はじめに

GeoLink® 高精度液剤散布システムは、散布率の一定保持と散布エリアとを自動的にコントロールします。システムは散布面積、車両の走行速度、液剤散布総量量をモニタします。転移面積あたりの目標散布率をセットすると、所定の速度範囲で散布している限り、自動的にその量での散布を維持し、エリアあたりの実際の散布量をディスプレイに連続表示します。

この説明書を読んで製品の運転方法や整備方法を十分に理解してください。オペレータや周囲の人の人身事故や製品の損傷を防ぐ上で大切な情報が記載されています。製品の設計製造、特に安全性には常に最大の注意を払っておりますが、この製品を適切かつ安全に使用するのはお客様の責任です。弊社のウェブサイトwww.Toro.comで製品やアクセサリ情報の閲覧、代理店についての情報閲覧、お買い上げ製品の登録などを行っていただくことができます。

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマー・サービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。

この説明書では、危険についての注意を促すための警告記号(Figure 1)を使用しております。これらは死亡事故を含む重大な人身事故を防止するための注意ですから、必ずお守りください。

g000502

この他に2つの言葉で注意を促しています。重要「重要」は製品の構造などについての注意点を、はその他の注意点を表しています。

警告

CALIFORNIA

Proposition 65 Warning

米国カリフォルニア州では、この製品を使用した場合、ガンや先天性異常などを誘発する物質に触れる可能性があるとされております。

安全について

コンソールコンピュータをご使用になる前に必ずこのオペレーターズマニュアルをお読みになり、内容をよく理解してください。

  • このマニュアルはターフスプレーヤの オペレーターズマニュアル と共に保管してください。

  • この装置を使用する人がいつでも、誰でもすぐにこのマニュアルを見ることができるようにしておいてください。

  • このマニュアルと、 ターフスプレーヤのオペレーターズマニュアルマニュアルの説明をよく読んでください。各部の操作方法や本機の正しい使用方法に十分慣れておきましょう。

  • 子供や正しい運転知識のない方には操作させないでください。

  • 周囲にペットや人、特に子供がいる所では絶対に散布作業をしないでください。

  • 農薬は人体や動植物、土壌などに害を及ぼす場合があるので取り扱いに十分注意してください。人身事故や電気系統の破損を防止するために:

    • 目的にあった適切な薬剤を使用してください。

    • 農薬容器に張ってあるラベルをよく読み、書かれてある指示を守る。剤の散布や取り扱いは必ず推奨された方法で行う。

    • 農薬の取り扱いと散布には十分注意を払う。

    • 必要な防具は必ずすべて着用する。

    • 薬剤の取り扱いは換気のよい場所で行う。

    • 農薬の取り扱い中は禁煙を厳守する。

    • 使用しなかった薬液や空の薬剤容器は適切に廃棄する。

  • 人身事故や器物損壊などについてはオペレータやユーザーが責任を負うものであることを忘れないでください。

製品の概要

g204997
g204996
g204995
g205645
g205646

画面明るさボタン

画面の明るさアイコン(Figure 7)でコントロールコンソール画面の明るさを調整できます:

  • -)画面の明るさボタンを押すと画面が暗くなります。

  • +)画面の明るさボタンを押すと画面が明るくなります。

  • 明るさモードアイコンで以下から1つを選択してください:

    • Auto(コントロールコンソール内の光センサーを使って画面の明るさを自動調整)

    • Day モード(周囲が明るい状態で使用する場合の設定)

    • Night モード(周囲が暗い状態で使用する場合の設定)

g030694

電源ボタン

Important: 車両を始動するとシステムがONになります。システムを起動させるのに電源ボタンは特に必要ありません。

  • 通常は、X-30 散布システムが自動で ON 状態になります(車両のキーが RUN位置にある時)。

    Note: X30 散布システムを再起動する必要がある場合には、コントロールコンソールの背面にある電源ボタン(Figure 8)を押してください。システム起動時には、画面とライトバーが点滅を開始します。

  • X-30 システムの電源OFF は、車両のキーを 切位置にして行います。

    Note: 緊急時には、コントロールコンソールの背面になる電源ボタン(Figure 8)でX-30 散布システムを停止することができます。

Note: 適切な方法でコンソールの電源を切っても、ECUメモリ内のデータは失われません。

Note: 赤いボタンはシステムをリセットするボタンです。押さないでください。

g030693

ヘルプボタン

ヘルプボタンを押すと、画面に表示されているアイコンの名称が表示されます(Figure 7)。個別の Help ボタンを押すと、その制御機能の説明文が表示されます(Figure 9)。フローティングメニューの Help ボタンをもう一度押すと個別の Help アイコンが消える。

g203343

USB 取り出しボタン

X-30 コンソールから USB を取り出す時には、まずUSB EJECT ボタンを押してください(Figure 7)。

Note: USB ポート(図示していません)は、コンソールの左側にあります。

画面キャプチャ/ホームボタン

ホームボタンを使うには、画面キャプチャ/ホーム ボタンを押します。ホームボタンを使うと操作画面をいちいち切り替える手間がはぶけ、必要な情報を素早く画面に呼び出すことができます。

現在の画面表示を USB に保存したいときには 画面キャプチャ/ホーム ボタンを使用します。

キャンセルと確認ボタン

入力内容や選択内容をキャンセルしたり承認したりするボタンです。これらのボタンが画面に表示されている時は、どれかのボタンを押さないと前へ進むことができません(Figure 10)。

g030695

散布装置のカラー表示

車両および散布装置の位置と移動方向を示します。

散布装置の表示色は、以下のような意味を持っています(Figure 11):

