はじめに

この機械は回転刃を使用するロータリー式乗用芝刈り機であり、そのような業務に従事するプロのオペレータが運転操作することを前提として製造されています。この製品は、集約的で高度な管理を受けているスポーツフィールドや商用目的で使用される芝生に対する刈り込み管理を行うことを主たる目的として製造されております。本機は、雑草地や道路わきの草刈り、農業用地における刈り取りなどを目的とした機械ではありません。

Important: この機械に本来の性能を発揮させ安全にお使いいただくために、このオペレーターズマニュアルに記載されている内容を十分にご理解ください。適切な講習を受けなかったり、正しい操作方法を守らなかったりすると、けがをする恐れがあります。安全な運転操作や安全確保のためのヒントなどについて、より詳しい情報はこちらへ:www.Toro.com。

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマーサービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。図 1にモデル番号とシリアル番号を刻印した銘板の取り付け位置を示します。いまのうちに番号をメモしておきましょう。

Important: シリアル番号デカルについている QR コード(無い場合もあります)をモバイル機器でスキャンすると、製品保証、パーツその他の製品情報にアクセスできます。

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この説明書では、危険についての注意を促すための警告記号(図 2)を使用しております。これらは死亡事故を含む重大な人身事故を防止するための注意ですから、必ずお守りください。

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この他にさらに2つの言葉で注意を促しています。重要は製品の構造などについての注意点を、はその他の注意点を表しています。

この製品は、関連するEU規制に適合しています。詳細については、製品別DOC シート(規格適合証明書)をご覧ください。

カリフォルニア州の森林地帯・潅木地帯・草地などでこの機械を使用する場合には、エンジンに同州公共資源法第4442章に規定される正常に機能するスパークアレスタが装着されていること、エンジンに対して森林等の火災防止措置をほどこされていることが義務づけられており、これを満たさない機械は、第4442章または4443章違犯となります。

エンジンの保守整備のため、および米国環境保護局(EPA)並びにカリフォルニア州排ガス規制に関連してエンジンマニュアルを同梱しております。エンジンマニュアルはエンジンのメーカーから入手することができます。

警告

カリフォルニア州

第65号決議による警告

カリフォルニア州では、ディーゼルエンジンの排気には発癌性や先天性異常などの原因となる物質が含まれているとされております。

バッテリーやバッテリー関連製品には鉛が含まれており、カリフォルニア州では発ガン性や先天性異常を引き起こす物質とされています。取り扱い後は手をよく洗ってください。

米国カリフォルニア州では、この製品を使用した場合、ガンや先天性異常などを誘発する物質に触れる可能性があるとされております。

安全について

各製品のDOC シート(規格適合証明書)に記載されている CE キットを取り付けることにより、本機は CEN 規格 ANSI B71.4-2017 および ISO EN 5395:2013 安全規格に適合する製品となります。

安全に関する一般的な注意

この機械は手足を切断したり物をはね飛ばしたりする能力があります。重大な人身事故を防ぐため、すべての注意事項を厳守してください。

この機械は本来の目的から外れた使用をすると運転者本人や周囲の人間に危険な場合があります。

  • エンジンを始動する前に必ずこのオペレーターズマニュアルをお読みになり、内容をよく理解してください。

  • この機械を運転する時は常に十分な注意を払ってください。運転中は運転操作に集中してください;注意散漫は事故の大きな原因となります。

  • 機械の可動部の近くには絶対に手足を近づけないでください。

  • ガードなどの安全保護機器が正しく取り付けられていない時は、運転しないでください。

  • 排出口の近くに手足などを近づけないでください。周囲の人や動物を十分に遠ざけてください。

  • 作業場所に子供を近づけないでください。子供に運転させないでください。

  • 運転位置を離れる時は、マシンを停止させ、エンジンを止め、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してください。

間違った使い方や整備不良は人身事故などの原因となります。事故を防止するため、以下に示す安全上の注意や安全注意標識のついている遵守事項は必ずお守りください 「注意」、「警告」、および「危険」 の記号は、人身の安全に関わる注意事項を示しています。これらの注意を怠ると死亡事故などの重大な人身事故が発生する恐れがあります。

このオペレーターズマニュアルの他の場所に書かれている注意事項も必ずお守りください。

安全ラベルと指示ラベル

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危険な部分の近くには、見やすい位置に安全ラベルや指示ラベルを貼付しています。破損したりはがれたりした場合は新しいラベルを貼付してください。

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組み立て

ROPSを立てる

ROPS を上げる;ROPSを立てるを参照。

刈り込みデッキの取り付け

この作業に必要なパーツ

デッキ取り付け手順書1

刈り込みデッキの 取り付け要領書 に従って刈り込みデッキを取り付けます。

左前キャスタホイールを調整する.

72" デッキでは外側位置に、60" と 62" デッキでは内側位置に取り付けてください。

タイヤ空気圧を点検する

タイヤ空気圧を点検する;タイヤ空気圧を点検するを参照。

Important: マシンの性能を適切に発揮させ、また質の高い刈り込みを実現するために、すべてのタイヤの空気圧を正しく維持してください。タイヤ空気圧は規定値以下に下げてはならない。

ウェイトを取り付ける(CE 基準に適合させる場合)

72"(183 cm)デッキを搭載しているマシンで、それ以外のアタッチメントを取り付けていない場合には、CE 規格によるウェイト搭載は不要です。上記以外の場合には、搭載しているデッキのサイズと種類、また、それ以外のアタッチメントに対応してウェイトの搭載が必要になる場合があります。以下は、各アタッチメントと、それを搭載した場合に車両前部に必要となるウェイトの一覧表です。

アタッチメントの構成62"(157.5 cm)ベースデッキ(30457)搭載時に必要なウェイト72"(183 cm)ベースデッキ(30353)搭載時に必要なウェイト72"(183 cm)側方排出デッキ(30481)搭載時に必要なウェイト
グランドマスター 7200/7210 トラクションユニット;追加アタッチメントなし10 kg0 kg0 kg
グランドマスター 7200/7210 トラクションユニット;ハードキャノピ搭載34 kg9.5 kg15 kg
グランドマスター 7200/7210 トラクションユニット;ハードキャノピ, 公道走行用灯火キット搭載32.2 kg28.5 kg10 kg
グランドマスター 7200/7210 トラクションユニット;ハードキャノピ, 公道走行用灯火キット, ジャッキスタンド搭載18 kg17 kg10 kg
グランドマスター 7200/7210 トラクションユニット;ハードキャノピ, ジャッキスタンド搭載14 kg10 kg10 kg
グランドマスター 7200/7210 トラクションユニット;公道走行用灯火キット, ジャッキスタンド搭載0 kg0 kg0 kg
グランドマスター 7200/7210 トラクションユニット;公道走行用灯火キット搭載11.3 kg0 kg0 kg
グランドマスター 7200/7210 トラクションユニット;ジャッキスタンド搭載0 kg0 kg0 kg

ご使用のマシンに必要なウェイトは、弊社正規代理店よりお求めください。

液量を点検する

  1. エンジンを作動させる前に、油圧オイルの量を点検する;油圧系統の整備 を参照。

  2. エンジンを作動させる前エンジンオイルの量を点検する;エンジンオイルの量を点検するを参照。

  3. エンジンを作動させる前に、冷却系統を点検する;冷却系統を点検する を参照。

製品の概要

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実際にエンジンを始動させて運転する前に、運転装置の名称や場所、操作方法に十分慣れてください(図 3と図 4)。

走行コントロールレバー

前進後退動作および旋回動作をコントロールします。運転についてを参照してください。

駐車ブレーキレバー

エンジンを停止させる時には、車体が不意に動き出さないように必ず駐車ブレーキを掛けてください。レバーを引き上げると駐車ブレーキがかかります(図 5)。駐車ブレーキを解除するには、レバーを前に倒します。

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始動スイッチ

前部で3つの位置があります:OFF、ON/PREHEAT、STARTです。

スロットルレバー

スロットルレバーの設定位置はエンジン速度、ブレードの回転速度、走行コントロールレバーの反応、走行速度に影響を与えます。FAST 側(前方)へ倒すとエンジンの速度が上昇します。レバーを SLOW 方向へ動かすとエンジン速度が遅くなります。芝を刈る時には常にスロットルを FAST 位置にセットしてエンジンを最高速度で回転させてください。

PTOスイッチ

刈り込みブレードの回転を ON/OFF するスイッチです。

グロープラグランプ(オレンジ色のランプ)

グロープラグランプ(図 4)は始動スイッチを ON にすると点灯します。6秒間点灯しつづけます。このランプが消えたら、エンジンの始動準備終了です。

アワーメータ

アワーメータは始動スイッチをON位置にすると作動を開始し、機械の稼働時間を積算します。表示時間を目安にして定期整備の計画を立ててください。

エンジン冷却液の温度警告灯

エンジンの冷却水の温度が異常に高くなるとランプが点灯し、ブレードの回転が止まります。運転が停止されず、冷却水温度がさらに11°C 上昇すると自動的にエンジンを停止させます。

Important: 万一、ブレードの回転が止まって冷却水温度警告灯が点灯したら、PTO スイッチを切り、平らで安全な場所へ移動し、スロットルレバーを 低速 にセットし、走行コントロールレバーをニュートラルロック位置にセットし、駐車ブレーキを掛けてください。そしてアイドリングのまま、エンジン温度が安全レベルに下がるまで数分間待ってください。エンジンを止め、冷却系統を点検する;冷却系統を点検する を参照。

充電表示ランプ

充電系統に異常が発生すると点灯します。

オイル圧警告灯

エンジンオイルの圧力が危険域まで下がると点灯します(図 4)。万一点灯した場合は、エンジンを停止し油圧低下の原因を調べてください。必ず、必要な修理を終えてからマシンを使用するようにしてください。

