はじめに

この機械は専門業務に従事するプロのオペレータが運転操作することを前提として製造されています。この製品は、集約的で高度な管理を受けているゴルフ場やスポーツフィールドの芝生、あるいは商用目的で使用される、面積の大きな芝生に対する作業を行うことを主たる目的として製造されております。

Important: この機械に本来の性能を発揮させ安全にお使いいただくために、このオペレーターズマニュアルに記載されている内容を十分にご理解ください。適切な講習を受けなかったり、正しい操作方法を守らなかったりすると、けがをする恐れがあります。安全な運転操作や安全確保のためのヒントなどについて、より詳しい情報はこちらへ:www.Toro.com。

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマーサービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。図 1 にモデル番号とシリアル番号を刻印した銘板の取り付け位置を示します。いまのうちに番号をメモしておきましょう。

Important: シリアル番号デカルに QR コードがついている場合は、スマートフォンやタブレットでスキャンすると、製品保証、パーツその他の製品情報にアクセスできます。

g235770

この説明書では、危険についての注意を促すための警告記号(図 2)を使用しております。これらは死亡事故を含む重大な人身事故を防止するための注意ですから、必ずお守りください。

g000502

この他に2つの言葉で注意を促しています。重要「重要」は製品の構造などについての注意点を、はその他の注意点を表しています。

この製品は、所定のセットアップをすべて実行することにより、欧州規制適合製品となります; 詳細については、DOC シート(規格適合証明書)をご覧ください。

警告

カリフォルニア州

第65号決議による警告

米国カリフォルニア州では、この製品を使用した場合、ガンや先天性異常などを誘発する物質に触れる可能性があるとされております。

安全について

安全上の全般的な注意

この機械は人身事故を引き起こす能力がある。重大な人身事故を防ぐため、すべての注意事項を厳守してください。

この機械は本来の目的から外れた使用をすると運転者本人や周囲の人間に危険な場合があります。

  • 本機をご使用になる前に必ずこのマニュアルと、牽引に使用する車両のマニュアルの両方をお読みになり、内容をよく理解してください。この製品を使用する人すべてがこの製品と牽引用の車両について良く知り、警告の内容を理解するようにしてください。

  • 機械の可動部の近くには絶対に手足を近づけないでください。

  • ガードなどの安全保護機器が正しく取り付けられていない時は、運転しないでください。

  • 周囲の人や動物を機械から十分に遠ざけてください。

  • 作業場所に子供を近づけないでください。子供に運転させないでください。

  • マシンを停止させ、エンジンを止め、駐車ブレーキを掛け、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してから運転位置を離れる。

間違った使い方や整備不良は負傷などの人身事故につながります。事故を防止するため、以下に示す安全上の注意や安全注意標識のついている遵守事項は必ずお守りください:注意、警告、および危険 の文字は、人身の安全に関わる注意事項を示しています。これらの注意を怠ると死亡事故などの重大な人身事故が発生する恐れがあります。

このマニュアルの他の場所に書かれている注意事項も必ずお守りください。

安全ラベルと指示ラベル

Graphic

以下のラベルや指示は危険な個所の見やすい部分に貼付してあります。 破損したりはがれたりした場合は新しいラベルを貼付してください。

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組み立て

クレートからエアレータを取り出す

  1. クレートからエアレータを取り出します。

  2. エアレータ格納スタンドを出荷用パレットに固定しているボルトを外し、パレットからエアレータを取り出す。

  3. エアレータから格納スタンドを外す。スタンドは格納用に保管しておく。

    Note: SR54-S と SR70-S には出荷用スタンドはついておりません。

  4. エアレータを床面に降ろす:エアレータの前ローラを床面に接触させ、コアリングヘッドは角材で支える。

下リンクアームを接続する

この作業に必要なパーツ

ヒッチピン 2
リンチピン2
  1. エアレータの直前までトラクタを後退で寄せ、下リンクアームを取り付けブラケットに整列させる。

    Note: エアレータのギアボックスのシャフトとトラクタの PTO シャフトを整列させてください(トラクタの中心線上に取り付けます)。整列していない場合には、下リンクアームの左右位置を調整してシャフトを合わせてください。

  2. PTOが解除されていることを確認する。

  3. 駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止させ、キーを抜き取る。エンジンと可動部すべての動きが停止するのを確認して運転席から降りる。

    Note: 地上高を最大にするには、ヒッチピンをエアレータの低い方の取り付けブラケット穴(がついている場合)に差し込みます。高い方の取り付け穴をいつ使用するかについては、PTO シャフトを接続するを参照してください。

    SR54 と SR54-S エアレータのみ

    Note: SR54 および SR54-S エアレータでは、ヒッチピンとリンチピンを取り付けて出荷しております。

  4. 下リンクアームをエアレータ取り付けピンに、リンチピンで取り付ける(図 3)。

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    SR70, SR70-S, SR72 エアレータのみ

  5. 下リンクアームをエアレータ取り付けブラケットに、ヒッチピンとリンチピンを使って取り付ける(図 4)。

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油圧上リンクを接続する

モデル SR54, SR70, SR72

この作業に必要なパーツ

油圧上リンク 1
油圧ホース, 1.05 m1
油圧ホース, 0.76 m1
延長ブラケット2
回転ブラケット1
ホースのクイックカップラ2

Note: 付属部品のカップリングがトラクタに合っていることを確認してください。合わない場合には、トラクタのメーカーに連絡して適切なカップリングを入手してください。

トラクタに、コントロールレバー付きのダブルアクション・スプールバルブと、0.5"(12.7 mm)のクイックカップリング 2 個が装備されている必要があります。上油圧リンクホース用にクイックカップリング(2個)が付属しています(ホース端のねじは ½–14 NPTF)。

この説明は、ホースを取り付けて延長の必要があるか、回転ブロックが必要かを決めるのに使用します。ここに挙げる情報は、エアレータの深さレンジを決める手助けとなります。

  1. トラクタに付いているピンを使って、油圧式上部リンクの接続リンクをトラクタに固定する(図 5)。油圧式上部リンクは、ロッドの端がエアレータを向くように取り付ける。シリンダポートは、トラクタの補助パワー油圧に向くように取り付ける。

    Note: 油圧シリンダのポートが上を向くような取り付けしかできない場合には、通常の取り付けブロックではなく、回転ブロックを使ってポートの位置を合わせてください(図 5)。回転ブロックの代わりに 90 度油圧フィッティングを使用することができます(フィッティングは付属品ではありません)。

    以下の手順で回転ブロックを取り付ける:

    1. 通常の接続リンクをシリンダに固定しているコッターピンとピンを抜き取る(図 5)。シリンダから接続リンクを取り外す。

    2. 外したピンを使って、回転ブロックをシリンダに取り付ける(図 5)。

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  2. 長さ 107 cm の油圧ホースを、油圧式上部リンクのポート(エアレータに近い方のポート)に接続する(図 5)。オイル漏れを防止するために、ねじ部にはシールドテープやコンパウンドなどのシール材を使用すること。

  3. 長さ 76 cm の油圧ホースを、油圧式上部リンクのポート(トラクタに近い方のポート)に接続する(図 5)。オイル漏れを防止するために、ねじ部にはシールドテープやコンパウンドなどのシール材を使用すること。

  4. クイックカップリングを、油圧ホース(ホース端のねじは ½–14 NPTF)に取り付ける。オイル漏れを防止するために、ねじ部にはシールドテープやコンパウンドなどのシール材を使用すること。

  5. クイックカップリングを取り付けた油圧ホース 2 本を、トラクタの油圧ポートに接続する。

  6. トラクタのエンジンを始動し、トラクタのスプールバルブを操作して、油圧式上部リンクの油圧シリンダの動きをチェックする。

    Note: 油圧シリンダの動きがトラクタ側の操作と逆になっている場合には、ホースの接続をトラクタとの接続部分で入れ替える。

  7. リンクピンとリンチピンを使って、油圧式上部リンクのロッド端を、エアレータのできるだけ前側の穴に固定する(図 6または図 7)。

    Important: 油圧リンクのロッド端を固定するときに、取り付けブラケットの取り付け穴のうち、前側の穴を使用してください; これにより、ロッドを引き込んだ際にシリンダバレルに十分な空間を確保することができるようになります。

