保守
Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。
推奨される定期整備作業
整備間隔 | 整備手順 |
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使用開始後最初の 5 時間 |
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使用するごとまたは毎日 |
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使用後毎回 |
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25運転時間ごと |
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100運転時間ごと |
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200運転時間ごと |
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長期保管前 |
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注意
始動キーをつけたままにしておくと、誰でもいつでもエンジンを始動させることができ、危険である。
整備・調整作業の前には必ずエンジンを停止し、キーを抜いておくこと。点火コードが点火プラグに触れないように十分離しておくこと。
整備前に行う作業
運転席を倒すには
駐車ブレーキを掛け、運転席を前に倒します。
これにより、以下の機器に楽に手が届くようになります:
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銘板
-
整備用ステッカー
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座席調整ボルト
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燃料フィルタ
-
バッテリーとバッテリーケーブル
機体の前側を浮かす場合
マシンの前端をジャッキで持ち上げる必要がある場合は、図 24に示すように一番前のエッジ部分を使ってください。
Important: これは、ジャッキアップした時にステアリング部分を破損させないようにするためです。

潤滑
エンジンの整備
エアクリーナの整備
Note: ほこりのひどい場所で使用する場合は、より頻繁に(数時間ごとに)エアクリーナの整備を行ってください。
エレメントの取り外し
スポンジエレメントの整備
整備間隔 | 整備手順 |
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25運転時間ごと |
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100運転時間ごと |
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スポンジエレメントは水洗いし、必要に応じて交換する。
ペーパーエレメントの整備
整備間隔 | 整備手順 |
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100運転時間ごと |
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200運転時間ごと |
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堅い平らな面の上でエレメントを軽く叩いて汚れを落とす。
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破れ、油汚れ、シールの傷がないか点検する。
Important: ペーパーエレメントは水や石油などで洗ったり、エア吹きしたりしないでください。破れたり汚れが十分に落ちなくなったペーパーエレメントは交換してください。
エンジンオイルについて
オイルのタイプ: 洗浄性オイル(API 規格 SF, SG, SH, SJ またはSL)
クランクケースのオイル容量: 2.4 リットル
粘度: 下の表を参照してください。

エンジンオイルの量を点検する
整備間隔 | 整備手順 |
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使用するごとまたは毎日 |
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Note: エンジンが冷えている状態で点検してください。
警告
高温部に触れると非常に危険である。
手足や顔や衣服を回転部やマフラなどの高温部に近づけないよう十分注意すること。
Important: オイルの入れすぎは、かえってエンジンを傷めます。また、オイル量が下限マークより少ない状態でエンジンを作動させないでください。エンジンを傷めます。
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平らな場所に駐車し、ブレードスイッチを OFF にし、エンジンを停止させ、駐車ブレーキを掛けてキーを抜き取る。
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エンジンが停止しており、水平であり、停止後にオイルがエンジンに戻る十分な時間が経過してエンジンが冷えていることを確認する。
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エンジン内部に異物が入らないように、オイルキャップやディップスティックの周囲をきれいにする(図 30)。

エンジンオイルとフィルタの交換
整備間隔 | 整備手順 |
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使用開始後最初の 5 時間 |
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100運転時間ごと |
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Note: 廃油はリサイクルセンターに持ち込むなど適切な方法で処分してください。
点火プラグの整備
整備間隔 | 整備手順 |
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100運転時間ごと |
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200運転時間ごと |
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電極間のエアギャップを正しく調整しておいてください。取り付け、取り外しには必ず専用のレンチを使い、エアギャップの点検調整にはすきまゲージやギャップ調整工具などを使ってください。必要に応じて新しい点火プラグと交換してください。
