整備間隔 | 整備手順 |
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使用するごとまたは毎日 |
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この機械は多目的作業用機械であり、専門業務に従事するプロのオペレータが運転操作することを前提として製造されています。この製品は、集約的で高度な管理を受けているゴルフ場やスポーツフィールドの芝生、あるいは商用目的で使用される芝生に対する刈り込み作業を行うことを主たる目的として製造されております。
Important: この機械に本来の性能を発揮させ安全にお使いいただくために、このオペレーターズマニュアルに記載されている内容を十分にご理解ください。適切な講習を受けなかったり、正しい操作方法を守らなかったりすると、けがをする恐れがあります。安全な運転操作や安全確保のためのヒントなどについて、より詳しい情報はこちらへ:www.Toro.com。
弊社のウェブサイト www.Toro.com で製品やアクセサリ情報の閲覧、代理店についての情報閲覧、お買い上げ製品の登録などを行っていただくことができます。
整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマーサービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。図 1にモデル番号とシリアル番号を刻印した銘板の取り付け位置を示します。いまのうちに番号をメモしておきましょう。
Important: シリアル番号デカルについている QR コード(無い場合もあります)をモバイル機器でスキャンすると、製品保証、パーツその他の製品情報にアクセスできます。
この説明書では、危険についての注意を促すための警告記号(図 2)を使用しております。これらは死亡事故を含む重大な人身事故を防止するための注意ですから、必ずお守りください。
この他に2つの言葉で注意を促しています。重要 は製品の構造などについての注意点を、注はその他の注意点を表しています。
この製品は、関連するEU規制に適合しています; 詳細については、DOC シート(規格適合証明書)をご覧ください。
カリフォルニア州の森林地帯・潅木地帯・草地などでこの機械を使用する場合には、エンジンに同州公共資源法第4442章に規定される正常に機能するスパークアレスタが装着されていること、エンジンに対して森林等の火災防止措置をほどこされていることが義務づけられており、これを満たさない機械は、第4442章または4443章違犯となります。
エンジンの保守整備のため、および米国環境保護局(EPA)並びにカリフォルニア州排ガス規制に関連してエンジンマニュアルを同梱しております。エンジンマニュアルはエンジンのメーカーから入手することができます。
カリフォルニア州
第65号決議による警告
カリフォルニア州では、ディーゼルエンジンの排気には発癌性や先天性異常などの原因となる物質が含まれているとされております。
バッテリーやバッテリー関連製品には鉛が含まれており、カリフォルニア州では発ガン性や先天性異常を引き起こす物質とされています。取り扱い後は手をよく洗ってください。
米国カリフォルニア州では、この製品を使用した場合、ガンや先天性異常などを誘発する物質に触れる可能性があるとされております。
不適切な使い方をしたり手入れを怠ったりすると、人身事故につながります。事故を防止するため、以下に示す安全上の注意や安全注意標識のついている遵守事項は必ずお守りください 「注意」、「警告」、および「危険」 の記号は、人身の安全に関わる注意事項を示しています。これらの注意を怠ると死亡事故などの重大な人身事故が発生することがあります。
この機械は、対応するCEキット(適合宣誓書を参照)およびリアウェイトを取り付けることにより EN ISO 5395:2013 規格に適合いたします;ステップ後ウェイトを取り付けるをご参照ください。
この機械は、対応するリアウェイトを取り付けることにより ANSI B71.4-2017 規格に適合いたします;ステップ後ウェイトを取り付けるをご参照ください。
この機械は手足を切断したり物をはね飛ばしたりする能力があります。重大な人身事故を防ぐため、すべての注意事項を厳守してください。
この機械は本来の目的から外れた使用をすると運転者本人や周囲の人間に危険な場合があります。
エンジンを始動する前に必ずこのオペレーターズマニュアルをお読みになり、内容をよく理解してください。
この機械を運転する時は常に十分な注意を払ってください。運転中は運転操作に集中してください;注意散漫は事故の大きな原因となります。
機械の可動部の近くには絶対に手足を近づけないでください。
ガードなどの安全保護機器が正しく取り付けられていない時は、運転しないでください。
排出口の近くに手足などを近づけないでください。周囲の人や動物を十分に遠ざけてください。
作業場所に子供を近づけないでください。子供に運転させないでください。
運転位置を離れる時は、マシンを停止させ、エンジンを止め、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してください。
間違った使い方や整備不良は人身事故などの原因となります。事故を防止するため、以下に示す安全上の注意や安全注意標識のついている遵守事項は必ずお守りください 「注意」、「警告」、および「危険」 の記号は、人身の安全に関わる注意事項を示しています。これらの注意を怠ると死亡事故などの重大な人身事故が発生する恐れがあります。
このオペレーターズマニュアルの他の場所に書かれている注意事項も必ずお守りください。
危険な部分の近くには、見やすい位置に安全ラベルや指示ラベルを貼付しています。破損したりはがれたりした場合は新しいラベルを貼付してください。 |
PTO ユニバーサルシャフトがマシンのフレームに固定されている。PTO を操作する前に、必ずユニバーサルシャフトを取り外すか、適当な装置接続するかすること。
Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。
この作業に必要なパーツ
運転席:モデル 30398(オプションキット) | 1 |
機械式シートサスペンションキット(モデル . 30312;オプションキット)またはエア式シートアサスペンションキット(モデル . 30313;オプションキット) | 1 |
グランドマスター 3280-D は出荷に際して運転席は取り付けておりません。オプションとして販売されている運転席(Model No. 30398)及び 機械式サスペンションキット(Model No. 30312)または空気式サスペンションキット(Model No. 30313)を取り付けてください。取り付け要領については運転席キットを参照してください。
Note: シートサスペンションに運転席を取り付ける前に マニュアル保管チューブを取り付けるを参照してください。
この作業に必要なパーツ
シートベルト | 1 |
ボルト(7/16 x 1") | 2 |
ロックワッシャ(7/16") | 2 |
平ワッシャ(7/16") | 2 |
Note: ベルトのラッチ側が運転席の右側にくるように取り付けること。
シートベルトラッチの各端部を、運転席後ろの穴に取り付ける;ボルト(7/16 x 1")2 本、平ワッシャ(7/16")、ロックワッシャ(7/16")を使用する(図 6)。
ボルトを61-75 N·m(3.7-4.6 kg.m = 45-55 ft-lb)にトルク締めする。
電解液には硫酸が含まれており、触れると火傷を起こし、飲んだ場合には死亡する可能性がある。
電解液を飲まないこと。また、電解液を皮膚や目や衣服に付けないよう十分注意すること。安全ゴーグルやめがねとゴム手袋で目と手を保護すること。
皮膚に付いた場合にすぐに洗浄できるよう、必ず十分な量の真水を用意しておくこと。
Important: バッテリーに最初に入れる電解液は必ず比重 1.265 のものを使用してください。
充電器に接続し、充電電流を 3-4 A にセットする。3-4 Aで充電する。電解液の比重が 1.250 以上、液温が 16°C 以上、全部の電極板から泡が出ていれば充電終了である。
充電が終わったら、チャージャのプラグをコンセントから抜き、その後にチャージャのリード線をバッテリー端子から外す。
Note: 過充電を行うと電解液から大量のガスが噴出し、液がふきこぼれて機体を激しく腐食させる恐れがある。
バッテリーの電極部や端子などの部分には鉛や鉛含有物質が含まれており、カリフォルニア州では、これらの物質が癌や先天性異常の原因となるとされている。取り扱い後は手を洗うこと。
バッテリーの端子に金属製品やトラクタの金属部分が触れるとショートを起こして火花が発生する。それによって水素ガスが爆発を起こし人身事故に至る恐れがある。
バッテリーの取り外しや取り付けを行うときには、端子と金属部を接触させないように注意する。
バッテリーの端子と金属を接触させない。
バッテリーを機体に取り付ける。
プラス(赤)ケーブルをバッテリーの(+)端子に取り付け、上からゴムカバーを被せる(図 11)。
バッテリーケーブルの接続手順が不適切であるとケーブルがショートを起こして火花が発生する。それによって水素ガスが爆発を起こし人身事故に至る恐れがある。
バッテリーケーブルを正しくバッテリーに接続する。
ケーブルを取り外す時は、必ずマイナス(黒)ケーブルから取り外す。
ケーブルを取り付ける時は、必ずプラス(赤)ケーブルから取り付け、それからマイナス(黒)ケーブルを取り付ける。
Note: バッテリーケーブルが鋭利な部分や可動部の近くを通っていないことを確認してください。
マイナスケーブル(黒)をバッテリーのマイナス(-)端子に取り付ける(図 11)。
エンジンを初めて作動させる前と後に、エンジンオイルの量を点検する;エンジンオイルの量を点検するを参照。
エンジンを初めて作動させる前に、後アクスルオイルを点検する( 4輪駆動マシンのみ);リアクスルの整備 を参照。
エンジンを初めて作動させる前に、双方向クラッチのオイルを点検する(4輪駆動マシンのみ);双方向クラッチの整備 を参照。
エンジンを初めて作動させる前に、冷却液の量を点検する;冷却系統と冷却液の量を点検するを参照。
エンジンを初めて作動させる前に、油圧オイルの量を点検する;油圧系統と油圧オイルの量を点検する を参照。
タイヤ空気圧の適正範囲(前後輪とも):1.38bar(1.4kg/cm2 = 20psi)です。
エンジンを初めて作動させる前に、前後のタイヤの空気圧を点検する。
Note: タイヤは空気圧を高くして出荷していますから、適正圧にもどしてください。
昇降マニホルドについている重量移動バルブを調整することにより、刈り込みデッキの重量をトラクションユニットに移動させる油圧の大きさを変更することができます。凹凸の多いターフを刈り込んだ時におきるデッキのバウンドが最も小さくなるが、平らな場所でデッキがターフに強く押し付けられることのない程度に調整してください。
凹凸のあるターフを刈り込む時の地表追従性を向上させたい場合には、重量移動(油圧の大きさ)が 小さくなるように昇降マニホルドで調整します。
Note: 重量移動用の油圧が高すぎると、刈り込みデッキのキャスタが宙に浮いてしまいます。