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    g016185

    油圧シリンダのロッドがブラケットにとどかない場合には、通常の取り付けブロックではなく、延長ブロックを使ってください(図 5)。

    Note: 延長ブロックを取り付けるのに、シリンダを縮めなければいけない場合、エアレータのヘッドと地表面との距離が小さくなります。

    以下の手順で延長ブロックを取り付ける:

    1. 通常の接続リンクをシリンダに固定しているコッターピンとピンを抜き取る(図 5)。シリンダから接続リンクを取り外す。

    2. 外したピンを使って、必要な長さの延長ブロックをシリンダに取り付ける(図 5)。

深さゲージを取り付ける

モデル SR54, SR70, SR72

この作業に必要なパーツ

深さゲージ 1
スライドブロック 1
ねじ(#10 x ½") 2
ねじ(¼ x 2½")2
チューブクランプ 1
溶接プレート 1
深さ表示ステッカー 1
  1. スライドブロックの平らな面に深さゲージを取り付ける;ねじ(#10 x ½")2本を使用し、各部材を図 8のように配置する。

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  2. チューブクランプ、溶接プレート、およびねじ(¼ x 2½")2本を使って、深さゲージを上リンクシリンダのロッドの先端部に仮止めする(図 8)。適当な位置に自由に回せるようにクランプはゆるく止めておくこと。

  3. シリンダの先端部が十分にきれいであること(ステッカーを貼れる状態)を確認する。

  4. シリンダの上部に深さ表示ステッカーを貼り付ける。運転位置から見える位置で、かつ、油圧ホースなどの配置を邪魔しない位置を選んで貼り付けること(図 8)。ステッカーの最後(J という文字で終わる)がエアレータに向くように貼り付ける。

  5. シリンダロッドが、トラクタの他の可動部などと干渉せずに自由に伸び縮みできることを確認する。問題なければ、深さゲージを適切な位置に保持して取り付けねじを本締めして固定する。

  6. ステッカーに印刷されている文字は特定の深さを表すものではない。エアレータを試運転して実際の深さを調べ、その深さがゲージの表示でどの位置になるのかを確かめるようにする。そのようにした上で、実際に穴あけ作業を行うときに、より深く(J 側)またはより浅く(A 側)という風に調整する。

上油圧リンクを接続する

この作業に必要なパーツ

スプリング付き上リンク1
リンクピン3
リンチピン3
  1. リンクピンとリンチピン 2本ずつをつかって、スプリング付き上リンクをエアレータのブラケットに取り付ける(図 9)。

  2. トラクタの上リンクのロックナットをゆるめる。上リンクの長さを調節して、上リンクと、エアレータのスプリング付き上リンクのクレビスとを整列させる(図 9)。

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  3. トラクタの上リンクを、スプリング付き上リンクのクレビスに接続し、リンクピンとリンチピンで固定する(図 9)。

  4. 上リンクチューブのネジ山部分にグリスを塗る。

  5. 上リンクのスプリングの長さを測定する。

  6. スプリングの長さが 13 mm になるように、上リンクを回転させてスプリングを押し縮める(図 9)。

  7. ロックナットを締めて上リンクを固定する。

油圧上リンクの設定を確認する

  • 油圧シリンダを伸ばすとタインの打ち込み深さが大きくなります。

  • 油圧シリンダを一杯に伸ばして、タインヘッドの位置を決め、ヘッドが地面に接触するかどうかを確認してください。

    Note: アンジュレーションの強いターフでは、シリンダを調整することによってタインの打ち込み深さを一定に維持する(起伏の頂上部で)ことができますが、この場合、タインヘッドが地表面よりも約 5 cm 下になるようにする必要があります。

  • ヘッドが地面に接触する設定ではターフを損傷する恐れがあります。

    タインヘッドが地表に当たる場合には、シリンダ端部の位置を調節してエアレータの上部をトラクタに近づけてください。

  • タインヘッドが地表に接触しない場合には、延長ブラケット(エアレータの付属品)を上リンクに取り付けると、タインヘッドを地表面に近づけることができます。

Important: PTO の接続を行なう時にエアレータを必要以上に高く持ち上げないでください。高く上げすぎると PTO シャフトの継手部分を破損させる恐れがあります(図 10)。エアレータを上昇させたままで PTO を連続回転させないでください。PTO は 25° 程度の角度までは折れた状態で運転が可能ですが、エアレータを一番高い位置にした場合には 35° にまで達し、この角度で回転させるとシャフトに重大な損傷が発生する危険があります。

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PTO の角度を点検する

Important: この作業を行うときには、タインを外してください。

床の上で、エアレータを一番低い位置にした状態で、PTO とトラクタとの角度を調べます。

エアレータを上昇させ、上部リンクの油圧シリンダを完全に縮めます。傾斜計を使って、PTO とエアレータとの角度を調べます。この角度が 35 度よりも大きい場合には、トラクタ側で調整を行って、エアレータを一番高く持ち上げても 35 を超えないようにしてください。トラクタの上昇停止装置(リフトストップ)で調整するか、下リンクを高い穴に移せる場合はそれで調整してください。

PTO シャフトの寸法合わせを行なう

この作業に必要なパーツ

PTO シャフト1
  1. エアレータとトラクタを平らな場所に駐車する。

  2. エアレータを一番高い位置まで上昇させ、油圧上部リンクの油圧シリンダ(または上部リンク)を完全に縮める(図 11)。

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  3. トラクタの PTO シャフト後端のロッキング溝からエアレータのギアボックスの PTO シャフトのロッキング溝からまでの距離を測定する(図 12)。この距離を記録する。例: 67 cm

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  4. エアレータを床に降ろし、油圧上リンクの油圧シリンダまたは上リンクを一杯に伸ばす(図 13)。

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  5. トラクタの PTO シャフト後端のロッキング溝からエアレータのギアボックスの PTO シャフトのロッキング溝からまでの距離を測定する(図 14)。この距離を記録する。例: 70 cm

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  6. PTO シャフトの一方の端部にあるロッキングピンのボールの中心から、反対側の端部にあるロッキングピンの中心までの距離を測定する(図 15)。この距離を記録する。例: 81 cm

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  7. 14 と 図 12 とのうち、小さい方の数値を、図 15 の距離から差し引く。例: 81 cm - 67 cm = 14 cm

  8. この例では、シャフトが 14 cm 長すぎるという結果である。ここで、エアレータを一番高い位置まで上昇させても PTO シャフトが外れないように、1.2 cm の余裕を持たせる。

    例: 14 cm + 1.2 cm = 15 cm

  9. PTO シャフトのチューブを押し縮めて一番短くなった状態にする。内側の シャフトが飛び出して外側のシャフトのクロス部やベアリング部に入らないことを確認する(図 16)。入り込むようであれば もう少し 内側シャフトを短く切断して修正する。次の手順へ進む。

  10. 内側のシャフトが外側のシャフトのクロス部やベアリング部に入っている深さを測定する(図 16)。この値を、先ほどのステップ 8 で求めた値に加える。

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  11. PTO を 2 つに分離する(図 17)。

  12. 各シャフトの端から安全シールドまでの距離を測る(図 17)。それぞれの距離を記録する。

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  13. 手順 8 で決定した寸法位置を、各 PTO シャフトのシールド上で測り、マーキングしてシールドを切り落とす(図 18と図 19)。

    Note: 内側シャフトが飛び出して外側のシャフトのクロス部やベアリング部に入るようであれば、もう少し長く切断する。

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  14. 手順 11 で決定した寸法を使って、安全シールドのみを切断し、各シャフト部分が露出するようにする(図 20と図 21)。

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    g237891
  15. 各切断部のバリをヤスリでていねいに落とし、ヤスリによる研削粉もシャフトから十分に除去する。

  16. 内側シャフトにグリスを塗布する。

    Note: 通常の使用状態においては、内側シャフトと外側シャフトが 1/2 ずつオーバーラップしていることが必要である; また、どのような使用状態の場合でも、内側シャフトと外側シャフトが少なくとも 1/3 ずつはオーバーラップしていることが必要である。移動走行中でシャフトが回転していない時には、内外のシャフトが適切に一体化を維持でき、また相互に自由に出入りできるように適切にオーバーラップしていることが必要である。

