保守
Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。
Important: エンジンの整備に関しての詳細は、付属のエンジンオペレーターズマニュアルを参照してください。
推奨される定期整備作業
整備間隔 | 整備手順 |
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After the first 50 operating hours |
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Before each use or daily |
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Every 25 hours |
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Every 100 hours |
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Every 200 hours |
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Every 600 hours |
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Before storage |
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潤滑
潤滑
定期的に、全部のベア リングとブッシュにNo.2汎用リチウム系グリスを注入します。整備時期は、30運転時間ごとですが、機体の洗浄を行った場合には必ずその直後に行ってください。悪条件下(ホコリの多い環境)では毎回グリスアップしてください。ベアリングやブッシュの内部に異物が入ると急激に磨耗が進行します。グリスアップ必要ヶ所は:ゲージホイールのベアリング;リールシャフトのベアリング;インペラシャフトのベアリング;ジャッキシャフトのベアリング;左右のトレーリングアーム です。
エンジンの整備
エアクリーナの整備
エアクリーナのハウジングにリーク原因となる傷がないか点検してください。破損していれば交換してください。吸気部全体について、リーク、破損、ホースのゆるみなどを点検してください。
エアフィルタの取り外し
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エンジンを停止させ、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してから運転位置を離れる。
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エアクリーナのカバーをボディーに固定しているラッチを外す。カバーと容器を分離する(Figure 14)。
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カバーの内部を圧縮空気できれいに清掃する。
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1次フィルタをゆっくり引き抜くようにしてエアクリーナのハウジングから外す(Figure 14)。
Note: ハウジングの側面にフィルタをぶつけないように注意すること。
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安全フィルタは、交換するとき以外は外さない。
Important: 安全フィルタは絶対に洗わないでください。安全フィルタが汚れている場合には、1次フィルタが破損しています。その場合には両方のフィルタを交換してください。
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フィルタの外側から照明を当てて1次フィルタの内側を点検し、傷などがないか確認する。フィルタに穴があいているとその部分が明るく見える。破損しているフィルタは捨てる。
1次エアフィルタの整備
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1次エアフィルタが汚れている、曲がっている、または破損している場合には交換する。
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1次フィルタは清掃しないこと。
安全エアフィルタの整備
Important: 安全エアフィルタは絶対に洗わないでください。安全エアフィルタが汚れている場合には、1次フィルタが破損しています。その場合には両方のフィルタを交換してください。
フィルタの取り付け
Important: エンジンを保護するため、必ず両方のエアフィルタを取り付け、カバーをつけて運転してください。
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新しいフィルタの場合は出荷時に破損するなどの傷がついていないか点検する。破損しているフィルタを使用しないこと。
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安全フィルタを交換する場合には、十分に注意しながら、フィルタのボディに挿入する(Figure 14)。
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1次フィルタをゆっくり押し込むようにして安全フィルタの上から取り付ける(Figure 14)。
Note: 1次フィルタの外側リムをしっかり押さえて確実に装着してください。
Important: フィルタの真ん中(柔らかい部分)を持たない。
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カバーについている異物逃がしポートを清掃する。カバーについているゴム製のアウトレットバルブを外し、内部を清掃して元通りに取り付ける。
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上下方向を確認、upと書いてある方を上に向けてエアクリーナカバーを正しく取り付け、ラッチを掛ける(Figure 14)。
エンジンオイルとフィルタの交換
Note: ほこりのひどい場所で使用する場合は、オイルもフィルタもより頻繁な交換が必要です。
オイルのタイプ:洗浄性オイル(API 規格 SJ, SK, SL, またはそれ以上)
クランクケースの容量:フィルタを含めて 1.9 リットル