  • 赤:ブームが OFF

  • 青:ブームが禁止状態(ON であるが作動していない。低速や低圧のためであることが多い)。

  • 黄:ブームが一時停止状態(ONであるが作動していない。自動ブームコントロールが働いているためであることが多い)。

  • 緑:ブームが作動中

    g031203

以下は必ず知っておいていただきたい用語です:

  • WAAS (広域航法支援システム)—米国連邦航空局が開発した測位補正システムです。 GPS 信号の受信性能と精度を高めて航空機の運航を支援するものです。

  • RTK(動的干渉測位)—RTK ネットワークは、基地局をネットワークで結び、それぞれの位置データをインターネットを介してサーバーに送るシステムです。RTK 補正装置を搭載した GPS 誘導機器は、携帯電話のデータ交換システムを利用して、サーバーとの間で交信を行い、自身のもっている位置データとサーバーから得られる補正データで補正します。サーバーは、基地局や車両から得られた位置情報から車両の正しい位置(修正データ)を算出し、携帯モデムを介してこれを各車両に提供します。この補正を行うことにより、GPS 測位のリアルタイム精度が 1-2 cm に向上します。

  • GLONASS(全地球的航法衛星システム(ロシアの GNSS))— GPS 受信装置は通常のGPSシステムに加えてロシアのGPSシステムを利用することができます。

運転操作

ASC(Automatic Section Controller)内部にはコンピュータがあり、車両の速度の変化に合わせて投下水量の自動調整を行います。単位面積あたりの目標散布率(投下水量)をセットすると、所定の速度範囲で散布している限り、ASC が自動的にその量での散布を維持し、エリアあたりの実際の散布量をディスプレイに連続表示します。コントロールコンソールは、散布面積、車両の走行速度、液剤散布量をモニタしています。

GPS に設定できる構成には、2 つの種類があります:

  • WAAS と RTK 補正(GPS から受信した信号を、携帯モデムを利用して補正しながら利用する)。

  • WAAS のみ(GPS から受信した信号を、補正情報なしでそのまま利用する)。

WAAS に RTK 補正を併用する構成を使うと、ジオリンク散布システムの精度が向上し、コントロールコンソールの付加機能が利用できるようになります。

Note: 散布を開始する前に、散布装置が正しく調整(キャリブレーション)されていることを確認してください。

Note: ディスプレイを使って散布を行う前に、インフォセンターがジオリンクにセットされていることを確認してください。

表示モードの種類

どのような散布機能(制御装置、オプション、設定)を利用することができるかは、使用する表示モードによって異なります。表示モードは、設定画面のユーザーアクセスレベルメニューで選択できます。

  • イージーモード:通常の散布用です。

  • スタンダードモード:散布作業の設定、散布区域の境界設定、キャリブレーション、および通常散布に使用することができます。スタンダードモードはパスワード保護が可能であり、このモードを使ってジオリンクシステムの他の機能の設定を行うことができます。標準モードの情報はビデオ形式です。詳細は、ジオリンクシステムの付属USBに収録されているビデオまたはwww.Toro.comにアップされているビデオをご覧ください。

    Note: 散布区域の境界線の登録は、スタンダードモードで行います。

  • エキスパートモード:代理店用です。システムの故障探究や診断のためのモードです。お客様サービス用の作業のためのモードでパスワード保護されています。

g204034

ディスプレイを始動する

  1. ジオリンク機器および仕上げキットが搭載されていることを確認する。

  2. 車両を始動すると、数行後にコンソールが起動する。

    Note: 緑ボタンはディスプレイの電源の ON/OFF を行うスイッチです。このボタンでディスプレイコンピュータの電源を切っても、コンピュータ内のデータは失われません。

    Note: 赤いボタンはディスプレイのリセットスイッチです。リセットすると保存されていないデータは失われる可能性があります。リセットは、ディスプレイがフリーズした(固まった)時や、通常の方法で電源を切れない場合のみ行ってください。問題があるとき以外にはリセットは行わないでください。

