保守
Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。
Important: エンジンの整備に関しての詳細は、付属のエンジンマニュアルを参照してください。
注意
始動キーをつけたままにしておくと、誰でもいつでもエンジンを始動させることができ、危険である。
整備・調整作業の前には必ず始動スイッチからキーを抜きとり、点火プラグ装着車の場合は、念のために点火プラグのコードを外しておくこと。点火コードが絶対に点火プラグと触れることのないよう、確実に隔離すること。
警告
適切な保守整備を行わないと車両が故障・破損したり、搭乗者や周囲の人間まで巻き込む人身事故を起こす恐れがある。
マニュアルに記載された作業を行って、マシンをいつも適切な状態に維持することが重要である。
推奨される定期整備作業
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
使用開始後最初の 8 時間 |
|
使用開始後最初の 50 時間 |
|
使用するごとまたは毎日 |
|
25運転時間ごと |
|
50運転時間ごと |
|
100運転時間ごと |
|
200運転時間ごと |
|
400運転時間ごと |
|
500運転時間ごと |
|
1500運転時間ごと |
|
1年ごと |
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1年ごとまたは長期保管前 |
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2年ごと |
|
整備前に行う作業
シリンダロックの使い方
警告
ローダアームが下がって人に当たると非常に危険である。
ローダーアームを上げたままで作業する必要がある場合は、必ず作業を開始する前にロックを掛けておく。
シリンダロックのかけ方
-
アタッチメントを取り外す。
-
アームを一番高い位置に上昇させる。
-
エンジンを止め、キーを抜き取る。
-
シリンダロックをマシン側部の柱に固定しているピン(2本)を取り外す。
-
各昇降シリンダロッドにシリンダロックをはめる(図 33)。
-
機体の反対側でも、ステップ4 と 5 を行う。
-
ゆっくりとローダーアームを降ろす;シリンダロックにシリンダのボディとロッド端部が当たるまで降ろす。
シリンダロックの取り外しと収納
Important: マシンを使用する前に、シリンダロックをロッドから外して、確実に収納してください。
-
エンジンを掛ける。
-
アームを一番高い位置に上昇させる。
-
エンジンを止め、キーを抜き取る。
-
シリンダロックを固定しているピンを取り外す。
-
シリンダロックをマシン側部の柱にセットして、ピンで固定する。
-
アームを下降させる。
内部の機器へのアクセス
警告
エンジンを作動させたままでカバーやフードやスクリーンを開けると可動部に触れて大けがをする恐れがある。
カバーやフードやスクリーンを開く時は、必ず、エンジンを停止してキーを抜き取り、エンジンが冷えのを待つこと。
サイドスクリーンの外し方
-
フードを上げ、支持棒で支える。
-
サイドスクリーンを上にスライドさせて(図 37)前スクリーンとフレームのスロットから外す。
フロントスクリーンの取り外し方
-
フードを上げ、支持棒で支える。
-
上ボルト(2本)と前ボルト(2本)をゆるめる。
-
スクリーンを取り外す。
前カバーの取り外し
-
前カバーから、上ボルト(⅜" x 5")2本、ワッシャ 4 枚、下ボルト(5/16" x ⅝")2本をを取り外す。
-
前カバーを取り外す。
潤滑
エンジンの整備
エアクリーナの整備
整備間隔 | 整備手順 |
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使用するごとまたは毎日 |
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25運転時間ごと |
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エアクリーナのカバーとボディの整備