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エンジンを始動し、5 分間程度運転する。これによりオイルが温まって排出しやすくなる。
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オイルが完全に抜けるように、排出口側がやや低くなるように駐車する。
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駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止し、キーを抜き取る。
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オイルドレンの下に廃油受けを置く。ドレンプラグを外して排出されるオイルを回収する(Figure 15)。
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オイルが完全に抜けたら、プラグを取り付ける。
Note: 廃油はリサイクルセンターに持ち込むなど適切な方法で処分する。
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フィルタの下に容器かウェスを置き、オイルを受けられるようにする。
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オイルフィルタを外し、フィルタのアダプタガスケットの表面をきれいに拭く。
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フィルタの中央の穴から新しいオイルを入れる。オイルがねじ山部分にきたら一旦停止する。
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フィルタがオイルを吸収するまで1~2 分間まち、吸収されなかった余分なオイルを出す。
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新しいフィルタのガスケットにオイルを薄く塗る。
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アダプタに新しいフィルタを取り付ける。ガスケットがアダプタに当たるまで手でねじ込み、そこから更に 1/2 回転増し締めする。締め付けすぎないように注意すること。
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オイルの量を点検する。
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ディップスティックのFULLマークに達するまで補給口から残りのオイルをゆっくりと補給する。
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キャップを元通りに取り付ける。
点火プラグの整備
取り付ける時には電極間のエアギャップを正しく調整しておいてください。取り付け、取り外しには必ず専用のレンチを使い、エアギャップの点検調整にはすきまゲージやギャップ調整工具などを使ってください。必要に応じて新しい点火プラグと交換してください。
タイプ:Champion RC12YC または同等品エアギャップ:0.76mm
点火プラグの取り外し
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エンジンを停止し、駐車ブレーキを掛け、キーを抜き取る。
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点火プラグのコードが抜けているのを確認する。
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点火プラグの周囲をきれいにする。
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プラグとワッシャを取り外す。
点火プラグの点検
点火プラグの取り付け
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点火プラグを取り付け穴に取り付ける。
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点火プラグを 27 N.m(20 ft-lb = 2.21 kg.m)にトルク締めする。
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点火コードを取り付ける。
エンジン外部の清掃
エンジンを適切に冷却できるように、吸気スクリーン、冷却フィンなど、エンジンの外部は常にきれいにしておいてください。
100運転時間ごとに(非常にほこりの多い悪条件下で運転している場合にはさらに短い間隔で)、ブロアハウジングや冷却シュラウドを取り外して清掃してください。冷却フィンを清掃し、必要に応じて外部の洗浄も行ってください。清掃後は、忘れずに冷却シュラウドを取り付けてください。
Note: スクリーンが詰まったままの状態や冷却フィンが汚れた状態、冷却シュラウドが汚れた状態などでエンジンを運転すると、オーバーヒートによってエンジンが破損する恐れがあります。
燃料系統の整備
燃料フィルタの交換
Important: 汚れているフィルタを再取り付けするのは絶対にやめてください。
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エンジンを停止させ、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してから運転位置を離れる。
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マシンが冷えるのを待つ。
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燃料フィルタの下に汚れのない容器をおく(Figure 17)。
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燃料フィルタを燃料ラインに固定しているクランプをゆるめる。
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ホースからフィルタを抜き取る。
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燃料ラインに新しいフィルタを取り付け、先ほど外したクランプで固定する。フィルタは、矢印をキャブレター側に向けて取り付けること。
