタロックスイッチの動作を点検する

整備間隔整備手順
使用するごとまたは毎日
  • インタロックスイッチの動作を点検する。
  • 注意

    インタロックスイッチは安全装置であり、これを取り外すと予期せぬ人身事故が起こり得る。

    • インタロックスイッチをいたずらしない。

    • 作業前にインタロックスイッチの動作を点検し、不具合があれば作業前に交換修理する。

    オペレータプレゼンスコントロール(OPC)のインタロックスイッチ

    1. キックスタンドを立てる(スタンドを足で下げながらハンドルで機体を持ち上げて機体をスタンドで支える。

    2. エンジンを始動する。

    3. OPC を解除した状態で、走行レバーを入れる(図 31)。レバーが入らなければ正常。走行レバーが入るのはインタロックシステムの異常であるから修理する。必ず修理してから使用すること;走行インタロックスイッチの整備 を参照。

      g032412
    4. OPC を押し、走行レバーを入れた状態から OPC を解除する(図 31)。走行レバーが外れれば正常。走行レバーが外れないのはインタロックシステムの異常であるから修理する。必ず修理してから使用すること;走行インタロックスイッチの整備 を参照。

    5. OPC を押し、シフトレバーを左に入れた状態から走行・リール回転にセットし、OPC を解除する(図 31)。走行レバーが外れれば正常。走行レバーが外れないのはインタロックシステムの異常であるから修理する。必ず修理してから使用すること;走行インタロックスイッチの整備 またはリールコントロールの調整を参照。

    6. OPC を押し、シフトレバーを左に入れて走行とリール回転を開始し、その状態からシフトレバーを右に操作してリール回転を解除する(図 31)。リール駆動が解除されれば正常。リールが停止しないのはインタロックシステムの異常であるから修理する。必ず修理してから使用すること;リールコントロールの調整を参照。

    7. キックスタンドから、機体を慎重に降ろす。

    走行インタロックスイッチの点検

    1. キックスタンドを立てる(スタンドを足で下げながらハンドルで機体を持ち上げて機体をスタンドで支える。

    2. OPC を押し、走行レバーを入れた状態とし、エンジンコントロールを始動位置にする(図 31)。エンジンの始動を試みる。クランキングしなければ正常。エンジンが掛かるのはスイッチの異常であるから修理する。必ず修理してから使用すること。走行インタロックスイッチの整備 を参照。

    3. キックスタンドから、機体を慎重に降ろす。

    ブレーキインタロックスイッチの点検

    1. キックスタンドを立てる(スタンドを足で下げながらハンドルで機体を持ち上げて機体をスタンドで支える。

    2. 走行レバーを解除した状態とし、常用ブレーキを掛けた状態とし、エンジンコントロールを始動位置にして(図 31)、エンジンの始動を試みる。エンジンが始動すれば正常。エンジンが掛からないのはスイッチの異常であるから修理する。必ず修理してから使用すること;を参照。

    3. エンジンを始動させ、常用ブレーキ(駐車ブレーキではなく)を掛け、OPC を押した状態から走行レバーを入れる(図 31)。機体が走行しようとするが、エンジンは停止しない。エンジンが停止するのはスイッチの異常であるから直ちに修理する。必ず修理してから使用すること;を参照。

    4. エンジンを始動させ、駐車ブレーキラッチを掛け、OPC を押した状態から走行レバーを入れる(図 31)。エンジンが停止すれば正常です。エンジンが停止しないのはスイッチの異常であるから修理する。必ず修理してから使用すること;を参照。

    5. キックスタンドから、機体を慎重に降ろす。

    トランスミッションを解除するには

    万一マシンの自走できなくなった場合には、ドラムとトランスミッションの連結を解除してマシンを手押しで移動させることができます。

    1. 機体の右後ろ角部にある走行解除レバーを探し出す(走行ハウジングドラムの隣にある)(図 32)。

      g032413
    2. レバーを後方に回すとトランスミッションとドラムが解除された状態となる。

      注意

      レバーにはスプリングの力が掛かっており、手荒に回転させると手を強打するので注意すること。

      レバーを注意深く回転させる。

    3. 必要に応じてマシンを移動させる。

      Important: 牽引はできるだけしないでください。牽引で移動させなければならない場合は、移動速度を4.8km/h以下とし、必ずトランスミッションをドラムから解除した状態で移動させてください。これを怠ると、走行系統を損傷する恐れがあります。