燃料計

燃料計(図 6)は、燃料タンクに残っている燃料の量を表示します。

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内容7 記号寸法または重量
高さ(ROPS を立てた状態)C183 cm
高さ(ROPS を下げた状態)D125 cm
全長F246 cm
全幅B145 cm
ホイールベース E145 cm
ホイールトレッド(タイヤの中心から中心まで)後輪A114 cm
地上高 15 cm
重量:72" 側方排出デッキ(モデル 30354 または 30481)搭載時 934kg
重量:60" 側方排出デッキ(モデル 30456)搭載時 900kg
重量:72" ベースデッキ(モデル 30353)搭載時 876kg
重量:62" ベースデッキ(モデル 30457)搭載時 855kg

Note: 仕様および設計は予告なく変更される場合があります。

アタッチメントとアクセサリ

トロが認定した各種のアタッチメントやアクセサリがそろっており、マシンの機能をさらに広げることができます。 詳細は弊社の正規サービスディーラ、または代理店へお問い合わせください;弊社のウェブサイト www.Toro.com でもすべての認定アタッチメントとアクセサリをご覧になることができます。

いつも最高の性能と安全性を維持するために、必ずToroの純正部品をご使用ください。他社の部品やアクセサリを御使用になると危険な場合があり、製品保証を受けられなくなる場合がありますのでおやめください。

運転操作

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

運転の前に

運転前の安全確認

安全に関する一般的な注意

  • 子供やトレーニングを受けていない大人には、絶対に運転や整備をさせないでください。地域によっては機械のオペレータに年齢制限を設けていることがありますのでご注意ください。オーナーは、オペレータ全員にトレーニングを受講させる責任があります。

  • 安全な運転操作、各部の操作方法や安全標識などに十分慣れておきましょう。

  • エンジンの緊急停止方法に慣れておきましょう。

  • オペレータコントロールやインタロックスイッチなどの安全装置が正しく機能しているか、また安全カバーなどが外れたり壊れたりしていないか点検してください。これらが正しく機能しない時には機械を使用しないでください。

  • 使用前に必ず、ブレード、ブレードボルト、刈り込みアセンブリの点検を行ってください。バランスを狂わせないようにするため、ブレードを交換するときにはボルトもセットで交換してください。

  • これから機械で作業する場所をよく確認し、機械に巻き込まれそうなものはすべて取り除きましょう。

燃料についての安全事項

  • 燃料の取り扱いに際しては安全に特にご注意ください。燃料は引火性が高く、気化すると爆発する可能性があります。

  • 燃料取り扱い前に、引火の原因になり得るタバコ、パイプなど、すべての火気を始末してください。

  • 燃料の保管は必ず認可された容器で行ってください。

  • エンジン回転中などエンジンが高温の時には、燃料タンクのふたを開けたり給油したりしないでください。

  • 締め切った場所では燃料の補給や抜き取りをしないでください。

  • ガス湯沸かし器のパイロット火やストーブなど裸火や火花を発するものがある近くでは、機械や燃料容器を保管・格納しないでください。

  • 燃料がこぼれたら、エンジンを始動せずにマシンを別の場所に動かし、気化した燃料ガスが十分に拡散するまで引火の原因となるものを近づけないでください。

燃料を補給する

使用推奨燃料

ASTM D975 または EN590 規格を満たす、硫黄分の少ない(極微量:15 ppm 未満)の新しい軽油またはバイオディーゼル燃料以外は使用しないでください。セタン値が 40以上のものをお使いください。燃料の劣化を避けるため、180日以内に使いきれる程度の量を購入するようにしてください。

Important: 規格を満たしていない軽油を使用すると、排気系統にトラブルが発生します。

燃料タンク容量:43.5 リットル

気温が -7℃ 以上では夏用燃料(2号軽油)を使用しますが、気温が -7℃ 以下の季節には冬用燃料(1号軽油または1号と2号の混合)を使用してください。低温下で冬用ディーゼル燃料を使うと、発火点や流動点が下がってエンジンが始動しやすくなるばかりでなく、燃料の成分分離(ワックス状物質の沈殿)によるフィルタの目詰まりを防止できるなどの利点があります。

気温が -7° 以上の季節には夏用燃料を使用する方が、燃料ポンプの寿命を延ばします。

Important: ディーゼル燃料の代わりに灯油やガソリンを使わないでください。この注意を守らないとエンジンが損傷します。

バイオディーゼルの使用について

この機械はバイオディーゼル燃料を混合したB20燃料(バイオディーゼル燃料が20%、通常軽油が80%)を使用することができます。

イオウ含有率 超低イオウ(<15ppm)

バイオディーゼル燃料の仕様: ASTM D6751 または EN14214

ブレンド燃料の仕様:ASTM D975、EN590 または JIS K2204

Important: ただし、混合されている軽油のイオウ含有量は極低レベルである必要があります。

以下の注意を守ってお使いください。

  • 着色したターフを汚す可能性があります。

  • 寒い地方ではB5(バイオディーゼル燃料が5%)またはそれ以下の製品を使用すること。

  • 時間経過による劣化がありうるので、シール部分、ホース、ガスケットなど燃料に直接接する部分をまめに点検してください。

  • バイオディーゼル混合燃料に切り替えてからしばらくの間は燃料フィルタが目詰まりを起こす可能性があります。

  • バイオディーゼルの詳細については、代理店におたずねください。

燃料を補給する

Important: 左右の燃料タンクは相互に連結されていますが、左右の量が同じになるのに多少の時間がかかります。燃料の補給は平らな場所で行ってください。斜面で補給すると、低い側のタンクから燃料がこぼれだす危険があります。

Important: 燃料を入れすぎないでください。

Important: 斜面で燃料タンクのふたを開けないでください。燃料が流れ出る恐れがあります。

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Note: 可能であれば、作業後に毎回燃料を補給しておくようにしてください。これにより燃料タンク内の結露を少なくすることができます。

エンジンオイルの量を点検する

エンジンを始動させる前に、エンジンオイルの量を点検してください;手順はエンジンオイルの量を点検するを参照してください。

冷却系統を点検する

エンジンを始動させる前に、冷却系統を点検してください;手順は冷却系統を点検するを参照してください。

油圧システムを点検する

エンジンを始動させる前に、油圧系統を点検してください;手順は油圧システムを点検するを参照してください。

ROPSを調整する

警告

転倒事故の際の負傷や死亡を防止するために: ROPS は必ず立てた位置にロックしておき、運転時にはシートベルトを着用すること。

また、運転席がラッチで固定されていることを確認すること。

警告

ROPS を下げると横転に対する保護効果はなくなる。

  • 不整地や斜面を走行する時には、必ずROPS(横転保護バー)を立てておくこと。

  • どうしても必要な時以外には ROPS を下げないこと。

  • ROPS を下げて乗車しているときにはシートベルトを着用しないこと。

  • 運転はゆっくり慎重におこなうこと。

  • 頭上の障害物がなくなったら直ちに ROPS を立てること。

  • 頭上の安全(木の枝、門、電線など)に注意し、これらに機械や頭をぶつけないように注意すること。

Important: ROPS を立てて乗車するときには必ずシートベルトを着用してください。ROPS を下げて乗る時は、シートベルトを締めないでください。

ROPSを下げる

9 のように ROPS を降ろす。

Note: バーを前に押すとピンに掛かっている圧力を逃がすことができます。

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Note: フードを破損させないようにROPSを固定する。

ROPSを立てる

10 のように ROPS を立てる。

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Important: ROPS を立てて乗車するときには必ずシートベルトを着用してください。ROPS を下げて乗る時は、シートベルトを締めないでください。

安全インタロックシステムの使用方法

注意

インタロックスイッチは安全装置であり、これを取り外すと予期せぬ人身事故が起こり得る。

  • インタロックスイッチをいたずらしない。

  • 作業前にインタロックスイッチの動作を点検し、不具合があれば作業前に交換修理する。

インタロックシステムのしくみ

以下の条件がそろっていないとインタロックが作動し、エンジンを始動することができません:

  • 運転席に座っているか駐車ブレーキが掛かっている。

  • PTOが解除されている。

  • 走行コントロールレバーがニュートラルロック位置にある。

  • エンジン温度が規定最高温度未満である。

インタロックシステムはまた、駐車ブレーキを掛けたままで走行コントロールレバーをニュートラルロック位置以外の位置へ動かすとエンジンを停止させます。PTOを動作させたままで運転席から立ち上がった場合にも1秒後にエンジンを停止させます。

インタロックシステムのテスト

整備間隔整備手順
使用するごとまたは毎日
  • インタロックシステムのテストを行う。
  • 機械を使用する前には、必ずインタロックシステムのテストをしてください。安全装置が正しく動作しない場合には直ちに修理が必要です。弊社代理店に連絡してください。

    1. 着席し、駐車ブレーキを掛け、PTOをON位置にする。エンジンを始動させてみる;クランキングしなければ正常。

    2. 着席し、駐車ブレーキを掛け、PTOをOFF位置にする。走行コントロールレバーのうちの一方をニュートラルロック位置以外の位置に動かす。エンジンを始動させてみる;クランキングしなければ正常。もう一方の走行コントロールレバーでも同じ点検を行う。

    3. 着席し、駐車ブレーキを掛け、PTOスイッチをOFF位置にセットし、走行コントロールレバーをニュートラルロック位置にする。エンジンを掛ける。その状態で駐車ブレーキを解除し、PTO を ON にし、運転席から少し立ち上がる。2秒以内にエンジンが停止すれば正常。

    4. 運転席に着席せず、駐車ブレーキを掛け、PTO を OFF にセットし、走行コントロールレバーを両方ともニュートラルロック位置にセットする。エンジンを掛ける。その状態で走行コントロールレバー1本をセンター位置に動かす;2秒以内にエンジンが停止すれば正常。もう一方の走行コントロールレバーでも同じ点検を行う。