Important: エアクリーナのフィルタの交換は、インジケータが赤色になってから行ってください(図 43)。早めに整備を行っても意味がありません。むしろフィルタを外したときにエンジン内部に異物を入れてしまう危険が大きくなります。
-
平らな場所に駐車し、駐車ブレーキ(搭載車では)を掛け、ローダーアームを下げる。
-
エンジンを止め、キーを抜き取る。
-
フードを開けて支持棒(が付いている場合はそれ)で支える。
-
エアクリーナ本体にリーク原因となる傷がないか点検する。吸気部全体について、リーク、破損、ホースのゆるみなどを点検してください。
破損しているものは修理または交換してください。
-
エアクリーナのラッチを外し、ボディーからカバーを抜き出す(図 43)。
Important: エアフィルタは外さない。
-
ダストカップ側をひねって開き、内部にあるゴミを捨てる。
-
エアフィルタカバーの内部を圧縮空気(205 kPa (30 psi) 以下)できれいに清掃する。
-
整備時期インジケータを確認する。
フィルタの交換
Important: エンジンを保護するため、必ずエアフィルタを取り付け、カバーをつけて運転してください。
-
エアクリーナのボディーから、フィルタをしずかに引き出す (図 43)。
Note: ボディの側面にフィルタをぶつけないように注意すること。
Important: フィルタは清掃しないでください。
-
フィルタに破れや油汚れがないか、ゴムシールに傷がないか点検する。明るい電球などにフィルタをかざして、フィルタに傷がないか点検する;傷がある場合はその部分が明るく抜けて見える。
破損しているフィルタは使用しない。
-
注意深くフィルタを取り付ける(図 43)。
Note: 取り付ける時、一次フィルタの外側リムをしっかり押さえて確実に装着してください。
Important: フィルタの真ん中(柔らかい部分)を持たないでください。
-
ダストキャップを下に向けてエアクリーナカバーを正しく取り付け、ラッチを掛ける(図 43)。
-
フードを閉じる。
エンジンオイルについて
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
使用開始後最初の 50 時間 |
|
使用するごとまたは毎日 |
|
100運転時間ごと |
|
200運転時間ごと |
|
オイルの種類:洗浄性オイル(API 規格 CH-4 またはそれ以上)
クランクケースの容量:フィルタを含めて 5.7 リットル
粘度: 下の表を参照してください。
エンジンオイルの量を点検する
エンジンオイルの交換
-
エンジンを始動し、5 分間程度運転する。
Note: オイルが温まって排出しやすくなります。
-
平らな場所に駐車する。
-
ローダーアームを上昇させ、シリンダロックを取り付ける;シリンダロックのかけ方を参照。
-
駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止させ、キーを抜き取る。
-
プラットフォームの下からオイルを抜く(図 47)。
注意
エンジン停止直後は機器が高温になっている。不用意に触ると火傷を負う危険がある。
オイルやフィルタの交換時に高温部分に触れないように注意すること。
-
オイル補給口のキャップを取り、所要量の約 80% のオイルを、バルブカバーから入れる。
-
オイルの量を点検する。
-
ディップスティックの上の穴に達するまで補給口から残りのオイルをゆっくりと補給する。
-
キャップを取り付ける。
オイルフィルタの交換
-
ローダーアームを上昇させ、シリンダロックを取り付ける;シリンダロックのかけ方を参照。
-
駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止させ、キーを抜き取る。
-
前カバーを取り外す;前カバーの取り外しを参照。
-
エンジンからオイルを抜く;エンジンオイルの交換を参照。
-
フィルタの下に容器かウェスを置き、オイルを受けられるようにする。
-
オイルフィルタを交換する (図 48).