LEDの意味

g030700
  • LED バー:コンソールが起動すると赤色、緑色、青色の順に光ります。

  • 光センサー:自動(AUTO)モードの時に輝度を自動調整するためのものです。

  • コンソールバッテリーの状態表示LED:以下のように色で表示されます。

    • LED が緑色:バッテリーは満充電です。

    • LED が黄色:バッテリーは半充電です。

    • LED が赤色:バッテリーは放電状態です。

    • LED が青色点滅:バッテリーは充電中です。

  • 電源状態表示LED:以下のように色で表示されます。

    • LED が緑色:給電状態は良好

    • LED が黄色:低電源状態

    • LED が赤色:非常に低電源または OFF

タッチクスクリーンの使い方

画面上の各アイコンに触れることにより、スプレーヤ情報の表示、追加、変更などを行うことができます。

  • 画面上で表示させたい情報のアイコンを自由に選んでください。

  • アイコンによっては、さらに選択肢が表示されます。

  • 必要に応じて選択してください。

  • 新しい画面の承認を行います(Figure 10)。

言語の選択とライセンス契約の承認

起動画面に続いて、言語選択と EULA (エンドユーザーライセンス契約)画面が表示されます。

  1. 必要に応じ、言語アイコンを押して表示言語を変更する(Figure 14)。

    Note: EULA 画面で言語を変更すると、表示すべてが変更された言語で行われるようになります。言語の変更は「ユーザー設定」でも行うことができます。

    g206709
  2. 言語選択ボックスで、希望する言語を探して選択肢、 Yes アイコンを押す(Figure 15)。

    選択された言語でコントロールコンソールが再起動する。

    g203217
  3. EULA を読む(Figure 14)。

    スクロールバーを使って画面の一番下まで移動する。YES アイコンが緑色に変化する(Figure 14)。

  4. YES アイコンを押すとホーム画面に移動する(Figure 14)。

マスタースイッチの使い方

画面上のマスタースイッチでスプレーヤをONにします(Figure 16)。ブームスイッチやフットスイッチがOFFの時には、このスイッチは作動しません。

g203807

マスタースイッチの表示色は、以下のような意味を持っています:

  • 緑色:システム準備OK。スプレーヤのコントローラがONで動作中。

  • 白色:スプレーヤのコントローラがスタンバイ状態。

  • 赤色:システム使用不可。スプレーヤのコントローラがOFF。

マスタースイッチが赤い場合はアラームが出ているという意味です。押すとアラーム番号が表示されます(Figure 17)。

g205202

アラームが出たら、確認アイコン(Figure 17)を押してメイン画面に戻り、必要な修正を行ってください。

単位系を選択する

以下から選択可能です:メートル法、米国式、英国式米国式(US)と英国式(UK)では、ガロンやオンスなど単位の名称は同じですが実際の量が異なります。

  1. メイン画面で設定アイコンを選択する(Figure 18)。

    g204035
  2. ユーザーアイコンを押す(Figure 19)。

    g031187
  3. 地域アイコンを押す(Figure 20)。

  4. 単位アイコンを押す(Figure 20)。

  5. 必要に応じて単位を選択し、散布率を入力し、内容を承認する(Figure 20)。

    g204046

イージーモードの使用方法

このモードは定義済みの境界線の内部に散布を行います。作業(ジョブ)と散布エリアを選択できます。

g206363

色々な散布方法の使い方

ブーム自動コントロール(ASC)アイコン
設定内容
ASC ONジオリンクが各ノズルを個別にコントロール。
ASC OFFオペレータが、各ブームを個別にコントロール。
ASC 禁止(手動モード)オペレータが、各ブームを個別にコントロール。
境界リミットアイコン
設定内容
境界線散布場所として登録されているエリアに入ると、ジオリンクが自動的にノズルを ON にする。
散布作業の除外区域として登録されている場所に入ると、ジオリンクが自動的にノズルを OFF にする。
散布作業の除外区域として登録されている場所から出ると、ジオリンクが自動的にノズルを OFF にする。
散布中のオーバーラップ部分については、ジオリンクが自動的にノズルを OFF にする。
境界なし散布場所として登録されているエリアや作業エリア内の散布除外区域でも、ジオリンクはノズルの自動コントロールを行わない。
散布中のオーバーラップ部分については、ジオリンクが自動的にノズルを OFF にする。
フィールド境界線不使用オペレータが、手動で各ブーム(左、右、中央ブーム)を個別に ON/OFF する。
ジオリンクは各ノズルのコントロールを行わない。
散布中のオーバーラップ部分についても、ジオリンクはコントロールを行わない。
レート制御アイコン
設定内容
自動(Auto)現在実行中の散布作業用に設定したレートまたは散布コントロールパネルで事前に設定したレートで、ジオリンクがコントロールを行う。
手動オペレータ自身が散布中にレートのコントロールを行う。

フィールド境界を使用しての散布

境界設定した区域での散布の実施、またはその区域への散布の除外を行います。境界は、ディスプレイを使って、スタンダードモードで設定します。

境界散布では以下のことができます:

  • 登録されている境界内部では、ジオリンクシステムがノズルのコントロールとオーバーラップのコントロールを行います。

  • ジオリンクシステムが散布率の制御を行います。

  1. 自動セクションコントロール構成アイコン(ASC アイコン)とスプレーヤコントローラアイコンを選択してそれぞれの画面を開く(Figure 22)。

  2. ASC アイコンをON位置にし、境界リミットをフィールド境界 位置にし、レートコントロールをAUTO位置にする(Figure 22)。

    g209112

フィールド境界を使用しない散布

どの場所でも境界線による制限なく散布を行うことができます。

この散布では以下のことができます:

  • ジオリンクシステムはオーバーラップのコントロールを行いますが、境界線は無視されます。

  • ジオリンクシステムが散布率の制御を行います。

  1. 自動セクションコントロール構成アイコンとスプレーヤコントローラアイコンを選択する(Figure 23)。

  2. ASC アイコンをON位置にし、境界リミットを境界線不使用 位置にし、レートコントロールをAUTO位置にする(Figure 23)。

    g209115

散布レートのみを利用する散布方法

この散布では以下のことができます:

  • オペレータがブーム 3 本を個別にコントロールします。

  • ジオリンクシステムが散布率の制御を行います。

  1. 自動セクションコントロール構成アイコンとスプレーヤコントローラアイコンを選択する(Figure 24)。

  2. ASC アイコンをOFF位置にし、レートコントロールをAUTO位置にする(Figure 24)。

    g209114

手動散布作業

この散布では以下のことができます:

  • オペレータがブーム 3 本を個別にコントロールします。

  • 散布率の制御はオペレータが行います。

  1. 自動セクションコントロール構成アイコンとスプレーヤコントローラアイコンを選択する(Figure 25)。

  2. ASC アイコンを禁止(手動モード)位置にし、レートコントロールをMANUAL位置にする(Figure 25)。

    g209113

新たに液剤名とタンク体積の入力を行う

Note: 単位系が希望通りのものであることを確認してください。オペレーターズマニュアルの「単位系の選択」を参照のこと。

新しい薬剤の入力

  1. 液剤タンクに真水を入れる。

  2. 散布コントローラのアイコンを選択してコントローラ画面を開く(Figure 26)。

    g031295
  3. 薬剤構成 アイコンを押す(Figure 26)。

    薬剤構成ダイアログボックスが開く。

  4. 薬剤構成ウインドウの中で 薬剤選択リスト アイコンを押す(Figure 27)。

    g206711
  5. 新しい薬剤... アイコンを押し、内容を承認する(Figure 27)。

    「新しい薬剤の設定」ウィザードが表示される。

  6. 薬剤構成ダイアログボックスのステップ 1 で、カスタム製品 アイコンを押してから Next アイコンを押す(Figure 28)。

    g204240
  7. 製品名 アイコンを押し、キーボードから薬剤名を入力し、内容を承認する(Figure 29)。

    g204241
  8. 新薬剤設定ダイアログボックスのステップ 2 で、NEXTアイコンを押す(Figure 30)。

    g204328
  9. 新薬剤設定ダイアログボックスのステップ 3 で、デフォルトと散布率を以下のようにして設定する:

    • 設定散布率の増減を行いたいレート(preset rate 1 または 2)を散布率増減 アイコンで選択する(Figure 31)。

      g204244
      1. 表示されているテンキーを使って、レート 1 とレート 2 のための増減分を入力する(Figure 32)。

        g204317
      2. 承認アイコンを押す(Figure 32)。

    • 薬剤レートプリセット 1 または 薬剤レートプリセット 1を押して散布レートの事前設定を行う:(Figure 31)。

      1. 表示されているテンキーを使って、設定値を入力する(Figure 32)。

        g205038
      2. 承認アイコンを押す(Figure 32)。

  10. 新薬剤設定ダイアログボックスのステップ 4 で、承認アイコンを押す(Figure 34)。

    g206757
  11. 薬剤構成ウインドウの中で承認アイコンを押して設定を保存する(Figure 34)。

薬剤タンクの容積を入力する

  1. タンク満量 アイコンを押す(Figure 38)。

    g204246
  2. 容積 アイコンを押す(Figure 35)。

  3. 表示されているテンキーを使って、以下のうちの 1 つを入力する。

    Note: 増分値 または 減分値 アイコンを押して薬剤容量の事前増減分設定画面に入ります。

    g204276
    • タンク内の最終の容量(例えば散布前の薬剤量+水の量)を入力する場合には、その最終(合計)量を入力し、承認アイコンを押し、さらにタンク満量ウィンドウの承認アイコンを押してください(Figure 37)。

      Note: 入力する水量や薬剤量は、タンク容量の設定画面で設定した値を超えていないことが必要です。

      g204242
    • 薬剤を後からタンクに投入する場合には、タンク内の水の量を入力して、承認アイコンを押し、ステップ4に進みます。

      Note: 入力する水量や薬剤量は、タンク容量の設定画面で設定した値を超えていないことが必要です。

  4. 薬剤を後からタンクに投入する場合には、容量追加アイコンFigure 39を押します。

    g204245
  5. テンキーを使って薬剤(などタンク内の水に追加するもの)の増加分を入力し、承認アイコンを押します(Figure 39)。

    例:19L、114L、208L、など

  6. 薬剤を後からタンクに投入する場合には、タンク内にその薬剤を投入したら、 薬剤追加投入量アイコンを押します(Figure 39)。

    g204243
  7. 複数の薬剤を混合(タンクミックス)する場合には、ステップ6 を必要なだけ繰り返す(Figure 39)。

    Note: 水だけ、または水と薬剤をタンクに満量まで入れる場合には、満量まで入れるアイコンを押します(Figure 39)。

  8. 承認アイコンを押し、次にタンク投入ウィンドウ内の承認アイコンを押す。

新しい作業をイージーモードで行うには

散布レートを設定し、作業に名称を付ける

  1. エンジンを始動し、キーを RUN位置セットする。

  2. 散布コントローラアイコン(Figure 40)を開く。

    g031532
  3. 散布コントロール画面上に正しい散布率が表示されているかどうか確認する。

  4. 正しい散布率でない場合は、プリセットレートアイコンを押し、増減アイコンを使って正しい数値に調整、またはテンキーを使って「現在のレート」のボックスに正しいレートを直接入力する(Figure 41Figure 42)。