    5. 運転席に着席せず、駐車ブレーキを解除し、PTO を OFF にセットし、走行コントロールレバーを両方ともニュートラルロック位置にセットする。エンジンを始動させてみる;クランキングしなければ正常。

    SCM を使った故障探究

    このマシンでは、SCM(標準コントロールモジュール)が様々な機能を監視しています。SCM はコントロールパネルの下にあります。サイドパネルカバーを外すと SCM があります(図 11)。サイドパネルカバーを外すには、左右のラッチを解除して手前に引いてください。

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    SCM の表面に配置されている 11個の LED によりシステムの状態を確認することができます。また、これらのうちの7個を使って故障診断を行うことができます。各 LED の表示する内容については図 12を参照してください。SCM の機能の詳細については、サービスマニュアル をご覧ください。サービスマニュアルは弊社正規代理店にて入手していただけます。

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    座席を調整する

    運転席は前後にスライド調整できます。体格に合わせて運転しやすい位置を選んでセットしてください。

    調整は、レバーを横に動かしてシートのロックを解除して行う(図 13)。

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    座席のサスペンション調整

    なめらかな乗り心地になるように調整が可能です。一番運転しやすい位置にセットしてください。

    調整は、最も乗り心地が良いように前部についているノブを回して行います(図 14)。

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    座席ラッチの外し方

    運転席の下にある油圧システムその他の機器にアクセスするには、運転席のラッチを外して運転席を前に倒します。

    1. 座席の前後調整レバーを使って、運転席を一番前の位置にセットする。

    2. ラッチを前方に引いて持ち上げるとラッチが外れる(図 15)。

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    運転中に

    運転中の安全確認

    安全に関する一般的な注意

    • オーナーやオペレータは自分自身や他の安全に責任があり、オペレータやユーザーの注意によって物損事故や人身事故を防止することができます。

    • 作業にふさわしい服装をし、安全めがね、長ズボン、頑丈で滑りにくい安全な靴、および聴覚保護具を着用してください。長い髪は束ねてください。垂れ下がるような装飾品は身に着けないでください。

    • 疲れている時、病気の時、アルコールや薬物を摂取した時は運転しないでください。

    • 絶対に人を乗せないでください。また、作業中は周囲から人やペットを十分に遠ざけてください。

    • 運転は、穴や障害物を確認できる十分な照明のもとで行ってください。

    • エンジンを掛ける前に、全部の駆動装置がニュートラルであること、駐車ブレーキが掛かっていることを確認し、運転席に着席してください。

    • 回転部に手足を近づけないよう注意してください。また排出口の近くにも絶対に人を近づけないでください。

    • バックするときには、足元と後方の安全に十分な注意を払ってください。

    • 見通しの悪い曲がり角や、茂み、立ち木などの障害物の近くでは安全に十分注意してください。

    • 刈り込み中以外は必ずブレードの回転を止めておいてください。

    • 異物をはね飛ばしたときや機体に異常な振動を感じたときにはまずマシンを停止し、キーを抜き取り、各部の動きが完全に止まってからよく点検してください。異常を発見したら、作業を再開する前にすべて修理してください。

    • 旋回するときや道路や歩道を横切るときなどは、減速し周囲に十分な注意を払ってください。常に道を譲る心掛けを。

    • 刈高を変更する時は、必ずカッティングユニットを停止させ、エンジンを止め、キーを抜き取り、可動部が完全に停止するまで待ってください(運転席で刈高を変更できる場合はこの限りでありません)。

    • 排気ガスが充満するような締め切った場所では絶対にエンジンを運転しないでください。

    • エンジンを掛けたままで絶対に機体から離れないでください。

    • 運転位置を離れる前に(集草バッグを空にする場合や詰まりを除去する場合も):

      • 平らな場所に停車してください。

      • PTOの接続を解除し、アタッチメントを下降させる。

      • 駐車ブレーキを掛ける。

      • エンジンを止め、キーを抜き取る。

      • すべての動作が停止するのを待つ。

    • 落雷の危険がある時には運転しないでください。

    • この機械を牽引用車両として使用しないでください。

    • Toro® カンパニーが認めた以外のアクセサリ、アタッチメント、交換パーツを使用しないでください。

    横転保護バー(ROPS)についての安全確認

    • POPSは機体から外さないでください。

    • 必ずシートベルトを着用し、緊急時にはシートベルトを迅速に外せるよう練習しておいてください。

    • 頭上の障害物に注意し、これらに衝突しないように注意してください。

    • ROPS自体に損傷がないか、また、取り付け金具がゆるんでいないか、定期的に十分に点検を行い、万一の際に確実に役立つようにしておいてください。

    • ROPS が破損した場合は新しいものに交換してください。修理したり改造しての使用はしないでください。

    折りたたみ式 ROPS 搭載機

    • ROPSは立てた状態にセットし、必ずシートベルトと共にお使いください。

    • ROPS(横転保護バー)はマシンと一体で使用する重要な安全装置です。運転するときには必ずROPS(横転保護バー)を運転位置に立て、シートベルトを着用してください。

    • どうしても必要なわずかの時間以外には ROPS を降ろさないでください。。ROPS を下げた状態で乗車する時にはシートベルトをしないでください。

    • ROPS を折りたたんでしまうと、転倒時に安全保護ができなくなることを十分認識してください。

    • 作業場所を必ず事前に確認してください。法面、段差、水などがある現場では、必ず ROPS を立てて運転してください。

    斜面での安全確保

    斜面はスリップや転倒などを起こしやすく、これらは重大な人身事故につながります。斜面での安全運転はオペレータの責任です。どんな斜面であっても、通常以上に十分な注意が必要です。

    • 斜面については、実地の測定を含めてオペレータ自身が調査を行い、安全に作業ができるかどうかを判断してください。この調査においては、常識を十分に働かせてください。

    • 以下に掲載している斜面での運転上の注意点やその場合の天候条件および場所の条件などについて、また、この機械を使用できるかどうかを判断する方法について、オペレーターズマニュアルで確認してください。同じ斜面上であっても、地表面の条件が変われば運転条件が変わります。

    • 斜面での発進・停止・旋回は避けてください。急に方向を変えたり急な加速やブレーキ操作をしないでください。旋回は速度を落としてゆっくりと行ってください。

    • 走行、ステアリング、安定性などに疑問がある場合には運転しないでください。

    • 隠れた穴、わだち、盛り上がり、石などの見えない障害は、取り除く、目印を付けるなどして警戒してください。深い芝生に隠れて障害物が見えないことがあります。不整地では機体が転倒する可能性があります。

    • ぬれ芝、急斜面など滑りやすい場所で運転すると滑って制御できなくなる危険があります。駆動力を失うと、スリップを起こしたりブレーキや舵取りができなくなる恐れがあります。

    • 段差、溝、盛り土、水などの近では安全に十二分の注意を払ってください。万一車輪が段差や溝に落ちたり、地面が崩れたりすると、機体が瞬時に転倒し、非常に危険です。必ず安全距離を確保してください。

    • 斜面に入る前に、安全の判断をしてください。乗用の刈り込み機械で斜面を刈り込むことに危険が感じられる場合は歩行型の機械をお使いください。

    • 斜面では可能なかぎりカッティングユニットを地表面まで下げておいてください。斜面上でカッティングユニットを上昇させると機体が不安定になる恐れがあります。

    • 集草装置などのアタッチメントを取り付けての作業には十分な注意を払ってください。アタッチメントによってマシンの安定性が変わり、安全限界が変わる場合がありますからご注意ください。

    駐車ブレーキの操作

    停止中や、誰も乗車していない時は、必ず駐車ブレーキを掛けてください。

    駐車ブレーキの掛け方

    警告

    斜面では、駐車ブレーキの機能が十分でなく機体が動き出して人身事故や物損事故を起こす危険がある。

    法面に駐車する場合には必ず車輪に輪止めを掛けること。

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    駐車ブレーキの外し方

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    エンジンの始動手順

    Note: グロープラグランプは、始動キーを RUN にすると6秒間点灯します。ランプが消えたら始動キーをSTART位置に回してください。

    Important: スタータモータを 15 秒間以上連続で使用するとオーバーヒートする危険があります。

    Important: エンジンオイルを交換した直後、エンジンやトランスミッション、ホイールモータのオーバーホールを行った後や、エンジンを初めて始動する時は、スロットルレバーを 低速 にセットして前進と後退を 1-2 分間行ってください。また、昇降レバーやPTOレバーを操作して各部の作動状態を確認してください。以上の点検の後、エンジンを停止させ、オイルの量、漏れや各部のゆるみや不具合などがないか、さらに点検してください。。

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    Note: エンジンと油圧系統が十分に暖まるまで、スロットルレバーを低速 と 高速の中間にセットしておきます。

    運転について

    エンジンの速度(1分間の回転数)はスロットルコントロールによって制御されています。スロットルコントロールをFAST位置にすると最も良い性能が得られます。アタッチメントを駆動する場合には、必ずスロットルを高速にしてください。

    注意

    この機械は高速旋回が可能な機械である。確実にコントロールしないと人身事故や機械を破損するなどの事故を起こす。

    • 旋回動作は十分に注意して行うこと。

    • 小さな旋回を行う前には速度を十分に落とすこと。

    1. 駐車ブレーキを解除する。

      Note: 駐車ブレーキを掛けたままで走行コントロールレバーをニュートラルロック以外の位置に動かすとエンジンが停止します。

    2. レバーを中央位置(ロック解除位置)にする。

    3. 以下の要領で運転する:

      • 前方への直進走行:両方のレバーをゆっくりと前に押す(図 19)。

      • 後方への直進走行:両方のレバーをゆっくりと後に引く(図 19)。

      • 旋回;両方のレバーを手前に引いて走行速度を落とし、曲がりたい方向と反対側のレバーを押す (図 19)。

      • 停止するには両方のレバーをニュートラル位置にします。

      Note: 前進・後退とも、レバーを遠くへ押す(引く)ほど走行速度が上がります。

      g004532

    エンジンの停止手順

    注意

    置きっぱなしの機械を子供などがいたずらで運転すると大きな事故になる恐れがある。

    機械から離れる時には、たとえ数分間であっても必ず駐車ブレーキを掛け、キーを抜き取る。

    g244208

    芝刈り作業

    デッキ昇降スイッチの使用方法

    デッキ昇降スイッチはデッキ(アタッチメント)の上昇と下降を行うスイッチです(図 21)。このレバーは、エンジンが掛かっていないと使用できません。

    g020873
    • デッキを下降させるには、スイッチを下に押す(図 21)。

      Important: デッキを下降させると、デッキはフロートアイドル位置にセットされます。

    • デッキを上昇させるには、スイッチを上に押す(図 21)。

    Important: デッキが完全に上昇(下降)したら、スイッチから手を離してください。スイッチを押しつづけると油圧系統を損傷させます。

    PTOの接続方法

    PTOスイッチは刈り込み刃(ブレード)または他のアタッチメントの作動と停止を行います。

    Note: エンジンが冷えている場合には、PTO の操作を行う前に 5-10分間程度のウォームアップを行う。

    g243799

    PTO を解除する

    g009174

    刈り高の調整

    刈高の調整範囲は、25-152 mm で、ストップピンの取り付け穴を変更することにより、6 mm 刻みで調整することができます。

    1. エンジンを始動し、デッキの昇降スイッチを上に押してデッキを一番高い位置まで上昇させたらすぐにスイッチから手を離す(図 21)。

    2. ストップピンについているロールピンを回してピンと刈高設定穴のスロットとが整列したところでピンを抜き取る(図 24)。

    3. 刈高ブラケットについている穴から、希望する刈高に対応する穴を見つけ、その穴にピンを通し、ピンを回してロックする(図 24)。

      Note: 穴は全部で4列あります(図 24)。外周側の列は、外周部に刻印されている通りの刈高の穴です。2 列目の穴は、それぞれ 1 列目プラス 6 mmの刈り高となります。3 列目の穴は、それぞれ 1 列目プラス 12 mmの刈り高となります。一番下の列の穴は、それぞれ 3 列目プラス 18 mmの刈り高となります。刈高 158 mm だけは例外で、2列目のはずれにあります。この穴にセットすると 刈高 152 mm となります (6 mm アップにはなりません)。

      g020870
    4. 必要に応じて芝削り防止ローラとスキッドの調整を行う。

    ヒント

    スロットルは高速に設定し走行速度を調整

    芝刈り作業に必要なパワーを十分に引き出すために、エンジンは常にスロットル全開のFAST位置で使用し、コンディションに合わせて走行速度を調整してください。カッティングユニットへの負荷が大きくなったら走行ペダルの踏み込みを浅くして走行速度を遅くし、走行に掛かる負荷を下げてください。

    刈り込みの方向を変えましょう

    刈り込みの方向を変えるようにしましょう;同じルートで長期間刈り込むとターフにタイヤマークがつくことがあります。また、刈りかすの飛散方向も変わるので自然分解が促進され、栄養的にも有利です。

    刈り込み速度

    コンディションに合わせて遅めの走行速度で刈る方がきれいに刈り上がります。

    すぐに低刈しない

    いままで使っていた芝刈り機よりも本機の刈り幅が広い場合には、以前の刈り高より少し高目の設定で刈って、凹凸面を削らないかどうか、確認してください。

    条件に合った適切な刈り高を選択する

    一度に切り取る長さは25 mm以内に抑えましょう。草丈の1/3 以上は刈り取らないのが原則です。成長期の密生している芝生では、刈り込み速度を遅くしたり、刈り高設定をさらに一目盛り上げる必要があるかもしれません。

    Important: 草丈の 1/3 以上を刈り取る場合や、長く伸びたまばらな草地を刈る場合、あるいは乾燥した草地を刈る場合には、空中に舞うほこりを減らしたり駆動部への負荷を減らす効果のあるフラットセイルブレードの使用をお奨めします。

    草丈が長い場合の刈り込み

    草がやや伸びすぎてしまった場合や、芝生がぬれている場合には、通常よりも高い刈高で刈り込みを行ってください。その後に通常の刈り高に下げてもう一度刈るときれいに仕上がります。

    デッキに汚れをためない

    芝刈り作業が終わったらホースと水道水で刈り込みデッキの裏側を洗浄してください。ここに刈りかすやごみが溜まると切れ味が落ち、仕上がりが悪くなります。

    火災防止のため、エンジンやマフラー、バッテリー、駐車ブレーキ、カッティングユニット、燃料タンクなどの周囲に、余分なグリス、草や木の葉、ほこりなどが溜まらないようご注意ください。 こぼれたオイルや燃料はふきとってください。

    ブレードをいつも鋭利に

    • シーズンを通じて鋭利な刈り込みブレードを維持するようにしましょう。刃先が鋭利であれば、芝草をむしるような刈りにならず、切り口がきれいです。切れ味の悪い刃先は芝草を引きちぎるので、切り口が茶色に変色し、芝草の成長を悪くし、また病気にもかかりやすくなります。

    • 刈り込みブレードに磨耗や破損が発生していないか毎回点検してください。必要に応じてブレードを研磨してください。

    • ブレードが破損したり磨耗したりした場合には、直ちに交換してください;トロの純正ブレードを使ってください。調整の詳細については、カッティングユニットのオペレーターズマニュアルを参照してください。

    運転終了後に

    運転終了後の安全確認

    • 火災防止のため、カッティングユニット、マフラー、エンジンの周囲に、草や木の葉、ホコリなどが溜まらないようご注意ください。オイルや燃料がこぼれた場合はふき取ってください。

    • カッティングユニットを上昇位置にして機械から離れる場合、ロック装置がある場合には、必ずユニットをロックしてください。

    • 閉めきった場所に本機を保管する場合は、エンジンが十分冷えていることを確認してください。

    • 格納保管中やトレーラで輸送中は、燃料バルブ装着車ではバルブを閉じておいてください。

    • ガス湯沸かし器のパイロット火やストーブなど裸火や火花を発するものがある近くでは、絶対に機械や燃料容器を保管・格納しないでください。

    • 各部品が良好な状態にあること、ボルトナット類、特にブレード取り付け用のボルト類に問題がないか常に点検してください。

    • 読めなくなったステッカーは貼り替えてください。

    機体を押して移動するには

    緊急時には、ごく短距離に限り、油圧ポンプについているバイパスバルブを開いて本機を移動させることができます。

    Important: 機体は必ず手で押すようにし、距離はできるだけ短くしてください。牽引すると油圧回路が損傷する恐れがあります。

    Important: 本機を押して或いは引いて移動させる場合には、必ずバイパスバルブを開く必要があります。移動が終わったらバイパスバルブを閉じてください。

    1. 運転席を倒す;座席ラッチの外し方を参照。

    2. それぞれのバイパスバルブ(図 25)を左回りに 1 回転させる。

      Note: これにより油圧ポンプがバイパスされ、車輪が自由に回るようになります。

      Important: バイパスバルブは1回転以上させないでください。回し続けるとバルブが外れて油圧オイルが流れ出てしまいます。

      g004644
    3. 駐車ブレーキが解除されていることを確認し、マシンを移動させる。

    4. バイパスバルブを右回りに 1 回転させて閉じる(図 25)。

      Note: バルブを締めすぎないように注意してください。

    5. バルブを 8 N·m(0.8 kg.m = 71 in-lb)にトルク締めする。

      Important: エンジンを掛ける前に、必ずバイパスバルブが閉じていることを確認してください。バイパスバルブを開いたままでエンジンを回転させるとトランスミッションがオーバーヒートします。

    移動走行を行うとき

    マシンの移送には十分に強度のあるトレーラやトラックを使用してください。トレーラやトラックは、法令で定められた灯火類やマークが完備しているものを使用してください。安全に関する注意事項はすべてよく読んでください。あなたご自身やご家族、ペット、周囲の人を事故から守るための情報です。

    警告

    公道上を走行する場合には、適切な方向指示器、反射器、表示、低速車表示などが定められており、これらを遵守しないと危険である。

    公道上などを走行しないこと。

    1. トレーラを使用する場合は、トレーラを牽引車両に接続するとともに、安全チェーンを取り付けること。

    2. ブレーキを使用する場合には、ブレーキの接続を行なってください。

    3. トレーラまたはトラックにマシンを載せる;トレーラへの積み込みを参照。

    4. エンジンを停止し、キーを抜き取り、駐車ブレーキを掛け、燃料バルブを閉じる。

    5. マシンにはロープ固定用のアイがついているので、チェーンやロープなどを使ってトラックやトレーラに機体をしっかりと固定する(図 26)。

      g191318

    トレーラへの積み込み

    トラックやトレーラに積み降ろしなどをする場合には十分に注意して作業を行ってください。トレーラなどへの積み降ろしには、マシンよりも幅広の一枚ものの歩み板を使用してください。積み込み(登り)はバックで、降ろす時には前進で運転する(図 27)。

    g027995

    Important: 左右に分かれた細い板を使用しないでください。

    警告

    マシンをトレーラなどに搭載する作業は、機体を転倒させる危険をはらんでおり、万一そのような事故が起こると死亡事故など重大な人身事故となる。

    • 歩み板の上を運転する場合には安全に十分に注意すること。

    • トレーラなどへの積み下ろし時には ROPS を立ててシートベルトを着用して運転すること。箱型のトレーラに積載する場合には、ROPS が天井に引っかからないことを確認すること。