PTO シールドを取り付ける

この作業に必要なパーツ

PTO シールド1
  1. エアレータのギアボックス後部についているボルト、ロックワッシャ、平ワッシャ(各 4 個)を外す(図 22)。

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  2. いま取り外したボルト類を使用して、PTO シールドをエアレータのギアボックスに取り付ける(図 22)。PTO シールドを取り付ける際に、アクセスパネル(図 22)が上または側面にくるようにする; 上になるか側面になるかは、エアレータのフレームの構成による。

PTO シャフトを接続する

この作業に必要なパーツ

ピン(PTO シャフトの付属品) 1
ナット(PTO シャフトの付属品)1

Note: アクセスパネル(図 22)を開けると、PTO シャフトの取り付けボルト類の着脱が容易になります。

  1. PTO シャフトからピンとナットを外す(図 23)。

  2. いま取り外したピンとナットを使って、PTO シャフトのクラッチ側の端部を、エアレータのギアボックスの入力シャフトに接続する(図 23)。ピンは一方向にしか差し込めない構造である。

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    Note: PTO シールドのアクセスパネルは、開けたら必ず閉めてラッチを掛けてください。

    Note: ピンが PTO のヨークに完全に入っていることを確認する。

  3. PTO シャフトをトラクタの PTO シャフトに接続する(図 24)。

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  4. PTO シャフトをできるだけ前へ伸ばす。

  5. ロック用カラーを後ろに引いて PTO シャフトを固定する。PTO シャフトを前後にスライドさせてロック状態を確認する。

  6. PTO シールドとトラクタのブラケットに、シールド安全チェーンを取り付ける(図 25)。エアレータを上下させてもチェーンに余裕があることを確認する。

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    Note: エアレータを高く持ち上げすぎないように、トラクタの昇降アームは、昇降ブラケットがある場合にはその一番上の穴に接続してください(図 26)。PTO シャフトの最大角度は 35° です。

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    Important: PTO の接続を行なう時にエアレータを必要以上に高く持ち上げないでください。高く上げすぎると PTO シャフトの継手部分を破損させる恐れがあります(図 27)。エアレータを上昇させたままの状態では、絶対に PTO を連続回転させないでください。PTO は 25° 程度の角度までは折れた状態で運転が可能ですが、エアレータを一番高い位置にした場合でも 35° を絶対に超えないようにしてください。

  7. PTO のシールドがクラッチと干渉しないことを確認する。

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スウェイ・リンクを調整する

エアレータ はトラクタの PTO シャフトの中心線上に取り付けます。必要に応じてスウェイリンクを調整してください。

エアレータの PTO シャフトとトラクタの PTO シャフトとができる限り一直線上に整列するようにしてください。

左右のふれが各側で 25 mm 以内となるように、下昇降アームのスウェイリンクを調整します(図 28)。

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下リンクを機械内側に向けて調整して、ブロアの取り付け板に接触させます。これにより、ピンへの負荷を小さくすることができます。トラクタに付いているのがスウェイリンクではなくスウェイチェーンの場合は、下リンクアームとリンチピンの間にワッシャを挟んでリフトピンへのオーバーハング負荷を小さくしてください。

Note: 取り付け、調整の詳細については、トラクタのマニュアルを参照してください。

エアレータの左右の水平を調整する

この作業に必要なパーツ

水準器(別途入手)1
  1. エアレータとトラクタをしっかりした平らな場所に駐車する。

  2. エアレータのフレームの上部に水準器を左右方向に置いて水平度を点検する(図 29)。

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  3. 調整リンクボディが付いている場合は、これでリンクアームを上昇・降下させ、エアレータを左右水平にする。

    Note: 調整の詳細については、トラクタのマニュアルを参照してください。

タインを取り付ける

この作業に必要なパーツ

必要なタイン(必要に応じて)

豊富な種類のタインを使用することができます。作業にふさわしいタインのタイプ、サイズおよび間隔を選んでください。使用できるアクセサリについては、パーツカタログをご覧ください。

  1. エアレータがスタンドまたは支持ブロックなどの上でしっかりと安定していることを確認する。

  2. トラクタのエンジンを止め、キーを抜き取る。

  3. エアレータに既にタインが付いている場合には、クランプボルトをゆるめてそれらのタインを取り外す(図 30)。

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  4. 取り付けるタインに合った取り付け穴にタインを差し込む。絶対に、大きな取り付け穴に細いタインを取り付けないこと。タインは穴の天井に当たるまで確実に差し込むこと。

    Note: 中空タインは、コアの排出スロットを後ろに向けて取り付けてください; むくのタインは、タインのチップアングルをエアレータに向けて取り付けてください(図 30)。

  5. クランプボルトを十分に締め付けてタインを固定する。インパクト式の工具を使用しないこと。

  6. 新しく取り付けたタインの角度の設定を行なう。タインの角度の調整を参照。

  7. タインの取り付けが終了したあと、本ターフで実際の作業を始める前に、試験区域で試運転を行い、トラクタのギアの選択や、エアレーション作業(穴開け間隔や作業後の見栄えなどに関して)の微調整を行い、イメージ通りの作業ができるようにする。

タインの深さを設定する

タインの深さは、後ローラを上下させて変更することができます。ローラの高さ調整は、ローラ高さ調整ボルトで調整します。

Note: エアレータは A 設定で出荷されています。

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  • ポジション A:最大深さ

  • ポジション B: ポジション A よりも深さが 38 mm 小さくなる

  • ポジション C: ポジション A よりも深さが 76 mm 小さくなる

後ガードを取り付ける

この作業に必要なパーツ

後ガード1
ねじ(⅜ x 3¼")4
平ワッシャ(0.438 x 1")12
ロックナット4
エンドキャップ2
  1. 後ガードチューブの端部にエンドキャップを取り付ける(図 32)。

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  2. 後ガード取り付けチューブの穴を、エアレータのサイドプレートの穴に合わせる(図 32)。

    Note: SR54–S と SR70–S モデルでは、エアレータのタインの深さの設定がポジション A の場合は、チューブの端をサイドプレートの下側の取り付け穴に取り付ける(図 33)。深さ設定をポジション B または C にするには上側の取り付け穴を使用する。

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  3. ガード取り付けチューブを、サイドプレートに取り付ける;ねじ4本、平ワッシャ、ナットを利用する(図 32)。

    Note: チューブとエアレータのサイドプレートとの間に隙間がある場合には、残っているワッシャを入れて埋める。

保管用スタンドを外す

(モデル SR54 および SR70)

  1. エアレータのローラを床から 7.5-15 cm 浮かせる。ローラの下に支持ブロックを置く。

  2. 保管用スタンドとエアレータとを接続しているボルトとロックワッシャとナットを取り外す(図 34)。

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  3. 保管用スタンドを外す。

  4. エアレータをトラクタから切り離すときには、必ずこの保管用スタンドを使用する。

モデル SR72

  1. エアレータのローラを床から 7.5-15 cm 浮かせる。ローラの下に支持ブロックを置く。

  2. 保管用スタンドとエアレータとを接続しているボルトとロックワッシャとナットを取り外す(図 35)。

    g010967
  3. 保管用スタンドを外す。

  4. エアレータをトラクタから切り離すときには、必ずこの保管用スタンドを使用する。

    Note: スタンドを取り付ける際には、ローラプレートの内側に取り付けて、下フレームチューブがスタンドに載るようにすること。

    Note: SR54-S と SR70-S には出荷用スタンドはついておりません。

ラッチロックを取り付ける

CE 適合の場合

この作業に必要なパーツ

ロックプレート2
タップボルト2
リテーナリング2
  1. ラッチプレートの取り付け穴をサイドプレートの穴に合わせて、フードラッチへの取り付け位置を決める(図 36)。

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  2. ラッチプレートをサイドプレートに固定する;タップボルトとリテーナリングを使用する(図 36)。