平らな場所での刈り込み時に芝を削ってしまう場合や、左右の刈り上がりが同じでない場合には、重量移動が 大きくなるように昇降マニホルドで調整します。
Note: 重量移動の油圧を大きくすると、刈り込みデッキのキャスタに掛かっている重量がトラクションユニットに移るので、トラクションユニットの走行濃緑が高くなります。
重量移動用の油圧の調整は以下の手順で行います:
平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、刈り込みデッキを降下させ、エンジンを停止し、キーを抜き取る。
機体下部(右側フレームチャネルの内側、前アクスルの後ろ)にある昇降マニホルドを探し出す(図 13)。
昇降マニホルドの後部にあるテストポートに圧力計を接続する(図 14)。
昇降マニホルドの前部にある重量移動スプールについているキャップを外す(図 14)。
スプールの底部についているジャムナットをゆるめる(図 14)。
エンジンを始動し、ハイアイドルにセットする。
六角のソケットレンチでスプールの昇降バルブを調整し、希望する圧力がゲージに表示されればよい;刈り込みデッキの重量移動の推奨圧力表を参照のこと。
調整ねじを右に回すと圧力が増加する。
調整ねじを左に回すと圧力が減少する。
刈り込みデッキ | 重量移動圧力 |
---|---|
52"(132 cm)側方排出デッキ(モデル 30555) | 8.27bar(12.3kg/cm2 = 120psi) |
60" 側方排出デッキ(モデル 30366)、または 62" ベースデッキ(モデル 30403)、または 62" 側方排出デッキ(モデル 30551)。 | 16.2bar(12.3kg/cm2 = 235psi) |
72" 側方排出デッキ(モデル 31336)、または 72" ベースデッキ(モデル 30404)、または 72" ガーディアンリサイクラデッキ(モデル 31335)。 | 19.3bar(12.3kg/cm² = 280psi) |
エンジンを停止する。
重量移動スプールの底部についているジャムナットを 13-16 N∙m(1.4-1.8 kg/cm2 = 10-12 ft-lb)に締め付ける。
テストポートから圧力計を外す。
この作業に必要なパーツ
リアウェイトキット(必要に応じ) | - |
モデル 30344(2輪駆動)には 98 kg、モデル 30345(4輪駆動)には 23 kgのリアウェイトを出荷時に搭載しており、これによって本体のみの場合にはEN ISO 規格 5395:2013、及び ANSI B71.4-2012 規格に適合いたします。アタッチメントを取り付けて使用する場合には、以下の表に挙げられている追加のウェイトを取り付けてください。必要なパーツを弊社代理店からご購入ください。
Note: 弊社製品以外のキットを取り付ける場合には必ず事前に弊社代理店にご相談ください。
アタッチメント | 追加すべき後部ウェイト | 左側に必要なウェイト | ウェイトのパーツ番号 | ウェイトの名称 | 数量 |
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52" 側方排出デッキ | 0kg | 0kg | - | - | - |
52" 側方排出デッキに0.425 m³ ホッパーを装着 | 0kg | 66kg* | *77-6700 | 34kg ホイールウェイト | 1 |
92-9670 | ブラケットキット | 1 | |||
24-5780 | リアウェイトキット | 1 | |||
60" 側方排出デッキ | 16kg** | 0kg | 24-5790 | リアウェイト、16kg | 1 |
または | 60-9870 | ボルト(½ x 4½") | 2 | ||
62" ベースに後部排出キット付き | 3253-7 | ロックワッシャ(½") | 2 | ||
または | 3217-9 | ナット(½") | 2 | ||
62" 側方排出デッキ | |||||
60"(152 cm)側方排出デッキに0.4 m3 ホッパーを装着 | 16kg | 34kg* | *77-6700 | 34kg ホイールウェイト | 1 |
24-5790 | リアウェイト、16kg | 1 | |||
60-9870 | ボルト(½ x 4½") | 2 | |||
3253-7 | ロックワッシャ(½") | 2 | |||
3217-9 | ナット(½") | 2 | |||
62" 側方排出デッキに0.425 m³ ホッパーを装着 | 0kg | 39kg | 132-8149 | 23kg ホイールウェイト | 1 |
(両方のウェイトを左前輪に装着する) | 4 | ||||
325–18 | ボルト | ||||
(ホイールウェイト用) | |||||
92–9670 | ブラケットキット | 1 | |||
24–5790 | リアウェイト、16kg | 1 | |||
60-9870 | ボルト(½ x 2¼") | 2 | |||
3253-7 | ロックワッシャ(½") | 2 | |||
3217-9 | ナット(½") | 2 | |||
72"(4 キャスタ)側方排出デッキ | 32kg | 0kg | 24-5780 | リアウェイトキット | 1 |
または | |||||
72" ベースに後部排出キットまたはガーディアンキット付き | |||||
または | |||||
72"(4 キャスタ)ガーディアンリサイクラデッキ | |||||
プロフォースブロア+アダプタキット(CE非適合) | 95kg | 0kg | 24–5780 | リアウェイトキット | 3 |
冬用キャブとトロ製Vプラウ | 64kg | 0kg | 24-5780 | リアウェイトキット | 2 |
冬用キャブと***Erskine 社製除雪機 | 111kg | 0kg | 24–5790 | リアウェイト、16kg | 1 |
24-5780 | リアウェイトキット | 3 | |||
60-9870 | ボルト(½ x 2¼") | 2 | |||
3253-7 | ロックワッシャ(½") | 2 | |||
3217-9 | ナット(½") | 2 | |||
冬用キャブと***MB ロータリーブルーム | 175kg | 0kg | 24–5790 | リアウェイト、16kg | 1 |
24-5780 | リアウェイトキット | 5 | |||
60-9870 | ボルト(½ x 2¼") | 2 | |||
3253-7 | ロックワッシャ(½") | 2 | |||
3217-9 | ナット(½") | 2 |
*左車輪に 34kg のホイールウェイトが必要 — 0.4m3ホッパーに付属
**ユニバーサルサンシェード装着車の場合は 16kg のリアウェイトを装着することが必要
***提携会社製のアタッチメント;ANSI B71.3-2005 適合製品です
この作業に必要なパーツ
ロールピン | 1 |
ボルト(5/16 x 1¾") | 2 |
ロックナット(5/16") | 2 |
シリンダピン | 2 |
コッターピン (3/16 x 1½") | 4 |
ブレーキリターンスプリング | 2 |
ロールピン、ボルト(5/16 x 1¾")、およびロックナット(5/16")はユニバーサルシャフトをアタッチメントに取り付けるために使用しますから保管してください。
シリンダピンとコッターピン(3/16 x 1½")は、デッキ昇降アームを昇降シリンダに固定するために使用しますから保管してください。
ブレーキリターンスプリングはデッキを昇降アームに取り付けるのに使用しますから保管してください。
走行ペダル (図 16)は前進と後退を行うペダルです。右足のつま先でペダル前部を踏み込むと前進、かかとでペダル後部を踏み込むと後退です。走行速度はペダルの踏み込み具合に比例します。移動時に最高速度で走行するには、スロットルを 高速位置にした状態でペダルを一杯に踏み込んでください。前進最高速度は約 16 km/h です。深いターフを刈る時や上り坂など負荷が大きい時には、エンジンの回転速度が落ちない程度までペダルの踏み込みを「軽く」してやります(スロットルはもちろん高速位置)。エンジンの速度が落ちはじめたら、ペダルの踏み込みを少しゆるめてやるとエンジンの速度が回復してきます。
ハンドルコラムの右側にチルトコントロールレバーがあります(図 17)。レバーを手前に引いてハンドルの傾き具合を調整し、調整ができたらレバーを前方に押してロックします。
デッキを上昇させると回転中のブレードに触れる恐れがある。回転中のブレードに触れると大けがを負う。
ブレードが回転中は絶対にデッキを上昇させないでください。
前部で3つの位置があります:OFF、ON/PREHEAT、STARTです。
昇降スイッチ(図 20)は、デッキの上昇・下降を行うスイッチです。スイッチを前へくぼみ側へ押すとデッキが下降し、フロート状態となります。スイッチを後へ押すとデッキが上昇します。移動走行時には必ずデッキを上昇させておいてください。使用していない時には必ずデッキを下降させておいてください。
ノブをON位置に引き出すと PTO の電気クラッチが作動します(図 20)。ノブを押し込んでOFFにするとPTOの電気クラッチが停止します。刈り込みデッキ(アタッチメント)が降下して作動準備ができるまではこのスイッチをON にしないでください。
Note: PTO スイッチが ON の状態で運転席から離れるとエンジンは自動停止します;PTOのリセット方法を参照。
燃料計(図 21)は、燃料タンクに残っている燃料の量を表示します。
スロットルレバー(図 20)はエンジンの回転速度を制御するレバーです。高速 側(前方)へ倒すとエンジンの速度が上昇します。低速 側(後方)へ倒すとエンジンの速度が低下します。スロットルコントロールでブレードの回転速度、エンジンの回転速度、走行速度などが変わります。最高速度位置にはくぼみが付いています。
アワーメータ(図 20)は、エンジンの積算運転時間を表示します。
冷却液の温度が通常の限度を超えて上昇すると、警告ランプ(図 20)が点灯し、刈り込みデッキ(アタッチメント)が停止します。警告ランプが点灯後、冷却液の温度がさらに 7°C (20°F) 上昇すると、エンジンが停止します。デッキが停止した場合には、エンジンを低アイドルで回転させ、正常温度まで低下するのを待ってください。もし警告灯がいつまでも消えない場合には、エンジンを停止し、オーバーヒートの原因を究明してください。
グロープラグが作動中に点灯します(図 20)。
充電が正常範囲で行われていない場合に点灯します(図 20)。充電系統を点検・修理してください。
エンジンオイルの圧力が危険域まで下がると点灯します(図 20)。万一点灯した場合は、エンジンを停止し油圧低下の原因を調べてください。必ず、必要な修理を終えてからマシンを使用するようにしてください。
デッキの整備を行うときや移動走行を行うときなどは、昇降スイッチ(図 20)をデッキ上昇位置にロックしておいてください。
Note: 仕様および設計は予告なく変更される場合があります。
内容 | 図 22 記号 | 寸法または重量 | |
高さ(ROPS を立てた状態) | H | 237 cm | |