    • 歩み板は幅の広いものを使用すること;マシンの左右それぞれに細い歩み板を使用しないこと。

    • 歩み板と路面との角度、および歩み板とトレーラの荷台の床面との角度が、いずれも15°を超えないようにすること。

    • 必ず、トラック(トレーラ)の荷台の高さの4倍程度の長さの板を使用すること。このようにすれば、平らな地面と荷台との角度が15°を超えることはない。

    • 積み込み(登り)はバックで、降ろす時には前進で運転する。

    • 積み下ろし作業中は、急加速や急減速などをしない。急加速や急減速は転倒などにつながりやすい。

    g027996

    保守

    Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

    推奨される定期整備作業

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 10 時間
  • フレーム取り付けボルトのトルク締めを行う。
  • ホイールナットのトルク締めを行う。
  • 使用開始後最初の 50 時間
  • 刈り込みデッキのギアボックスのオイル交換を行う。
  • エンジンオイルとフィルタの交換を行う。
  • 使用開始後最初の 200 時間
  • 油圧オイルとフィルタを交換する。
  • 使用するごとまたは毎日
  • インタロックシステムのテストを行う。
  • エンジンオイルの量を点検する。
  • 冷却水の量を点検する。
  • 圧縮空気を使ってエアクリーナを清掃します(ほこりのひどい場所で使用する時は、清掃回数を増やしてください)。
  • 油圧オイルの量を点検する。
  • 芝刈りデッキを洗浄する。
  • 50運転時間ごと
  • ベアリングとブッシュをグリスアップする。(ほこりの多い環境で使用している時は整備間隔を短くし毎日清掃する)。
  • バッテリーケーブルの接続状態を点検する。
  • タイヤ空気圧を点検する。
  • 100運転時間ごと
  • オルタネータベルトの張りを点検する。
  • 150運転時間ごと
  • 芝刈りデッキのギアボックスのオイルを点検する。
  • エンジンオイルとフィルタの交換を行う。
  • 200運転時間ごと
  • 冷却系統のホースとクランプを点検する。亀裂が入っている場合は交換する。
  • ホイールナットのトルク締めを行う。
  • 400運転時間ごと
  • 刈り込みデッキのギアボックスのオイル交換を行う。
  • エアクリーナの整備
  • 燃料フィルタの水セパレータキャニスタを交換する。
  • 水セパレータの水抜きと異物の除去。
  • 燃料ラインとその接続を点検します。
  • 800運転時間ごと
  • 油圧オイルとフィルタを交換する。
  • エンジンバルブのクリアランスを調整する。エンジンマニュアルを参照のこと。
  • 1500運転時間ごと
  • 可動部ホースを交換する。
  • 2年ごと
  • 燃料タンクを空にして内部を清掃します。
  • 冷却系統の内部を洗浄し新しい冷却液に交換する。
  • Important: エンジンの整備に関しての詳細は、付属のエンジンマニュアルを参照してください。

    Note: www.Toro.com から、この機械に関する配線図と油圧回路図をダウンロードすることができます。弊社ホームページからマニュアルへのリンクをご活用ください。

    始業点検表

    このページをコピーして使ってください。

    点検項目第週
    インタロックの動作を点検する。       
    デフレクタが下向きになっているか点検する(該当機種の場合)。       
    駐車ブレーキの動作を確認する。       
    燃料残量を確認する。       
    油圧オイルの量を点検する。       
    エンジンオイルの量を点検する。       
    冷却水の量を点検する。        
    燃料・水セパレータを点検し水を抜く。       
    エアフィルタの状態インジケータの表示を確認する。1       
    ラジエターとスクリーンを点検する。       
    エンジンから異常音がないか点検する。2       
    運転操作時の異常音       
    油圧ホースに磨耗損傷がないか点検する。       
    オイル漏れなど。       
    タイヤ空気圧を点検する       
    計器類の動作を確認する.       
    バッテリーの状態を点検する。       
    グリスアップ。3       
    塗装傷のタッチアップ。       

    1. インジケータが赤になっていないかどうかを見る。

    2. 始動困難、大量の煙、咳き込むような走りなどが見られる場合はグロープラグと噴射ノズルを点検する。

    3. 車体を水洗いしたときは整備間隔に関係なく直ちにグリスアップする。

    要注意個所の記録
    点検担当者名:
    内容日付記事
       
       
       
       
       

    注意

    始動キーをつけたままにしておくと、誰でもいつでもエンジンを始動させることができ、危険である。

    整備・調整作業の前には必ずエンジンを停止し、キーを抜いておくこと。

    整備前に行う作業

    Important: カバーについているボルトナット類は、カバーを外しても、カバーから外れません。全部のボルト類を数回転ずつゆるめてカバーが外れかけた状態にし、それから、全部のボルト類を完全にゆるめてカバーを外すようにしてください。このようにすれば、誤ってリテーナからボルトを外してしまうことがありません。

    保守作業時の安全確保

    • 調整、清掃、修理、車両を離れる前に以下を行ってください:

      • 平らな場所に駐車する。

      • スロットルスイッチを低速アイドル位置にセットする。

      • カッティングユニットを停止させる。

      • カッティングユニットを下降させる。

      • 走行ペダルがニュートラルになっていることを確認する。

      • 駐車ブレーキを掛ける。

      • エンジンを止め、キーを抜き取る。

      • すべての動作が停止するのを待つ。

      • 保守作業は、各部が十分冷えてから行う。

    • カッティングユニットを上昇位置にして機械から離れる場合、ロック装置がある場合には、必ずユニットをロックしてください。

    • 可能な限り、エンジンを回転させながらの整備はしないでください。可動部に近づかないでください。

    • 必要に応じ、ジャッキスタンドなどで機体を確実に支えてください。

    • 機器類を取り外すとき、スプリングなどの力が掛かっている場合があります。取り外しには十分注意してください。

    潤滑

    ベアリングとブッシュのグリスアップ

    整備間隔整備手順
    50運転時間ごと
  • ベアリングとブッシュをグリスアップする。(ほこりの多い環境で使用している時は整備間隔を短くし毎日清掃する)。
  • 定期的に、全部の潤滑個所にNo.2汎用リチウム系グリスを注入します。ベアリングやブッシュの内部に異物が入ると急激に磨耗が進行します。

    1. 異物を入れてしまわないよう、グリスフィッティングをきれいに拭く。

    2. グリスガンでグリスを注入する。

    3. はみ出したグリスはふき取る。

    Note: 不適切な洗車方法はベアリングに悪影響を与えます。機体が熱いうちの水洗いは避けてください。また、高圧の水をベアリングやシールに当てないでください。

    刈り込みデッキのギアボックスの潤滑

    ギアボックスに使用するオイルは SAE EP90W のギア用潤滑油です。刈り込みデッキのギアボックスには潤滑オイルを封入して出荷していますが、使用前および 始業点検表で示された時期にオイル量の点検を行ってください。

    刈り込みデッキのギアボックスのオイルの点検

    整備間隔整備手順
    150運転時間ごと
  • 芝刈りデッキのギアボックスのオイルを点検する。
    1. マシンと刈り込みデッキを平らな場所に停める。

    2. 刈り込みデッキを 25 mm の刈高に降下させる。

    3. PTO を解除し、走行コントロールレバーをニュートラルロック位置にセットし、駐車ブレーキを掛ける。

    4. スロットルレバーを 低速 にセットし、エンジンを停止し、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してから運転席を降りる。

    5. フットレストを上げてデッキの上部が見えるようにする。

    6. ギアボックスの上部についているディップスティック兼給油プラグを取り、オイルの量が、ディップスティックについている2本のマークの間にあることを確認する(図 29)。

      g004502
    7. 油量が足りなければディップスティックの2本のマークの間まで補給する。

      Important: 油圧オイルを入れすぎるとシステムを破損させる恐れがあります。

    刈り込みデッキのギアボックスのオイル交換

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 50 時間
  • 刈り込みデッキのギアボックスのオイル交換を行う。
  • 400運転時間ごと
  • 刈り込みデッキのギアボックスのオイル交換を行う。
    1. マシンとカッティングユニットを平らな場所に駐車させる。

    2. 刈り込みデッキを 25 mm の刈高に降下させる。

    3. PTO を解除し、走行コントロールレバーをニュートラルロック位置にセットし、駐車ブレーキを掛ける。

    4. スロットルレバーを 低速 にセットし、エンジンを停止し、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してから運転席を降りる。

    5. フットレストを上げてデッキの上部が見えるようにする。

    6. ギアボックスの上部についているディップスティック兼給油プラグ(図 29)を取る。

    7. ギアボックス正面の下部についているドレンプラグの下にジョウゴと廃油受け容器を置き、ドレンプラグを外して廃油受けにオイルを回収する。

    8. ドレンプラグを取り付ける。

    9. 新しいオイルを入れる。適正量はおよそ283 ml(オイル量がディップスティックの2本のマークの間)である。

      Important: 油圧オイルを入れすぎるとシステムを破損させる恐れがあります。

    エンジンの整備

    エンジンの安全事項

    • エンジンオイルの点検や補充は、エンジンを止めキーを抜き取った状態で行ってください。

    • エンジンのガバナの設定を変えたり、エンジンの回転数を上げすぎたりしないでください。

    エアクリーナを点検する

    1. エアクリーナ本体にリーク原因となりそうな傷がないか点検する。ボディーが破損している場合は交換してください。

    2. 吸気部全体について、リーク、破損、ホースのゆるみなどを点検してください。

    3. エアクリーナの整備はインジケータが赤色になっていたら、または 400 運転時間ごと(非常にホコリのひどい場所で使っている場合にはよりひんぱんに)行ってください(図 30)。

      Important: エアフィルタの整備のしすぎはかえってよくありません。

      g243914
    4. 本体とカバーが正しく、しっかりと密着しているのを確認してください。

    エアクリーナの整備

    整備間隔整備手順
    400運転時間ごと
  • エアクリーナの整備
  • Note: カバー内部のウレタン製ガスケット破損している場合には交換してください。