タイプ : Champion® RN9YC または NGK® BPR6ES
エアギャップ:0.76mm
点火プラグの取り外し
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PTOを解除し、駐車ブレーキを掛ける。
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エンジンを停止させ、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してから運転位置を離れる。
Note: 点火プラグの周囲の溝が非常に深いので、圧縮空気を吹き付けて清掃するのが最も効率的です。また、ブロアハウジングを取り外したときに点火プラグの点検を行うのが最も容易です。
点火プラグの点検
Important: 点火プラグは清掃しないでください。黒い汚れ、電極の磨耗、油膜、亀裂などがあれば新しいものと交換してください。
絶縁体部がうす茶色や灰色なら適正、碍子が黒くなっているのは不完全燃焼である(エアクリーナの汚れが原因であることが多い)。
すきまを 0.76mm に調整する。

点火プラグの取り付け
点火プラグを25~30N·m(2.5~3.0kg.m = 18.5~22.1ft-lb)にトルク締めする。

冷却系統の清掃
整備間隔 | 整備手順 |
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使用するごとまたは毎日 |
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毎回、運転前にエアインテークのスクリーンについている刈りかすやごみを取り除いてください。
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ブレードスイッチを解除し、駐車ブレーキを掛ける。
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エンジンを停止させ、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してから運転位置を離れる。
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エンジンからエアフィルタを外す。
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エンジンのシュラウドを取り外す。
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エアインテークに異物が入らないように、フィルタベースにフィルタを取り付ける。
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これらについている汚れを除去する。
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エンジンからエアフィルタを外し、シュラウドを取り付ける。
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エアフィルタを取り付ける。
燃料系統の整備
危険
ガソリンは非常に引火・爆発しやすい物質である。発火したり爆発したりすると、やけどや火災などを引き起こす。
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燃料系統に関わる作業は、エンジンが冷えている状態で行うこと。この作業は必ず屋外の広い場所で行う。こぼれたガソリンはふき取る。
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ガソリン取り扱い中は禁煙を厳守し、火花や炎を絶対に近づけない。
インライン燃料フィルタの交換
整備間隔 | 整備手順 |
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100運転時間ごと |
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200運転時間ごと |
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汚れているフィルタを再取り付けするのは絶対にやめてください。
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平らな場所に駐車し、ブレードコントロールスイッチを切る。
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運転位置を離れる前に、エンジンを停止し、キーを抜き取り、可動部が完全に停止したのを確認する。
電気系統の整備
警告
バッテリーの電極部や端子などの部分には鉛や鉛含有物質が含まれており、カリフォルニア州では、これらの物質が癌や先天性異常の原因となるとされている。取り扱い後は手を洗うこと。
バッテリーを充電する
バッテリーの取り外し
警告
バッテリーの端子に金属製品や車体の金属部分が触れるとショートを起こして火花が発生する。 それによって水素ガスが爆発を起こし人身事故に至る恐れがある。
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バッテリーの取り外しや取り付けを行うときには、端子と金属を接触させないように注意する。
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バッテリーの端子と金属を接触させない。
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平らな場所に駐車し、ブレードコントロールスイッチを切る。
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運転位置を離れる前に、エンジンを停止し、キーを抜き取り、可動部が完全に停止したのを確認する。
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バッテリーに対する作業ができるように運転席を倒す。
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バッテリー端子からマイナスケーブル(黒)を外す(図 38)。ねじ類はすべて保管しておく。
警告
バッテリーケーブルの接続手順が不適切であるとケーブルがショートを起こして火花が発生する。それによって水素ガスが爆発を起こし人身事故に至る恐れがある。
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ケーブルを取り外す時は、必ずマイナス(黒)ケーブルから取り外す。