    4. 必要な移動が終了したら、レバーを前に回してトランスミッションとドラムを連結する。

    Note: トランスミッションを解除した状態でも、ブレーキは使用可能です。

    ターフの状態に合わせた設定

    下の表を参考にして、ターフの状態に適した設定を行ってください。

    ベッドバー:標準およびオプション(フレックス/eFlex 2120)
    パーツ番号名称食い込み度参考意見
    106-2468-01非食い込み仕様弱い赤, 標準装備
    99-3794-03きつい強い
    ベッドバー:標準およびオプション(フレックス/eFlex 1820)
    110-2282-01非食い込み仕様弱い赤, 標準装備
    110-2281-03きつい強い
    ベッドナイフ:標準およびオプション(フレックス/eFlex 2120)
    パーツ番号名称刈高調整範囲参考意見
    115-1880マイクロカット・エッジマックス1.6~3.2mm標準装備
    93-4262 マイクロカット 1.6~3.2mm 
    108-4303 先長マイクロカット 1.6~3.2mm食い込みを弱くする場合
    115-1881トーナメント・エッジマックス3.2~6.4mm 
    93-4263 トーナメント 3.2~6.4mm 
    108-4302先長トーナメント3.2~6.4mm食い込みを弱くする場合
    93-4264 ローカット 6.4 mm 以上 
    ベッドナイフ:標準およびオプション(フレックス/eFlex 1820)
    117-1530マイクロカット・エッジマックス1.6~3.2mm標準装備
    98-7261 マイクロカット 1.6~3.2mm 
    110-2300 先長マイクロカット 1.6~3.2mm食い込みを弱くする場合
    98-7260 トーナメント3.2~6.4mm 
    117-1532トーナメント・エッジマックス3.2~6.4mm 
    110-2301 ローカット6.4 mm 以上 
    ローラ(フレックス/e-フレックス 2120)
    パーツ番号名称直径と素材参考意見
    04255 細溝付き 6.4cm(2.5 インチ)/アルミニウム 細溝タイプ
    04256 広溝付き 6.4cm(2.5 インチ)/アルミニウム 芝生への食い込みがより大きい広溝タイプ
    04257 フルローラ 6.4cm(2.5インチ)/スチール 沈み込みが一番少ない
    04258 細溝付き(長尺)6.4cm(2.5 インチ)/アルミニウム 左右のエッジの支え力が大きい;4.3cm 長い
    04267パスパラム6.4 cm(2.5 インチ)/アルミニウム 芝生への食い込をソフトにした、細溝タイプ
    115-7356 後ローラ 5.1cm(2.5 インチ)/アルミニウム 標準後ローラ
    120-9595 後ローラ 5.1cm(2.0インチ)/スチール スチール, 後
    ローラ(フレックス/e-フレックス 1820)
    120-9607 細溝付き 6.4cm(2.5 インチ)/アルミニウム 細溝タイプ
    120-9609 広溝付き 6.4cm(2.5 インチ)/アルミニウム 芝生への食い込みがより大きい広溝タイプ
    120-9611 フルローラ 6.4cm(2.5インチ)/スチール 沈み込みが一番少ない
    121-4681細溝付き(長尺)6.4cm(2.5 インチ)/アルミニウム 左右のエッジの支え力が大きい;4.3cm 長い
    120-9605 後ローラ 5.1cm(2.5 インチ)/アルミニウム 標準後ローラ

    保守

    Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

    Important: トランスプロ 80 に載せた状態で整備する場合には、必ず、トレーラについているストップを使用して機体を固定してください。機体を倒しすぎると燃料がこぼれる可能性があります。 レールランプキットについているストップを使う時は、ホイールの後ろについている穴にブルームハンドルなどを差し込む必要があります。

    推奨される定期整備作業

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 20 時間
  • エンジンオイルを交換する。
  • 燃料タンクスクリーンを清掃する。
  • 使用するごとまたは毎日
  • インタロックスイッチの動作を点検する。
  • エンジンオイルの量を点検する。
  • 50運転時間ごと
  • エンジンオイルの交換してください。
  • エアクリーナを清掃します(ほこりのひどい場所で使用する場合は、より頻繁に手入れを行ってください)。
  • 100運転時間ごと
  • エアクリーナは交換します(ほこりのひどい場所で使用する場合は、頻繁に手入れを行ってください)。
  • 点火プラグを点検する。
  • 燃料タンクスクリーンを清掃する。
  • 500運転時間ごと
  • クラッチオイルを交換する。
  • キャブレターを清掃する。
  • 吸気バルブと排気バルブを点検する。必要に応じて調整する。
  • 1000運転時間ごと
  • 燃料ラインを交換する.
  • リール駆動ベルトを点検する。
  • ブリーザホースを交換する。
  • トランスミッションのベアリングを点検し、必要に応じて交換する。
  • 長期保管前
  • 機体の塗装がはげていればタッチアップ修理をする。
  • Important: エンジンの整備に関しての詳細は、付属のエンジンマニュアルを参照してください。