    Important: 高圧のエアは使用しないでください。異物がフィルタを通ってエンジンに吹き込まれる恐れがあります。

    Important: エレメントを洗って再使用しないでください。フィルタの濾紙を破損させる恐れがあります。

    Important: 破損しているフィルタを使用しないでください。

    Important: フィルタの真ん中の柔らかい部分を持たないでください。

    g243913

    エンジンオイルの保守

    エンジンオイルの量を点検する

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • エンジンオイルの量を点検する。
  • エンジンにはオイルを入れて出荷していますが、初回運転の前に必ずエンジンオイルの量を確認してください。毎日の使用前、または使用するごとに、オイルの量を点検してください。

    クランクケースの油量は約 3.8 リットル(フィルタ共)です。以下の条件を満たす高品質なエンジンオイルを使用してください:

    • API規格CH-4、CI-4 またはそれ以上のクラス。

    • 推奨オイル:SAE 15W-40(-17℃以上)

    • 他に使用可能なオイル:SAE 10W-30 または 5W-30(全温度帯)

    Note: Toro のプレミアムエンジンオイル(10W-30 または 5W-30)を代理店にてお求めいただくことができます。パーツカタログでパーツ番号をご確認ください。

    1. 平らな場所に駐車し、刈り込みデッキを下降させ、スロットルを低速にセットし、エンジンを停止させ、キーを抜き取る。

    2. フードを開ける。

    3. ディップスティックを抜き取り、付いているオイルをウェスで拭き、もう一度一杯に差し込んで抜きとる。

    4. エンジンオイルの量を点検する。

      オイル量が 2 本のマークの間(図 32;F)にあれば油量は適正である。油量がディップスティックの少量マークより少ない( 図 32;B)場合は、2 本のマークの間になるまでオイルを補給する。

      g029301

    エンジンオイルとフィルタの交換

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 50 時間
  • エンジンオイルとフィルタの交換を行う。
  • 150運転時間ごと
  • エンジンオイルとフィルタの交換を行う。
  • 可能であれば、オイル交換の直前にしばらくエンジンを運転するとオイルの抜けがよくなり、汚れもよく落ちます。

    1. 平らな場所に駐車する。

    2. フードを開ける。

    3. オイルを交換する(図 33)。

      g031623
    4. オイルフィルタを交換する(図 34)。

      g027477
    5. エンジンオイルを入れる;エンジンオイルの量を点検するを参照。

    燃料系統の整備

    危険

    軽油は条件次第で簡単に引火爆発する。発火したり爆発したりすると、やけどや火災などを引き起こす。

    • 燃料補給は必ず屋外で、エンジンが冷えた状態で行う。こぼれた燃料はふき取る。

    • 燃料タンク一杯に入れないこと。燃料を補給する時は、補給管の下までとする。

    • 燃料取り扱い中は禁煙を厳守し、火花や炎を絶対に近づけない。

    • 安全で汚れのない認可された容器で保存し、容器には必ずキャップをはめること。

    ウォーターセパレータの整備

    整備間隔整備手順
    400運転時間ごと
  • 燃料フィルタの水セパレータキャニスタを交換する。
  • 水セパレータの水抜きと異物の除去。
  • g031412

    燃料タンクの清掃

    整備間隔整備手順
    2年ごと
  • 燃料タンクを空にして内部を清掃します。
  • タンクを空にした場合には、インラインストレーナを取り外して洗浄してください。タンクの清掃にはきれいな燃料を使用してください。

    Important: 燃料系統が汚染された時や、マシンを長期にわたって格納する場合には燃料タンクの内部を清掃してください。

    燃料ラインとその接続の点検

    整備間隔整備手順
    400運転時間ごと
  • 燃料ラインとその接続を点検します。
  • 劣化や破損やゆるみが発生していないかを調べてください。

    燃料系統からのエア抜き

    1. 平らな場所に駐車する。燃料タンクに少なくとも半分まで燃料が入っていることを確認する。

    2. ラッチを外してフードを開ける。

    3. 燃料噴射ポンプについているエア抜きねじの下にウェスを敷いてねじをゆるめる(図 36)。

      g007882
    4. キーを ON 位置に回す。

      Note: 電動燃料ポンプが作動を開始し、エア抜きねじの周囲からエアが漏れ出てくるのが確認される。

      注意

      エア抜き中にエンジンが始動してしまう場合がある。エンジンが始動するとファンやベルトが回転し、これらに触れると大怪我をする恐れがある。

      手足や頭、髪の毛や衣服、装身具などをファンやその他の可動部に近づけないように十分注意すること。

    5. ねじから燃料が連続的に流れるのが見えるまでキーを ON 位置に保持します。

    6. エア抜きねじを締め付け、始動キーを OFF 位置に戻す。

      Note: 通常はこれでエンジンが始動するようになります。始動できない時は、噴射ポンプとインジェクタの間にエアが入っている可能性があります;インジェクタからのエア抜きを参照してください。

    インジェクタからのエア抜き

    Note: この手順は、燃料システムからの通常のエア抜きを行ってもエンジンが始動できないときに行うものです;通常のエア抜きについては、燃料系統からのエア抜きを参照してください。

    1. 燃料噴射ポンプから No.1インジェクタノズル(図 37)へのパイプ接続部の下にウェスを当て、パイプの接続をゆるめる。

      g007881
    2. スロットルを高速位置とする。

    3. 始動キーをSTART位置に回し、接続部から流れ出る燃料を観察する。

      注意

      エア抜き中にエンジンが始動してしまう場合がある。エンジンが始動するとファンやベルトが回転し、これらに触れると大怪我をする恐れがある。

      手足や頭、髪の毛や衣服、装身具などをファンやその他の可動部に近づけないように十分注意すること。

    4. 流れが泡立たなくなったらパイプをしっかり締め付ける。

    5. キーを OFF 位置に回す。

    6. 残りのノズルからも同じ要領でエアを抜く。

    電気系統の整備

    電気系統に関する安全確保

    警告

    バッテリーの電極部や端子などの部分には鉛や鉛含有物質が含まれており、カリフォルニア州では、これらの物質が癌や先天性異常の原因となるとされている。取り扱い後は手を洗うこと。

    • マシンの整備や修理を行う前に、バッテリーの接続を外してください。バッテリーの接続を外すときにはマイナスケーブルを先に外し、次にプラスケーブルを外してください。接続するときにはプラスを先に接続し、次にマイナスを接続してください。

    • バッテリーの充電は、火花や火気のない換気の良い場所で行ってください。バッテリーと充電器の接続や切り離しを行うときは、充電器をコンセントから抜いておいてください。また、安全な服装を心がけ、工具は確実に絶縁されたものを使ってください。

    バッテリーの整備

    整備間隔整備手順
    50運転時間ごと
  • バッテリーケーブルの接続状態を点検する。
  • バッテリーの上面をきれいに保持してください。高温環境下で保管すると、涼しい場所で保管するよりもバッテリーは早く放電します。

    バッテリー上部はアンモニア水または重曹水に浸したブラシで定期的に清掃してください。 清掃後は表面を水で流して下さい。 清掃中はセルキャップを外さないでください。

    バッテリーのケーブルは、接触不良にならぬよう、端子にしっかりと固定してください。

    端子が腐食した場合は、 ケーブルを外し(マイナスケーブルから先に外すこと)、クランプと端子とを別々に磨いてください。磨き終わったらケーブルをバッテリーに接続し(プラス・ケーブルから先に接続すること)、端子にはワセリンを塗布してください。

    警告

    バッテリーの端子に金属製品や車体の金属部分が触れるとショートを起こして火花が発生する。 それによって水素ガスが爆発を起こし人身事故に至る恐れがある。

    • バッテリーの取り外しや取り付けを行うときには、端子と金属を接触させないように注意する。

    • バッテリーの端子と金属を接触させない。

    警告

    バッテリーケーブルの接続手順が不適切であるとケーブルがショートを起こして火花が発生する。それによって水素ガスが爆発を起こし人身事故に至る恐れがある。

    • ケーブルを取り外す時は、必ずマイナス(黒)ケーブルから取り外す。

    • ケーブルを取り付ける時は、必ずプラス(赤)ケーブルから取り付け、それからマイナス(黒)ケーブルを取り付ける。

    バッテリーの保管

    格納期間が30日間以上になる場合には、バッテリーを機体から外して満充電してください。充電終了後は、機体に取り付けて保管しても、機体から外したままで保管しても構いません。機体に搭載した状態で保存する場合は、ケーブルを外しておいてください。暖かい場所ではバッテリーが早く放電するので、保管は涼しい場所で行うようにしてください。バッテリーの凍結を防止するため、フル充電状態で保管する。完全充電したバッテリー液の比重は 1.265-1.299 になる。

    ヒューズの点検

    ヒューズはコントローラパネルの下に取り付けてあります。サイドパネルカバーを外すとヒューズボックスがあります(図 38)。サイドパネルカバーを外すには、左右のラッチを解除して手前に引いてください。

    マシンが作動しなくなったり、電気系統に問題がある場合にはヒューズを点検してください。ヒューズを1本ずつ順に取り出し、切れていないかどうかを目視で確認します。

    Important: ヒューズの交換が必要な場合には、必ず 現在使用中のものと 同じタイプ、同じ電流規格のものを使用してください;ヒューズの規格が合わないとマシンの電気系統全体を破損させる恐れがあります。ヒューズの脇に、説明の絵文字とアンペア数の表示ステッカーがあります(図 39)。

    Note: ヒューズが何度も飛ぶ場合には、その電気回路のどこかにショートが発生していることが考えられますので専門の整備士に整備を依頼してください。

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    走行系統の整備

    タイヤ空気圧を点検する

    整備間隔整備手順
    50運転時間ごと
  • タイヤ空気圧を点検する。
  • タイヤ空気圧は空気バルブ(図 40)で測定し、50運転時間ごと、または1ヶ月に1回のうち早い方の時期に点検してください。