-
オイル補給口のキャップを取り、所要量の約 80% のオイルを、バルブカバーから入れる。
-
オイルの量を点検する。
-
ディップスティックの上の穴に達するまで補給口から残りのオイルをゆっくりと補給する。
-
キャップを取り付ける。
-
前カバーを取り付ける;前カバーの取り外しを参照。
燃料系統の整備
危険
燃料は非常に引火・爆発しやすい物質である。発火したり爆発したりすると、やけどや火災などを引き起こす。
燃料に関する注意事項の説明は燃料を補給する を参照してください。
燃料フィルタ・水セパレータからの水抜き
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
使用するごとまたは毎日 |
|
-
平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、ローダーアームを下げる。
-
エンジンを止め、キーを抜き取る。
-
後アクセスカバーを開く;後アクセスカバーの開け方を参照。
-
エンジン後方にある燃料フィルタ(図 49)を探し出し、その下に回収容器をおく。
-
燃料フィルタ下部にあるドレンプラグをゆるめ、流れ出てくる水や異物を回収する。
-
水や異物が全部出たらドレンバルブを締める。
-
後アクセスカバーを閉じて固定する。
燃料フィルタキャニスタとインラインフィルタの交換
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
400運転時間ごと |
|
-
平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、ローダーアームを下げる。
-
エンジンを止め、キーを抜き取る。
-
後アクセスカバーを開く;後アクセスカバーの開け方を参照。
-
エンジン右側にある燃料フィルタ(図 49)を探し出し、その下に汚れていない容器をおく。
-
フィルタ容器(図 49)の周辺をウェスできれいにぬぐう。
-
フィルタ容器を外して取り付け部をきれいに拭く(図 49)。
-
新しいフィルタのガスケットに薄くオイルを塗る。
-
フィルタ容器に燃料を入れる。
-
ガスケットが取り付け部に当るまで手でフィルタをねじ込み、そこからさらに 1/2 回転締め付ける(図 49)。
-
燃料フィルタ容器の左側にあるインラインフィルタ(図 49)を探し出し、フィルタの側面についている燃料の流れ方向を示す矢印の向きを確認する。
-
インラインフィルタの前後両方のクランプをゆるめて、フィルタをホースから外す(図 49)。 外したフィルタは廃棄する。
-
新しいフィルタにホースを接続する(図 49);フィルタについている矢印がエンジン(電気燃料ポンプ)の方を向くように取り付けること。
-
ホースクランプで、ホースをフィルタに固定する。
-
後アクセスカバーを閉じて固定する。
燃料ラインと接続の点検
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
400運転時間ごと |
|
燃料ラインやその接続部に劣化、破損、ゆるみなどが出ていないか点検してください。ゆるんでいる場合は締め付け、燃料ラインが破損している場合は代理店に連絡してください。
燃料系統からのエア抜き
以下の場合には、燃料システムからのエア抜きを実施する必要があります:
-
新しいエンジンを初めて始動する時
-
燃料切れでエンジンが停止した時
-
燃料系統の整備作業(例えばフィルタの交換)を行った後
-
キーを RUN 位置に回す。
-
エンジンを始動する前に、約 2 分間、燃料ポンプを作動させる。
燃料タンクの内部清掃
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
2年ごと |
|
燃料タンクの内部清掃は弊社代理店に依頼して行ってください。
電気系統の整備
バッテリーの整備
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
50運転時間ごと |
|
警告
カリフォルニア州
第65号決議による警告
米国カリフォルニア州では、この製品を使用した場合、ガンや先天性異常などを誘発する物質に触れる可能性があるとされております。
Important: 本機に溶接作業を行う時には、バッテリーのマイナスケーブルの接続を外してください。
警告
バッテリーケーブルの接続手順が不適切であるとケーブルがショートを起こして火花が発生する。それによって水素ガスが爆発を起こし人身事故に至る恐れがある。
-
ケーブルを取り外す時は、必ずマイナス(黒)ケーブルから取り外し、次にプラス(赤)ケーブルを外す。
-
ケーブルを取り付ける時は、必ずプラス(赤)ケーブルから取り付け、それからマイナス(黒)ケーブルを取り付ける。
警告
バッテリーの端子に金属製品や車体の金属部分が触れるとショートを起こして火花が発生する。それによって水素ガスが爆発を起こし人身事故に至る恐れがある。
-
バッテリーの取り外しや取り付けを行うときには、端子と金属部を接触させないように注意する。
-
バッテリーの端子と金属部を接触させない。
バッテリー遮断スイッチの使用方法
バッテリーの取り外し
-
平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、ローダーアームを下げる。
-
エンジンを止め、キーを抜き取る。
-
図 51のようにバッテリーを取り外す。