    始業点検表

    Important: このページをコピーして使ってください。

    点検項目第週
    インタロックの動作       
    駐車ブレーキの動作       
    ピボットジョイントの動作確認       
    燃料残量       
    エンジンオイルの量を点検する。       
    エアフィルタの汚れ       
    冷却フィンの汚れ       
    エンジンからの異常音       
    運転操作時の異常音       
    リールとベッドナイフの摺り合わせ       
    刈高       
    塗装傷のタッチアップ修理を行う。       
    要注意個所の記録
    点検担当者名:
    内容日付記事
       
       
       
       
       
       
       
       

    エンジンの整備

    エンジンオイルについて

    エンジンを始動する前に、適切な粘度のエンジンオイルを 600 cc ほどクランクケースに入れてください。オイルは、API(米国石油協会)の SE またはそれ以上のグレードの高品質オイルを使用します。外気温度に合った適切なタイプのオイルを選んでください。図 33図に、外気温と粘度の関係を示します。

    g016841

    Note: マルチグレードオイル(5W-20,10W-30,10W-40)を使用する場合は、消耗が早くなります。オイル量を頻繁に点検してください。

    エンジンオイルの量を点検する

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • エンジンオイルの量を点検する。
  • Note: エンジンオイルを点検する最もよいタイミングは、その日の仕事を始める直前、エンジンがまだ冷えているうちです。既にエンジンを始動してしまった場合には、一旦エンジンを停止し、オイルが戻ってくるまで約 10 分間程度待ってください。油量を点検し、ディップスティックの L マーク以下であれば H マークまで補給します。入れすぎないこと。 油量が H マークと L マークの間であれば補給の必要はありません。

    1. 移動用タイヤ(がついている場合には)取り外す。

    2. エンジンが水平になるようにして駐車する。

      g018270
    3. オイルゲージの周囲をきれいに拭く(図 34)。

    4. オイルゲージを左に回して抜きとるく図 34)。

    5. ゲージをウェスできれいに拭き、もう一度差し込む。ゲージはねじ込まずに差し込む。ディップスティックをもう一度抜きとって、オイルの量を点検する。量が不足している場合には、ゲージの読みがHとLの間になるまで、必要量だけオイルを補給する(図 35)。油量を確認する。入れすぎないこと。

      g007620
    6. オイルゲージを元通りに取り付け、こぼれたオイルをふき取る。

    エンジンオイルの交換

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 20 時間
  • エンジンオイルを交換する。
  • 50運転時間ごと
  • エンジンオイルの交換してください。
    1. エンジンを数分間運転してオイルを温める。

    2. 機体下にあるドレンプラグの下に廃油受けを置く(図 34)。ドレンプラグをゆるめる。

    3. ハンドルを押さえて機体を後ろに傾け、残っているオイルを完全に抜く。

    4. ドレンプラグを取り付け、所定のオイルを入れる。

    5. こぼれたオイルはふき取る。

    6. 使用済みオイルは適切に処分する。適切なリサイクル処置を講ずる。

    エアクリーナの整備

    整備間隔整備手順
    50運転時間ごと
  • エアクリーナを清掃します(ほこりのひどい場所で使用する場合は、より頻繁に手入れを行ってください)。
  • 100運転時間ごと
  • エアクリーナは交換します(ほこりのひどい場所で使用する場合は、頻繁に手入れを行ってください)。
    1. 点火プラグのコードが抜いてあるのを確認する。

    2. エアクリーナカバーをエアクリーナ本体に固定している蝶ナットを取り、カバーを外す。カバーを丁寧に清掃する(図 36と図 37)。

      g018271
    3. スポンジを点検し、汚れていればペーパーエレメントから外す(図 37)。スポンジをきれいに洗う。

      1. スポンジを温水と液体洗剤で押し洗いする。絞るとスポンジが破れるので押し洗いで汚れを落とす。

      2. 洗い上がったら、タオルにはさんで水分を取る。タオルにはさんだ状態で軽く押して乾かす。ひねるとスポンジが破れるので注意する。

      3. きれいなエンジンオイルに十分ひたして引き上げる。スポンジを軽く押さえて余分なオイルを落とすとともにオイルを全体に行き渡らせる。

        Note: スポンジはオイルで濡らしておく方が良い。

        g016845
    4. スポンジの点検と同時に、ペーパーエレメントを点検する。必要に応じて交換する。

      Note: ペーパーエレメントの清掃には圧縮空気を使用しないこと。

    5. スポンジ、ペーパーエレメント、カバーを元通りに取り付ける。

      Important: エレメントを外したままでエンジンを運転しないこと。エンジンに大きな損傷が起きる可能性があります。

    点火プラグの整備

    整備間隔整備手順
    100運転時間ごと
  • 点火プラグを点検する。
  • 点火プラグはNGK BR 6HS又は同等品を使用します。エアギャップの推奨値は 0.6~0.7mm です。