  3. もう一方のフードラッチにも同じ作業を行う。

CE 用のデカルと製造年デカルを貼り付ける

CE 適合の場合

この作業に必要なパーツ

CE用デカル1
製造年表示ステッカー1

CE 規格基準に完全に適合するようにセットアップできたら、CE デカルと製造年デカルを、シリアル番号プレートの隣に貼りつけます(図 37)。

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製品の概要

Note: 仕様および設計は予告なく変更される場合があります。

 プロコア SR54プロコア SR54-Sプロコア SR70プロコア SR70-Sプロコア SR72
重量(PTOと上リンクを含む)528 kg563 kg623 kg679 kg948 kg
作業幅1.37 m(54")1.37 m(54")1.85 m(73")1.85 m(73")1.83 m(72")
穴あけ深さ(可変)25 - 250 mm25 - 250 mm25 - 250 mm25 - 250 mm25 - 400 mm
穴あけ間隔64 - 102 mm64 - 102 mm64 - 102 mm64 - 102 mm75 - 150 mm
作業能力3,345 m2/hr 3,345 m2/hr 4,460 m2/hr 4,460 m2/hr 3,530 m2/hr
推奨されるトラクタのサイズ16-18 hp18 hp25-35 hp25-35 hp45 hp
推奨される持ち上げ能力544 kg680 kg771 kg817 kg1,270 kg
推奨されるカウンタウェイト70 kg70 kg115 kg115 kg135–225 kg
推奨される PTO 速度400~460 rpm400~460 rpm400~460 rpm400~460 rpm400~460 rpm
実際の作業速度(PTO 速度が 400 rpm のとき) (但し穴あけ間隔により異なる)2.4-4.0 km/h2.4-4.0 km/h2.4-4.0 km/h2.4-4.0 km/h1.3-2.4 km/h
昇降システム標準 3 ポイント標準 3 ポイント標準 3 ポイント標準 3 ポイント標準 3 ポイント

アタッチメントとアクセサリ

トロが認定した各種のアタッチメントやアクセサリがそろっており、マシンの機能をさらに広げることができます。 詳細は弊社の正規サービスディーラ、または代理店へお問い合わせください;弊社のウェブサイト www.Toro.com でもすべての認定アタッチメントとアクセサリをご覧になることができます。

せっかく手に入れた大切な機械を守り、確かな性能を維持するために、交換部品はトロの純正部品をご使用ください。純正パーツは、トロが設計・指定した、完成品に使用されているものと全く同じ、信頼性の高い部品です。確かな安心のために、トロの純正にこだわってください。

運転操作

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

運転前の安全確認

  • 子供やトレーニングを受けていない大人には、絶対に運転や整備をさせないでください。地域によっては機械のオペレータに年齢制限を設けていることがありますのでご注意ください。オーナーは、オペレータ全員にトレーニングを受講させる責任があります。

  • 各部の操作方法や本機の正しい使用方法、警告表示などに十分慣れ、安全に運転できるようになりましょう。

  • エンジンの緊急停止方法に慣れておきましょう。

  • オペレータコントロールやインタロックスイッチなどの安全装置が正しく機能しているか、また安全カバーなどが外れたり壊れたりしていないか点検してください。これらが正しく機能しない時には機械を使用しないでください。

  • 使用前に必ず機体の点検を行い、タインの状態が良好であることを確認してください。磨耗したり破損したりしているタインは交換してください。

  • これから機械で作業する場所をよく確認し、エアレーションの障害になりそうなものはすべて取り除きましょう。

  • 散水関係機器、電線、電話線など作業上問題になりそうなものはすべて、小旗を立てるなどして適切にマーキングしてください。障害物は、可能な場合は除去し、そうでない場合は避ける方法を計画しておきましょう。

  • 使用するトラクタの能力をトラクタメーカーやトラクタ販売店などに確認してください: この重量のエアレータを確実に搭載操作できる能力のあるトラクタであることが必要です。

  • 機器の調整を行う時は必ずエンジンを停止させ、すべての部分が完全に停止するのを待ってください。

アウトクロストラクションユニットのコントロール装置

アウトクロスについての詳細は、アウトクロストラクションユニットのオペレーターズマニュアルを参照してください。

トラクタのコントロール装置

実際にエアレータの運転操作を始める前に、以下の操作方法をよく知っておいてください。

  • PTO 接続装置

  • エンジン/PTO 速度

  • 3 点ヒッチ(上昇/下降)

  • 補助バルブの操作

  • クラッチ

  • スロットル

  • ギアの選び方

  • 駐車ブレーキ

    Important: トラクタの運転の詳細については、トラクタのマニュアルを参照してください。

運転操作の概要

エアレータは、トラクタの3点ヒッチ(と機械によっては上油圧リンク)で持ち上げた状態で移動させ、作業現場で下降させて使用します。

トラクタからの駆動力は PTO シャフトとギアボックスおよび O リング駆動チェーンを通じてクランクシャフトに伝えられ、そこからタインアームに伝達されてタインが芝面に打ち込まれます。

エアレータを下降させ、PTO を駆動した状態でトラクタが前進走行することにより、芝面に連続的に穴あけを行ないます。

穴あけの深さは、油圧式上部リンクを伸ばすことにより、または、固定式上部リンクを希望する位置にセットすることによって設定します。

穴と穴の前後間隔はトラクタのギア比(又は油圧走行ペダルの設定位置)と、タインヘッドに取り付けたタインの数によって決まり、エンジン回転数を変化させただけでは穴あけ間隔は変化しません。

トラクタの PTO 速度

エアレータは、タインのサイズや重量によって若干の差異はありますが、おおむねPTO の速度が 460 rpm で運転するように設計されています。ほとんどのトラクタでは、回転計で 540 rpm と表示されます。エンジンの回転速度と PTO の回転速度は比例関係にありますから、400 rpm で作業をしたい場合には、以下の公式によって、必要なエンジン速度を求めることができます。

(PTO の速度が 540 rpm のときのエンジンの速度) x (400÷540) = 必要なエンジン速度

例: エンジンの回転速度が 2,700 のときに PTO の速度が 540 rpm となる場合には:

2,700 x (400÷540) = 2,000 rpm

この例では、トラクタのエンジン速度を 2,000 rpm とすることによりPTOの速度を 400 rpm にすることができます。

お使いのトラクタでPTO の速度が 540 PTO rpm のときのエンジン回転数が上記の数値(2,700 rpm)と異なる場合には、2700 の代わりにその数値を上記の例に当てはめればよいのです。

Note: 長さ 24.5 cm 以下のタインの場合の PTO 速度は 460 rpm、長さ 24.5 cm を超えるタインの場合の PTO 速度は 425 rpm です。

トレーニング期間

プロコアを使って実際に作業を始める前に、広い安全な場所で十分に運転操作に慣れておきましょう。所定のギアでの走行やPTO操作、エアレータの上昇下降操作などを十分に練習してください。始動、停止、エアレータの上昇下降だけでなく、列をそろえて作業する練習なども必要です。運転に自信が生まれれば機械の性能をよりよく発揮することができます。

現場にスプリンクラーや電線などが埋設されていて、エアレーション中にこれらを打ち抜く危険性がある場合には、目印の小旗を立てるなど入念な準備をしてください。

注意

可動部に巻き込まれると重大な人身事故となる。

人身事故防止のため、トラクタの運転席を離れる場合には、PTO を解除し、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止すること。また、エアレータの整備・修理を行う時には、まず機体を適切なスタンドや台、ジャッキなどの上に下ろすこと。整備等が終了したら、全ての安全ガード類を確実に取りつけてから運転を再開すること。

エアレーションを始める前に

散水関係機器、電線、電話線など作業上問題になりそうな地下埋設物はすべて、小旗を立てるなどして適切にマーキングしてください。

エアレーションを始める前に現場の様子を十分に観察し、作業の障害になるものはできるだけ取り除き、取り除けないものがあれば、安全な作業方法を考えます。タインが異物に当たって破損することがありますから、予備のタイン、スプリングワイヤ、スプリング、および工具を携帯するほうがよいでしょう。

Important: 後退走行中や、エアレータを上昇させた状態では、エアレータを作動させないでください。

運転中の安全確認

  • オーナーやオペレータは自分自身や他の安全に責任があり、オペレータやユーザーの注意によって物損事故や人身事故を防止することができます。

  • 作業にふさわしい服装をする;目の保護具、すべりにくく頑丈な靴、長ズボン、聴覚保護具を着用してください。長い髪は束ねてください。垂れ下がるような装飾品は身に着けないでください。