    前後のタイヤとも規定値に調整して運転してください。適正範囲は後輪が 124 bar、キャスタホイールが 103 bar です。空気圧そろっていないと均一な刈高になりません。測定はタイヤが冷えている状態で行うのがベストです。

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    キャスタホイールとベアリングの交換

    1. 代理店から、新しいキャスタホイールアセンブリ、コーンベアリング、およびベアリングシールを入手する。

    2. 端子ボルトからナットを外す(図 41)。

      g004760
    3. キャスタホイールをしっかりと握り、ボルトをフォーク(またはピボットアーム)から抜き取る。

    4. 古いキャスタホイールとベアリングは破棄する。

    5. コーンベアリングにグリスをパックし、ベアリングとシールをホイールハブに入れ、図 41に示すようにキャスタホイールを組み付ける

    6. ベアリングとホイールハブにスペーサを通し、2つのベアリングの間でスペーサをハブの中に閉じ込めるようにセットする。

      Important: シールのリップを内側に折り込まないように注意してください。

    7. キャスタホイールアセンブリをキャスタフォークに取り付け、ボルトとロックナットで固定する。

    8. ホイールが自由に回転できなくなるまで締め付け、そこから自由回転できるギリギリのところまで戻す。

    9. グリスガンを使って、キャスタホイールのグリス注入部に、No.2リチウム系グリスを注入する。

    冷却系統の整備

    冷却系統に関する安全確保

    • 冷却液を飲み込むと中毒を起こす;冷却液は子供やペットが触れない場所に保管すること。

    • 高温高圧の冷却液を浴びたり、高温のラジエター部分に触れたりすると大火傷をする恐れがある。

      • エンジン停止後、少なくとも15分間程度待って、エンジンが冷えてからキャップを開けること。

      • キャップを開けるときはウェスなどを使い、高温の水蒸気を逃がしながらゆっくりと開けること。

    • マシンを運転するときには、必ず所定のカバーを取り付けておくこと。

    • 手、指、衣服などを、ファンやベルトに近づけないように注意すること。

    • 保守作業を行う前にエンジンを停止し、キーを抜き取っておくこと。

    冷却系統を点検する

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • 冷却水の量を点検する。
  • 冷却液は、水とエチレングリコール不凍液の50/50 混合液で、出荷時に補給済みです。容量は 7.5 リットルです。

    1. 液量の点検は補助タンクで行う(図 42)。

      Note: タンク側面についている2本のマークの間にあれば適正である。

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    2. 液量が不足している場合には補助タンクに補給する。

      Important: 入れすぎはよくない。

    3. 補助タンクのキャップを取り付けて終了。

    ラジエターの清掃

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • 圧縮空気を使ってエアクリーナを清掃します(ほこりのひどい場所で使用する時は、清掃回数を増やしてください)。
  • 200運転時間ごと
  • 冷却系統のホースとクランプを点検する。亀裂が入っている場合は交換する。
  • 1500運転時間ごと
  • 可動部ホースを交換する。
  • 2年ごと
  • 冷却系統の内部を洗浄し新しい冷却液に交換する。
  • エンジンをオーバーヒートさせないよう、ラジエターを定期的に清掃してください。

    Note: オーバーヒートのためにデッキやエンジンが停止した場合には、まずラジエター部分にごみがたまっていないかを点検してください。

    ラジエターは以下の要領で清掃します:

    1. フードを開ける。

    2. ラジエターのファン側から低圧 3.45bar(3.5kg/cm2 = 50psi 程度)の圧縮空気を吹き付けてゴミを吹き飛ばす。次に、機体前側から吹き、さらにもう一度ファン側から吹いて清掃する。

      Important: 水を使用しないこと。

    3. ラジエター本体がきれいになったらベース部を清掃し、溝にたまっているゴミを取る。

    4. フードを閉じる。

    ブレーキの整備

    駐車ブレーキのインタロックスイッチの調整

    1. エンジンを停止し、走行コントロールレバーをニュートラルロック位置にセットし、駐車ブレーキを掛け、キーを抜き取る。

    2. 前パネルを止めているボルトを外して前パネルを外す(図 43)。

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    3. 駐車ブレーキのインタロックスイッチを取り付けブラケットに固定しているジャムナット(2個)をゆるめる。

      g031811
    4. ブレーキシャフトセンサーとインタロックスイッチのプランジャとの距離が 4 mm になるように、スイッチの位置を上下させて 図 44のように調整する。

      Note: ブレーキシャフトセンサーがスイッチのプランジャに接触しないことを確認してください。

    5. スイッチのジャムナットを固定する。

    6. 以下の要領で調整を確認する:

      1. 駐車ブレーキが掛かっていることを確認し、運転席に座らずにエンジンを始動する。

      2. 走行コントロールレバーをニュートラルロック以外の位置に動かす。

        Note: エンジンが停止すれば正常です。停止しない場合は調整を点検し、必要な微調整を行う。

    7. 前パネルを取り付ける。

    ベルトの整備

    オルタネータベルトの張りを点検する。

    整備間隔整備手順
    100運転時間ごと
  • オルタネータベルトの張りを点検する。
    1. プーリとプーリの中間部でベルトを指で4.5 kg程度の力で押して点検する。

    2. たわみが10 mmでない場合には、オルタネータ取り付けボルトをゆるめる(図 45)。

      g008932
    3. オルタネータベルトの張りを調整する。

    4. 取り付けボルトを締め付ける。

    5. ベルトのたわみが適切に調整されたことを確認する。

    制御系統の整備

    コントロールレバーのニュートラルインタロックスイッチの調整

    1. エンジンを停止し、走行コントロールレバーをニュートラルロック位置にセットし、駐車ブレーキを掛け、キーを抜き取る。

    2. 前パネルを止めているボルトを外して前パネルを外す(図 46)。

      g020875
    3. インタロックスイッチを固定しているねじ2本を取り外す(図 47)。

      g004763
    4. コントロールレバーをフレームに押し付けた状態でスイッチをレバーの方へ移動させて、図 47のようにレバーとスイッチボディとの距離を 0.4-1 mm に調整する。

    5. スイッチを固定する。

    6. 反対側のレバーについても、上記手順3-5を行う。

    7. 前パネルを取り付ける。

    コントロールレバーのニュートラルリターンの調整

    走行コントロールレバーを握って後退位置から手をはなしてもニュートラル位置に正確に戻らない場合には、調整が必要です。各レバー、スプリング、ロッドを個別に調整してください。

    1. PTO スイッチを切り、コントロールレバーをニュートラルロック位置にセットし、駐車ブレーキを掛ける。

    2. スロットルレバーを 低速 にセットし、エンジンを停止し、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してから運転席を降りる。

    3. 前パネルを止めているボルトを外して前パネルを外す(図 48)。

      g020875
    4. コントロールレバーをニュートラル位置にする(ロック位置にはしない)(図 50)。

    5. クレビスピン(ピボットシャフトの上のアームについている)がスロットの端部に接触する(スプリングに圧力が掛かり始める位置)まで、図 49のようにレバーを手前に引く。

      g004651
    6. コントロールレバーと、コンソールのノッチとの位置関係を見る(図 50)。

      Note: レバーがノッチの中心に整列しており、レバーを外側に倒せばニュートラルロック位置にセットされる状態であれば適切である。

      g004918
    7. 調整が必要な場合は、ジャムナットをゆるめて調整ナットをヨーク側に移動できるようにする(図 49)。

    8. コントロールレバーを軽く手前(後退側)に引きながら、調整ボルトを回して、コントロールレバーがちょうどニュートラルロック位置にくるように調整する(図 49)。

      Note: レバーに後退側の力を掛けることにより、ピンがスロットの終端部に保持され、調整ボルトでレバーを適切な位置に動かすことができます。

    9. ナットとジャムナット(図 49)を締め付ける。

    10. 反対側のコントロールレバーについても、上記手順4-9を行う。

    11. 前パネルを取り付ける。

    走行ドライブのニュートラル調整

    この調整は駆動輪を回転させながら行います。

    危険

    機械式や油圧式のジャッキが外れると重大な人身事故が発生する。

    • マシンをジャッキアップしたら、必ずジャッキスタンドで支えること。

    • 油圧ジャッキだけで支えてはならない。

    警告

    この調整は、エンジンを作動させながら行う必要がある。可動部や高温部に触れると非常に危険である。

    手足や顔や衣服を回転部やマフラなどに近づけないよう十分注意すること。

    1. 駆動輪が自由に回転できるように、安定したジャッキスタンドでフレームを支える。

    2. 運転席を一番前の位置に移動し、ラッチを外してシートを前方に倒す。

    3. 運転席の安全スイッチから電気コネクタを外す。

    4. ワイヤハーネスのコネクタに、ジャンパ線を取り付ける。

    5. エンジンを始動し、スロットルレバーを 高速 と 低速 の中間にセットし、駐車ブレーキを解除する。

      Note: どんな調整を行う場合でも、走行コントロールレバーはニュートラルロック位置にセットしておいてください。

    6. 機体の片側で、その側の車輪が停止またはわずかに後退側に回転するように、ポンプロッドの長さを調整する六角シャフトを回して調整する(図 51)。

      g004488
    7. 走行コントロールレバーを前進方向、後退方向に操作し、ニュートラル位置に戻す。

      Note: 車輪が回転を停止、またはわずかに後退方向に回転していればよい。

    8. スロットルレバーをFAST位置にセットする。

      Note: 車輪が回転しないこと、もしくはごくわずかだけ逆転することを確認する。必要に応じて調整する。

    9. マシンの反対側でも 6 - 8 の作業を行う。

    10. ボールジョイント部でジャムナット(図 49) を締めつける。

    11. スロットルレバーを 低速 に戻し、エンジンを停止する。

    12. ワイヤハーネスのコネクタからジャンパ線を外し、コネクタを元通りにシートスイッチに接続する。

      警告

      ジャンパ線を取り付けたままでは、安全スイッチが正しく機能しない。

      • 調整が終了したら、ワイヤハーネスのコネクタからジャンパ線を外し、コネクタを元通りにシートスイッチに接続する。

      • 絶対に、ジャンパ線を取り付けた状態(シートスイッチをバイパスさせた状態)で運転してはならない。

    13. 運転席を元通りに戻す。

    14. ジャッキスタンドを外す。

    最高走行速度の調整

    1. PTO を解除し、走行コントロールレバーをニュートラルロック位置にセットし、駐車ブレーキを掛ける。

    2. スロットルレバーを 低速 にセットし、エンジンを停止し、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してから運転席を降りる。