    g031494
    g205052
  5. 画面右上にある作業メニューのアイコンを押す(Figure 43)。

    g203547
  6. 作業名を入力する(デフォルトのタイムスタンプのままにしておいてもよい)(Figure 43)。

散布用のノズルを選択する

  1. 新作業メニューで、ノズルアイコンを押す(Figure 44)。

    g205214
  2. ドロップダウンリストの中から、現在散布中のノズルを選択する。

    Note: 現在散布中のノズルがリストの中にない場合は、ノズル設定画面でノズルを追加してください;ノズルを作成するを参照。

  3. 承認アイコンを押す(Figure 44)。

新しい作業区域を作る

  1. 作業メニューアイコンを押す(Figure 45)。

    g031485
  2. 以下の作業エリアからひとつを選択

    1. これから散布するエリア(フェアウェイ、グリーン、ティーなど)をFigure 45の表示から選ぶ。

    2. 散布除外エリア(バンカー、樹林帯、ハザードなど)を選ぶ(Figure 45)。

    Note: 境界内部に設定されたもう1つの境界に散布する方法については、標準モードについてのビデオを参照してください。

散布システムの運転操作

  1. ブームスイッチ(3つ;車両のコントロールコンソールにある)を ON にセットする(Figure 46)。

    g205685
  2. 車両のマスターブームスイッチを ON にセットする。

  3. コントロールコンソールにあるマスタースイッチのアイコン(Figure 21)を押す(マルチプロ 5800 のみ)。

  4. 散布区域に乗り入れる。

    Note: 設定された散布エリアに車両が入ると自動的に散布を開始します(ASC コントロールモードがフィールド境界線設定で ASC コントロールが ON の場合)。

Note: ディスプレイには、散布予定場所を薄い灰色で、散布しないエリアが濃い灰色で表示されます。全部が薄い灰色の場合は、全部のエリアへの散布が可能です。

イージーモードで作業を終了するには

Note: ジョブの設定はスタンダードモードで行われます。現在のジョブを繰り返す場合には、それまでのジョブ情報をすべて削除してください。

  1. エンジンを始動し、キーを RUN位置セットする。

  2. 散布コントローラアイコン(Figure 47)を開く。

    g031532
  3. 散布コントロール画面上に希望通りの散布率になっているかどうか確認する。

  4. 希望通りの数値でない場合は、プリセットの数値を増減させて調整、または現在のレートのボックスから値を直接手入力する(Figure 48)。

    g031494
  5. フィールドメニューアイコンを押す。

  6. 既存のフィールド名を選ぶ(Figure 49)。

    g203549
  7. 作業メニューアイコンを押す(Figure 50)。

  8. 既存作業を選択する(Figure 50)。

    g206758
  9. ブームスイッチ(3つ;車両のコントロールコンソールにある)を ON にセットする(Figure 51)。

    g205685
  10. 散布を開始するには、画面上のマスタースイッチアイコンを押し、作業区画に乗り入れる(Figure 21)。

    Note: 車両が所定の散布エリアに乗り入れると自動的に散布を開始します。

    Note: ディスプレイには、散布予定場所を薄い灰色で、散布しないエリアが濃い灰色で表示されます。全部が薄い灰色の場合は、全部のエリアへの散布が可能です。

標準モードの使用方法

g206364

コンパスを正しく設定する。

  1. レシーバキャリブレーションアイコンを選択する(Figure 53)。

  2. コンパスアイコンを選択する(Figure 53)。

    g209223
  3. マシンを 1.5 回転旋回させる(Figure 54)。

  4. Next アイコンを押す(Figure 53)。

  5. まっすぐに 92m 走行する。Figure 54を参照。

    g209126
  6. キャリブレーションを承認する(Figure 53)。

フィールドを作成する

Note: 1コースに1フィールドを作成し、そのフィールドにそのコースのすべてのフィールド境界を登録する。

  1. フィールドメニューアイコンを押す(Figure 55)。

  2. 新フィールドアイコンを押す。

  3. フィールド名を選び、名称を入力し、承認アイコンを押す(Figure 55)。

    g208216

ノズルを作成する

  1. ユーザーアクセスレベルをSTANDARD(標準)にセットする;表示モードの種類を参照。

  2. ホーム画面の左下の設定アイコンGraphicを押す。

  3. 機材アイコン、ブームアイコン、ノズルアイコンを押す(Figure 56)。

    g204392
  4. ノズル設定画面で、画面上部の新ノズル...アイコンを選択する(Figure 56)。

  5. 新ノズル設定画面のステップ1:工場出荷リストの流量または色から、新たに設定を行いたいノズルを選ぶ(Figure 57)。

    Note: 以下の表は、トロから入手可能なノズルです。設定は ISO 標準です。

    Note: 015 ノズル(薄緑)と 15 ノズル(深緑)とは別のノズルです。03 ノズル(濃青)と 10 ノズル(薄青)とは別のノズルです。

    g204393
    ノズル表
    ノズルノズルの色流量
    Graphic 041.5 リットル毎分
    Graphic 051.9 リットル毎分
    Graphic 062.3 リットル毎分
    Graphic 083.0 リットル毎分
    Graphic 103.8 リットル毎分
    Graphic 155.7 リットル毎分
  6. ノズル名(NOZZLE NAME)アイコンを押す(Figure 58)。