バッテリーを充電する
警告
充電中は爆発性のガスが発生する。
充電中は絶対禁煙を厳守。バッテリーに火気を近づけない。
Important: バッテリーはいつもフル充電状態にしておきましょう(液の比重が1.265になる)。特に氷点下で保管する場合にはこのことを守ってください。
-
車体からバッテリーを取り外す;バッテリーの取り外しを参照。
-
3-4 A で 4-8 時間、バッテリーを充電する(図 52)。充電しすぎないように注意すること。
-
充電が終わったら、チャージャのプラグをコンセントから抜いてから、チャージャのリード線をバッテリー端子から外す()図 52。
バッテリーの清掃
Note: 端子や周囲が汚れていると自然放電しますので、バッテリーが汚れないようにしてください。
-
平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、ローダーアームを下げる。
-
エンジンを止め、キーを抜き取る。
-
機体からバッテリーを外す:バッテリーの取り外し。
-
重曹と水でケース全体を洗う。
-
真水でケースを仕上げ洗いする。
-
腐食防止のために両方の端子部にワセリン(Grafo 112X: P/N 505-47)を薄く塗る。
-
バッテリーを取り付ける; バッテリーを取り付けるを参照。
バッテリーを取り付ける
図 53のようにバッテリーを取り付ける。
後付けしたバッテリーの整備
本機にもともと搭載されているバッテリーはメンテナンスフリータイプです。別のバッテリーに交換した場合は、そのバッテリーのメーカーの指示に従って整備してください。
救援バッテリーによるエンジンの始動
警告
高温部に触れると非常に危険である。
手足や顔や衣服を回転部やマフラなどの高温部に近づけないよう十分注意すること。
警告
救援中は爆発性のガスが発生する可能性がある。
バッテリーの近くでは禁煙を厳守し、バッテリーに火気を近づけないこと。
-
フードを開けて支持棒で支え、左側スクリーンを外す。
-
ジャンプ端子のカバーを外す(図 54)。
-
プラス(+)用のジャンプケーブルの一端を、ジャンプポストに接続する(図 54)。
-
プラス(+)用のジャンプケーブルの他端を、救援車のバッテリーのプラス(+)端子に接続する。
-
マイナス(-)用のジャンプケーブルの一端を、救援車のバッテリーのマイナス(-)端子につなぐ。
-
マイナス(-)用のジャンプケーブルの他端を、本機のアースポイント(例えば塗装されていないボルトやシャーシ部分)に接続する。
-
救援車のエンジンを始動する。エンジンを始動してから数分間待ち、それから救援される側のエンジンを始動する。
-
接続時とは逆の順序で救援ケーブルを外す。
-
ジャンプポストのカバーを取り付ける。
ヒューズの整備
機械の電気回路を保護するためにヒューズを使用しています。ヒューズに関する整備は何も必要ありません。但し、万一ヒューズが飛んだ場合には、配線がショートしていないか点検してください。図 55は、ヒューズブロック内の各ヒューズの位置を示します。
Note: 本機を始動できない場合、主回路またはコントロールパネル・リレーのヒューズが破損している可能性があります。
また、機体右側に、50 A のヒューズがあります。ローダーアームを上昇させ、シリンダロックを掛け、右側アクセスカバーを外すと、フレームのすぐ内側にヒューズがあります。
走行系統の整備
クローラの整備
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
使用開始後最初の 50 時間 |
|
使用するごとまたは毎日 |
|
100運転時間ごと |
|
クローラの洗浄
-
平らな場所に停車して駐車ブレーキを掛ける。
-
バケットを取り付けて下向きにした状態からバケットを地表面に押しつけてトラクションユニット前端を地表面から数 cm 浮かす。
-
エンジンを止め、キーを抜き取る。
-
圧力洗浄機または水道水(ホース)で左右のクローラ部分を洗浄する。
Important: 高圧洗浄器は、クローラ(キャタピラ)部分の清掃にのみ使用してください。トラクションユニットの他の部分の洗浄には高圧洗浄器を使用しないでください。駆動スプロケットとトラクションユニットの間に高圧洗浄機を使用しないでください。モータのシールを破損させる可能性があります。圧力洗浄器を使うと、電気系統や油圧バルブに水が浸入し、トラブルの原因となります。
Important: ロードホイール、前ホイール、駆動スプロケットも完全に洗浄してください (図 57)。洗浄されているロードホイールは自由に回転します。
クローラの張りの調整
テンションブロックがデカルの緑色のガイドに整列していること、またはテンションチューブのスロットの後端から 13 mm 離れていることを確認してください(図 58)。適正位置にない場合には、以下の調整を行います:
細幅クローラの交換
クローラの摩耗が進んでいる場合は交換してください。
Note: クローラの幅が 15.5 cm 未満であれば、それは細幅クローラです。
-
平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、ローダーアームを下げる。
-
エンジンを止め、キーを抜き取る。
-
トラクションユニットのうち、クローラを交換したい側を持ち上げてクローラを床から 7.6-10 cm 程度浮かせ、この状態で支持する。
-
