はじめに

この機械は木の切り株と地表面に露出している根を破砕するためのものです。あくまでも木の根元部分とその周囲の土壌を破砕するもので、岩などを切ったりすることはできません。

この説明書を読んで製品の運転方法や整備方法を十分に理解し、他人に迷惑の掛からないまた適切な方法でご使用ください。この製品を適切かつ安全に使用するのはお客様の責任です。

弊社のウェブサイトwww.Toro.comで、製品の安全な取扱いや運転に関する講習資料、アクセサリ情報の閲覧、代理店についての情報閲覧、お買い上げ製品の登録などを行っていただくことができます。

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマーサービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。図 1にモデル番号とシリアル番号を刻印した銘板の取り付け位置を示します。いまのうちに番号をメモしておきましょう。

Important: シリアル番号デカルについている QR コード(無い場合もあります)をモバイル機器でスキャンすると、製品保証、パーツその他の製品情報にアクセスできます。

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この説明書では、危険についての注意を促すための警告記号(図 2)を使用しております。これらは死亡事故を含む重大な人身事故を防止するための注意ですから、必ずお守りください。

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この他に2つの言葉で注意を促しています。重要「重要」は製品の構造などについての注意点を、はその他の注意点を表しています。

この製品は、関連するEU規制に適合しています; 詳細については、DOC シート(規格適合証明書)をご覧ください。

カリフォルニア州の森林地帯・潅木地帯・草地などでこの機械を使用する場合には、エンジンに同州公共資源法第4442章に規定される正常に機能するスパークアレスタが装着されていること、エンジンに対して森林等の火災防止措置をほどこされていることが義務づけられており、これを満たさない機械は、第4442章または4443章違犯となります。

エンジンの保守整備のため、および米国環境保護局(EPA)並びにカリフォルニア州排ガス規制に関連してエンジンマニュアルを同梱しております。エンジンマニュアルはエンジンのメーカーから入手することができます。

警告

カリフォルニア州

第65号決議による警告

カリフォルニア州では、この製品に使用されているエンジンの排気には発癌性や先天性異常などの原因となる物質が含まれているとされております。

バッテリーやバッテリー関連製品には鉛が含まれており、カリフォルニア州では発ガン性や先天性異常を引き起こす物質とされています。取り扱い後は手をよく洗ってください。

米国カリフォルニア州では、この製品を使用した場合、ガンや先天性異常などを誘発する物質に触れる可能性があるとされております。

安全について

不適切な使い方をしたり手入れを怠ったりすると、人身事故につながります。事故を防止するため、以下に示す安全上の注意や安全注意標識のついている遵守事項は必ずお守りください(図 2)。注意警告、および危険 の文字は、人身の安全に関わる注意事項を示しています。これらの注意を怠ると死亡事故などの重大な人身事故が発生することがあります。

危険

この機械で掘削する現場の地中に、電線などが埋設されている可能性があります。これらを誤って破損すると、感電や爆発などの事故に発展する可能性があります。

事故防止のため、作業現場を前もって精査し、埋設物を確認し、マーキングするなど、適切な措置をとってください。必要に応じ、電力会社やガス会社に連絡して正確な埋設場所を特定、マーキングしてもらうなどしてください(たとえば米国では電話811で連邦全土でこのサービスを受けることができます)。

安全な運転のために

この機械は手足を切断する能力があります。重傷事故や死亡事故を防ぐため、注意事項を厳守してください。

警告

エンジンの排気ガスには無臭で有毒の一酸化炭素が含まれていいます。

屋内や締め切った場所ではエンジンを運転しないこと。

トレーニング

  • このオペレータズマニュアル や、関連するトレーニング資料をよくお読みください。

  • 各部の操作方法や本機の正しい使用方法、警告表示などに十分慣れ、安全に運転できるようになりましょう。

  • 本機を運転する人、整備する人すべてに適切なトレーニングを行ってください。トレーニングはオーナーの責任です。

  • 子供や正しい運転知識のない方には機械の操作や整備をさせないでください。地域によっては機械のオペレータに年齢制限を設けていることがありますのでご注意ください。

  • オペレータやユーザーは自分自身や他の安全に責任があり、オペレータやユーザーの注意によって事故を防止することができます。

運転の前に

  • 地下に埋設物がある場所を誤って掘らないように、事前にマーキングしておいてください。

  • 作業場所を良く観察し、安全かつ適切に作業するにはどのようなアクセサリやアタッチメントが必要かを判断してください。メーカーが認めた以外のアクセサリやアタッチメントを使用しないでください。

  • 作業にふさわしい服装をし、手袋、安全めがね、長ズボン、頑丈で滑りにくい安全な靴、および聴覚保護具を着用してください。長い髪は束ねてください。ゆるい装飾品やだぶついた服は身に着けないでください。

