11 および 14 枚刃カッティングユニット

カッティングユニットの前ローラは取り付けられていません。 ローラに付属している説明書に従い、カッティングユニットの付属部品を使って、ローラをカッティングユニットに取り付けてください。

カッティングユニットを傾けてベッドナイフとリールが見えるようにする際には、ベッドバー調整ねじが床や作業台に押し付けられることのないよう、カッティングユニット後部に支えを入れて浮かせてください（Figure 3）。

Figure 3

1. プロップ（付属品ではありません）
2. ベッドバー調整ねじのナット（2個）

Note: eFlex では、カッティングユニットの刃合わせ調整がバッテリーの消耗に大きな影響を与えます。刈り込みの品質、およびバッテリーの使用時間のいずれについても、ごく軽い刃合わせをお奨めします。

リールと下刃の調整は、カッティングユニット上面にあるベッドバー調整ねじで行います。

1. カッティングユニットを平らな水平の作業台の上に置く。ベッドバー調整ねじ（Figure 4）を左に回して、リールと下刃の接触を完全になくす。

   

   Figure 4

   1. ベッドバー調整ねじ

2. ベッドナイフとリールが見えるように､カッティングユニットを後ろに傾ける｡

   Important: ユニット左右についているベッドバー調整ねじのナットが床に当たっていないことを確認してください（Figure 3）。

3. リール前面の左右いずれかの端を選び、リールと下刃の間に長く切った新聞紙片を差し入れる（Figure 5）。リールをゆっくり前回転させながら下刃調整ねじを締める（新聞紙を入れた側の調整ねじを、１目盛りづつゆっくりと）。新聞紙を引き抜くのに軽い力が必要な程度でよい。

   

   Figure 5

   Note: 調整ねじを１目盛り締めるごとに、下刃は0.018mm リールに近づきます。調整ねじを締めすぎないように注意してください。

4. 反対側で軽い接触状態になっているかどうかを新聞片で点検し、必要に応じて調整する。

5. 両側の調整ができたら最終確認を行う：紙片をリールの前から差し込んだ時にははさむだけ、下から差し込むと切れるのが正しい調整である（Figure 5）。

   Note: リールと下刃のごくわずかの接触で紙が切れなければいけない。接触を強くしないと切れない場合には、鋭利な刃先を取り戻して精密なカットができるようにバックラップか研磨を行うことが必要（Toro研磨マニュアルを参照）｡

使用する刈高によって、後ローラブラケットの取り付け位置を変更する必要があります（Figure 6 または Figure 7）；低位置または高位置のどちらかに設定します。

• 刈高 1.6 mm～6.4mm の場合： スペーサをサイドプレート取り付けフランジの上（出荷時の設定）にセットする(Figure 6)。

  

  Figure 6

  1. スペーサ
  2. サイドプレート取り付けフランジ
  3. ローラブラケット

• 刈高範囲が 3.2～25.4mm の場合は、スペーサを、取り付けフランジの下にセットする (Figure 7)。

  

  Figure 7

  1. サイドプレート取り付けフランジ
  2. スペーサ
  3. ローラブラケット

後ローラの調整は以下の手順で行う：

1. カッティングユニットの後部を持ち上げてベッドナイフの下に角材などの枕を置く。

2. 各ローラブラケットをそれぞれのサイドプレート取り付けフランジおよびスペーサに固定しているナット2個を外す。

3. サイドプレート取り付けフランジとスペーサから、ローラとボルトを外す。

4. 必要に応じてスペーサを、ローラブラケットの上または下にする（Figure 6またはFigure 7）。

5. ローラブラケットとスペーサとを、取り付けフランジの下側に、先ほど取り外したボルトを使って取り付ける。

6. ベッドナイフとリールのすき間の調整を確認する。カッティングユニットを立てて、前ローラと後ローラ、およびベッドナイフが見えるようにする。

   Note: リールと後ローラとの平行関係は、カッティングユニット全体の組み立て精度により保証されていますから、調整は不要です。ごくわずかな狂いを戻す調整は可能です。まず、定盤の上でサイドプレート組み付けボルトをゆるめます (Figure 8)。終了後にボルトを調整して締め付けてください。

   

   Figure 8

   1. サイドプレート組み付けボルト

   Important: カッティングユニットを傾けてベッドナイフとリールが見えるようにする際には、ベッドバー調整ねじが床や作業台に押し付けられることのないよう、カッティングユニット後部に支えを入れて浮かせてください（Figure 3）。