  • 疲れている時、病気の時、アルコールや薬物を摂取した時は運転しないでください。

  • 絶対に人を乗せないでください。また、作業中は周囲から人やペットを十分に遠ざけてください。

  • 運転は、穴や障害物を確認できる十分な照明のもとで行ってください。

  • タインに手足を近づけないでください。

  • バックするときには、足元と後方の安全に十分な注意を払ってください。

  • 異物をはね飛ばしたときや機体に異常な振動を感じたときにはまずエンジンを停止し、各部の動きが完全に止まるのを待って、タイン部分をよく点検してください。異常を発見したら、作業を再開する前にすべて修理してください。

  • エアレータは非常に重い機械です。トラクタに連結して上昇させた状態では、エアレータの重量のために、トラクタの安定性、ブレーキ、ハンドリング性能などに影響が出ます。現場から現場への移動に際しては安全に十分注意してください。

  • トラクタのタイヤ空気圧を常に正しく調整して使ってください。

  • 公道を走行する時には、必ず法令などで定められた装備を行ってください。リフレクタ、照明灯火など定められているものがすべて所定の位置に取り付けられ、正常に作動することを確認してください。

  • エアレータに人を乗せないでください。

  • 悪路では走行速度を落としてください。

  • 移動走行に際しては、必ず左右独立ブレーキを確実にロックしておいてください。

  • PTO シャフトのスチール部分(チューブ、ベアリング、ジョイントなど)分解や修理を行う場合には、トロ代理店にご相談ください。これらの部分の分解や修理は特殊工具を必要とする場合があり、専門知識のない人が作業を行うと、他の部分を破損させるなどする恐れがあります。

  • PTO には必ず付属品のガードを取り付けてください。

  • 摩擦クラッチは、使用中に熱くなることがある。触らないこと。 火災を防止するため、クラッチの周囲には燃えやすいものを置かないようにし、また、長時間にわたる半クラッチ操作をしないように心がけること。

斜面での安全確保

  • 牽引車両がどのていどの法面まで走行可能なのかを必ず確認しましょう。

  • 斜面はスリップや転倒などを起こしやすく、これらは重大な人身事故につながります。斜面での安全運転はオペレータの責任です。どんな斜面であっても、通常以上に十分な注意が必要です。

  • 斜面については、実地の測定を含めてオペレータ自身が調査を行い、安全に作業ができるかどうかを判断してください。この調査においては、常識を十分に働かせてください。

  • 以下に掲載している斜面での運転上の注意点やその場合の天候条件および場所の条件などを良く読み、作業日当日の現場のコンディションが作業に不適当な状態でないかどうか判断してください。同じ斜面上であっても、地表面の条件が変われば運転条件が変わります。

  • 斜面での発進・停止・旋回は避けてください。急に方向を変えたり急な加速やブレーキ操作をしないでください。旋回は速度を落としてゆっくりと行ってください。

  • 走行、ステアリング、安定性などに疑問がある場合には運転しないでください。

  • 隠れた穴、わだち、盛り上がり、石などの見えない障害は、取り除く、目印を付けるなどして警戒してください。深い芝生に隠れて障害物が見えないことがあります。不整地では機体が転倒する可能性があります。

  • ぬれ芝、急斜面など滑りやすい場所で運転すると滑って制御できなくなる危険があります。駆動力を失うと、スリップを起こしたりブレーキや舵取りができなくなる恐れがあります。

  • 段差、溝、盛り土、水などの近では安全に十二分の注意を払ってください。万一車輪が段差や溝に落ちたり、地面が崩れたりすると、機体が瞬時に転倒し、非常に危険です。必ず安全距離を確保してください。

エアレーションの手順

Important: マシンを長期にわたって格納保管した場合には、PTO スリップが正常に作動することを確認してください。PTO クラッチの調整を参照。

  1. タインが一番下まで降りた時にタインの先端が地表すれすれの高さとなる位置まで、エアレータを降下させる。

  2. トラクタのエンジンを低速回転させた状態でPTOクラッチを接続し、エアレータの動作を開始する。

  3. 所定の PTO 速度(400-460 rpm)で前進速度が 1-4 km程度となるようにギアを選択する(トラクタのオペレーターズマニュアルを参照)。

  4. クラッチから足を離し、トラクタが前進を開始するのに合わせてエアレータを完全に降下させ(ローラが接地)、エンジンの回転数を上げて、PTO の最大回転数を 400-460 rpm(SR72 の場合は 460 rpm)とする。

    Important: トラクタの PTO 速度は絶対に 460 rpm を超えないこと; この速度を超えるとエアレータが破損する恐れがある。

    Important: エアレータの作動中はローラが常時接地していることを確認する。

  5. 穴あけの状態を観察する。前後の穴あけ間隔を広くしたければ、ギアによって(油圧走行の場合には油圧レバーやペダルによって)速度を上げる。穴の間隔を狭めたい場合には、ギアによって速度を下げる。ギアを変えずにエンジン速度を変えても間隔は変化しない。

    Important: 後方を頻繁に確認し、作業の様子や畝がそろっているかなどを確かめながら運転してください。

  6. トラクタの前輪を目印として、隣のうねとの穴間隔を保持する。

  7. うねの端まできたら、エアレータを手早く上昇させ、エンジン回転数を落とし、PTOを解除する。

  8. 狭い場所にバックで進入する(ティーなど)場合には、PTOを解除し、エアレータを一番高い位置まで上昇させる。後退しながらの作業は絶対にしないこと。

  9. タインを破損したりした場合には、必ず破片をきれいに集め、後からくる芝刈機などが事故を起こさないように配慮する。

  10. 破損したタインは新しいものに交換し、既存のタインに異常がないか確認してから作業を続ける。駆動部分などに破損が見つかった場合には、必ず修理してから作業を再開する。

深耕

トラクタとエアレータが前進するにつれて、タインの鋤起こし効果による深耕、すなわち土壌深部の土を砕く或いは持ち上げて「ほぐす」動作が行なわれます。エアレーション作業後のターフのプレーコンディションは、ターフの生育状態、根の発達状態、土壌の水分含有状態などさまざまな要素の影響により異なってきます。

固い土壌

土壌が固すぎると、コアリングヘッドがバウンドするように動きます。これは地中の固結層でタインが跳ね返されているためです。このような状態になった場合は、次のような措置(複数可)をとってください:

  • 雨の後や散水した翌日などがよい。

  • アーム1本あたりのタインの数を減らす。タインの配置が対称形になるようにしてアームに掛かる負荷を平均化する。

  • 土壌の固結がひどい場合には、穴あけ深さの設定を浅くする。エアレーション後にコアを回収し、散水を行ってから、穴あけ深さを深く設定してもう一度コアリングを行う。

非常に固い下層土壌の上に盛り土をして造成した場所(岩の多い土地の上にサンドや土を盛り上げたような場合)では、穴の形が悪くなる場合があります。特に、盛り土(表層土)の厚さよりも深く穴をあけようとすると、この問題が出やすくなります。これは、土層の境界部にタインが当たるときにエアレータが持ち上げられてしまい、そのために穴の上部の形が崩れるためです。このような場合には、深い層を叩かないように、穴あけ深さを浅くしてください。

長いタイン/大きいタイン

25 cm 以上

長いタイン/大きいタインを使うと、穴の前または後ろ部分がわずかに変形する場合があります。このような場合には、コアリングヘッドの動作速度を、最大速度よりも 10-15% 遅くすると、たいていは改善されます。PTO 駆動式のエアレータではエンジン速度を落として PTO 速度を 400-420 rpm に下げてください。エンジンを速度を下げても、進行方向の穴あけ間隔は変化しません。この押し付け変形は、キャンバブラケットの位置によっても影響を受けます。タインの角度の調整を参照。

マルチロー(複数列)アダプタヘッド

マルチロー(複数列)アダプタヘッドを使用するときには PTO 速度を 400-420 rpm に下げてください。エンジンを速度を下げても、進行方向の穴あけ間隔は変化しません。

ルートゾーンの持ち上がり

マルチヘッドに太い中空タインを取り付けて使ったり、太いむくタインを取り付けて使うと、ターフのルートゾーンに非常に大きなストレスが掛かります。そのために、土がやわらかくなり、ターフが持ち上がってしまう場合があります。このような問題が発生した場合には、以下のような措置をとってください:

  • タインの密度を下げる(何本かを外す)。

  • 穴あけ深さを浅くする(問題が出なくなるまで 13 mm くらいずつ浅くしていく)