ロッキングボルトとナットを外す(図 59)。
-
½" のドライブレンチを使用して、テンショニングねじを左にまわしてドライブテンションを解放する(図 59と図 60)。
-
後ボルト(駆動ホイールの近く)をゆるめる(図 60)。
Note: これにより駆動ホイールが前方に動くようになりクローラのテンションは解放されます。動かない時は、エンジンを掛けて走行コントロールで少しだけ前進させてください。
-
クローラを外す;前ホイールの上から始めて、クローラを前進方向に回転させながら、皮をむく要領で取り外す。
-
前ホイールからクローラがが外れたら、駆動スプロケットとロードホイールからもクローラを外す(図 60)。
-
駆動スプロケットからスタートして、新しいクローラをスプロケットに巻きつけるようにして取り付ける;クローラについている爪がスプロケットの溝にはまるように取り付けること(図 60)。
-
ロードホイールとロードホイールの間にクローラを押し込む(図 60)。
-
前ホイールの下側からスタートして、クローラを後退方向に回転させながらテンショニングホイールに取り付ける。
-
½" のドライブレンチを使用して、テンショニングねじを左にまわしてテンショニングねじを端まで移動させる(図 61)。
-
テンションねじのノッチのうち、ロッキングボルトの穴に一番近いノッチを穴に合わせ、ねじを溝をローラを適切な穴に合わせてセットし、シャフトを通してボルトとナットで固定する。
-
後ボルトを108-122 N·m(1.3-1.5 kg.m = 80-90 ft-lb)にトルク締めする。
-
機体を床面に降ろす。
-
もう一方のクローラも同じ要領で取り付ける。
-
エンジンを掛けて平らな場所に移動、駐車し、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止し、キーを抜き取る。
-
テンションねじが端まで来ていることを確認する
Note: 使用を開始するとクローラのテンションは多少ゆるくなります。
-
テンショニングねじを左に回して、テンションブロックをデカルの緑色のガイドに整列、またはテンションチューブのスロットの後端から 13 mm の距離にセットする;クローラの張りの調整を参照。
太幅クローラの交換
クローラの摩耗が進んでいる場合は交換してください。
Note: クローラの幅が 23 cm 以上であれば、それは太幅クローラです。
-
平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、ローダーアームを下げる。
-
エンジンを止め、キーを抜き取る。
-
交換したい側を持ち上げてクローラを床から 7.6-10 cm 程度浮かせ、この状態で支持する。
-
ロッキングボルトとナットを外す(図 59)。
-
1/2" のドライブレンチを使用して、テンショニングねじを左にまわしてドライブテンションを解放する(図 59と図 60)。
-
後ボルト(駆動ホイールの近く)をゆるめる(図 60)。
-
外側の前ホイールを固定しているナット外して右ホイールを取り外す(図 62)。
-
クローラを取り外す(図 62)。
-
外側ホイールそれぞれの左右それぞれの側から大きなワッシャ(各側1枚、合計2枚)を外す(図 62)。
-
ワッシャがついていた部分やホイールの内側にあるベアリングに残っている古いグリスや汚れをふき取り、これらの部分にグリスを詰める。
-
グリスの上から、大きいワッシャを取り付ける。
-
新しいクローラを取り付ける(図 62)。
Note: クローラのラグが、駆動スプロケットの真ん中にある2つのスペーサの間に嵌るように取り付けしてください 。
-
先ほど取り外したナットで、外側前ホイールを元通りに取り付ける(図 62)。
-
ナットを 407 N·m(42 kg.m=300 ft-lb.)にトルク締めする。
-
テンショニングねじを左にまわしてテンショニングねじを端まで移動させる。
-
テンションねじのノッチのうち、ロッキングボルトの穴に一番近いノッチを穴に合わせ、ねじを溝をローラを適切な穴に合わせてセットし、シャフトを通してボルトとナットで固定する。
-
後ボルトを108-122 N·m(1.3-1.5 kg.m = 80-90 ft-lb)にトルク締めする。
-
機体を床面に降ろす。
-
もう一方のクローラも同じ要領で取り付ける。
-
エンジンを掛けて平らな場所に移動、駐車し、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止し、キーを抜き取る。
-
テンションねじが端まで来ていることを確認する(図 61)。
Note: 使用を開始するとクローラのテンションは多少ゆるくなります。
-
テンショニングねじを左に回して、テンションブロックをデカルの緑色のガイドに整列、またはテンションチューブのスロットの後端から 13 mm の距離にセットする;クローラの張りの調整を参照。
冷却系統の整備
冷却系統の整備
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
使用するごとまたは毎日 |
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100運転時間ごと |
|
1年ごと |
|
危険
エンジン停止直後にラジエターのキャップを開けると、高温高圧の冷却液が吹き出してやけどを負う恐れがある。
-