Note: このカッティングユニットには、エッジマックス・マイクロカットベッドナイフとスタンダードベッドバーが標準装備されています。実際の刈高は、これまでの刈り込みに使用していた機器の調整（ローラ、下刃の先端からリールの中心線までの距離など）やターフ自体のコンディション（グリーンの硬さ、季節条件など）によって異なります。まず、これまでの刈高設定よりも 0.2～0.4mm 程度高くセットして刈り込みを行い、仕上がり具合を見ながら調整をしてください。

Note: 刈高を 13mm 以上に設定するには高刈りキットが必要です。

Note: 以下の表により、希望する刈高に最も適したベッドナイフを決定してください。

1. 刈り高アームをカッティングユニットのサイドプレートに固定しているロックナットをゆるめる（Figure 9）。

   

   Figure 9

   1. 刈高アーム
   2. ロックナット
   3. 調整ねじ

2. ゲージバーのナットをゆるめ、調整ねじを希望の刈り高に合わせる（Figure 10）｡

   Note: ねじ頭の下からバーの表面までの距離が刈り高となる。

   

   Figure 10

   1. ゲージバー
   2. 刈高調整ねじ
   3. ナット

3. ゲージバーのねじの頭を下刃の先端に引っかけ、バーの後端を後ローラに当てがう（Figure 11）。

   

   Figure 11

   1. ゲージバー

4. バーの前端がローラに当たるように、調整ねじで調整する。ローラ全体が下刃と平行になるように、ローラの両側を均等に調節する。

   Important: 前後のローラにゲージが当たり、ねじ頭がリールにぴったりと掛かっているのが正しい調整状態です。下刃の左右端でこの状態となるように調整してください。

5. ナットを締めて調整を固定する。締めすぎないように注意すること。ワッシャの遊びがなくなるまで締め付ければそれでよい。

刈りかすがリールからスムーズに出るように調整します：

1. バー（Figure 12）をカッティングユニットに固定しているねじをゆるめる。

   

   Figure 12

   1. カットオフバー

2. 隙間ゲージを使って、リール上面とバーの間を 1.5mm に調整し、ねじを締めてバーを固定する。

   Important: リールの全幅にわたって隙間の幅が一定となるように注意する｡

   Note: この調整はターフの状態変化に合わせて行ってください。芝面が非常に乾燥している時にはバーをリールに近づけます。逆に、芝がぬれている時にはバーとリールの隙間を大きくします。いずれの場合も、リールとバーとが平行になることが重要です。また、リールの研磨を行った場合には必ずこの調整が必要です。

この作業に必要なパーツ

ピッチアームのスプリングを取り付ける

eFlex でこのカッティングユニットを使用する場合には、各ピッチアームの後部にスプリングを取り付けてください（Figure 14）。

Figure 14

1. ピッチアームに取り付けたスプリング

ガソリンモデルでカッティングユニットを使用する時にはスプリングを取り外してください。

Close section

トロが認定した各種のアタッチメントやアクセサリがそろっており、マシンの機能をさらに広げることができます。 詳細は弊社の正規サービスディーラ、または代理店へお問い合わせください；弊社のウェブサイト www.Toro.com でもすべての認定アタッチメントとアクセサリをご覧になることができます。

このカッティングユニットはDPA（二点調整方式）のカッティングユニットで、非常に簡単な調整で最適な刈り上がりを実現することができます。ベッドバーをカッティングユニットの左右2点で調整する方式ですので、刃先同士が軽く触れ合って相互に研磨作用を行う軽い当たりの調整に仕上げるのが簡単で、鋭い刃先が長持ちし、高品質な刈り込みを長時間連続することが可能であり、バックラップ回数を減らすことができます。

毎日または必要に応じて、刈り込みに出発するまえに、カッティングユニットの下刃とリールの刃合わせ状態を点検してください。この点検は、前日の調子に係わりなく毎回行ってください。

1. 平らな固い床の上にカッティングユニットを降ろし、エンジンを停止、キーを抜き取る。

2. 駐車ブレーキを掛ける。

3. 以下の手順でマシンを停止させる：

   • ガソリンユニット：エンジンを停止させ、点火プラグのコードを外す。

   • 電動ユニット：マシンのスイッチをOFFにし、バッテリーコネクタを外す（T字コネクタ）。

4. 手でリールをゆっくりと後ろ向きに回転させ、リールとベッドナイフの接触状態を耳で確認する。相互の接触が全くない場合は、ベッドナイフ調節ノブを1クリックずつ均等に締めながら、ごく軽い接触が手と耳で感じられるように調整する。

   Note: 調整ノブのねじを1ノッチ回転させることにより、ベッドナイフが、0.018mm 移動します。

5. 相互の接触が強すぎる場合は、調整ノブを１ノッチずつゆるめながら、接触がまったくなくなるようにする。そしてその位置から調整ノブを１ノッチずつ締めて、ごく軽い接触が得られるようにする。