    g204394
  7. キーボードからノズルの名称を入力し、承認アイコンを押す(Figure 59)。

    g204395
  8. 新ノズル設定ダイアログボックスのステップ 2 で、承認アイコンを押す(Figure 59)。

  9. 新ノズル設定ダイアログボックスのステップ 3 で、承認アイコンを押す(Figure 59)。

    g204396

フローメータのキャリブレーション

用意するもの:目盛付きの容器(0.01 ml 刻みで測れるものが望ましい)。

キャリブレーションの準備

  1. 液剤タンクがきれいであることを確認する。

  2. 液剤タンクに少なくとも 600 リットルの真水を入れる。

  3. テストするノズルが選択されている(ブームから下向き)ことを確認する。

  4. 駐車ブレーキを掛け、エンジンを始動させる。

    Note: エンジンおよび油圧系統が動作温度に達するまで約10分間待つ。

テスト前プライミングを行う

  1. 散布コントローラアイコンを開き、右上角にあるアイコンをクリックする(Figure 61)。

  2. スプレーヤを手動モードに切り替える。

  3. 個別ブームスイッチすべてを ON にセットする。

  4. スロットルを高速位置とする。

  5. マスターブームスイッチを ON にセットする。

    Note: マスターブームスイッチは車両のコンソールにあります。

  6. マスターブームスイッチを使って、ブーム全部を ON にする。

  7. 希望する散布水圧になるようにポンプ速度を調整する。

  8. マスターブームスイッチを使って、ブーム全部を OFF にする。

キャッチテストを行って情報を入力する

Note: キャッチテストは 2 人で行ってください。

  1. 散布コントローラアイコンを開き、右上角にある拡大アイコンをクリックする(Figure 61)。

    g211485
  2. 個別ブームスイッチすべてを ON にセットする。

  3. スロットルを高速位置とする。

  4. マスターブームスイッチを ON にセットする。

  5. フローメータのアイコンを選択する(Figure 61)。

    Important: 必ず、採集容器がノズルの下にセットしてからブームを ON にしてください。

  6. 採集容器をノズルの下にセットしてブームを ON にする用意をする(Figure 62)。

    g211588
  7. マスターブームスイッチを使って、ブーム全部を ON にする。

  8. キャッチテストは少なくとも 15 秒間、できれば 1 分間実施する(Figure 62)。

    Note: テスト時間は容器の大きさに制限されますが、長い方が良いです。

  9. マスターブームスイッチを OFF にし、スロットルを低速に戻し、ポンプを停止する。

  10. 目盛付き容器を水平な場所において回収された水量を調べる(Figure 63

    Important: 目盛付き容器で水量を測る時は必ず容器を水平な場所においてください。

    Important: 目盛付き容器で水量を読み取る時は、湾曲している水面の一番低い場所で読み取ってください。

    Important: ちょっとした目盛の読み取り誤差が、結果を大きく左右します。

    g193829
  11. ひとつのノズルから採集した水量に、実際のノズルの個数を掛けて、ブーム全部から出た水量を求める。求めた水量をリットル(またはガロン)に換算する。

    例:44 fl oz X 12 ノズル = 528fl oz / 128fl oz = 4.125 ガロン

  12. 計算で求めた水量を、キーボードから入力する(Figure 64Figure 65)。

    g211486
  13. フローキャルの数値を承認する(Figure 65)。

    g211487

作業の詳細を記録する

選択されているエリアに関連する作業の情報を見たり設定したりするにはジョブメニューを使います。このメニューを使って情報を保存し、報告書の作成に利用することができます。

作業内容を記録する

  1. 作業( job)アイコンを選択する(Figure 66)。

  2. 作業情報記録(record-job)アイコンを選択する(Figure 66)。

  3. 必要事項を選択・入力・承認する。

    g031535

作業ノートを記録する

各作業についてメモを記録することができます。

  1. 作業情報(job-information)アイコンを開く(Figure 67)。

    g203865
  2. 作業ノートアイコンを押す(Figure 67)。

  3. メモを入力し、承認アイコンを押す。

作業情報をエクスポートする

Note: エクスポートしたい作業情報がセッション中(選択された状態)であることを確認する。

  1. ディスプレイの左側にある USB ポートのキャップを外す(Figure 68)。

    g206639
  2. USB ソケットに USB 記憶装置を入れる(Figure 68)。

  3. 作業メニューアイコンを押す(Figure 69)。

    g031537
  4. データ交換アイコンを押す(Figure 69)。

  5. 「作業レポートエクスポート」アイコンを選択する(Figure 69)。

  6. 作業レポートオプションのメニューから、以下の選択を外す:

    • 自動調整レンジ

    • タスクデータ

  7. 必要に応じ、作業レポートオプションの中から、形状ファイル作成を選択する。

    Note: 土地形状ファイルのエクスポート先は:D:/Client/Farm/Field/CoverageShapefiles と D:/Client/Farm/Field/BoundaryShapefiles です。

    Note: 以上で、作業情報がUSBドライブに保存されました。

    Note: USB 記憶装置は、必ず接続を解除してから取り出すようにしてください;以下の ステップを参照してください。これを怠るとデータが消えたり破損したりする可能性があります。

  8. USB 取り出しアイコンを押す(Figure 70)。

    g206663
  9. USB ダイアログボックスで承認アイコンを押し、モニタから USB 記憶装置を取り外す(Figure 70)。

システムのセットアップ

ジオリンク散布システムを使用する前に、以下の操作を行ってください。

Note: マスターブームスイッチは以下の場所にあります:Figure 71またはFigure 72を参照。

g205126
g205127

マシンの準備を行う

  1. 開始前に、以下の説明をよくお読みください。

  2. 逆流防止駐車ブレーキー津にホースを接続し、タンクに約半分程度まで真水を入れる。

    Important: 散布前に、タンク、ストレーナ、ポンプ、バルブ、ノズルを含め、すべての機材部分を点検してください。

  3. エンジンを始動する;車両のオペレーターズマニュアル を参照。

  4. スロットルレバーを最大位置にセットする。

  5. 車両のコンソールにあるスイッチを OFF にセットする。

  6. 基本設定(キャリブレーション)値が正しいことを確認してください。

セルフテスト機能の使い方

  1. マルチプロ 5800 では、ソフトウェアガイド を参照して、車両を走行させない状態でテスト速度(散布量確認シミュレーション)を行う。

    Note: 車両を実際に走らせることなく、予定している走行速度における散布状態をシミュレーションすることができます。車両が実際に走り始めると、自己テストは自動的に終了します。