エンジンが熱いうちはラジエターのふたを開けないこと。キャップを開ける時には、必ず、ラジエターが十分に冷えるまで15分ぐらい待ってから行うこと。
-
ラジエターや周囲の高温部分に触れないように注意すること。
-
キャップを開けるときはウェスなどを使い、高温の水蒸気を逃がしながらゆっくりと開けること。
危険
回転中のシャフトやファンは人身事故の原因となる。
-
マシンは、必ず安全カバー類を取り付けた状態で運転すること。
-
手、指、衣服などを、回転中のファンやシャフトに近づけないこと。
-
整備を行う前に、必ず平らな場所に駐車し、ローダーアームを降下させ、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止させてキーを抜き取る。
注意
エンジンの冷却液を飲み込むと中毒症状を起こす。
-
冷却液を飲まないこと。
-
冷却液は子供やペットが触れない場所に保管すること。
ラジエタースクリーンの清掃
使用前に毎回必ず、ラジエタースクリーン(プラットフォームの下)の点検と清掃を行ってください。圧縮空気を使って、スクリーンにたまった汚れを取り除いてください。
冷却液の量を点検する
冷却液は水とエチレングリコール不凍液の 50/50 混合液です。
-
平らな場所に駐車し、ローダーアームを降下させ、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止する。
-
エンジンのキーを抜き取ってエンジンが冷えるまで待つ。
-
補助タンクで冷却水の量を点検する(図 63)。
液量がタンクについているマーク以上であれば適正。
-
液量が不足している場合には、補助タンクのふたをとり、水とエチレングリコール不凍液の50/50 混合液を補給する。
Important: 補助タンクに入れすぎないように注意する。
-
補助タンクのキャップを取り付けて終了。
エンジンの冷却液の交換
毎年一回、弊社代理店に依頼して冷却水の交換を行ってください。
冷却を補給する場合は、冷却液の量を点検するを参照。
ブレーキの整備
駐車ブレーキのテストを行う
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
使用するごとまたは毎日 |
|
-
駐車ブレーキを掛ける;駐車ブレーキレバーを参照。
-
エンジンを掛ける。
-
マシンをゆっくりと前進または後退させる操作を行う。
-
トラクションユニットが動き出す場合には、弊社代理店に修理を依頼する。
ベルトの整備
オルタネータベルトの張りの点検
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
100運転時間ごと |
|
500運転時間ごと |
|
制御系統の整備
コントロール装置の調整
コントロール類は工場で調整済みですが、長期間にわたって使用しているうちにレバー類の整列、ニュートラル位置、全速前進時の直進状態などの調整が必要になることが考えられます。
詳細については弊社代理店におたずねください。
油圧系統の整備
油圧作動液の仕様
油圧オイルは以下の作動液のうちから選択してください:
-
トランスミッション/油圧装置用トロ・プレミアム・トラクタオイル(製品の詳細についは弊社代理店におたずねください)
-
オールシーズン用トロ・プレミアム油圧オイル(製品の詳細についは弊社代理店におたずねください)
-
上記製品のどちらも入手不可能な場合には、トラクタ用汎用油圧オイル(UTHF)に区分される製品をお使いいただけますが、必ず通常の石油系オイルをお選びください。以下に挙げる特性および産業規格をすべて満たしている必要があります。油圧オイルの性能や規格については専門業者にご相談ください。
Note: 不適切なオイルの使用による損害については弊社は責任を持ちかねますので、品質の確かな製品をお使い下さる様お願いいたします。
物性 粘度, ASTM D445 cSt at 40° C: 55-62 cSt at 100° C: 9.1-9.8 粘性インデックス: ASTM D2270 140–152 流動点, ASTM D97 -37 to -43°C 産業規格 API GL-4, AGCO Powerfluid 821 XL, Ford New Holland FNHA-2-C-201.00, Kubota UDT, John Deere J20C, Vickers 35VQ25, および Volvo WB-101/BM Note: 多くの油圧オイルはほとんど無色透明であり、そのためオイル洩れの発見が遅れがちです。油圧オイル用の着色剤(20ml 瓶)をお使いいただくと便利です。1瓶で 15-22 リットルのオイルに使用できます。ご注文は弊社代理店へ(パーツ番号は P/N 44-2500です)。
油圧オイルの量を点検する
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
25運転時間ごと |
|
油圧オイルタンクの容量:37.9 リットル
油圧オイルの種類については油圧作動液の仕様を参照のこと。
Important: 必ず所定の油圧オイルを使用してください。規格外のオイルは油圧系統を破損させる恐れがあります。
-
装着しているアタッチメントをすべて外す。
-
平らな場所に駐車する。
-
ローダーアームを上昇させ、シリンダロックを取り付ける。
-
エンジンを止め、キーを抜き取る。
-
フードを上げ、支持棒で支える。