  • 前進方向の穴あけ間隔を広くする(トラクタの前進ギアを1段高い方にセットする)

  • もっと細いタインを使用する(むくタインの場合も中空の場合も)

タインの角度の調整

モデル SR72

キャンバブラケット(図 38)を、使用するタインに合った正しい位置にセットすしてください。ヘッドストップのセット位置は基本的に 5ヶ所ですが、調整ロッドを通す穴を選択することにより、ヘッドストップのセット位置が 5ヶ所のうちの 1 つに決まります。これらの穴は事前設定のみ可能で、たとえば、場合によっては、10" のタインを 12" 位置で使うとより滑らかな仕上がりとなったりします。

  1. PTOを解除し、駐車ブレーキを掛ける。

  2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

  3. タインヘッドにかかっているスプリングのテンションを解除する(図 38)。

  4. キャンバブラケットの調整穴についているボルトとナットを外す(図 38)。

    g016132
  5. キャンバブラケットを回転させて、アームについている穴のうちの希望する穴に合わせ、ボルトとナットを取り付ける。

    Note: ボルトは、キャンバブラケットとプレートとを貫通するように取り付けること。

  6. タインヘッドにスプリングのテンションを掛ける。

モデル SR54, SR54-S, SR70, SR70-S

リンクアームについている 2 つの調整穴のうちのどちらかを使って、使用するタインの長さに応じた角度を設定する。すでに開けられている穴からのみ選択する。17.8 cm-25.4 cm のタインの場合は、ヘッドバンパーをタインヘッド後部に一番近づけてセットする。土壌の状態などによってこの設定がうまく機能しない場合には、もう一方の位置(ヘッドから遠い方の穴)を使用する。

  1. PTOを解除し、駐車ブレーキを掛ける。

  2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

  3. タインヘッドにかかっているスプリングのテンションを解除する(図 39)。

    g016193
  4. リンクアームからバンバーボルトとバンパーを外し、これらをもう一方の調整穴に差し込む(図 39)。

  5. タインヘッドにスプリングのテンションを掛ける。

タインの深さを調節する

(モデル SR54-S および SR70-S)

タインの深さは、後ローラを上下させて変更することができます。ローラの高さ調整は、ローラ高さ調整ボルトで調整します。

Note: エアレータは A 設定で出荷されています。

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  • ポジション A:最大深さ

  • ポジション B: ポジション A よりも深さが 38 mm 小さくなる

  • ポジション C: ポジション A よりも深さが 76 mm 小さくなる

モデル SR54, SR70, SR72

トラクタのエンジンを始動し、トラクタのスプールバルブを操作して、油圧式上部リンクの油圧シリンダの動きをチェックする。

Note: 油圧シリンダの動きがトラクタ側の操作と逆になっている場合には、ホースの接続をトラクタとの接続部分で入れ替える。

ステッカーに印刷されている文字は特定の深さを表すものではない。エアレータを試運転して実際の深さを調べ、その深さがゲージの表示でどの位置になるのかを確かめるようにする。そのようにした上で、実際に穴あけ作業を行うときに、より深く(J 側)またはより浅く(A 側)という風に調整する。

Note: シリンダを伸ばすとタインの打ち込み深さが大きくなります。

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ヘッドリターンスプリングの調整

ヘッドリターンスプリングの強さを調整することができます。スプリングをエアレータの前方に向けて移動させるとスプリングのテンションが強くなります。すなわち、スプリング取り付けポスト間の距離を大きくすることになります。

  1. PTOを解除し、駐車ブレーキを掛ける。

  2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

  3. リンクアームにかかっているスプリングのテンションを解除する。

  4. スプリング取り付けポストのボルトをリンクアームに固定するナットを取り外す(図 42または図 43)。

    g024284
    g024285
  5. 取り付けポストのボルトを外して取りつけポストをリンクアームから外し、これらをもう次の調整穴に差し込む(図 42または図 43)。

  6. スプリング取り付けポストのボルトをリンクアームに固定するナットを取り付ける。

  7. リンクアームにスプリングを取り付ける。

移動のための運転

移動走行に移るときには、エアレータを上昇させ、PTOを解除します。操縦不能に陥る危険をさけるため、急斜面の横断はゆっくりと行い、ラフに入る時には必ず減速し、アップダウンの大きな場所も十分注意してください。

Important: 移動走行時の最高速度は 24km/h を限度としてください。

運転終了後の安全確認

  • マシン各部が良好な状態にあり、ボルトナット類が十分にしまっているか常に点検してください。

  • 摩耗、破損したり読めなくなったステッカーは交換してください。

作業後の洗浄と点検

1日の作業が終わったら ノズルを付けないホース で機体を十分に水洗いしてください(シール部やベアリングへの浸水を防止するため)。こびりついた汚れはブラシなどで落としてください。カバー類はソフトな中性洗剤で洗ってください。清掃がすんだら、駆動部分とローラ・ベアリングにグリスを補給し、破損、オイルの漏れ、タインの摩耗など機体各部を点検します。Oリング駆動チェーンには注油しないでください。

タインを外し、洗ってオイルを塗ります。コアリングヘッドのベアリング(クランクとダンパリンク)にはオイルを薄く吹き付けてください。

各スプリングをきれいにし、黒鉛やシリコンなどのドライ系の潤滑剤を薄く吹きつけます。

ヒント

  • タインが異物に当たって破損することがありますから、予備のタイン、スプリングワイヤ、スプリング、および工具を携帯するほうがよいでしょう。

  • エンジンスローで徐々にPTOを接続する。エンジン速度を上げて PTO の回転数を 400-460 rpm (最大速度)に上げてエアレータを降下させる。エアレータが最もスムーズに動作するようにエンジンの速度を調節する。

    Note: ギアシフトを変えずにエンジン/PTO 速度を変えても(油圧走行トラクタの場合には、ペダル位置を変えずにエンジン/PTO回転数を変えても)前後の穴あけ間隔は変化しません。

  • エアレーション中の旋回は非常にゆっくりていねいに行う。PTOを動作させたままでの急旋回は絶対にしない。エアレータを実際に着地させるまえに、走行するコースを決めておくこと。エアレーションを行ないながらの急旋回はエアレータとタインを破損させる危険がある。

  • 非常に硬い表面や登り斜面などでトラクタが立ち往生しそうになったら、エアレータをわずかに上げてやり、トラクタのパワーが戻ったらエアレータを完全に着地させる。

  • タインが地面に入るときにわずかに後ろに傾いているとベストの仕上がりとなる。油圧式上部リンクを伸ばすときには、タインヘッドがターフを叩かないように十分注意する。キャンバブラケットの事前設定(納品時にセットされていた穴)をそのまま使用してもベストの仕上がりにならない場合がありうる。特に芝草の根が浅い時にはそうなりやすい。このような場合には、タインの傾きがより大きくなるように設定を変えてみるとよい; キャンバブラケットの別の穴に変更してみる。

  • 地表が非常に硬い時や非常に乾いている時のエアレーションは避ける。雨の後や散水した翌日などがよい。

    Note: 作業中にローラが地表から持ち上げられるのは、地面が硬すぎてタインが完全に地中に入っていないことが原因なので、ローラが持ち上がらない程度まで打ち込み深さを浅くする。

  • 土壌の固結がひどい場合には、穴あけ深さの設定を浅くする。エアレーション後にコアを処理してから、より深い設定で、できれば散水をしてから、一度作業を行う。

    注意

    間違った使い方や整備不良は負傷などの人身事故につながります。

    人身事故防止のため、トラクタの運転席を離れる場合には、必ずPTO を解除し、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止すること。また、エアレータの整備・修理を行う時には、機体をキャスタ/セーフティスタンドに下ろすこと。整備等が終了したら、全ての安全ガード類を確実に取りつけてから運転を再開すること。

  • 後方を頻繁に確認し、作業の様子や畝がそろっているかなどを確かめながら運転してください。一列だけ穴が開かないのは、その列のタインが曲がったり破損したりしていることが原因である。一畝ごとに穴あけ状態を観察点検する。

  • タインを破損したりした場合には、必ず破片をきれいに集め、後からくる芝刈機などが事故を起こさないように配慮する。

  • 破損したタインは新しいものに交換し、既存のタインに異常がないか確認してから作業を続ける。駆動部分などに破損が見つかった場合には、必ず修理してから作業を再開する。