    1. 点火プラグのコードをプラグから抜きとる(図 38)。

      g018272
    2. プラグの周囲を清掃し、シリンダヘッドからプラグを外す。

      Important: 汚れその他の不具合のある点火プラグは交換してください。点火プラグにサンドブラストをかけたり、ナイフ状のもので削ったり、ワイヤブラシで清掃したりしないでください。破片がシリンダ内に落ちてエンジンを損傷します。

    3. 39のように、エアギャップを 0.6~0.7mm に調整する。点火プラグをエンジンに取りつけ、23N·m(2.35kg.m = 17ft-lb)にトルク締めする。

      g016950

    燃料系統の整備

    燃料タンクスクリーンの清掃

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 20 時間
  • 燃料タンクスクリーンを清掃する。
  • 100運転時間ごと
  • 燃料タンクスクリーンを清掃する。
    1. 燃料タンクのキャップを外す(図 40)。

      g016857
    2. 燃料タンクの内部からスクリーンを取り出す。

    3. きれいな燃料でスクリーンを洗浄し、元通りに取り付ける。

    4. 燃料タンクのキャップを取りつける。

    燃料ラインの交換

    整備間隔整備手順
    1000運転時間ごと
  • 燃料ラインを交換する.
  • 燃料ラインからの燃料漏れを発見した場合には直ちにラインを交換してください。

    電気系統の整備

    走行インタロックスイッチの整備

    調整や交換が必要な時には以下の要領で行います。

    1. エンジンが停止していることを確認する。

    2. コントロールパネルを外す。

    3. 走行レバーを入れる。

      g016912
    4. インタロックスイッチを固定しているねじをゆるめる(図 41)。

    5. 走行レバーとインタロックスイッチとの間に厚さ 1.6mmのすきまゲージをはさむ(図 41)。

    6. スイッチを固定しているねじを締める。

    7. 走行レバーを入れ、すき間を点検する。通常の使用範囲は、0.76~3.05mmである。走行レバーを操作して、スイッチの導通が無くなることを確認する。必要に応じてスイッチを交換する。

    ブレーキインタロックスイッチの整備

    1. エンジンが停止していることを確認する。

    2. コントロールパネルを外す。

    3. 常用ブレーキのレバーを入れ、駐車ブレーキのラッチを掛ける。

    4. インタロックスイッチを固定しているねじをゆるめる(図 42)。

      g016913
    5. 駐車ブレーキのラッチとインタロックスイッチとの間に厚さ 1.6mmのシムをはさむ(図 42)。

    6. スイッチを固定しているねじを締める。すきまの大きさを確認する。ラッチがスイッチに接触してはいけない。

    7. ブレーキレバーを入れ、ラッチを回転させる。スイッチの導通が無いことを確認する。必要に応じてスイッチを交換する。

    ブレーキの整備

    常用/駐車ブレーキの調整

    常用・駐車ブレーキがスリップするようになったらケーブルの調整を調整してください:

    1. ブレーキレバーをOFF 位置とする。

    2. コントロールパネルを外す。

    3. ケーブルの張りを強くするには、上側ケーブルのジャムナットをゆるめて、下側ケーブルのジャムナット(図 43)を締め、156N(15.8kg)の力で駐車ブレーキのラッチが解除されるように調整する。ブレーキバンドが締まりっぱなしにならないよう注意すること。

      g016920

    ベルトの整備

    リール駆動ベルトの点検

    整備間隔整備手順
    1000運転時間ごと
  • リール駆動ベルトを点検する。
    1. ベルトカバーを固定しているフランジボルトをゆるめてベルトカバーを外し、ベルトを露出させる(図 44)。

      g018273
    2. ベルトの張りの調整:

      1. ベアリングハウジング取り付けナットをゆるめる(図 45)。

        g017116
      2. 16mm(5/8インチ)のトルクレンチでベアリングハウジングを回転させ、自由に動くことを確認する。

      3. ベルトケース内部や圧縮スプリングについているごみをきれいに取り除く(図 45)。

      4. 圧縮スプリングからベルトに適切な力が掛かっていることを確認する。

      5. ベアリングハウジング取り付けナットを締め付ける。

      6. ベルトカバーを取り付ける。

    リールクラッチの目視点検

    トランスミッションの正面についているゴム製のプラグ(図 46)を外すと、クラッチを確認することができます。

    Important: 点検・調整後は、クラッチ内部に水などが入らないようにプラグを確実に取り付けてください。

    g016949

    トランスミッションベルトのテンショナの入切操作

    トランスミッションのベルトはスプリング付きのアイドラプーリで張りを出しています。ベルトの張りをなくしたい場合には、3/8 インチのレンチで入・切シャフト(図 46)を適当な位置まで回してください。シャフトを右に 1/4 回転させるとアイドラがベルトから外れてきます(図 47)。

    Note: トランスミッションカバーを外す前には、ベルトの張りをなくしておく必要があります。

    g019886

    制御系統の整備

    走行コントロールの調整

    整備間隔整備手順
    500運転時間ごと
  • クラッチオイルを交換する。
  • 走行コントロールがつながらない、スリップするなどの症状が出るようになったら調整が必要です。

    1. 走行コントロールを入位置にセットする。

    2. 走行コントロールのスプリングの両端にあるピンとピンの距離 (図 48) が 7.3~7.6cm にない場合は、以下の手順でクラッチの調整を行う。

      g032417
      1. 走行コントロールレバーを解除する。

      2. ターンバックルについているジャムナットをゆるめてクレビスピンを外し、ターンバックルからスプリングを外す(図 48)。

      3. ターンバックルを回転させて長さを調整する。

      4. ターンバックルをスプリングを取り付けてクレビスピンで固定する。

      5. 走行コントロールを入位置にセットする。

      6. 走行コントロールのスプリングの両端にあるピンとピンの距離 (図 48)が 7.3~7.6cm になるまで、ステップ1~6を繰り返す。

    リールコントロールの調整

    リールが回転しない、スリップするなどの症状が出るようになったら調整が必要です。

    1. リールコントロールが解除状態であることを確認する。

    2. トランスミッションのバルクヘッド部で、リールコントロールのケーブル(図 49)を調整する;スプリングの長さが 70.6~72.4mm になるように調整する。

      g017020
    3. コントロールハンドルのバルクヘッド部で、リールコントロールケーブルをゆるめてケーブルにたるみを持たせる(図 50)。

      g027790
    4. コントロールハンドルのバルクヘッド部で、リールコントロールケーブルを締めていき、スプリングが伸びずにケーブルのたるみが完全になくなるように調整する。

    5. 以下の手順で調整の確認を行う:

      • クラッチを解放した時に、リールクラッチの歯が外れること、またクラッチをつないだ時に歯が一番奥まで入り込まないことを確認する。

        Note: トランスミッションの正面についているゴム製のプラグ(図 46)を外すと、クラッチを確認することができます。

      • リールとベッドナイフの接触をなくした状態で、リール停止動作から7秒以内にリールが停止することが必要。

      • 詳細については サービスマニュアル を参照するか、ディストリビュータに相談する。

    保管

    1. 機体各部に付着している泥や刈りかすをきれいに落とす。特にエンジンのシリンダヘッドや冷却フィン部分やブロアハウジングを丁寧に清掃する。

      Important: 機体は中性洗剤と水で洗うことができます。ただし高圧洗浄器は使用しないでください。また、シフトレバーのプレートやエンジン部に大量の水を掛けないように注意してください。

    2. 長期間(30日間以上)にわたって保管する場合には燃料タンクのガソリンにスタビライザ/コンディショナを添加する。

      1. エンジンをかけて、コンディショナ入りのガソリンを各部に循環させる(5分間)。

      2. エンジンを停止してガソリンを抜き取る。または燃料切れで停止するまで運転する。

      3. エンジンを再度始動して自然に停止するまで運転する。チョークを引いて始動し、全く始動できなくなるまでこれを続ける。

      4. 抜き取った燃料は地域の法律などに従って適切に処分する。適切なリサイクル処置を講ずる。

        Note: コンディショナ入りの燃料でも90日間以上の保存はしないでください。

    3. 機体各部のゆるみを点検し、必要な締め付けや交換、修理を行う。破損個所や故障個所はすべて修理する。

    4. 機体の塗装がはげていればタッチアップ修理をする。ペイントは代理店から入手することができる。

    5. 汚れていない乾燥した場所で保管する。機体にはカバーを掛けておく。