高さ(ROPS を下げた状態) | J | 127 cm | |
全長(2 輪駆動) | D | 213 cm | |
全長(4 輪駆動) | F | 218 cm | |
全幅 | B | 121 cm | |
ホイールベース(2 輪駆動) | C | 117 cm | |
ホイールベース(4 輪駆動) | E | 119 cm | |
前輪トレッド幅 | A | 119 cm | |
後輪トレッド幅 | |||
2 輪駆動 | G | 86 cm | |
4 輪駆動 | I | 102 mm | |
地上高 | 17 cm | ||
純重量(2 輪駆動) | 635kg | ||
純重量(4 輪駆動) | 794kg |
トロが認定した各種のアタッチメントやアクセサリがそろっており、マシンの機能をさらに広げることができます。 詳細は弊社の正規サービスディーラ、または代理店へお問い合わせください;弊社のウェブサイト www.Toro.com でもすべての認定アタッチメントとアクセサリをご覧になることができます。
いつも最高の性能と安全性を維持するために、必ずToroの純正部品をご使用ください。他社の部品やアクセサリを御使用になると危険な場合があり、製品保証を受けられなくなる場合がありますのでおやめください。
子供やトレーニングを受けていない大人には、絶対に運転や整備をさせないでください。地域によっては機械のオペレータに年齢制限を設けていることがありますのでご注意ください。オーナーは、オペレータ全員にトレーニングを受講させる責任があります。
安全な運転操作、各部の操作方法や安全標識などに十分慣れておきましょう。
エンジンの緊急停止方法に慣れておきましょう。
オペレータコントロールやインタロックスイッチなどの安全装置が正しく機能しているか、また安全カバーなどが外れたり壊れたりしていないか点検してください。これらが正しく機能しない時には機械を使用しないでください。
使用前に必ず、ブレード、ブレードボルト、刈り込みアセンブリの点検を行ってください。バランスを狂わせないようにするため、ブレードを交換するときにはボルトもセットで交換してください。
これから機械で作業する場所をよく確認し、機械に巻き込まれそうなものはすべて取り除きましょう。
燃料の取り扱いに際しては安全に特にご注意ください。燃料は引火性が高く、気化すると爆発する可能性があります。
燃料取り扱い前に、引火の原因になり得るタバコ、パイプなど、すべての火気を始末してください。
燃料の保管は必ず認可された容器で行ってください。
エンジン回転中などエンジンが高温の時には、燃料タンクのふたを開けたり給油したりしないでください。
締め切った場所では燃料の補給や抜き取りをしないでください。
ガス湯沸かし器のパイロット火やストーブなど裸火や火花を発するものがある近くでは、機械や燃料容器を保管・格納しないでください。
燃料がこぼれたら、エンジンを始動せずにマシンを別の場所に動かし、気化した燃料ガスが十分に拡散するまで引火の原因となるものを近づけないでください。
毎回の運転開始前に以下の点検を行ってください。
エアクリーナのインジケータ ;エアクリーナインジケータを点検するを参照
エンジンオイル;エンジンオイルの量を点検するを参照
冷却液;冷却系統と冷却液の量を点検するを参照
フードのスクリーンとラジエター;フードのラジエターのスクリーンを点検するを参照
油圧系統;油圧系統と油圧オイルの量を点検するを参照
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
使用するごとまたは毎日 |
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タイヤ空気圧の適正範囲:前後輪とも 1.38bar(1.4kg/cm2 = 20psi)です。
タイヤ空気圧が不足すると、斜面で機体が不安定になり、転倒など、生命に関わる重大な人身事故を起こしやすくなる。
タイヤ空気圧は規定値以下に下げてはならない。
前後のタイヤとも規定値に調整してください。必要に応じタイヤに空気を入れるか抜くかして適正圧に調整してください。
Important: マシンの性能を適切に発揮させ、また質の高い刈り込みを実現するために、すべてのタイヤの空気圧を正しく維持してください。運転を行う前に、全部のタイヤの空気圧を調整してください。
整備間隔 | 整備手順 |
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使用するごとまたは毎日 |
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インタロックシステムは、走行ペダルが「ニュートラル」位置、PTOスイッチが OFF 位置にない限りエンジンが始動(クランキングも)できないようにする安全装置です。また、以下の場合にはエンジンを自動停止させます:
PTO スイッチが ON なのにオペレータが席を離れた;
オペレータが着席していない状態で走行ペダルが踏まれた;
駐車ブレーキが掛かっている状態で走行ペダルが踏まれた。
インタロックスイッチは安全装置であり、これを取り外すと予期せぬ人身事故が起こり得る。
インタロックスイッチをいたずらしない。
作業前にインタロックスイッチの動作を点検し、不具合があれば作業前に交換修理する。
PTO スイッチを OFF 位置にし、走行ペダルから足をはなす。
キーを START 位置に回す。エンジンがクランキングした場合は、3へ進む。
Note: クランキングない場合はインタロックシステムが故障している。
エンジンが掛かった状態で運転席から立ち上がり、PTO スイッチを ON にする。エンジンが 2 秒以内に停止すれば正常である。エンジンが停止した場合は、ステップ4 へ進む。
Important: エンジンが停止しない場合はインタロックシステムが故障している。
エンジンが掛かっていてPTOがOFF位置にある状態で、運転席から立ち上がって走行ペダルを踏み込む。エンジンが 2 秒以内に停止すれば正常である。エンジンが停止した場合は、5 へ進む。
Important: エンジンが停止しない場合はインタロックシステムが故障している。
駐車ブレーキを掛ける。 エンジンが掛かっていてPTOがON位置にある状態で、走行ペダルを踏み込む。エンジンが 2 秒以内に停止すれば正常である。エンジンが停止すればインタロックは正常であるからマシンの使用を続けてよい。
Important: エンジンが停止しない場合はインタロックシステムが故障している。
硫黄分の少ない(微量:500ppm 未満、または極微量:15ppm 未満)の新しい軽油またはバイオディーゼル燃料以外は使用しないでください。セタン値が 40以上のものをお使いください。燃料の劣化を避けるため、180日以内に使いきれる程度の量を購入するようにしてください。
燃料タンク容量:72 リットル
気温が -7℃ 以上では夏用燃料(2号軽油)を使用しますが、気温が -7℃ 以下の季節には冬用燃料(1号軽油または1号と2号の混合)を使用してください。低温下で冬用ディーゼル燃料を使うと、発火点や流動点が下がってエンジンが始動しやすくなるばかりでなく、燃料の成分分離(ワックス状物質の沈殿)によるフィルタの目詰まりを防止できるなどの利点があります。
気温が -7° 以上の季節には夏用燃料を使用する方が、燃料ポンプの寿命を延ばします。
Important: ディーゼル燃料の代わりに灯油やガソリンを使わないでください。この注意を守らないとエンジンが破損します。
この機械はバイオディーゼル燃料を混合したB20燃料(バイオディーゼル燃料が20%、通常軽油が80%)を使用することができます。
イオウ含有率 超低イオウ(<15ppm)
バイオディーゼル燃料の仕様: ASTM D6751 または EN14214
ブレンド燃料の仕様:ASTM D975、EN590 または JIS K2204
Important: ただし、混合されている軽油のイオウ含有量は極低レベルである必要があります。
以下の注意を守ってお使いください。
着色したターフを汚す可能性があります。
寒い地方ではB5(バイオディーゼル燃料が5%)またはそれ以下の製品を使用すること。
時間経過による劣化がありうるので、シール部分、ホース、ガスケットなど燃料に直接接する部分をまめに点検してください。
バイオディーゼル混合燃料に切り替えてからしばらくの間は燃料フィルタが目詰まりを起こす可能性があります。
バイオディーゼルの詳細については、代理店におたずねください。
Note: 可能であれば、一日の運転が終了したあとに燃料を補給しておくようにしてください。このようにすると燃料タンク内部に水がたまるのを低減することができます。
転倒事故の際の負傷や死亡を防止するために: ROPS は必ず立てた位置にロックしておき、運転時にはシートベルトを着用すること。
また、運転席がラッチで固定されていることを確認すること。
ROPS を下げると横転に対する保護効果はなくなる。
不整地や斜面を走行する時には、必ずROPS(横転保護バー)を立てておくこと。
どうしても必要な時以外には ROPS を下げないこと。
ROPS を下げて乗車しているときにはシートベルトを着用しないこと。
運転はゆっくり慎重におこなうこと。
頭上の障害物がなくなったら直ちに ROPS を立てること。
頭上の安全(木の枝、門、電線など)に注意し、これらに機械や頭をぶつけないように注意すること。
Important: ROPS を立てて乗車するときには必ずシートベルトを着用してください。ROPS を下げて乗る時は、シートベルトを締めないでください。
オーナーやオペレータは自分自身や他の安全に責任があり、オペレータやユーザーの注意によって物損事故や人身事故を防止することができます。
作業にふさわしい服装をし、安全めがね、長ズボン、頑丈で滑りにくい安全な靴、および聴覚保護具を着用してください。長い髪は束ねてください。垂れ下がるような装飾品は身に着けないでください。
疲れている時、病気の時、アルコールや薬物を摂取した時は運転しないでください。
絶対に人を乗せないでください。また、作業中は周囲から人やペットを十分に遠ざけてください。
運転は、穴や障害物を確認できる十分な照明のもとで行ってください。
エンジンを掛ける前に、全部の駆動装置がニュートラルであること、駐車ブレーキが掛かっていることを確認し、運転席に着席してください。
回転部に手足を近づけないよう注意してください。また排出口の近くにも絶対に人を近づけないでください。
バックするときには、足元と後方の安全に十分な注意を払ってください。
見通しの悪い曲がり角や、茂み、立ち木などの障害物の近くでは安全に十分注意してください。
刈り込み中以外は必ずブレードの回転を止めておいてください。
異物をはね飛ばしたときや機体に異常な振動を感じたときにはまずマシンを停止し、キーを抜き取り、各部の動きが完全に止まってからよく点検してください。異常を発見したら、作業を再開する前にすべて修理してください。
旋回するときや道路や歩道を横切るときなどは、減速し周囲に十分な注意を払ってください。常に道を譲る心掛けを。
刈高を変更する時は、必ずカッティングユニットを停止させ、エンジンを止め、キーを抜き取り、可動部が完全に停止するまで待ってください(運転席で刈高を変更できる場合はこの限りでありません)。