   Important: どんな場合でもごく軽い接触がベストです。接触が全くないと、リールとベッドナイフの相互研磨作用が全くなくなるので、切れ味の落ちるのが早くなります。逆に、接触が強すぎると、相互の摩耗が早く進んで、刈り上がりに悪影響が出やすくなります。

   Note: eFlex では、カッティングユニットの刃合わせ調整が電力消費に大きな影響を与えます。刈り込みの品質、およびバッテリーの使用時間のいずれについても、ごく軽い刃合わせをお奨めします。

   Note: ベッドナイフとリール刃は継続的に接触しているので、使用期間が長くなるとベッドナイフの全長にわたり、切先部に小さなバリが出来てきます。時々ヤスリでこのバリを取り除いてやると切れ味が向上します。ベッドナイフは、長期間使用しているうちにリールに削られ、リールの端部と接触する縁の部分が角張ってきます。この角張った部分はヤスリで削り落としてください。.

カッティングユニットには6種類のクリップ設定があり、ターフのコンディションに合わせて適当な設定を選びます。まず、刈高に一番近いクリップに設定し、刈り上がりを見てそれよりも上、または下というふうに設定を変えてみることをお奨めします。

1. 以下の手順でマシンを停止させる：

   • ガソリンユニット：エンジンを停止させ、点火プラグのコードを外す。

   • 電動ユニット：マシンのスイッチをOFFにし、バッテリーコネクタ（T形ハンドル）を外す。

2. ベルトカバーを固定しているフランジボルトをゆるめてベルトカバーを外し、ベルトを露出させる(Figure 15)。

   

   Figure 15

   1. ベルトカバー

3. ベアリングハウジングのナットをゆるめる（Figure 16）。

   

   Figure 16

   1. ベアリングハウジングのナット
   2. リール駆動ベルト
   3. 圧縮スプリング

4. 16mm（インチ）のトルクレンチでベアリングハウジングを回転させ、自由に動くことを確認する。

5. 各ベルトを取り外す（Figure 16）。

6. Figure 17のデカルにある表を参考にして希望するクリップを決定し、そのクリップにセットするためにはどのプーリを移動させる必要があるかを調べる。

   Note: 各プーリには番号（22、24、25）がついている。希望するクリップ設定となるようにプーリを移動する。

   

   Figure 17

   1. クリップ設定（インチ）
   2. リールの刃数
   3. プーリの組み合わせ
   4. プーリのレイアウト

7. インチの六角レンチを使って、移動する必要のある各プーリの固定ねじ（2本）をゆるめる

8. 各プーリを外す。

9. 各プーリを、それぞれの新しい位置に取り付ける（Figure 17）。

   Note: 各プーリの固定ねじが、キーに合っていること、またシャフトの平たい面に当たっていることを確認する。

10. ねじを6.8～7.3 N（0.85～0.91kg.m = 60～65in-lb）にトルク締めする。

11. ベルトを取り付ける。

12. 圧縮スプリングからベルトに適切な力が掛かっていることを確認する（Figure 16）。

13. ベアリングハウジングのナットを締め付ける。

14. ベルトカバーを取り付ける。

バックラップは、カッティングユニットをトラクションユニットにとりつけたままでも、トラクションユニットから完全に外した状態でも行うことができます。カッティングユニットをトラクションユニットに取り付けたままで行う場合には、リールブレーキの磨耗を減らすために、トラクションユニットとカッティングユニットを接続している六角駆動シャフトカップルをカッティングユニットから外してください。バックラップは以下の手順で行います：

1. 平らな、汚れのない場所に駐車する。

2. 以下の手順でマシンを停止させる：

   • ガソリンユニット：エンジンを停止させ、点火プラグのコードを外す。

   • 電動ユニット：マシンのスイッチをOFFにし、バッテリーコネクタを外す（T字コネクタ）。

3. 駐車ブレーキを掛ける。

4. バックラップ装置をカッティングユニットに接続します：これは、カッティングユニット左側にあるリールプーリの出力シャフトに インチのソケットを入れて行います。

   Note: さらに詳しい説明が、「Toro リール/ロータリー･モアのための研磨マニュアル（Form No. 80-300PT）」に掲載されています。

   Note: バックラップが終わったら、ベッドナイフの前端に軽くヤスリ掛けを行ってください。これによりベッドナイフ前端に形成されたバリを取り除きます。このとき刃先を削らないように注意してください。刃先から完全にバリを取り除くためには、非常に軽い感覚のヤスリ掛けが必要です。

   Note: カッティングユニットをトラクションユニットにとりつけたままでバックラップを行った場合には、作業後に、トラクションユニットとカッティングユニットを接続する六角駆動シャフトカップルを忘れずに取り付けてください。