保守

推奨される定期整備作業

整備間隔整備手順
使用開始後最初の 50 時間
  • ギアボックスオイルを交換する。
  • 使用するごとまたは毎日
  • チェーンの張りの点検
  • スプリングを点検する
  • スプリングとタイン取り付けねじを洗って潤滑する。
  • PTO が磨耗していないか点検する。
  • 50運転時間ごと
  • ベアリングと PTO シャフトにグリスを補給します。
  • ギアボックスの潤滑油を点検する。
  • チェーンの張りの点検
  • ベアリングを点検する。
  • 500運転時間ごと
  • ギアボックスオイルを交換する。
  • ベアリングを点検し、必要に応じて交換する。
  • 長期保管前
  • タインホルダーの固定部に注油する。
  • 50運転時間の定期整備を実施する。
  • 機体の塗装がはげていればタッチアップ修理をする。
  • PTO クラッチのボルトをゆるめる。
  • タインを取り外して洗う。
  • よごれをすべて落とす。
  • 1年ごと
  • PTO クラッチの調整格納保管の前と後
  • 保守作業時の安全確保

    • 整備や調整を行う場合は必ずマシンを停止させ、エンジンを止め、駐車ブレーキを掛け、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してください。

    • このマニュアルに記載されている以外の保守整備作業は行わないでください。大がかりな修理が必要になった時や補助が必要な時は、Toro 正規代理店にご相談ください。

    • ボルト、ナット、ねじ類は十分に締めつけ、常に機械全体の安全を心掛けてください。

    • 可能な限り、エンジンを回転させながらの整備はしないでください。可動部に近づかないでください。

    • トラクタのエンジンを作動させたままでチェーンの張りの点検や調整をしないでください。

    • 機器類を取り外すとき、スプリングなどの力が掛かっている場合があります。取り外しには十分注意してください。

    • 機体の下で作業をするときには、機体をブロックや格納保管用スタンドで確実に支えてください。油圧昇降装置だけでエアレータを支えて整備を行うことは絶対にしないでください。

    • タインの取り付けボルトやナットが所定のトルクで締め付けられているか、毎回点検してください。

    • エアレータの整備作業終了後は、必ずすべてのガード類を正しく取り付け、フードを確実に閉めてください。

    マシンを持ち上げる

    注意

    この保持を怠ると、機体が動いたり落下する危険があり、重大な人身事故になるおそれがある。

    アタッチメントを交換する場合など機体を浮かせる必要があるときには、適切なブロック、ホイスト、ジャッキなどを使用すること。まず機体を、コンクリートなどのしっかりした床の上に駐車する。ジャッキアップ前に、吊上げの邪魔になったり整備作業にに不要なアタッチメントなどは全て外す。牽引車両は、必ず輪止めなどを掛ける。必要に応じ、保管用スタンドや安全ラッチなどを利用して機体を確実に支える。

    Note: ホイストなどで車両を吊り上げて下からアクセスしても構いません。その場合、コアリングヘッドのアイを吊上げポイントとして利用します(図 44)。十分な吊り上げ能力のあるホイストを使ってください。仕様を参照。

    g010859

    ベアリングのグリスアップ

    整備間隔整備手順
    50運転時間ごと
  • ベアリングと PTO シャフトにグリスを補給します。
  • プロコアに使用されているベアリングの多くは、完全密封タイプであり、特別な整備や潤滑作業をまったく必要としません。従って保守作業が楽であり、また、グリスでターフを汚すようなことも少なくなっています。

    定期的なグリスアップが必要な個所は以下の通りです: SAE 高温高圧用(EP)汎用グリスまたは SAE リチウム系汎用グリスを使用してください。

    グリスアップ箇所は以下の通りです:

    PTO シャフト(3ヶ所)(図 45)。

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    ローラベアリング(モデルによって 2 または 4)(図 46

    g010861

    Oリングチェーン — このチェーンは潤滑しないこと。

    Important: ベアリングが、材質上の欠陥や製造上の瑕疵のために破損することはめったにありません。破損原因のうちで最も多いのは、水やホコリが保護シールを通り越えて内部に侵入することです。グリスアップの必要なベアリングでは、定期的にグリスを注入することで、内部に侵入した異物を外へ押し出していますから、定期的な整備が非常に大切です。密封式のベアリングは、製造時に特殊なグリスを封入し、強力なシールによって内部を保護しています。

    密封式のベアリングは、短期的には何の整備も必要ないので保守作業が軽減され、また、グリスが落ちてターフを汚すというような事故がありません。このため保守作業が軽減され、また、グリスが落ちてターフを汚すというような事故発生しにくくなります。普通に使用していれば長期間にわたって高い性能を発揮しますが、定期点検は必ず行い、作動状態とシールの劣化状態を確認してください。劣化を放置すると整備に思わぬ時間がかかることになります。これらのベアリングはシーズンごとに点検し、必要に応じて新しいものに交換してください。回転がスムーズなこと、作動中に熱を持たないこと、異音がしないこと、ガタや腐食によるもれがないことが大切です。

    ベアリングは消耗部品です。また、使用環境から様々なストレス(砂、農薬、水、衝撃など)を受けますから、整備の良し悪しによって寿命が大きく変わります。素材または製造上の不良によるベアリングの破損以外は保証の対象にはなりません。

    Note: ベアリングの寿命は、洗浄手順により長くも短くもなります。ベアリング部を圧力洗浄器で洗浄したり、大量の水を掛けたりしないでください。使用開始直後に、ベアリングのシール部から少量のグリスが漏れ出してくるのは異常ではありません。染み出してきたグリスは黒色に変色しますが、これはゴミが混じるからであり、高熱による変色ではありません。最初の 8 運転時間が終了した時点で、染み出ているグリスをふき取ることをお奨めします。シールのリップの周囲がいつもグリスでぬれている感じがすることがあります。これも通常範囲のことであり、シールリップが常時潤滑されている証拠です。

    ギアボックスの潤滑油の点検

    整備間隔整備手順
    50運転時間ごと
  • ギアボックスの潤滑油を点検する。
  • ギアボックスには 80W–90 ギアオイルまたは同等品のオイルを使用します。点検作業はギアボックスが十分に冷えてから行ってください。

    1. 内部に異物が侵入しないよう、補給プラグと点検プラグの周囲をきれいに拭く。

    2. ギアボックスの点検プラグを外す(図 47)。

      Note: ギアボックスに点検用プラグが 2 つ付いている場合には、下側の点検用プラグで点検してください。

      g010862
    3. 点検プラグの穴のふちまで油量があればよい(図 47)。

    4. 不足している場合は、ギアボックス上部にある通気・補給プラグを外して必要量を補給する。

    5. プラグを取り付ける。

    ギアボックスオイルの交換

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 50 時間
  • ギアボックスオイルを交換する。
  • 500運転時間ごと
  • ギアボックスオイルを交換する。
  • ギアボックスには 80W–90 ギアオイルまたは同等品を使用します。

    1. 内部に異物が侵入しないよう、通気/補給プラグおよびドレンプラグの周囲をきれいに拭く(図 47)。

    2. オイルが抜けやすいように通気/補給キャップを外す。

    3. ドレンプラグの下に廃油受け容器を置いてプラグを外す。

      Note: 気温が低くオイル粘度が高い場合には、オイルが抜けるのに時間が掛かります(約30分)。

    4. オイルが完全に抜けたら、ドレンプラグを元通りに取り付ける。

    5. ギアボックスに高品質の 80W-90 ギアオイルを入れる。各エアレータのギアボックスの容量は以下の表の通り:

      モデルギアケースの容量
      SR541.9 リットル
      SR54-S1.9 リットル
      SR701.9 リットル
      SR70-S1.9 リットル
      SR723.8 リットル
    6. 通気/補給プラグを取り付ける。

    7. オイルの量を点検し、必要に応じて補給する。

    駆動チェーンの点検/調整

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • チェーンの張りの点検
  • 50運転時間ごと
  • チェーンの張りの点検
  • 駆動チェーンに破損がないかどうか点検し、調整します。全体で 13 mm 程度のたわみ(それぞれの側で 6 mm)があれば適切です。