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こぼれた燃料はふき取ってください。
電気系統の整備
バッテリーの整備
警告
バッテリーの電極部や端子などの部分には鉛や鉛含有物質が含まれており、カリフォルニア州では、これらの物質が癌や先天性異常の原因となるとされている。取り扱い後は手を洗うこと。
危険
電解液には触れると火傷を起こす劇薬である硫酸が含まれている。
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電解液を飲まないこと。また、電解液を皮膚や目や衣服に付けないよう十分注意すること。安全ゴーグルとゴム手袋で目と手を保護すること。
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皮膚に付いた場合にすぐに洗浄できるよう、必ず十分な量の真水を用意しておくこと。
バッテリーの電解液は常に正しいレベルに維持し、バッテリー上部を常にきれいにしておいてください。高温環境下で保管すると、涼しい場所で保管した場合に比べてバッテリーは早く放電します。
電解液の量は25 運転時間ごとに点検します。格納中は30 日ごとに点検します。
各セルへは、蒸留水またはミネラルを含まない水を適正レベルまで補給してください。水を補給するときは上限を超えないように注意してください。
バッテリー上部はアンモニア水または重曹水に浸したブラシで定期的に清掃してください。 清掃後は表面を水で流して下さい。清掃中はセルキャップを外さないでください。
バッテリーのケーブルは、接触不良にならぬよう、端子にしっかりと固定してください。
警告
バッテリーケーブルの接続手順が不適切であるとケーブルがショートを起こして火花が発生する。それによって水素ガスが爆発を起こし人身事故に至る恐れがある。
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ケーブルを取り外す時は、必ずマイナス(黒)ケーブルから取り外し、次にプラス(赤)ケーブルを外す。
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ケーブルを取り付ける時は、必ずプラス(赤)ケーブルから取り付け、それからマイナス(黒)ケーブルを取り付ける。
端子が腐食した場合は、 ケーブルを外し(マイナスケーブルから先に外すこと)、クランプと端子とを別々に磨いてください。磨き終わったらケーブルをバッテリーに接続し(プラスケーブルから先に接続すること)、端子にはワセリンを塗布してください。
警告
バッテリーの端子に金属製品やトラクタの金属部分が触れるとショートを起こして火花が発生する。それによって水素ガスが爆発を起こし人身事故に至る恐れがある。
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バッテリーの取り外しや取り付けを行うときには、端子と金属を接触させないように注意する。
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バッテリーの端子と金属を接触させない。
走行系統の整備
タイヤの保守
タイヤ空気圧を点検する
前後のタイヤは 1.93bar (0.91kg/cm2 = 28psi)に調整して運転してください。使用前ごとに、空気注入バルブ部(Figure 18)で空気圧を点検してください。
タイヤの交換
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水平な場所に駐車する。事故防止のために、交換しない側のタイヤに輪止めを掛ける。
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タイヤの後方にあるフレームまたはアクスルシャフト部にジャッキをかけ、タイヤが床面にかろうじて接触している程度までジャッキアップする。
警告
タイヤ交換用に使用するジャッキは、少なくとも100kgを持ち上げられるものを使用すること。
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タイヤの全部のラグボルトをゆるめ、タイヤを抜き取れる高さまでさらにジャッキアップする。
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タイヤの取り付けは、上記と逆の手順で行う。ホイールナットを95~122Nm(9.7~12.4kg.m = 70~90ft-lb.)にトルク締めする。
ベルトの整備
ベルトの点検
Note: ベルトの張りの点検は、上部ベルトガード(Figure 19)を外さずに行えます。何らかの理由でこのベルトガードを取り外す必要がある場合には、ガードをフレームに固定しているボルト、ワッシャ、ナット(各4)を外してください。マシンを運転するときには、必ずカバーを元通りに取り付けてください。
インペラ駆動ベルトの点検
インペラプーリとクラッチプーリ間の中ほど部分で、ベルトを18~22N (1.8~2.3kg = 4~5lbs)程度の力で指で押して点検します。ベルトのたわみが 13mm 程度あれば適正です。たわみが適正でない場合には、「インペラ駆動ベルトの調整」の作業を行ってください。たわみが適正である場合には、そのまま使用を継続できます(Figure 19)。
ジャッキシャフトベルトの点検
ジャッキシャフトとクラッチプーリ間の中ほど部分で、ベルトを18~22N (1.8~2.3kg = 4~5lbs)程度の力で指で押して点検します。ベルトのたわみが 6.35mm 程度あれば適正です。たわみが適正でない場合には、「ジャッキシャフトベルトの調整」の作業を行ってください。たわみが適正である場合には、そのまま使用を継続できます(Figure 19)。
リール駆動ベルトの点検
リール駆動プーリとアイドラプーリ間の中ほど部分で、ベルトを111~129N (11~13kg = 25~29lbs) 程度の力で指で押して点検します。ベルトのたわみが 6.35mm 程度あれば適正です。たわみが適正でない場合には、「リール駆動ベルトの調整」の作業を行ってください。たわみが適正である場合には、そのまま使用を継続できます。
ベルトの調整
インペラ駆動ベルトの調整
ジャッキシャフトベルトの調整
リール駆動ベルトの調整
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アイドラプーリのブラケットをテンション調整ブラケットに固定しているナットとボルト(ブラケットのスロットに入っているボルト)を外す(Figure 24)。