-
右サイドスクリーンを取り外す。
-
油圧オイルタンクの注油口の周囲をきれいに拭く(図 64)。
-
油圧タンクの補給管のキャップを外し、ディップスティックで油量を点検する(図 65)。
Note: オイル量は、アームが降りている場合は 2 本のノッチの間、アームが上昇している場合は低い方のノッチの位置が適切。
-
油量が少なければ上マークまで補給する。
-
補給管のキャップを取り付ける。
-
サイドスクリーンを取り付ける。
-
フードを閉じる。
-
シリンダロックを外して所定場所に保管し、ローダーアームを下降させる。
油圧フィルタの交換
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
使用開始後最初の 8 時間 |
|
200運転時間ごと |
|
Important: 自動車用オイルフィルタを使用しないでください; 油圧系統に重大な損傷を起こすおそれがあります。
-
平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、ローダーアームを下げる。
-
エンジンを止め、キーを抜き取る。
-
フードを上げ、支持棒で支える。
-
フィルタの下に廃油受けを置いてフィルタを交換する(図 66)。
-
こぼれたオイルを拭き取る。
-
エンジンを始動して2分間運転し、システム内のエアをパージする。
-
エンジンを停止させ、オイル漏れがないか点検する。
警告
高圧で噴出する作動油は皮膚を貫通し、身体に重大な損傷を引き起こす。万一、油圧オイルが体内に入った場合には、この種の労働災害に経験のある施設で数時間以内に外科手術を受けないと壊疽(えそ)を起こす。
-
油圧のピンホールリークやノズルからは作動油が高圧で噴出しているので、絶対に手などを近づけない。
-
リークの点検には新聞紙やボール紙を使い、決して手で直接確かめない。
-
-
油圧オイルタンク内のオイル量を点検し(油圧オイルの量を点検するを参照)、不足している場合には、ディップスティックのマークまで油圧オイルを補給する。
Important: 入れすぎないように注意すること。
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フードを閉じる。
油圧オイルの交換
整備間隔 | 整備手順 |
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400運転時間ごと |
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平らな場所に駐車する。
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ローダーアームを上昇させ、シリンダロックを取り付ける。
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エンジンを止め、キーを抜き取り、エンジンが冷えるまで待つ。
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フードを上げ、支持棒で支える。
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右側スクリーンを取り外す;サイドスクリーンの外し方を参照。
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油圧オイルタンクのキャップとディップスティックを外す(図 67)。
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機体前部の下に、オイルを受ける大きな容器(57リットル以上)を置く(図 68)。
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ドレンプラグを抜き取り、排出されるオイルを容器に回収する(図 68)。
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オイルが完全に抜けたらドレンプラグを取り付けて締め付ける。
Note: 廃油はリサイクルセンターに持ち込むなど適切な方法で処分する。
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油圧オイルタンクに約 38 リットルの油圧オイルを入れる(先に説明した種類のオイルを使用のこと)。
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エンジンを始動し、数分間程度運転する。
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エンジンを停止する。
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油圧オイルの量を点検し、必要に応じてタンクに補給する; 油圧オイルの量を点検するを参照。
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フードを閉じる。
油圧ラインの点検
整備間隔 | 整備手順 |
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100運転時間ごと |