    チェーンの張りを調整するには、メインのジャムナットを少しゆるめ、ジャムロッドを希望方向に締め付けて行ないます(図 48 または 図 49)。チェーンが熱いうちは張りの調整を行わないでください。

    g010863
    g237989

    Important: チェーンを締め付けすぎないようにしてください; 締め付けすぎるとギアボックスやスプロケットを損傷します。

    PTO クラッチの調整

    整備間隔整備手順
    1年ごと
  • PTO クラッチの調整格納保管の前と後
  • 警告

    摩擦クラッチは、使用中に熱くなることがある。

    触れないようにしてください。 火災を防止するため、クラッチの周囲には燃えやすいものを置かないようにし、また、長時間にわたる半クラッチ操作をしないように心がけてください。

    1. シーズンの終了後、各クラッチナットを 2 回転ゆるめる(図 50)。

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    2. 新シーズンが始まったら、PTO を始動し、クラッチを数秒間スリップさせ、その後に PTO を停止する。その後、ゆるめてあったナットを 2 回転締め戻す。

      Note: クラッチを必要以上に長時間スリップさせないでください。

    3. ナットを締めてもクラッチがスリップする場合には、各ナットをもう 1/4 回転ずつ締め付け、スリップしなくなるまでこの調整を繰り返す。ナットを締め付けすぎるとシャフトが破損するので注意すること。

    トルク規定値

     モデル SR54, SR54-S, SR70, SR70-SSR72
    クランクシャフトのナット1288 N∙m(131 kg.m=950 ft/lb)1627 N∙m(166 kg.m=1200 ft/lb)
    クランクピンのナット1288 N∙m(131 kg.m=950 ft/lb)1288 N∙m(131 kg.m=950 ft/lb)
    ヒンジボルト359 N∙m(359 kg.m=265 ft/lb)407 N∙m(359 kg.m=300 ft/lb)
    g010969

    スプリングの点検

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • スプリングを点検する
  • スプリングのワイヤが交差したり折れたりしていないか点検する(図 52)。スプリングのワイヤが交差したり折れたりしていると、ターフへの一定した穴あけができなくなる。

    g010865

    Note: エアレータには交換用ワイヤが付属しています。ワイヤは消耗部品です。

    穴あけ間隔の調整

    前進方向の穴あけ間隔はトラクタのギア比(又は油圧走行ペダルの設定位置)によって決まります。エンジン回転数を変化させただけでは穴あけ間隔は変化しません。

    左右方向の穴あけ間隔はタインヘッドに取り付けたタインの間隔によって決まります。

    トラクタからエアレータを切り離すには

    1. 水平な場所に駐車する(斜面は禁止)。

    2. PTOを解除し、駐車ブレーキを掛ける。

    3. エアレータのローラを床から 7.5-15 cm 浮かせる。ローラの下に支持ブロックを置く。

    4. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    5. トラクタの運転席を離れる前に、エンジンを止め、キーを抜き取り、可動部が完全に停止したのを確認してください。

    6. タインを外す。

    7. 保管用スタンドを取り付ける。

    8. 保管用スタンドが床につくまでゆっくりとエアレータを降下させる。

    9. 上リンクをエアレータのブラケットに固定しているピンを外す。外したピンはエアレータと共に保管する。

      また、油圧式上部リンク付きのエアレータでは、油圧ホースと接続リンクをトラクタから外す。油圧ホースにキャップをはめる。これらはエアレータと共に保管する。

    10. PTO シャフトから安全シールドチェーンを外す。

    11. ロック用カラーを後ろに引いてパワーシャフトを PTO シャフトから外す。

    12. PTOシャフトを戻し、トラクタから外す。

    13. PTO シャフトが地面に落ちないように PTO 安全チェーンをエアレータに固定する。

    14. 下リンクアームをエアレータのブラケットに固定しているピンを外す。外したピンはエアレータと共に保管する。

    故障探究

    症状対策
    スプリングが跳ねてヘッドを正常位置に引き戻せない。トラクタの PTO 速度を遅くする。タインが長く、重くなるほどヘッドにかかる遠心力が大きくなる。スプリングのワイヤが交差したり折れたりしていないか点検する。
    穴が真円にならず長穴になったりタインを引っ掛ける。タインの角度を調整するかトラクタの走行速度を変える。ターフにアンジュレーションがある場合には、平らな芝面よりもエアレータを 5 cm 程度下げられるようにセットする。
    タインの穴あけ動作が不規則。•スプリングのワイヤが交差したり折れたりしていないか点検する。•トラクタの PTO 速度を遅くする。
    PTO クラッチのスリップがひどい。タインの打ち込み深さを浅くする。クラッチの調整手順の項を参照。PTO クラッチを交換する。
    タインがターフをめくり上げる。根の浅いターフでは、最初、むくタインを使う必要がある場合がある。
    地面が固すぎてタインが完全に打ち込めない。打ち込み可能な深さで穴あけを行い、夜間に散水を行ってから深い穴あけを行なう。希望する深さの穴あけができるまでこの方法を繰り返す。
    タインが割れる。土壌条件に対して深すぎる穴あけをしようとしている。上記の解決策を採用し、浅い穴あけに変更する。
    タインがヘッドにきちんと保持されない。タインホルダーのボルトを締め付ける; ジャムナットやインパクトレンチを使わないこと。ボルトでタインを保持できない場合には、ボルトを交換する。
    エアレータを持ち上げるときにタインが土をめくる。PTO を解除する前にエアレータを上昇させてタインを土から抜く。
    ヘッドが回転しない。PTO 駆動シャフトと駆動チェーンが正しく動作していることを確認する。
    トラクタがエアレータをうまく持ち上げられない。トラクタの昇降アームを 76 mm-100 mm エアレータに近づける。トラクタが十分な持ち上げ能力を持ったモデルであることを確認する。
    油圧式上部リンクの動きがフワフワとスポンジのような感じ。(力がかかるとロッドがちょっとへこんだり、出たり入ったりする動作をする)シリンダ内部またはライン内部にエアが混入しているのでパージする必要がある。
    運転音がうるさい、ノッキングする。•クランクピンのナットが振動でゆるんでいる。•チェーンのたるみが大きすぎる。•メインアームのフレーム下のボルトが振動でゆるんでいる。•ギアボックス内の油量を点検する。
    油圧式上部リンクのシリンダを一杯まで引き込めない(PTO シャフトがひっかかる)。PTO シャフトが長すぎてトラクタに合っていないので、正しい長さにカットする必要がある。
    移動走行中のハンドル操作が難しい。•トラクタ前部にウェイトを追加する。•タイヤ空気圧を点検し、正しく調整する。
    キャンバブラケットの破損•タインをつけたままでエアレータを床の上に保管しない。•タインが空中にあるときに高速でコアリングヘッドを長時間回転させない。

    保管

    格納保管時の安全

    • 格納保管は、エアレータが沈んだり、倒れたりしないような固くて平らな場所で行ってください。

    • 格納保管は、作業場などを避けて行ってください。

    • 絶対に エアレータやその周囲で子供を遊ばせないでください。

    マシンの保管

    エアレーションシーズンが終了したら(エアレータを使用しない時間が長期間にわたる場合は)、以下の予防整備を行うことをお奨めします。

    1. 機体や可動部にたまったごみやグリスをきれいに取り除く。

    2. タインを取り外して洗う。保管期間中のサビの発生を防止するために、タインとタイン取り付け部にオイルを塗る。

    3. フードをあけ、内部をきれいに清掃する。

    4. 全部のグリスアップポイントにグリスを注入する。

    5. 付属品の保管用スタンドにのせ、乾燥した固い床の上で保管する。

    6. PTO クラッチのボルトを 2 回転ゆるめる。

    7. 破損防止のため、PTO の安全チェーンをエアレータの保管位置に接続する、または、PTO を外して、錆びないようにフードの中に保管する。

    8. ローラを塗装し、他の塗装面に傷があればタッチアップ修理する。

    9. 擦り切れたり破損したりしたステッカーを貼り替える。

    10. 固くて平らな屋内で保管する。屋内保管を行う方がその後の保守整備の手間が少なくなり、機械の寿命を延ばし、や中古価値も高めることができる。屋内保管が無理な場合は、厚いシートで機体全体を覆い、しっかりと縛り付けて保管する。