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ケーブルを取り付ける時は、必ずプラス(赤)ケーブルから取り付け、それからマイナス(黒)ケーブルを取り付ける。
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-
プラス(赤)ケーブルのゴムカバーを外す。バッテリー端子からプラス(赤)ケーブルを外す (図 38)。ねじ類はすべて保管しておく。
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バッテリー押さえを外して、バッテリートレイからバッテリーを取り出す(図 38)。
バッテリーを充電する
整備間隔 | 整備手順 |
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長期保管前 |
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シャーシからバッテリーを取り外す;バッテリーの取り外しを参照。
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1~6 Aで少なくとも1時間充電する。
Important: 充電しすぎないように注意すること。
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充電が終わったら、チャージャのプラグをコンセントから抜いてから、チャージャのリード線をバッテリー端子から外す()図 39。
ヒューズの整備
機械の電気回路を保護するためにヒューズを使用していますが、ヒューズに関する整備は何もありません。但し、万一ヒューズが飛んだ場合には、配線がショートしていないか点検してください。
ヒューズのタイプ:
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メイン:F1-30 A、ブレードタイプ
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充電回路:F2-25 A、ブレードタイプ
走行系統の整備
タイヤ空気圧を点検する
整備間隔 | 整備手順 |
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25運転時間ごと |
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前後のタイヤとも規定値に調整して運転してください。タイヤ空気圧がそろっていないと、刈り上がりもそろわなくなります。空気圧は空気バルブ(図 41)で測定してください。測定はタイヤが冷えている状態で行うのがベストです。
キャスタホイールの空気圧は、タイヤメーカーの推奨値(タイヤ側面に記載されています)にしたがってください。
後輪(駆動輪)の空気圧は、90 kPa (13 psi)としてください。

刈り込みデッキの保守
ブレードの整備
芝草を引き裂いたり引きちぎったりせずにきれいな刈り込みができるように、シーズンを通じて鋭利な刃先と刃のバランスを維持するようにしましょう。切れ味の悪い刃先は芝草を引きちぎるので、切り口が茶色に変色し、芝草の成長を悪くし、また病気にもかかりやすくなります。
刈り込みブレードは磨耗や破損が発生していないか毎回点検してください。必要に応じてやすりなどで当たり傷などを修正し、刃先を鋭利に研いでください。ブレードが破損したり磨耗したりした場合には、直ちに交換してください;トロの純正ブレードを使ってください。2本のブレードを用意して交互に使用すると便利です。
警告
磨耗の進んだブレードや破損したブレードは、回転中にちぎれて飛び出す場合があり、これが起こるとオペレータや周囲の人間に多大の危険を及ぼし、最悪の場合には死亡事故となる。
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ブレードが磨耗や破損していないか定期的に点検すること。
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磨耗したり破損したりしたブレードは交換してください。
ブレードの点検や整備にかかる前に
平らな場所に駐車し、ブレードスイッチを解除し、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止し、キーを抜き取る。
ブレードの点検
ブレードの変形を調べる
Note: 以下の点検は、平らな床面にマシンを駐車した状態で行う必要があります。
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刈り込みデッキを、一番高い刈高(移動走行を行うときと同じ高さ)にセットする。
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厚手の丈夫な手袋をはめるなどして確実に保護した手で、ブレードをゆっくり回転させ、適当な位置で、刃先から床面までの距離を測定する(図 44)。
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刃の先端から平らな床面までの距離を測る(図 45)。
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同じブレードを180度回転させる。すなわち、ブレードのもう一方の刃先が、先ほど測定した場所と同じ位置にくるようにする(図 46)。
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刃の先端から平らな床面までの距離を測る(図 47)。
Note: 二つの測定値の差が 3mm 以内であれば適正である。
警告
曲がったり割れたりしたブレードの一部がデッキから飛び出すと、周囲の人に大けがをさせたり死亡させるなど極めて危険な事故のもととなる。
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曲がったり破損したりしたブレードは、必ず新しいものに交換する。
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ブレードの表面や縁にヤスリなどで鋭利な溝を作ったりしないこと。
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各ブレードについて上記の検査を行う。
ブレードの取り外し
ブレードが堅いものに当たった、バランスが取れていない、磨耗した、曲がったなどの場合には新しいものと交換する必要があります。いつも最高の性能を維持し、安全を確保するために、交換用の刈り込み刃(ブレード)は必ず Toro の純正部品をご使用ください。他社のブレードを使用すると安全規格に適合しなくなる可能性があります。
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ぼろきれや厚いパッドの入った手袋を使ってブレードの端部をしっかり握る。