  • これから機械で作業する場所をよく確認し、石、おもちゃ、針金など機械に巻き込まれそうなものはすべて取り除きましょう。

  • オペレータコントロールやインタロックスイッチなどの安全装置が正しく機能しているか、また安全カバーなどが外れたり壊れたりしていないか点検してください。これらが正しく機能しない時には機械を使用しないでください。

燃料についての安全事項

  • 燃料の取り扱いに際しては安全に特にご注意ください。燃料は引火性が高く、気化すると爆発する可能性があります。

  • 燃料取り扱い前に、引火の原因になり得るタバコ、パイプなど、すべての火気を始末してください。

  • 燃料の保管は必ず認可された容器で行ってください。

  • エンジン回転中などエンジンが高温の時には、燃料タンクのふたを開けたり給油したりしないでください。

  • 締め切った場所では燃料の補給や抜き取りをしないでください。

  • ガス湯沸かし器のパイロット火やストーブなど裸火や火花を発するものがある近くでは、機械や燃料容器を保管・格納しないでください。

  • 燃料がこぼれたら、エンジンを始動せずにマシンを別の場所に動かし、気化した燃料ガスが十分に拡散するまで引火の原因となるものを近づけないでください。

運転操作

  • この機械を運転する時は常に十分な注意を払ってください。運転中は運転操作に集中してください;注意散漫は事故の大きな原因となります。

  • どんな場合でも、運転位置を離れる時には、平らな場所に停車し、油圧昇降装置を下降させ、油圧装置を解除し、駐車ブレーキ(装着車の場合)を掛け、エンジンを停止させてキーを抜き取ってください。

  • 使用中に熱くなる部分に触れないよう注意してください。保守、調整、整備などの作業は、安全な温度に下がってから行ってください。

  • 締め切った場所では絶対にエンジンを運転しないでください。

  • 運転は十分な照明のもとで行い、隠れて見えない穴などの障害物に注意してください。

  • エンジンを始動させる前に、すべての機器がニュートラルになっていること、駐車ブレーキ(装着車の場合)が掛かっていることを確認してください。エンジンを掛ける時は必ず正しい運転位置から操作してください。

  • 斜面では速度を落とし、安全に十分注意してください。斜面では、推奨された走行方向を守って作業してください。ターフの状態は、マシンの安定性に大きな影響を与えます。

  • 斜面での旋回、道の横切り、方向転換をするときなどは十分に減速し、慎重に運転してください。

  • エンジンのガバナの設定を変えたり、エンジンの回転数を上げすぎたりしないでください。

  • 可動部に手足を近づけないよう注意してください。

  • バックするときには、足元と後方の安全に十分な注意を払ってください。

  • 人を乗せないでください。また、周囲に人や動物を近づけないでください。

  • 疲れている時、病気の時、アルコールや薬物を摂取した時は運転しないでください。

  • トレーラやトラックに芝刈り機を積み降ろすときには安全に十分注意してください。

  • 見通しの悪い交差点やコーナーでは安全に十分注意してください。

  • 機械の操作を行う前に、機械の周囲に人がいないことを必ず確認してください。人が近づいてきたら機械を停止させてください。

  • コントロール類は絶対に急激な操作をせず、安定した操作を行ってください。

  • 周囲に障害物がないことを確認してから運転を行うようにしてください。周囲に樹木や壁などの障害物があることを忘れて機械をバックさせたりすると、思わぬ事故が起こる危険があります。本機を安全に操縦できるだけの十分な余裕のない場所では本機を使用しないでください。

  • 機械各部には、手や指などを挟み込む恐れのある部位に表示がありますから、その近辺には手足を近づけないようにしてください。

  • 機械が落雷を受けると最悪の場合死亡事故となります。稲光が見えたり雷が聞こえるような場合には機械を運転しないで安全な場所に避難してください。

斜面での運転操作

  • 斜面はスリップや転倒などを起こしやすく、これらは重大な人身事故につながります。斜面での安全運転はオペレータの責任です。どんな斜面であっても、通常以上に十分な注意が必要です。斜面で運転する前に、必ず以下のことを行ってください:

    • マニュアルや機体に描かれている斜面に関する注意事項を読んで内容をよく理解する。

    • 作業当日に現場の実地調査を行い、安全に作業ができるか判断する。この判断においては、常識を十分に働かせてください。同じ斜面上であっても、水分など地表面の条件が変われば運転条件が大きく変わります。