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アイドラプーリを下に押して適当な張りを出し、アイドラプーリブラケットの穴とテンション調整ブラケットの穴を整列させる。
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ボルトとナットを取り付けて調整を固定する。
ゴム製フラップが磨耗したり破損したりしたら交換してください。
注意
ゴム製フラップの交換は、平らな床面で、各タイヤに輪止めをかけて行うこと。これを怠ると、人身事故が発生する危険がある。
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フラップおよびフラップリテーナ固定しているボルト、ワッシャ、ナット(各10)を外す(Figure 25)。
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新しいゴム製フラップを取り付けてしっかりと締め付ける。
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ボルトとロックワッシャをひとつずつ、取り外しては隣の穴に移す作業を繰り返す(Figure 26)。
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各ボルトを同じ回転数ずつ回し、ロックが外れるまでこれを繰り返す。ロックが外れたら、プーリをシャフトから抜くことができる。
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固くて平らな場所に駐車する。
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ジャッキを下げて、スイーパの前部をできるだけ低くする。
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リールを一番高い位置まで上昇させる。
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下部ベルトガードとリール駆動ベルトを外す(Figure 24)。
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リールシャフトベアリングをスイーパ左右のリールサポートアームに固定しているボルト、ロックワッシャ、ナット(各2)を外す。フレックスチップリールを地表面まで降下させる。
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リールサポートアームを一番高い位置まで上昇させる。
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レーキの後部を後ろに引っ張って、機体後部へ引き出す。
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リールの一端側から、ボルトとロックナットを外す(Figure 27)。
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リールの反対側の端部からは、ロックナットのみを外す。
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エンドプレートからロッドをたたき出す。タブが溶接されていない側の端部から抜き出すこと。
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必要に応じてフィンガープレート(またはロッド)を外して交換する。
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フィンガープレートとロッドを整列させ、ロッドをエンドプレートに戻す。
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ボルトとロックナットを取り付け、スプリングを取り付ける。
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タインリテーナを外し、交換したいタイン(破損しているタイン)を取り外す(Figure 28)。
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新しいタインを半分に曲げて取り付ける。
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タインの曲げ部分にタインブラケットをはめ、ボルトとロックワッシャでしっかりと固定する。
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機体からブラシを取り外す。
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ブラシハーフのクランプを、六角レンチでゆるめて外す(Figure 29)。
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ブラシハーフを半分に割り、破損している部分を廃棄する(Figure 30)。
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新しい部分を取り付け、元通りに左右の端部をクランプで固定する。両端の固定ができたら、残りのクランプを取り付けて締め付けを行う。
ブロアハウジングの洗浄
警告
ブロアハウジングからごみなどを取り出す場合には、人身事故防止のために必ずエンジンを停止し(PTOを解除し)、すべての部分が完全に停止したのを確認してから取り出し作業に移ること。
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特に、アクセスパネルの取り外しは、インペラが完全に停止していることを確認して行うこと。
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アクセスプレートを固定している蝶ナット2本をゆるめる(Figure 31)。
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アクセスプレートを開いてごみを除去できるようにする。
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ごみの除去がすんだら、アクセスパネルを降ろして蝶ナットで固定する。他のアクセスパネルについても同じ作業を行う。