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スピンドルのシャフトからブレードボルト、湾曲ワッシャ、ブレードを取り外す(図 48)。
ブレードの研磨
デッキの水平調整
デッキを取り付けた直後や、刈り上がりが揃っていないときには、デッキが水平に取り付けられているかどうかを点検してください。
デッキの水平調整を行う前に、ブレードが曲がっていないか点検してください;曲がっているブレードは交換してください。ブレードの変形を調べるを参照し、必要な作業を行ってから先へ進んでください。
デッキの前後の調整を行う前に、左右の水平調整を行ってください。
必要条件:
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平らな場所に駐車すること。
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タイヤが4本ともすべて正しい空気圧に調整されていること。タイヤ空気圧を点検するを参照。
左右の水平調整
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平らな場所に駐車し、ブレードコントロールスイッチを切る。
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運転位置を離れる前に、エンジンを停止し、キーを抜き取り、可動部が完全に停止したのを確認する。
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刈高レバーを、中くらいの刈高に合わせる。
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注意深くブレードを回転させて、全部のブレードが左右方向を向くようにする(図 51と図 52)。
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外側の刃先と平らな床面との距離を測定する(図 51と図 52)。
Note: 2ヶ所の測定値の差が 5mm 以内でない場合には、調整が必要であるから、以下の作業を行う。
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車両の左側に移動して、
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サイドのロッキングナットをゆるめる。
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後部ナットを回転させてデッキの左側の高さを調整する(図 53)。
Note: 後部ナットを右に回すとデッキが上昇し、左へ回すと下降します(図 53)。
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左右の高さをもう一度点検する。適正になるまでこの調整を繰り返す。
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次に、デッキの前後調整に進む;デッキの前後調整を参照のこと。
デッキの前後調整
刈り込みデッキを取り付けた場合には、必ずこの前後調整を点検してください。デッキの後部の高さと前部の高さを比較します。前部の方が 7.9 mm 以上低くなっている場合には、以下の手順によって前後の傾きを調整する必要があります。
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平らな場所に駐車し、ブレードコントロールスイッチを切る。
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運転位置を離れる前に、エンジンを停止し、キーを抜き取り、可動部が完全に停止したのを確認する。
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刈高レバーを、中くらいの刈高に合わせる。
Note: この作業を実施する前に、デッキの左右の水平調整が終わっている必要があります;左右の水平調整を参照。
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注意深くブレードを回転させて、ブレードを前後方向に向ける(図 54と図 55)。
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前方のブレードの前端の刃先から平らな床面までの距離を測定する。同様に、後方のブレードの後端の刃先から平らな床面までの距離を測定する(図 54と図 55)。
Note: 前端での刃先の高さが、後端での高さよりも低く、その差が 1.6~7.9mm 以内であれば適正である。この範囲にない場合には前部ロックナットを調整する。
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調整は、デッキの前面にある前部ロックナットを回して行う(図 56)。
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デッキ前部を高くするには、調整ナットを締める。
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デッキ前部を低くするには、調整ナットをゆるめる。
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調整ができたら、もう一度前後の傾きをチェックし、傾きが適正になるまで(前端での刃先の高さが後端での高さよりも 1.6~7.9mm 低い)前部ロックナットでの調整を続ける(図 54 と 図 55)。
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前後の傾きを正しく調整できたら、もう一度水平調整を点検する;左右の水平調整を参照。
刈り込みデッキの取り外し
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平らな場所に駐車し、ブレードコントロールスイッチを切る。
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運転位置を離れる前に、エンジンを停止し、キーを抜き取り、可動部が完全に停止したのを確認する。
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刈高レバーを一番低い刈高にセットする。
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前サポートロッドについているヘアピンコッターを抜き取り、デッキブラケットからロッドを取り外す(図 57)。刈り込みデッキの前部を、注意深く、床面に降ろす。