排気ガスが充満するような締め切った場所では絶対にエンジンを運転しないでください。
エンジンを掛けたままで絶対に機体から離れないでください。
運転位置を離れる前に(集草バッグを空にする場合や詰まりを除去する場合も):
平らな場所に停車してください。
PTOの接続を解除し、アタッチメントを下降させる。
駐車ブレーキを掛ける。
エンジンを止め、キーを抜き取る。
すべての動作が停止するのを待つ。
落雷の危険がある時には運転しないでください。
この機械を牽引用車両として使用しないでください。
Toro® カンパニーが認めた以外のアクセサリ、アタッチメント、交換パーツを使用しないでください。
POPSは機体から外さないでください。
必ずシートベルトを着用し、緊急時にはシートベルトを迅速に外せるよう練習しておいてください。
頭上の障害物に注意し、これらに衝突しないように注意してください。
ROPS自体に損傷がないか、また、取り付け金具がゆるんでいないか、定期的に十分に点検を行い、万一の際に確実に役立つようにしておいてください。
ROPS が破損した場合は新しいものに交換してください。修理したり改造しての使用はしないでください。
ROPSは立てた状態にセットし、必ずシートベルトと共にお使いください。
ROPS(横転保護バー)はマシンと一体で使用する重要な安全装置です。運転するときには必ずROPS(横転保護バー)を運転位置に立て、シートベルトを着用してください。
どうしても必要なわずかの時間以外には ROPS を降ろさないでください。。ROPS を下げた状態で乗車する時にはシートベルトをしないでください。
ROPS を折りたたんでしまうと、転倒時に安全保護ができなくなることを十分認識してください。
作業場所を必ず事前に確認してください。法面、段差、水などがある現場では、必ず ROPS を立てて運転してください。
斜面はスリップや転倒などを起こしやすく、これらは重大な人身事故につながります。斜面での安全運転はオペレータの責任です。どんな斜面であっても、通常以上に十分な注意が必要です。
斜面については、実地の測定を含めてオペレータ自身が調査を行い、安全に作業ができるかどうかを判断してください。この調査においては、常識を十分に働かせてください。
以下に掲載している斜面での運転上の注意点やその場合の天候条件および場所の条件などについて、また、この機械を使用できるかどうかを判断する方法について、オペレーターズマニュアルで確認してください。同じ斜面上であっても、地表面の条件が変われば運転条件が変わります。
斜面での発進・停止・旋回は避けてください。急に方向を変えたり急な加速やブレーキ操作をしないでください。旋回は速度を落としてゆっくりと行ってください。
走行、ステアリング、安定性などに疑問がある場合には運転しないでください。
隠れた穴、わだち、盛り上がり、石などの見えない障害は、取り除く、目印を付けるなどして警戒してください。深い芝生に隠れて障害物が見えないことがあります。不整地では機体が転倒する可能性があります。
ぬれ芝、急斜面など滑りやすい場所で運転すると滑って制御できなくなる危険があります。駆動力を失うと、スリップを起こしたりブレーキや舵取りができなくなる恐れがあります。
段差、溝、盛り土、水などの近では安全に十二分の注意を払ってください。万一車輪が段差や溝に落ちたり、地面が崩れたりすると、機体が瞬時に転倒し、非常に危険です。必ず安全距離を確保してください。
斜面に入る前に、安全の判断をしてください。乗用の刈り込み機械で斜面を刈り込むことに危険が感じられる場合は歩行型の機械をお使いください。
斜面では可能なかぎりカッティングユニットを地表面まで下げておいてください。斜面上でカッティングユニットを上昇させると機体が不安定になる恐れがあります。
集草装置などのアタッチメントを取り付けての作業には十分な注意を払ってください。アタッチメントによってマシンの安定性が変わり、安全限界が変わる場合がありますからご注意ください。
Important: 以下のいずれかを行った場合には、燃料系統からのエア抜きを行う必要が出てくる可能性があります:新車を始めて運転するとき、燃料切れで立ち往生して燃料を補給したとき、燃料系統に対して整備を行った(フィルタの交換、セパレータの洗浄など)とき。
ROPSを立てて固定する。
着席し、シートベルトを締める。
駐車ブレーキが掛かっていること、PTO スイッチが OFF 位置にあることを確認する。
走行ペダルから足を外し、ペダルがニュートラル位置にあることを確認する。
キースイッチを ON/PREHEAT 位置にする。
Note: タイマにより約6秒間の予熱が自動的に行われます。
予熱が完了したらキーをSTART 位置に回して(ただし15秒間以上連続して保持しないこと)、エンジンが始動したら、キーから手を離します。
Note: 予熱をもう一度行う場合はキーを一旦 OFF 位置に戻し、そこからON/PREHEAT位置に回す。必要に応じてこの操作を繰り返す。
スロットルをアイドル速度または中速にセットしてエンジンのウォームアップを行う。
Important: エンジンを初めて始動した時、オイル交換を行った場合、エンジンやトランスミッション、アクスルなどのオーバーホールを行った後などは、1-2 分間の時間を取って前進後退走行の確認を行ってください。また、昇降レバーやPTOレバーを操作して各部の作動状態を確認してください。さらに、ハンドルを左右一杯に切って応答を確認してください。以上の点検の後、エンジンを停止させ、オイルの量、漏れや各部のゆるみや不具合などがないか、さらに点検してください。
スロットルコントロールを後方の低速位置にする。
PTO スイッチをOFF 位置にする。
キーを OFF 位置に回す。
事故防止のため、キーは抜き取っておく。
平らな場所に駐車する。
駐車ブレーキを掛ける。
燃料タンクに少なくとも半分まで燃料が入っていることを確認する。
ラッチを外してフードを開ける。
燃料噴射ポンプのエア抜きねじを開ける (図 31)。
キースイッチを ON 位置にする。
電動燃料ポンプが作動を開始し、エア抜きねじの周囲からエアが漏れ出してくる。
ねじの周囲から燃料が連続的に流れるのが見えるまでキーを ON 位置に保持する。
ねじを締めてキーを OFFにする。
Note: 通常はこれでエンジンが始動するようになります。始動できない時は、噴射ポンプとインジェクタの間にエアが入っている可能性があります;燃料インジェクタチューブからのエア抜きを参照してください。
噴射ノズルの周囲に流れた燃料はすべてふき取ってください。
このマシンは油圧トランスミッションを搭載しており、他の多くのターフ管理機器とは異なった運転特性を持っていますので、実際に使用されるまえに十分に運転の練習をしてください。
刈り込みと走行の両方を安定して維持するには、走行ペダルの踏み込み具合によってエンジンをほぼ一定のフル回転(rpm)に維持することが重要です。カッティングユニットへの負荷が大きくなったら走行ペダルの踏み込みを浅くして走行速度を遅くし、走行に掛かる負荷を下げてください。これにより、エンジンが作り出すパワーが、マシンの各部にほどよいバランスで供給され、スムーズな走行、ブレードの高速回転によるクオリティーの高いカットが実現できます。負荷が大きくなりすぎた場合にはエンジンの回転速度が下がってきますから、これに気がついたら走行ペダルの踏み込みを少し浅く(後退側にゆっくり軽く踏み込んで)やるとエンジンの回転が回復してきます。これとは逆に、現場から現場へ移動するような場合(刈り込みデッキを上昇させていて刈り込みの負荷がまったくない場合)には、スロットルを高速にして、走行ペダルをゆっくり「いっぱいに」踏み込むことにより走行「速度」は最高となります。
移動走行前に、2枚のブレーキペダルを相互にロックしてください。
この機械のブレーキは左右独立しており、小さい半径で旋回するときなどに大変有効ですが、芝を傷つけないよう注意が必要です。ターフが柔らかいときやぬれているときは特に注意してください。フェンス際などのように障害物の周囲を刈り込むときにも、ブレーキを使うと、カッティングデッキの方向をうまく制御することができます。さらに、走行力を確保する上でも、ブレーキが役に立ちます。例えば、斜面を横断中に山側の車輪がスリップして地面に走行力を伝えられなくなる場合があります。 このような場合には、山側のブレーキをゆっくり、スリップが止まる所まで踏み込んでやると、谷側の走行力が増加し、安定した走行ができるようになります。このようなテクニックを必要としない場所では左ブレーキペダルのレバーで2枚のペダルを連結しください。こうすると左右共通の普通のブレーキになります。
エンジンを停止させる前にすべてのコントロールをニュートラルにし、スロットルを低速に戻してください。エンジンを停止する時にはキーをOFF位置にします。
冷却液が過熱状態の時はエンジンは作動しません。エンジンと低脚駅が冷えるのを待って冷却系統を点検してください;冷却系統と冷却液の量を点検する を参照。
火災防止のため、カッティングユニット、マフラー、エンジンの周囲に、草や木の葉、ホコリなどが溜まらないようご注意ください。オイルや燃料がこぼれた場合はふき取ってください。
カッティングユニットを上昇位置にして機械から離れる場合、ロック装置がある場合には、必ずユニットをロックしてください。
閉めきった場所に本機を保管する場合は、エンジンが十分冷えていることを確認してください。
格納保管中やトレーラで輸送中は、燃料バルブ装着車ではバルブを閉じておいてください。
ガス湯沸かし器のパイロット火やストーブなど裸火や火花を発するものがある近くでは、絶対に機械や燃料容器を保管・格納しないでください。
各部品が良好な状態にあること、ボルトナット類、特にブレード取り付け用のボルト類に問題がないか常に点検してください。
読めなくなったステッカーは貼り替えてください。
緊急時には、ごく短距離に限り、油圧ポンプについているバイパスバルブを開いて本機を牽引または押して移動することができます。
Important: 牽引または押して移動する時の速度は、3-4.8 km/h 未満としてください。これ以上の速度ではトランスミッションを破損する恐れがあります。移動距離が長くなる場合は、トラックやトレーラに積んで移送してください。
Important: 本機を押して或いは引いて移動させる場合には、必ずバイパスバルブを開く必要があります。移動が終わったらバイパスバルブを閉じてください。
運転席とシートプレートを取り外す; 運転席とシートプレートを取り外すを参照。
油圧ポンプの左側にあるバイパスバルブのコントロールノブを探し出す(図 32)。
ノブを左に3回転させる(図 32)。
Important: 3回転以上させないでください。
牽引移動を開始する。
Note: エンジンを始動する前にバイパスバルブを閉じてください。
牽引移動を終了する。
油圧ポンプの左側にあるバイパスバルブのコントロールノブを探し出す(図 32)。
コントロールノブ(図 32)を右に回して閉じる(抵抗が感じられるようになるまで回す)。
運転席とシートプレートを取り付ける; 運転席とシートプレートを取り付けるを参照。
格納保管中やトレーラで輸送中は、燃料バルブ装着車ではバルブを閉じておいてください。
トレーラやトラックに芝刈り機を積み降ろすときには安全に十分注意してください。