    自己テストを実施したい場合には、以下の操作を行います:

    1. ASC(自動セクションコントロール)アイコンを開く(Figure 73)。

      g203964
    2. ASC アイコンを OFF 位置に押す(Figure 73)。

    3. 散布コントローラアイコン(Figure 74)を押す。

      g203966
    4. ウインドウ切り替えアイコンを押して散布コントローラのメニューを出す。

      現在のホーム画面と散布コントローラメニューの位置が入れ替わる。

    5. 散布コントローラサブメニューの中の構成アイコンを押して構成メニューを出す(Figure 74)。

      g203967
    6. 手動速度入力アイコンを押す(Figure 76)。

      g203965
    7. キーボードから散布シミュレーション速度を入力し、承認アイコンを押す(Figure 76)。

  2. ウインドウ切り替えアイコンを押して散布コントローラのメニューを出す(Figure 74)。

  3. 希望する散布率を入力する;プリセットから増減してもよいし、現在の目標散布率アイコンから設定してもよい(Figure 77)。

    g204020

システムの試運転

ジオリンク散布システムを使用する前に、以下の操作を行ってください。

Note: この試験運転は水で行ってください。

  1. スプレーヤのブームは OFF にしたまま、予定している散布速度で走行する。

    車両の速度がモニタのダッシュボードに表示されます。

  2. 車両のコントロールコンソールで、マスターブームスイッチを ON にセットする。

  3. 個別ブームスイッチ(左、右、中央)が全て ON になっていることを確認する。

  4. マスターブームスイッチを ON にセットする。

    Note: 3本のブームをまとめてコントロールするには、マスターブームスイッチを使用します。

  5. 散布率制御を自動にする。

    Note: ASC がOFFになっていること、または境界リミットが無制限になっていることを確認する。

  6. 希望散布レートを入力する。

  7. 車両の走行速度を少し(2 km/h)増減する。

    走行速度の変化に対応してシステムが自動的に散布量を変化させます。

    Note: 散布量が変化しない(自動修正が行われない)場合には、セルフテスト機能の使い方を確認してください。

  8. 一列の散布を行った後、マスターブームスイッチを OFF にセットする。

    Note: これにより、散布面積の積算も停止する。

  9. 散布面積と散布総量を確認する。

ソフトウェアの構成を復元するには

Important: ソフトウェアの復元操作は、エキスパートアクセスレベルの人以外には行えません。Toro NSN テクニカルサポートに連絡してください。連絡先の詳細は、フロントカバーに記載されています。

アラームリスト

下の表で、アラームの種類と内容を確認してください:

アラームリスト
アラーム名称
ASC 10 ECU firmware mismatchToro NSN カスタマーサービスに連絡する。連絡先の詳細は、フロントカバーに記載されている。
Exclusion map distance除外マップの位置が現在のGPS位置から遠すぎる。
Fallback指定された GPS 補正ソースが使用できないので、とりあえず精度の低い補正方法を使用する。
Firmware version mismatch or out-of-dateToro NSN カスタマーサービスに連絡する。連絡先の詳細は、フロントカバーに記載されている。
Incorrect rate自動モードで動作中だが、目標散布率を達成できない。
Invalid or obsolete profile loaded散布装置または車両が古いバージョンである。
Low resourcesシステムのリソース(メモリやファイルシステムの利用可能空間)を 90 % 以上消費。
No Commsコントロールコンソールが、自動セクションコントローラ(ASC)と通信できない。
No GPSGPS 信号を受信できない。
Parameter mismatchToro NSN カスタマーサービスに連絡する。連絡先の詳細は、フロントカバーに記載されている。
Pressure highアラーム設定を超える高い圧力信号を受信した。
Receiver disconnectedGPS レシーバが応答しない。
Requested rate is zero自動レートコントロールが ON、タンクも ON、マスタースイッチも ON であるが、要求されている散布率がゼロである。
Tank emptyタンク残量の計算値がゼロになった。
Tank lowタンク残量が減少中(事前設定値に近づいている)。

ヒント

RTK の受信強度を高めるには

経験的にRTKの受信状態が良くない場所の近くでは走行速度を落としてください。

手動コントロールの使用

手撒きや薬剤の混和などのために水圧を高くしたい場合には、手動コントロールにします。

散布率の応答時間を改善するには

攪拌 PWM (プリセット攪拌設定値) を、目標とする散布水圧よりも約 69 kPa (10 psi) 高く設定します。

速度を維持する

一定の速度で真っ直ぐに走行してください。

境界線のバックアップファイルを作成するには

作業場所のすべての境界線データを保存することができます。境界線を保存する:USB ドライブを接続し、インベントリーマネージャを選択し、Figure 78の中のオプションから選択する。