    3. 前パネルを止めているボルトを外して前パネルを外す(図 52)。

      g020875
    4. コントロールレバーのストップボルトについているジャムナットをゆるめる(図 53)。

      g004766
    5. ストップボルトを一番内側まで締める(コントロールレバーから逃げるように)。

    6. コントロールレバーを一番前まで倒し、その位置に保持する。

    7. ストップボルトの頭とコントロールレバーとの間に 1.5 mm の隙間ができるように、ストップボルトを調整する(コントロールレバー側へ出す)。

      Note: 最高走行速度を下げたい場合には、希望する最高速度でコントロールレバーがストップボルトに当たるように、各ストップボルトを同じ長さだけコントロールレバー側に突き出させてください。何度か実際に走行させて確認してください。

    8. ジャムナットを締めて調整を固定する。

    9. 反対側のコントロールレバーについても、上記手順4-8を行う。

    10. 前パネルを取り付ける。

    11. 左右のコントロールレバーを前進方向に一杯に倒したとき、機体が旋回せずにまっすぐに走行することを確認してください。

      Note: ストップボルトが左右で等しく調整されていないと機体が旋回します;その場合には再調整が必要です。

    トラッキングの調整

    1. PTO を解除し、走行コントロールレバーをニュートラルロック位置にセットし、駐車ブレーキを掛ける。

    2. スロットルレバーを 低速 にセットし、エンジンを停止し、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してから運転席を降りる。

    3. コントロールレバーを固定しているボルトをゆるめる(図 54)。

      g004919
    4. 一人がコントロールレバーの支柱(レバーではなくて支柱;2本とも)を前方向いっぱいまで倒して最高速度位置にし、その位置で保持する。

    5. この状態で、左右のコントロールレバーが整列するように調整し、ボルトを締めて、各レバーをポストに固定する(図 55)。

      g001656

    油圧系統の整備

    油圧オイル溜めに 4.7 リットルの高品質のトラクタ用トランスミッションオイルを満たして出荷しています。推奨オイルの銘柄を以下に示します:

     Toro プレミアムトランスミッション/油圧トラクタオイル (19 リットル缶または208 リットル缶。)パーツカタログまたは代理店でパーツ番号をご確認ください。

    他に使用可能なオイル:トロのオイルが入手できない場合は、Mobil® 424 油圧作動液を使用することができます。

    Note: 不適切なオイルの使用による損害については弊社は責任を持ちかねます。

    Note: 多くの油圧オイルはほとんど無色透明であり、そのためオイル洩れの発見が遅れがちです。油圧オイル用の着色剤(20ml 瓶)をお使いいただくと便利です。1瓶で 15-22 リットルのオイルに使用できます。パーツ番号は 44-2500。ご注文はトロ社の代理店へ。

    油圧系統に関する安全確保

    • 万一、油圧オイルが体内に入ったら、直ちに専門医の治療を受けてください。万一、油圧オイルが体内に入った場合には、この種の労働災害に経験のある施設で数時間以内に外科手術を受ける必要がある。

    • 油圧装置を作動させる前に、全部のラインコネクタが適切に接続されていること、およびラインやホースの状態が良好であることを確認すること。

    • 油圧のピンホールリークやノズルからは作動油が高圧で噴出しているので、絶対に手などを近づけない。

    • リークの点検には新聞紙やボール紙を使う。

    • 油圧関係の整備を行う時は、内部の圧力を確実に解放する。

    油圧システムを点検する

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • 油圧オイルの量を点検する。
  • 初めての運転の前に必ず油量を確認し、その後は毎日点検してください。

    1. 平らな場所に駐車する。

    2. コントロールレバーをニュートラルロック位置にセットし、エンジンを始動する。

      Note: エンジンをできるだけ低速で回してシステム内のエアをパージする。

      Important: PTO は作動させないこと。

    3. デッキを上昇させて昇降シリンダが伸びた状態とし、エンジンを停止し、キーを抜き取る。

    4. 運転席を倒して油圧オイルタンクの点検ができるようにする。

    5. 油圧オイル給油口からキャップを取る(図 56)。

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    6. ディップスティックを抜き、ウェスで一度きれいに拭く(図 56)。

    7. もう一度首に差し込んで引き抜き、オイルの量を点検する(図 56)。

      Note: オイルの量がディップスティックのノッチ範囲より少なければ、適切な高品質油圧オイルを補給する。

      Important: 入れすぎないこと。

    8. ディップスティックを元に戻し、キャップを取り付けて手で軽く締め付ける。

    9. オイル洩れがないかホース部と接続部をすべて点検する。

    油圧オイルとフィルタの交換

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 200 時間
  • 油圧オイルとフィルタを交換する。
  • 800運転時間ごと
  • 油圧オイルとフィルタを交換する。
    1. PTO を解除し、走行コントロールレバーをニュートラルロック位置にセットし、駐車ブレーキを掛ける。

    2. スロットルレバーを 低速 にセットし、エンジンを停止し、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してから運転席を降りる。

    3. 油圧オイルタンクとトランスミッションケースの下にオイルを受ける大型の容器を置き、それぞれのドレンプラグを外してタンク内のオイルを完全に排出、回収する(図 57)。

      g004652
    4. 油圧オイルフィルタ取り付け部の周辺をウェスできれいに拭き、フィルタを外す (図 57)。

    5. すぐに新しいオイルフィルタを取り付ける。

    6. 油圧オイルタンクとトランスミッションのドレンプラグを取り付ける。

    7. タンクの所定位置までオイルを入れる(約5.7リットル);油圧システムを点検するを参照。

    8. エンジンを始動し、オイル漏れがないか点検する。エンジンを約5分間運転した後、エンジンを停止する。

    9. 2分後、油圧オイルの量を点検する;油圧システムを点検するを参照。

    洗浄

    芝刈りデッキの裏側の清掃

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • 芝刈りデッキを洗浄する。
    1. PTO を解除し、走行コントロールレバーをニュートラルロック位置にセットし、駐車ブレーキを掛ける。

    2. スロットルレバーを 低速 にセットし、エンジンを停止し、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してから運転席を降りる。

    3. デッキを移動走行位置まで上昇させる。

    4. 機体前部を浮かせ、ジャッキスタンドで支持する。

    5. デッキの裏側を水で十分に清掃する。

    ごみの投棄について

    エンジンオイル、バッテリー、油圧オイル、冷却液は環境汚染物質です。これらの物質は、それぞれの地区の法律などに従って適切に処分してください。

    保管

    機体

    1. エンジンを止め、キーを抜き取る。また、必ず機械各部の動きが完全に停止し、機体の温度が十分に下がったのを確認してから、調整、洗浄、格納、修理などの作業に掛かるようにする。

    2. カッティングデッキやエンジンを含めた機体全体をていねいに洗浄する。特に以下の部分を重点的に洗浄する:

      • ラジエターとラジエタースクリーン

      • デッキの裏側

      • デッキのベルトカバーの裏側

      • カウンタバランススプリング

      • PTOシャフトアセンブリ

      • グリス注入部やピボット部

      • コントロールボックスの内部

      • 運転席(シートプレートの下とトランスミッションの上面)

    3. 前後のタイヤ空気圧を点検・調整する;タイヤ空気圧を点検するを参照。

    4. カッティングデッキのブレードを外して研磨とバランス調整を行う。 ブレードを取り付け、115-149 N·m(12-15 kg/cm2 = 85-110 ft-lb)にトルク締めする。

    5. ボルトナット類にゆるみながいか点検し、必要な締め付けを行う。刈り込みデッキをトラクションユニットに固定しているボルト(6本)をトルク締めする 359 N·m(36.7 kg/cm2 = 265 ft-lb)(図 58)。

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    6. グリス注入部やピボット部全部とトランスミッションのバイパスバルブのピンをグリスアップする。にじみ出たグリスはふき取る。

    7. 塗装のはがれている部分に軽く磨きをかけ、タッチアップする。 金属部の変形を修理する。

    8. バッテリーとケーブルに以下の作業を行う:

      1. バッテリー端子からケーブルを外す。

      2. バッテリー本体、端子、ケーブル端部を重曹水とブラシで洗浄する。

      3. 腐食防止のために両方の端子部にワセリン(Grafo 112X: P/N 505-47)を薄く塗る。

      4. 電極板の劣化を防止するため、60日ごとに24時間かけてゆっくりと充電する。

    エンジン

    1. エンジンオイルを抜き取り、ドレンプラグをはめる。

    2. オイルフィルタを交換する。

    3. エンジンに推奨モーターオイルを入れる。

    4. エンジンを始動し、約2分間のアイドル運転を行う。

    5. 燃料タンク、燃料ライン、ポンプ、セパレータから燃料を抜き取る。 燃料タンクの内部をきれいな燃料で洗浄し、ラインを元通りに接続する。

    6. エアクリーナをきれいに清掃する。

    7. エアクリーナの吸気口とエンジンの排気口を防水テープでふさぐ。

    8. オイルタンクと燃料タンクのふたが締まっているのを確認する。