積み込みには、機体と同じ幅のある歩み板を使用してください。
車体が落下しないように確実に固定してください。
Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。
Important: エンジンの整備に関しての詳細は、付属のエンジンマニュアルを参照してください。
Note: www.Toro.com から、この機械に関する配線図と油圧回路図をダウンロードすることができます。弊社ホームページからマニュアルへのリンクをご活用ください。
整備間隔 | 整備手順 |
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使用開始後最初の 1 時間 |
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使用開始後最初の 10 時間 |
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使用開始後最初の 50 時間 |
|
使用するごとまたは毎日 |
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50運転時間ごと |
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150運転時間ごと |
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200運転時間ごと |
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400運転時間ごと |
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1500運転時間ごと |
|
毎月 |
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点検項目 | 第週 | ||||||
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月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
インタロックの動作を点検する。 | |||||||
ROPS が完全に立てた状態でロックされているかどうか点検する。 | |||||||
デフレクタが降りた位置になっているかどうか点検する。 | |||||||
ブレーキの動作を確認する。 | |||||||
燃料残量 | |||||||
エンジンオイルの量を点検する。 | |||||||
冷却液の量を点検する。 | |||||||
燃料・水セパレータの水を抜く。 | |||||||
エアフィルタの状態インジケータの表示を確認する。3 | |||||||
ラジエターとスクリーンの汚れ。 | |||||||
エンジンから異常音がないか点検する。1. | |||||||
運転操作時の異常音 | |||||||
トランスミッションオイルの量を点検する。 | |||||||
油圧ホースの磨耗損傷を点検する。 | |||||||
オイル漏れなど。 | |||||||
タイヤ空気圧を点検する | |||||||
計器類の動作を確認する. | |||||||
バッテリーの状態を点検する。 | |||||||
グリスアップを行なう。2 | |||||||
塗装傷のタッチアップを行う。 | |||||||
1エンジンの始動困難、大量の煙、咳き込むような走りなどが見られる場合はグロープラグと噴射ノズルを点検する。 2車体を水洗いした時は整備間隔に関係なく直後に行う。 3インジケータが赤になっていないかどうかを見る。 |
Important: エンジンの整備に関しての詳細は、付属のエンジンマニュアルを参照してください。
要注意個所の記録 | ||
点検担当者名: | ||
内容 | 日付 | 記事 |
調整、清掃、修理、車両を離れる前に以下を行ってください:
平らな場所に駐車する。
スロットルスイッチを低速アイドル位置にセットする。
カッティングユニットを停止させる。
カッティングユニットを下降させる。
走行ペダルがニュートラルになっていることを確認する。
駐車ブレーキを掛ける。
エンジンを止め、キーを抜き取る。
すべての動作が停止するのを待つ。
保守作業は、各部が十分冷えてから行う。
カッティングユニットを上昇位置にして機械から離れる場合、ロック装置がある場合には、必ずユニットをロックしてください。
可能な限り、エンジンを回転させながらの整備はしないでください。可動部に近づかないでください。
必要に応じ、ジャッキスタンドなどで機体を確実に支えてください。
機器類を取り外すとき、スプリングなどの力が掛かっている場合があります。取り外しには十分注意してください。
マシンの修理が完了し、油圧ポンプのバイパスバルブを閉じたら運転席とシートプレートを取り付けます。
シートアセンブリを燃料タンクの開口部に合わせる。
着席確認スイッチの 2 ピンコネクタを、マシンのワイヤハーネスの 2 ソケットコネクタに接続する;図 36を参照。
シートプレートの後部の穴(図 36)を、ラジエターのチャネル材の2本のキャリッジボルト(⅜ x 1")に合わせる。
シートプレート(図 36)をキャリッジボルトに組み付け、ステップ2(運転席とシートプレートを取り付ける)で外したフランジロックナット(⅜")2個で固定する。
シートプレートの前部の穴(図 36参照)を、タンクのロッドのねじに合わせる。
シートプレート(図 36)をロッドに組み付け、ステップ1(ヒューズブロックと標準制御モジュール(SCM)へのアクセス)で外したフランジロックナット(⅜ x ¾")2個で固定する。
フランジナットとフランジヘッドボルトを 37-45 N·m(4.6-6.2 kg.m = 3.7-4.6 ft-lb)にトルク締めする。
インタロックを点検する;インタロックシステムを点検する を参照。
整備間隔 | 整備手順 |
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50運転時間ごと |
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400運転時間ごと |
|
グリスの種類:リチウム系2号グリス
Important: ほこりの多い環境ではベアリングやブッシュに異物が侵入しやすく、一旦侵入が起こると内部の磨耗が急激に進行します。
Note: 車体を水洗いしたときは整備間隔に関係なく直ちにグリスアップしてください。
異物を押し込んでしまわないよう、グリスニップルをきれいに拭く。
グリスガンでグリスを注入する。
はみ出したグリスはふき取る。
グリスアップ箇所を以下に列挙します:
PTO のユニバーサルシャフト(図 37)
昇降アームのピボットブッシュ(図 38)
ブレーキのピボットブッシュ(図 39)
ブレーキケーブル(ホイール側とペダル側の端部) (図 39)
PTO のテンションピボット(図 40)
PTO の後ベアリング(図 40)
後ホイールのスピンドルのブッシュ(図 41)
ステアリングプレートのベアリング(図 42)
アクスルピンのブッシュ(図 42)
駆動軸(3ヶ所)(図 43)
Note: 4輪駆動モデルのみ
タイロッドの端部(2ヶ所)(図 44)
シリンダロッドの端部(2ヶ所)(図 44)
ステアリングのピボット(2ヶ所)(図 44)
アクスルピボットのピン(図 44)
Note: ベアリングの寿命は、洗浄手順により長くも短くもなります。機械各部が高温のときに水をかけないこと、また、高圧の水や大量の水をベアリングに直接当てないことが非常に重要です。
エンジンオイルの点検や補充は、エンジンを止めキーを抜き取った状態で行ってください。
エンジンのガバナの設定を変えたり、エンジンの回転数を上げすぎたりしないでください。
整備間隔 | 整備手順 |
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使用するごとまたは毎日 |
|
エアクリーナ本体にリーク原因となる傷がないか点検してください。ボディーが破損している場合は交換してください。吸気部全体について、リーク、破損、ホースのゆるみなどを点検してください。
エアクリーナのインジケータ(図 45)が赤色になったらエレメントを交換してください。エアフィルタのエレメントを洗浄しすぎないように注意してください。
本体とカバーがシールでしっかり密着しているのを確認してください。
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
50運転時間ごと |
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400運転時間ごと |
|
Important: 高圧のエアは使用しないこと。異物がフィルタを通ってエンジン部を損傷させる恐れがある。このエア洗浄により、フィルタを外した時にホコリが舞い上がってエンジン部へ入り込むのを防止することができる。
Important: エレメントを清掃すると破損させる危険が大きいので、掃除して再使用しないでください。新しいフィルタに傷がついていないかを点検する。特にフィルタとボディーの密着部に注意する。破損しているフ ィルタは使用しない。
Important: 本体とカバーが正しく、しっかりと密着しているのを確認してください。
一次エレメントを交換する(図 46)。
エアクリーナの安全フィルタの汚れ具合を点検する(図 47)。
Important: 安全フィルタ(図 47)は絶対に洗わないでください。安全フィルタは、主フィルタの3回目の整備時に交換してください。
Note: 安全フィルタが汚れていた場合には交換してください。
インジケータが赤になっている場合はリセットする;エアクリーナインジケータを点検するを参照。
エンジンにはオイルを入れて出荷しています。
エンジンオイルの容量: 約 3.8 リットル(フィルタ含む)。
エンジンオイルの仕様:
エンジンオイルの種類:API規格CH-4、CI-4 またはそれ以上のクラス。
エンジンオイルの粘度:
推奨オイル:SAE 15W-40(-18℃以上)
他に使用可能なオイル:SAE 10W-30 または 5W-30(全温度帯)
Note: Toro のプレミアムエンジンオイル(10W-30 または 5W-30)を代理店にてお求めいただくことができます。パーツカタログでパーツ番号をご確認ください。
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
使用するごとまたは毎日 |
|
Note: エンジンオイルを点検する最もよいタイミングは、その日の仕事を始める直前、エンジンがまだ冷えているうちです。エンジン始動後に行う場合は、オイルがオイル溜めに戻るまで最低10分間待って点検するようにしてください。油量がディップスティックのADDマークにある場合は、FULLマークまで補給してください。入れすぎないこと。油量が FULLマークとADDマークの間であれば補給の必要はありません。
整備間隔 | 整備手順 |
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使用開始後最初の 50 時間 |