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刈り込みデッキハンドルを使ってデッキとハンガーブラケットを持ち上げて後部昇降ロッドをかわし、ふたたび注意深くデッキを床面に降ろす(図 58 と 図 60)。
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デッキを後ろにずらして、エンジンプーリから刈り込みベルトを取り外す。
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機体下から刈り込みデッキを引き出す。
Note: 外した部材やねじ類は今後のために保管する。
刈り込みベルトの保守
ベルトの点検
整備間隔 | 整備手順 |
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25運転時間ごと |
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ベルトに割れ、縁のほつれ、焼けなどの損傷がないか点検してください。破損したベルトは新しいものに交換してください。
刈り込みデッキベルトの交換
ベルトが回転するときにきしみ音がする、刈り込み中にベルトが滑ってブレードが回らない、ベルトの縁がほつれている、焼けた跡がある、割れているなどは刈り込みベルトの磨耗の症状です。これらの兆候を発見したらベルトを交換してください。
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平らな場所に駐車し、ブレードコントロールスイッチを切る。
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運転位置を離れる前に、エンジンを停止し、キーを抜き取り、可動部が完全に停止したのを確認する。
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刈高レバーを一番低い刈高(38mm)にセットする。
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プーリカバーを取り外す(図 59)。
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スプリング取り外し工具(Toro P/N 92-5771)を用いて、デッキのフックからアイドラスプリングを取り外してスプリングのテンションをなくし、プーリからベルトを取り外す(図 60と図 61)。
警告
スプリングには強い張力がかかっており、不用意に取り外すと怪我をする。
ベルトの取り外しは十分に注意深く行うこと。
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スプリング取り外し工具(Toro P/N 92-5771)を用いて、デッキのフックにアイドラスプリングを取り付けてスプリングにテンションを掛ける。これによりアイドラプーリとベルトが強く張る(図 60と図 61)。
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プーリカバーを取り外す(図 59)。
刈り込みデッキの取り付け
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平らな場所に駐車し、ブレードコントロールスイッチを切る。
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運転位置を離れる前に、エンジンを停止し、キーを抜き取り、可動部が完全に停止したのを確認する。
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機体下に刈り込みデッキを押し入れる。
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刈高レバーを一番低い刈高にセットする。
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デッキ後部を持ち上げ、ハンガーブラケットを後部昇降ロッドに取り付ける(図 58)。
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前部のサポートロッドをデッキに取り付け、クレビスピンとヘアピンコッターで固定する(図 57)。
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刈り込みベルトをエンジンプーリに掛ける;刈り込みデッキベルトの交換を参照。
デフレクタの交換
整備間隔 | 整備手順 |
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使用するごとまたは毎日 |
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警告
排出口がデフレクタなどで覆われていないと、デッキから異物が飛び出して人に当たる恐れがあり、このようなことが実際におこると深刻な人身事故になりかねない。また、ブレードに触れて大怪我をする可能性もある。
芝刈り機は、必ず、マルチプレート、デフレクタ、または集草装置を取り付けて使用すること。
使用する前に毎回、デフレクタが破損していないか点検してください。破損している部品はすべて使用前に交換してください。
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デフレクタブラケットのノッチからスプリングを外し、デッキに溶接してあるブラケット、スプリング、デフレクタを貫通しているロッドを抜き出す(図 62)。破損または摩耗しているデフレクタを取り外す。
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新しいデフレクタを図 63のように、デッキのブラケットの両端にセットする。
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ロッドのまっすぐな端部にスプリングを取り付ける。
Note: 図 62に示すようにスプリングをロッドに取り付けてください。すなわち、スプリングの短い方の端部がロッドの下側から出てきて、ロッドの曲がり部分に上から掛かります。
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スプリングのもう一方の端部を、デフレクタブラケットのノッチに引っ掛ける(図 63)。
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ロッド&スプリングアセンブリを、回転させてロッドの短い端部がデッキに溶接されている前ブラケットの裏側に来るようにする(図 58)。
Important: デフレクタがスプリングによって下向き位置になることが必要です。デフレクタを手で上位置に持ち上げ、手を離すと自然に下位置になることを確認する。