g208796

保守

推奨される定期整備作業

整備間隔整備手順
Every 200 hours
  • フローメータを洗浄する(水和剤を使用しているときには間隔を短くする)。
  • フローメータの洗浄

    1. 内部を十分にすすぎ、完全に排水する。

    2. スプレーヤからフローメータを外し、真水で洗浄する。

    3. 上流側のリテーナリングを外す(Figure 79)。

      g012934
    4. タービンとタービンハブをていねいに洗浄し、金属粉や展着剤を十分に除去する。

    5. タービンのブレードの磨耗状態を観察する。

      Note: タービンを手で持って回転させてみる。ほとんど抵抗なく自由に回転すれば問題ない。軽く回転しない場合には交換する。

    6. フローメータを組み立てる。

    7. センサーを取り付ける;ハウジングの底に軽く当たるようにする。

    8. センサーのリテーナナットを注意深く締め付ける。

    9. 低圧(50 kPa=0.35kg/cm=25 psi)のエアで吹いてタービンが抵抗なく回転することを確認する。軽く回転しない場合には、タービンハブの一番下にある 6 角ボルトを 1/16 回転ずつゆるめて自由に回転できるようにする。

    ディスプレイ画面の清掃

    スクリーンは中性洗剤と水で洗うことができます。

    Note: 窓ガラスクリーナーなどの化学薬剤は使用しないでください。

    故障探究

    Note: 万一コンソールコンピュータが故障して修理などが必要になった場合には、車両のセンターコンソールのコントロールを使用することができます。

    システム動作中にエラーが発生した場合には、多くの場合、エラーコードが表示されます。エラーは画面で見ることもできます。以下に挙げるエラーは比較的一般的なもので、ユーザーによる修正が可能です。これら以外のエラーが表示された場合や、エラーが直らない場合には、エラーコードをメモして代理店に連絡してください。

    ProblemPossible CauseCorrective Action
    U1066
    1. コンパスのキャリブレーションが不適切。
    1. 正しく設定し直す。
    U1067
    1. 新しい車両を検出。
    1. コンパスを正しく初期設定する。
    U1082
    1. コンパクトフラッシュファイルシステムの残量が1%未満。
    1. ミニビューで、メモリ使用状態を確認する。インベントリー管理機能を使用して古いファイルを削除または移動する。
    U3001
    1. ファイルの移動に失敗。
    1. もう一度操作してみる。
    U6905
    1. 登録されていない機械のタイプ。
    1. メイン設定メニューへ戻って車両の設定を変更する。
    コントロールコンソールにクラッシュレポートが表示される。
    1. コンソールディスプレイの電源 OFF 手順が間違っていた。
    1. クラッシュレポートを消去する。コンソールの電源 OFF は必ずキースイッチで行うようにする。
    ProblemPossible CauseCorrective Action
    ディスプレイに電源が来ていない。
    1. コネクタ部分の接続不良。
    2. ディスプレイのヒューズが飛んでいる。
    3. バッテリーの接続がゆるい。
    1. コネクタを点検。ディスプレイ裏面を点検。
    2. ヒューズを交換する。
    3. バッテリーの接続を締め付ける。
    モニタが凍結している。
    1. ソフトウェアのトラブル。
    1. 前面のLEDが点滅を開始するまで、裏面にある緑ボタンを押し続ける。
    散布しない。
    1. フットスイッチがOFF。
    2. 座席間のスイッチがOFF。
    3. 作業や境界が設定されていない。
    4. スプレーヤコントロール設定メニューで選択されているノズルが正しくない。
    1. フットスイッチをONにする。
    2. コンソールのスイッチをONにする。
    3. 作業と境界を設定する。
    4. 実際のノズルに合った設定を行う。
    GPSアラームがONにならない。
    1. ディスプレイがGPS受信機と正しく接続されていない。
    2. 車両が木の下などの障害物の下にいる。
    1. 適切に接続する。
    2. 障害物のない場所に移動する。
    境界の外側まで散布する。
    1. ASC(自動セクションコントロール)の設定が「無制限」になっている。
    1. フィールド境界に設定する。
    境界線を作成できない。
    1. ディスプレイがスタンダードモードでない。
    2. フィールドが作成されていない。
    1. ユーザーモードをスタンダードモードに切り替える。
    2. フィールドを作成する.
    画面に車両が表示されない。
    1. ディスプレイ画面を移動させた。
    1. メイン画面でセンターマップアイコンを選択。
    ROPS 上の GPS 受信機のランプが点滅していない。
    1. GPS 受信機に電源が来ていない。
    1. 適切に接続する。
    水圧が不十分。
    1. ノズルのサイズが不適切。
    2. ディスプレイで選択したノズルとブームに付いているノズルが不一致。
    3. 攪拌の設定が低すぎる。
    1. ノズル選択チャートで、適切なノズルを選択する。
    2. コマンドコンソールでの選択と実際のノズルを一致させる。
    3. 希望する水圧まで攪拌水圧を上げる。
    ASC10 コントローラで、コントローラランプが点灯していない。
    1. ASC10 コントローラに電源が来ていない。
    1. 適切に接続する。
    走行しているのに速度が表示されない。
    1. コンパスのキャリブレーションが不適切。
    2. 衛星からの電波を受信できていない。
    3. 車両の走行速度が 1.1km/h 未満である。
    1. コンパスを正しく初期設定する。
    2. 障害物から離れて、すこし待つ。
    3. 車両の走行速度を1.1km/h以上にする。
    ディスプレイ内部が結露している。
    1. ディスプレイの明るさ設定が 100 に設定されている状態で、直射日光下で内部が急激にあたためられた。
    1. 明るさ設定を85%に落としてディスプレイが温まるのを待つ。