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150運転時間ごと |
|
できれば数分間エンジンを運転してオイルを温めると汚れがよく落ちます。
平らな場所に駐車する。
フードを開ける。
オイルパンの下についているドレンプラグの下に廃油受けをおく(図 50)。
ドレンプラグの周辺をウェスできれいにぬぐう。
ドレンプラグを外してオイルを抜き、容器で回収する。
オイルフィルタ(図 51)を取り外して交換する。
ドレンプラグを元通りに取り付け、こぼれたオイルをふき取る。
所定のエンジンオイルを入れる;エンジンオイルについてを参照。
Note: 適切な燃料についての説明は 燃料を補給する を参照のこと。
軽油は条件次第で簡単に引火爆発する。発火したり爆発したりすると、やけどや火災などを引き起こす。
燃料取り扱い中は禁煙を厳守し、火花や炎を絶対に近づけない。
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
400運転時間ごと |
|
燃料系統が汚染された時や、マシンを長期にわたって格納する場合も同様です。タンクの清掃にはきれいな燃料を使用してください。
整備間隔 | 整備手順 |
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400運転時間ごと |
|
劣化・破損状況やゆるみが発生していないかを調べてください。
Note: この手順は、燃料システムからの通常のエア抜きを行ってもエンジンが始動できないときに行うものです;通常のエア抜きについては、燃料噴射ポンプからのエア抜きを参照してください。
燃料噴射ポンプの No.1インジェクタノズル(図 53)のチューブのナットをゆるめる。
スロットルをFAST位置とする。
始動キーをSTART位置に回し、チューブナットから流れ出る燃料を観察する。
燃料が泡立たなくなったらキーをOFFに戻す。
ナットを十分に締め付ける。
噴射ノズルの周囲に流れた燃料はすべてふき取ってください。
残りのノズルについても上記のステップ1-6を行う。
バッテリーの電極部や端子などの部分には鉛や鉛含有物質が含まれており、カリフォルニア州では、これらの物質が癌や先天性異常の原因となるとされている。取り扱い後は手を洗うこと。
マシンの整備や修理を行う前に、バッテリーの接続を外してください。バッテリーの接続を外すときにはマイナスケーブルを先に外し、次にプラスケーブルを外してください。接続するときにはプラスを先に接続し、次にマイナスを接続してください。
バッテリーの充電は、火花や火気のない換気の良い場所で行ってください。バッテリーと充電器の接続や切り離しを行うときは、充電器をコンセントから抜いておいてください。また、安全な服装を心がけ、工具は確実に絶縁されたものを使ってください。
整備間隔 | 整備手順 |
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50運転時間ごと |
|
バッテリーの端子に金属製品や車体の金属部分が触れるとショートを起こして火花が発生する。 それによって水素ガスが爆発を起こし人身事故に至る恐れがある。
バッテリーの取り外しや取り付けを行うときには、端子と金属部を接触させないように注意する。
バッテリーの端子と金属を接触させない。
バッテリーのケーブルは、接触不良にならぬよう、端子にしっかりと固定してください。
腐食が見られる場合は以下の作業を行ってください:
バッテリーケーブルの接続手順が不適切であるとケーブルがショートを起こして火花が発生する。それによって水素ガスが爆発を起こし人身事故に至る恐れがある。
ケーブルを取り外す時は、必ずマイナス(黒)ケーブルから取り外す。
ケーブルを取り付ける時は、必ずプラス(赤)ケーブルから取り付け、それからマイナス(黒)ケーブルを取り付ける。
整備間隔 | 整備手順 |
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50運転時間ごと |
|
毎月 |
|
電解液には硫酸が含まれており、触れると火傷を起こし、飲んだ場合には死亡する可能性がある。
電解液を飲まないこと。また、電解液を皮膚や目や衣服に付けないよう十分注意すること。安全ゴーグルやめがねとゴム手袋で目と手を保護すること。
皮膚に付いた場合にすぐに洗浄できるよう、必ず十分な量の真水を用意しておくこと。
Note: 高温環境下で保管すると、涼しい場所での使用に比べてバッテリーは早く放電します。
バッテリー液の比重を1.265 -1.299 の間に維持してください。
各セルへは、蒸留水またはミネラルを含まない水を適正レベルまで補給してください。
Note: 但し、電解液の量が、各セルの内側についているスプリットリングの高さ以上にならないよう、注意してください。
バッテリーの上部をきれいに洗浄し、通気キャップを外す。
Important: 清掃中はセルキャップを外さないでください。
バッテリー上部はアンモニア水または重曹水に浸したブラシで定期的に清掃してください。
バッテリー上部を真水できれいにすすいでください。
ステップ3(コントロールパネルのプレートを外す)でスイッチや警告ランプのコネクタを外した場合には、それらを元通りに接続する。
サイドパネルの底部にあるタブ(2ヶ所)をコンソールのフレームのスロット(2ヵ所)に合わせる(図 56)。
コントロールパネルプレートの上部にあるスロットを、燃料タンクのフランジの穴に合わせる(図 55)。
コントロールパネルプレートを燃料タンクのフランジに取り付ける:つまみねじ4本(図 55;ステップ1(コントロールパネルのプレートを外す)で外したもの)を使用する。
ヒューズ(ヒューズブロック)はコントローラパネルの下にあります(図 57)。
Important: 以下の内容はSCMの概要です。SCMを使用しての故障探究についてはサービスマニュアルを参照してください。
スタンダード・コントロール・モジュール(SCM)は、機械の電子制御と監視を行います。
入力側の情報も出力側の情報も回路基盤に搭載された黄色の LED で表示されます。
SCMは以下の入力を監視します:
コントロール機器がニュートラル位置にあるかどうか
駐車ブレーキの位置
PTOの作動
エンジンの始動機能
オーバーヒート状態
SCMは以下の出力をコントロールします:
PTOスイッチ、スタータスイッチ、ETR(エンジン駆動ソレノイド)への通電。
各LEDによりそれぞれの回路のリレー状態すなわちその回路の通電状態がわかります。
Note: SCMは外部のコンピュータや診断機器に接続することはできません。また、内部のプログラムを改変することもできませんし、発生した故障内容を記憶しておくこともできません。
SCM上のLEDの説明は絵文字です。 枠で囲まれた3 つが出力です。それ以外はすべて入力です。以下に記号とその意味を示します。
チャートの各行は、その出力機能に必要な入力の状態を示します。チャートの左欄に、機能が示されています。 各記号は以下のような意味を表します: 通電、閉じてアースされている、開いてアースされている。
入力 | 出力 | ||||||||||
機能 | パワー On | ニュートラル | 始動 On | ブレーキが On | PTO On | 着席 | オーバーヒートによる自動停止 | オーバーヒート警告 | 始動 | ETR | PTO |
始動 | — | — | + | ⊗ | ⊗ | — | ⊗ | ⊗ | + | + | ⊗ |
運転(非着席) | — | — | ⊗ | ⊗ | ⊗ | ⊗ | ⊗ | ⊗ | ⊗ | + | ⊗ |
運転(着席) | — | ⊗ | ⊗ | — | ⊗ | — | ⊗ | ⊗ | ⊗ | + | ⊗ |
刈り込み | — | ⊗ | ⊗ | — | — | — | ⊗ | ⊗ | ⊗ | + | + |
オーバーヒート警告 | — | ⊗ | ⊗ | — (A) | + | + | ⊗ | ||||
オーバーヒートによる自動停止 | — | ⊗ | — | ⊗ | ⊗ | ⊗ | |||||
-: 回路は閉じてアースされている。 ( LED 点灯) ⊗: 回路は開いてアースされているか非通電状態 - LED 消灯 +: 回路は通電している(クラッチコイル、ソレノイド、始動キー) LED点灯 空白: そのロジックに無関係な入力 (A):エンジン冷却後にPTOスイッチの初期化(キーの ON-OFF 操作)が必要 |
腐食防止のために両方の端子部にグリス(Grafo 112X スキンオーバーグリス: P/N 505-47)を薄く塗ってください。ハーネスのコネクタを交換した場合にはコネクタ内部にも塗布してください。
Important: 電気系統の整備を行うときは必ずバッテリーケーブルを取り外してください。その際、ショートを防止するため、必ずマイナス(-)ケーブルを先に取り外してください。
整備間隔 | 整備手順 |
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使用開始後最初の 1 時間 |
|
使用開始後最初の 10 時間 |
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200運転時間ごと |
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ホイールナットの規定トルク:102-108 N·m(10.4-11.1 kg.m = 75-80 ft-lb)
前後の車輪のホイールナットを 図 59 に示すクロスパターンで規定トルクまで締め付けてください。
リアクスルオイルの仕様:SAE 80W-90 ギアオイル
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
200運転時間ごと |
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後アクスルは内部が3つの部分に分かれており、それぞれに SAE 80W-90 ギアオイルを充填してあります。適量のオイルを入れて出荷していますが、運転前に点検してください。
整備間隔 | 整備手順 |
---|---|
400運転時間ごと |
|
平らな場所に駐車する。
ドレンプラグ(3個)の周辺をウェスできれいにぬぐう(図 62)。
Note: 左右に1つ、中央に1つあります。
1つのドレンプラグの下に容器を置き、プラグを外してオイルを抜く。
ドレングラグのねじ山部分にロッキングコンパウンドを塗りつけてアクスルに取り付ける。
他のドレンプラグについてもステップ3 と 4 を行う。
中央のアクスルハウジングから点検プラグを取り、左右の外側のアクスルケースから補給/点検プラグを外す。
それぞれのアクスルケースの点検プラグのねじ穴の下の縁まで、所定の潤滑油を補給する;潤滑油の種類についてはリアクスルの整備を参照。
中央アクスルハウジングの補給用プラグと左右の補給/点検用プラグのねじ山部に PTFE テープを巻く;図 60と図 61(リアアクスルオイルの点検)を参照。
中央のアクスルハウジングと左右の外側のアクスルケースにプラグを取り付ける;図 60 と 図 61(リアアクスルオイルの点検)を参照。