デフレクタの交換
整備間隔 | 整備手順 |
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使用するごとまたは毎日 |
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警告
排出口がデフレクタなどで覆われていないと、デッキから異物が飛び出して人に当たる恐れがあり、このようなことが実際におこると深刻な人身事故になる。また、ブレードに触れて大怪我をする可能性もある。
必ず、デフレクタ、排出部カバーまたは集草装置を取り付けて運転すること。
使用する前に毎回、デフレクタが破損していないか点検してください。破損している部品はすべて使用前に交換してください。
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デッキの下側にあるロッド固定ナット(⅜ インチ)を取り外す(図 64)。
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ロッドを、短い取り付け部から抜き取ると、スプリングとデフレクタが外れてくる(図 64)。
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破損または古くなっているデフレクタを取り外す。
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デフレクタを交換する (図 64)。
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ブラケット後部にあるブラケットに、ロッドの真っ直ぐな側を通す。
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2つのブラケットの間で、ロッドにスプリングを通す(スプリング端からでている針金が下向きになるように)。
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2つ目のブラケットに、ロッドを通す(図 64)。
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デフレクタに通したロッドを、デッキについている短い取り付け部に差し込む。
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ロッド後部をデッキに差し込み、ナット(⅜ インチ)で図 64のように固定する。
Important: デフレクタがスプリングによって下向き位置になることが必要です。デフレクタを手で上位置に持ち上げ、手を離すと自然に下位置になることを確認してください。
洗浄
機体前部の裏側の清掃
整備間隔 | 整備手順 |
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使用後毎回 |
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機体前部の裏側にこびりついている汚れを圧縮空気、またはブラシなどで除去する(図 65)。
Note: この清掃には水を使用しないでください。水を使うと汚れが固まってしまいます。

デッキ内側の清掃
整備間隔 | 整備手順 |
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使用後毎回 |
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Important: 機体は中性洗剤と水で洗うことができます。ただし高圧洗浄器は使用しないでください。また、コントロールパネル、運転席の下、エンジンのまわり、油圧ポンプ、モータに大量の水が掛からないように注意してください。
刈り込み作業が終わったら、毎回、デッキの内側をきれいに洗浄してください。この部分に刈りかすがこびりついて固まるとマルチングや刈りかすの排出がきれいにおこなわれなくなります。
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平らな場所に駐車し、ブレードコントロールスイッチを切る。
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運転位置を離れる前に、エンジンを停止し、キーを抜き取り、可動部が完全に停止したのを確認する。
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デッキ後部についている洗浄用フィッティングに、ホースのカップリングを接続し、水道栓を全開にする(図 66)。
Note: 洗浄用フィッティングにカップリングが滑らかに入るように、またOリングが破損しないように、フィッティング部分にワセリンなどを塗ってください。
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刈り込みデッキを、一番低い刈高にセットする。
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着席し、エンジンを始動させる。ブレードコントロールスイッチを入れ、ブレードを1~3分間程度回転させる。
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ブレードコントロールスイッチを切り、エンジンを停止してキーを抜き取る。すべての動作が停止するのを待つ。
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水道栓を閉め、カップリングを外す。
Note: 一回の洗浄でデッキ内部が十分にきれいにならない場合には、水にぬらしたままで30分程度放置し、そしてその後にもう一度、洗浄を行ってください。
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水道栓を閉じた後、もう一度ブレードを回転させて(1~3分間)、水を吹き飛ばす。
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ブレードの回転を止める。
警告
洗浄用フィッティングが破損していたり、外れてなくなっていたりすると、そこから異物が飛び出してきたり、ブレードに直接接触するなどの危険が出てくる。ブレードに触れたり、飛び出してくる異物に当たると大けがをする。最悪の場合は死亡事故になる。
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洗浄用フィッティングがなくなっていたり、破損していたりしたら、機械を使用する前に、すぐに新しいフィッティングを取り付けること。
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刈り込みデッキの下や、刈り込みデッキに開いている穴には絶対に手足を差し入れないこと。
-