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1500運転時間ごと |
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警告
高圧で噴出する作動油は皮膚を貫通し、身体に重大な損傷を引き起こす。万一、油圧オイルが体内に入った場合には、この種の労働災害に経験のある施設で数時間以内に外科手術を受けないと壊疽(えそ)を起こす。
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油圧のピンホールリークやノズルからは作動油が高圧で噴出しているので、絶対に手などを近づけない。
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リークの点検には新聞紙やボール紙を使い、決して手で直接確かめない。
洗浄
よごれを落とす。
整備間隔 | 整備手順 |
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使用するごとまたは毎日 |
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Important: 冷却シュラウドを外して運転するとオーバーヒートしてエンジンが損傷します。
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平らな場所に駐車し、ローダーアームを降下させる。
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エンジンを止め、キーを抜き取り、エンジンが冷えるまで待つ。
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フードを上げ、支持棒で支える。
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前と両脇のスクリーンを清掃する。
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エアクリーナについた汚れはふき取る。
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エンジンやオイルクーラのフィンについている汚れをブラシやブロアで落とす。
Important: 冷却シュラウドを外して運転するとオーバーヒートしてエンジンが損傷します。
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フード、マフラー、防熱シールド、ラジエタースクリーン(など)を清掃する。
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フードを閉じる。
シャーシの清掃
整備間隔 | 整備手順 |
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100運転時間ごと |
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使用しつづけるうちにエンジン下のシャーシ部分にごみがたまってきますので除去してください。フードを開け、懐中電灯を使ってエンジンルームの下部を点検する。ごみの厚さが 2.5-5 cm ほどになっていたらシャーシの清掃を行う。
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平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、ローダーアームを下げる。
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機体の前端を持ち上げて機体を後方に傾ける。
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エンジンを止め、キーを抜き取る。
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ボトムプレートを固定しているボルト(2本)を外してボトムプレートを外す(図 69)。
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前スクリーンを取り外す;フロントスクリーンの取り外し方を参照。
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シャーシに水を掛けて内部のごみを除去する。
Note: シャーシに掛けた水は機体後部から排出されてきます。
Important: エンジンには水をかけないでください。
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機体のグリスアップを行う;グリスアップを行うを参照。
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ボトムプレートを取り付ける(図 69)。
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前スクリーンを取り付ける。
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機体をジャッキから下ろす。