クラッチ潤滑油の仕様: Mobilfluid 424™
Important: クラッチにはエンジンオイル(10W30など)を使用しないでください。エンジンオイルには磨耗防止剤を始めとする添加物が多く、クラッチの性能が阻害されます。
Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。
整備間隔 | 整備手順 |
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200運転時間ごと |
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平らな場所に駐車する。
点検プラグが4時の位置にくるようにクラッチ(図 63)を回す。
点検プラグを抜く。
Note: オイルがクラッチの穴まであればよい。
油量が足りなければ双方向クラッチのハウジングの約 1/3 まで潤滑油を補給する。
点検プラグのねじ山部分に PTFE テープを巻く。
クラッチハウジングにプラグを取り付ける。
整備間隔 | 整備手順 |
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400運転時間ごと |
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平らな場所に駐車する。
双方向クラッチの点検プラグの周辺をウェスできれいにぬぐう。
点検プラグが4時の位置にくるようにクラッチを回す (図 64)。
点検プラグを外してオイルを抜き、容器で回収する。
点検プラグが4時の位置にくるようにクラッチを回す。
クラッチハウジングのねじ穴の高さまで所定のオイルを入れる。
Note: クラッチの 1/3 程度オイルが入ればよい。
点検プラグのねじ山部分に PTFE テープを巻く。
クラッチハウジングにプラグを取り付ける。
左右のタイロッドの両端のジャムナットをゆるめる。
右タイヤの中心線からと左タイヤの中心線までの距離が、タイヤの前後で等しくなるように、タイロッドを回して調整する(図 65)。
調整ができたら、ジャムナットを締めてタイロッドを固定する。
整備間隔 | 整備手順 |
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200運転時間ごと |
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平らな場所に車両を移動し、エンジンを停止してキーを抜き取る。
ステアリングシリンダのボルト(4本)を65-81 N·m(6.6-8.3 kg.m = 48-60 ft-lb)にトルク締めする(図 67)。
走行ペダルをニュートラル位置にしても本機が動きだすようでしたら、走行カムを調整してください。
吊り上げ装置とジャッキスタンドに必要な能力:少なくとも 2トン(1900kg)
平らな場所に駐車し、エンジンを停止し、駐車ブレーキを掛ける。
機体を確実に支えておかないと、何かの弾みに機体が落下した場合に極めて危険である。
走行ドライブのニュートラル調整中は4輪全部が回転するので、4輪すべてを床から浮かしておく必要がある。
十分な能力の装置で機体を持ち上げ、車体フレームの下に4台のジャッキスタンドを入れて機体を支える。
運転席とシートプレートを取り外す;コントロールパネルのプレートを外すを参照。
油圧ポンプの右側、コントロールコンソールの下にある偏芯六角ボルトを探し出す(図 68)。
偏芯六角ボルトを回せる程度にリテーナナットをゆるめる(図 68)。
Note: ゆるめる程度は、リテーナナットがニュートラルアームの位置を保持できる程度としてください。
エンジンを掛ける。エンジンを始動できない場合は以下を行う:
偏芯六角ボルトを右方向に回して車輪が前進回転を始める位置を捜す。次に、左方向に回して車輪が後進回転を始める位置を捜す(図 68)。
走行調整カムの最終調整は、エンジンを回転させながら行う必要がある。マフラー等の高温部分や回転部・可動部に触れると大けがをする。
マフラーなどの高温部分や回転部、可動部に顔や手足を近づけぬよう十分注意すること。
ニュートラル範囲の中間に偏芯ボルトをセットしてリテーナナットを締め付ける。
Note: この調整を、ローアイドルで行い、次に、ハイアイドルにしてニュートラル調整がハイアイドルでも適切であることを確認してください。
ナットを締めて調整を固定する。
エンジンを停止する。
ジャッキをゆるめて機体を床に下ろす。
運転席とシートプレートを取り付ける; コントロールパネルのプレートを取り付けるを参照。
試運転を行って調整を確認する。
後アクスルのステアリングストップは、後輪が何かにぶつかったときにステアリングシリンダが許容域を超えて動かないようにするものです。このストップは、ハンドルを右または左にいっぱいに切ったときに、ボルトの頭部とアクスルのナックルとの間に2.3 mm のすきまができるように調整してください。
すきまが、2.3 mm になるよう、ボルトを締め込み、あるいはゆるめて調整します;図 70を参照。
タイロッドのクランプのネジをゆるめる。
ボールジョイントを内側または外側に回して、タイロッドの長さを調整する。
ボールジョイントを元通りに取り付けてトーインの確認を行う。
正しいトーインが得られたら、タイロッドのクランプのネジを締めてボールジョイントを固定する。
冷却液を飲み込むと中毒を起こす;冷却液は子供やペットが触れない場所に保管すること。
高温高圧の冷却液を浴びたり、高温のラジエター部分に触れたりすると大火傷をする恐れがある。
エンジン停止後、少なくとも15分間程度待って、エンジンが冷えてからキャップを開けること。
キャップを開けるときはウェスなどを使い、高温の水蒸気を逃がしながらゆっくりと開けること。
マシンを運転するときには、必ず所定のカバーを取り付けておくこと。
手、指、衣服などを、ファンやベルトに近づけないように注意すること。
保守作業を行う前にエンジンを停止し、キーを抜き取っておくこと。
冷却液容量: 7.5 リットル
冷却液の種類:
推奨冷却液 |
Note: 必ずASTM 規格 3306 に準拠した冷却液をお使いください。 |
グリコールベースの希釈済み冷却液(50/50 ブレンド) |
または |
グリコールベース冷却液と蒸留水の混合液(50/50 ブレンド) |
または |
グリコールベース冷却液と上水の混合液(50/50 ブレンド) |
CaCO3 + MgCO3 <170ppm |
塩素 <40 ppm (CI) |
硫黄 <100 ppm (SO4) |
整備間隔 | 整備手順 |
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使用するごとまたは毎日 |
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エンジン停止直後は、ラジエターが高温高圧状態となっている。この状態でキャップを開けると大やけどを負う危険がある。
冷却液の点検は、ラジエター本体のキャップを開けて行わないこと。
エンジンが熱いうちはラジエターのキャップを開けないこと。エンジン停止後、15分間ほど待って、ラジエターキャップが十分に冷えてから取り外すようにすること。
液量の点検は補助タンクで行う(図 71)。
Note: タンク側面についている2本のマークの間にあれば適正である。
冷却液が不足している場合には、推奨されている冷却液を適宜補充してください。水だけの使用や、アルコール系、メタノール系の冷却液の使用は避けてください。入れすぎないこと。
補助タンクのキャップを取り付けて終了。
整備間隔 | 整備手順 |
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使用するごとまたは毎日 |
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オーバーヒートを防止するため、フードとラジエターのスクリーンは常にきれいにしておいてください。ラジエターとスクリーンを点検し、よごれていたら清掃してください;フードのラジエターのスクリーンを点検するを参照。
整備間隔 | 整備手順 |
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200運転時間ごと |
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1500運転時間ごと |
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Note: エンジンがオーバーヒートしてPTOが停止した場合には、まず最初にフードとラジエターのスクリーンが汚れていないかを確認してください。汚れを除去してから運転を再開してください。エンジンはすぐに停止させるのでなく、無負荷でアイドリングさせてエンジン温度が下がってから停止させるようにしてください。
ラジエターは以下の要領で清掃します:
フードを外します。
ファン側から低圧のエア(1.72bar = 1.8kg/cm² = 25psi)で吹いて汚れを落とす(水洗いしない)。次に、機体前側から吹き、さらにもう一度ファン側から吹いて清掃する。
ラジエター本体がきれいになったらベース部を清掃し、溝にたまっているゴミを取る。
スクリーンを清掃してフードを閉じる。
整備間隔 | 整備手順 |
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使用開始後最初の 10 時間 |
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使用開始後最初の 50 時間 |
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50運転時間ごと |
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ブレーキペダルの遊びが 25 mm以上となったり、ブレーキの効きが悪いと感じられるようになったら、調整を行ってください。遊びとは、ブレーキペダルを踏み込んでから抵抗を感じるまでのペダルの行きしろを言います。
初回のオイル交換は運転開始後 10 時間で、その後は所定運転時間ごと。調整が必要な場合には、ブレーキケーブルとプレーキペダルの連結部で行います。この部分での調整が不可能になったらブレーキドラム内部のスターナットを調整してブレーキシューを外側に出す調整を行います。シューの調整後は、ケーブルの調整が必要になります。
右ブレーキペダルのロックアームを解除して2枚のブレーキペダルが独立して動けるようにする。
遊びを減らす(ブレーキを締める)には、ブレーキケーブルのねじ山の前ナットをゆるめる(図 72)。
後ジャムナットを回してケーブルを後方に移動させてブレーキペダルの遊びが 13-25 mm となるようにする。
遊びの調整ができたら前ジャムナットを締める。
エンジンを止め、キーを抜き取る。
Note: 駐車ブレーキは掛けない。
駐車ブレーキロッドのノブを外し、次にハンドルタワーのカバーを止めているねじを外す(図 73)。
カバーを上にスライドさせて駐車ブレーキスイッチを露出させる(図 74)。
駐車ブレーキスイッチを固定しているねじとナット(タワーの左側)をゆるめる(図 73)。
駐車ブレーキのロッドのパドルとスイッチのプランジャとを整列させる(図 74)。
駐車ブレーキロッドを押し下げ、スイッチが押し上げられてプランジャが圧縮された時のプランジャの長さを 0.76 mm とする;図 74を参照。
Note: これが、プランジャのハウジングの上端からパドルの表面までの距離となる。
スイッチを固定しているネジとナットを締める。
駐車ブレーキをセットした状態で、マルチメータを使ってスイッチの導通を見る。導通があればスイッチの位置は適正である。
Note: 導通がない場合はスイッチを少し下げて導通が出たところで固定ネジを締める。
以下の要領で駐車ブレーキのインタロックスイッチの動作を点検する:
駐車ブレーキを掛ける。
エンジンが掛かっていて PTO スイッチが OFF 位置の状態で走行ペダルを踏み込む;2秒以内にエンジンが停止すれば正常である。
Important: エンジンが停止しない場合はインタロックの故障である。必ずインタロックを修理してから運転すること。
タワーのカバーとロッドのノブを元通りに取り付ける。
整備間隔 | 整備手順 |
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200運転時間ごと |
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ベルトに磨耗や損傷が発生していないか点検する。
Note: 磨耗や破損が見られた場合はベルトを交換する。
オペレータの体格に合わせて走行ペダルの調整を行うことができるほか、前進速度を小さくしたい場合もこのペダルで調整します。
走行ペダルを前進一杯に押し込む(図 78)。
Note: ポンプがフルストロークに達する前に、ペダルストップに当たることが必要です。
走行ペダルがストップに接触しない、または走行速度を今よりも遅くしたい場合には、以下を行う:
レンチでペダルストップを押さえる(図 78)。
フットレストプレートの底部についているジャムナットをゆるめる(図 79)。
走行ペダルを前進一杯にする(図 78)。
ペダルストップを押さえておいて、フットレストプレートの上側にあるジャムナット(図 78)を調整して走行ぺダルをストップに接触させる。
ペダルストップを左に1回転させて、フットレストプレート上側のジャムナットよりも上側の長さを長くする。
Note: ペダルストップを短くすると前進速度が大きくなります。
ペダルストップを押さえた状態でフットレストプレート底部のジャムナット(図 78 と 図 79)を37-45 N·m (3.7-4.6 kg.m = 27-33 ft-lb) にトルク締めする。
ポンプがフルストロークに達する前にペダルストップに当たることを確認する。
Note: ポンプがフルストロークに達する前に、ペダルストップに当たってしまう場合は、ステップ 1~7をもう一度行うか走行ペダルのストップの調整を参照する。
万一、油圧オイルが体内に入ったら、直ちに専門医の治療を受けてください。万一、油圧オイルが体内に入った場合には、この種の労働災害に経験のある施設で数時間以内に外科手術を受ける必要がある。
油圧装置を作動させる前に、全部のラインコネクタが適切に接続されていること、およびラインやホースの状態が良好であることを確認すること。
油圧のピンホールリークやノズルからは作動油が高圧で噴出しているので、絶対に手などを近づけない。
リークの点検には新聞紙やボール紙を使う。
油圧関係の整備を行う時は、内部の圧力を確実に解放する。
油圧オイルタンクに高品質油圧オイルを満たして出荷しています。
油圧系統容量:5.6 リットル
油圧オイルの仕様:
Toro プレミアムトランスミッション/油圧トラクタオイル (19 リットル缶または208 リットル缶。)パーツカタログまたは代理店でパーツ番号をご確認ください。 |
使用可能な他のオイル:Toroオイルが入手できない場合は、以下に挙げる特性条件および産業規格を満たす石油系のユニバーサルトラクタ油圧オイル(UTHF)を使用することができます。合成オイルの使用はお奨めできません。オイルの専門業者と相談の上、適切なオイルを選択してください:
Note: 不適切なオイルの使用による損害については弊社は責任を持ちかねますので、品質の確かな製品をお使い下さる様お願いいたします。
物性: | |||
粘度, ASTM D445 | cSt @ 40°C 55 - 62cSt @ 100°C 9.1 - 9.8 | ||
粘性インデックス ASTM D2270 | 140-152 | ||
流動点, ASTM D97 | -37°C - -43°C | ||
産業規格: | |||
API GL-4, AGCO Powerfluid 821 XL, Ford New Holland FNHA-2-C-201.00, Kubota UDT, John Deere J20C, Vickers 35VQ25, および Volvo WB-101/BM |
Note: 多くの油圧オイルはほとんど無色透明であり、そのためオイル洩れの発見が遅れがちです。油圧オイル用の着色剤(20ml 瓶)をお使いいただくと便利です。1瓶で 15-22 リットルのオイルに使用できます。パーツ番号は P/N 44-2500; ご注文は Toro 代理店へ。
平らな場所に停車して駐車ブレーキを掛ける。
全部のコントロール装置をニュートラル位置にしてエンジンを始動する。
エンジンをできるだけ低い速度で回してシステム内のエアをパージする。
Important: PTO は作動させないこと。
ハンドルを左右いっぱいに何回か切り、その後にまっすぐ前進方向に向ける。
整備間隔 | 整備手順 |
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使用するごとまたは毎日 |
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Note: トランスアクスルのハウジングが油圧オイルタンクの役割を果たします。
デッキを上昇させてデッキ昇降シリンダが伸びた状態とし、エンジンを停止し、キーを抜き取る。
トランスアクスルの補給口についているディップスティック付きキャップ(図 81)をゆるめてディップスティックを抜き取り、ウ ェスできれいに拭う。
補給口にディップスティックを差し込んでねじ部を最後まで締めこむ。
ディップスティックを抜いて油量を点検する(図 82)。
オイルレベルがディップスティックの最低マークより低い場合は、所定の油圧オイルを補給口(図 83)から補給する。規定範囲の中間部分までオイルを入れるようにする(図 82)。
Important: ディップスティックの高マーク以上にオイルを入れないでください。
ディップスティックキャップを取り付ける。
Note: キャップをレンチで締め付けないこと。
オイル洩れがないかホース部と接続部をすべて点検する。
整備間隔 | 整備手順 |
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使用開始後最初の 10 時間 |
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200運転時間ごと |
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1500運転時間ごと |
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油圧オイルの量:約 5.6 リットル
デッキを床面まで下降させエンジンを停止し、キーを抜き取る。
後輪を2つともブロックする。
前アクスルの左右2か所でジャッキアップし、スタンドで支える。
油圧フィルタを交換する(図 84)。
Note: オイル受け容器の大きさ:5.6 リットル以上
ジャッキスタンドを外し、機体を床に降ろす。
補給管から所定の油圧オイルを入れる(図 83)。トランスアクスルハウジング(油圧オイルケース)内部のオイル量がディップスティックで測ったときに適正範囲の中間位置になるまで入れる(図 82)。
Important: ディップスティックの高マーク以上にオイルを入れないでください。
エンジンを始動し、ハンドル操作と刈り込みデッキの昇降動作を何度か行い、オイル洩れがないか点検する。エンジンを約5分間運転した後、エンジンを停止する。
2分後、油圧オイルの量を点検する;油圧系統と油圧オイルの量を点検するを参照。
バッテリーとケーブルに以下の作業を行う:
バッテリーの接続を外すときにはマイナスケーブルを先に外し、次にプラスケーブルを外してください。
バッテリー本体、端子、ケーブル端部を重曹水とブラシで洗浄する。
腐食防止のために両方の端子部にワセリン(Grafo 112X: P/N 505-47)を薄く塗る。
本機を30日間以上にわたって格納保管する場合には、バッテリーを機体から外して充電する。
Note: 電極板の劣化を防止するため、60日ごとに24時間かけてゆっくりと充電してください。
Note: バッテリーの充電は、火花や火気のない換気の良い場所で行ってください。バッテリーと充電器の接続や切り離しを行うときは、充電器をコンセントから抜いておいてください。また、安全な服装を心がけ、工具は確実に絶縁されたものを使ってください。
充電終了後は、機体に取り付けて保存する。
機体に取り付けて保存する場合は、ケーブルを外しておく。
温度が高いとバッテリーは早く放電しますので、涼しい場所を選んで保管する。
バッテリーを凍結させないために、満充電しておくこと。完全充電したバッテリー液の比重は 1.265-1.299 になる。
カッティングデッキやエンジンを含めた機体全体をていねいに洗浄する。特に以下の部分を重点的に洗浄する:
ラジエターとラジエタスクリーン
デッキの裏側
デッキのベルトカバーの裏側
PTO シャフトアセンブリ
グリス注入部やピボット部
コントロールパネルを外してボックス内部
運転席(シートプレートの下とトランスミッションの上面)
タイヤ空気圧を点検修正する;タイヤ空気圧を点検するを参照。
刈り込みブレードを取り外し、研磨とバランス調整を行う;刈り込みデッキのオペレーターズマニュアル を参照。
ボルトナット類にゆるみながいか点検し、必要な締め付けを行う。
グリス注入部、ピボット部、トランスミッションのバイパスバルブのピンをグリスアップする。余分のグリスやオイルはふき取る。
塗装のはがれている部分に軽く磨きをかけ、タッチアップする。金属部の変形を修理する。
エンジンオイルとフィルタの交換を行う;エンジンオイルとフィルタの交換を参照。
エンジンを始動し、約2分間のアイドル運転を行う。
エンジンを停止する。
燃料タンク、燃料ライン、ポンプ、セパレータから燃料を抜き取る。
燃料タンクの内部をきれいな燃料で洗浄し、ラインを元通りに接続する。
エアクリーナアセンブリを十分にきれいに清掃・整備する;エアクリーナの整備を参照。
エアクリーナの吸気口とエンジンの排気口を防水性のマスキングテープでふさぐ。
燃料系統の接続状態を点検し必要な締め付けを行う。
不凍液の量を確認し、保管場所の最低気温を考慮して必要に応じ不凍液の濃度を調整・補給する。
オイルタンクと燃料タンクのフタが締まっているのを確認する。