  • 斜面を上りながら、あるいは下りながら作業をする時は、機体の前側を山側にしてください。

  • 斜面に入る前に、安全の判断をしてください。段差、溝、盛り土、水などの近くに乗り入れないでください。万一車輪やクローラが段差や溝に落ちたり、足元の地面が崩れたりすると、機体が瞬時に転倒し、非常に危険です。障害物からの安全距離(マシンの幅の 2 倍)を維持して運転してください。

  • 斜面での発進・停止・旋回は避けてください。急旋回したり不意に速度や方向を変えたりしないでください;旋回はゆっくり行ってください。

  • 斜面ではどんな動作でもゆっくり、少しずつ行ってください。急旋回したり不意に速度を変えたりしないでください。

  • 走行、ステアリング、安定性などに疑問がある場合には運転しないでください。ぬれ芝、急斜面など滑りやすい場所で運転すると滑って制御できなくなる危険があります。スリップを起こすとブレーキや舵取りができなくなる恐れがあります。車輪やクローラを停止してもマシンが滑り続ける場合があります。

  • 斜面に入る前に、安全の判断をしてください。段差、溝、盛り土、水などの近くに乗り入れないでください。万一車輪やクローラが段差や溝に落ちたり、足元の地面が崩れたりすると、機体が瞬時に転倒し、非常に危険です。障害物からの安全距離(マシンの幅の 2 倍)を維持して運転してください。

  • 隠れた穴、わだち、盛り上がり、石などの見えない障害は、取り除く、目印を付けるなどして警戒してください。深い芝生に隠れて障害物が見えないことがあります。不整地では機体が転倒する可能性があります。

  • 斜面の上に駐車する時は、必ず油圧アタッチメントを地面まで下げてください。

保守整備と格納保管

  • 駐車する時は平らな場所を選び、油圧装置を降下させて装置を解除し、駐車ブレーキ(が付いている場合は)を掛け、エンジンを停止させてキーを抜き取ってください。また、必ず機械各部の動きが完全に停止したのを確認してから作業に掛かってください。

  • 火災防止のため、油圧装置や駆動部、マフラーやエンジンの周囲に、ほこりを溜めないでください。こぼれたオイルや燃料はふき取ってください。

  • 機械を格納する際にはエンジンが十分冷えていることを確認し、また裸火の近くを避けて保管してください。

  • 適切な訓練を受けていない人には絶対に機械の整備をさせないでください。

  • 必要に応じ、ジャッキなどを利用して機体や機器を確実に支えてください。

  • 機器類を取り外すとき、スプリングなどの力が掛かっている場合があります。取り外しには十分注意してください。

  • 可動部に手足を近づけないよう注意してください。エンジンを駆動させたままで調整を行うのは可能な限り避けてください。

  • 修理を行うときには必ずバッテリーの接続と点火プラグの接続を外しておいてください。バッテリーの接続を外すときにはマイナスケーブルを先に外してプラスケーブルを後に、接続するときはプラスを先、マイナスを後に接続してください。

  • バッテリーの充電は、火花や火気のない換気の良い場所で行ってください。バッテリーと充電器の接続や切り離しを行うときは、充電器をコンセントから抜いておいてください。また、安全な服装を心がけ、工具は確実に絶縁されたものを使ってください。

  • バッテリー液は毒性があり、皮膚に付くとやけどを引き起こします。皮膚、目、衣服に付着させないよう注意してください。バッテリーに関わる作業を行うときには、顔や目や衣服をきちんと保護してください。

  • バッテリーからは爆発性のガスが発生します。バッテリーにタバコの火、火花などの火気を近づけないでください。

  • 各部品が良好な状態にあり、ボルトナット類が十分にしまっているか常に点検してください。擦り切れたり破損したりしたステッカーは貼り替えてください。

  • ボルト、ナット類が十分に締まっているかを確認してください。マシンを常に良いコンディションに維持しましょう。

  • 絶対に安全装置にいたずらをしないでください。

  • 機体にごみやほこりを溜めないでください。こぼれたオイルや燃料はふき取ってください。

  • 障害物に衝突するなどした場合には、まずエンジンを切り、キーを抜き取ってから点検してください。異常を発見したら必ず運転を再開する前に修理してください。

  • 交換部品は必ずトロの純正品をお使いください。

  • 油圧のピンホールリークやノズルからは作動油が高圧で噴出しているので、絶対に手などを近づけない。リークの点検には新聞紙やボール紙を使い、決して手で直接確かめない。高圧で噴出する油圧オイルは皮膚を貫通し、身体に重大な損傷を引き起こす;万一このような事故が起こったら、数時間以内に外科手術を受けないと壊疽 (えそ) を起こす。

安全ラベルと指示ラベル

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以下のラベルや指示は危険な個所の見やすい部分に貼付してあります。破損したりはがれたりした場合は新しいラベルを貼付してください。

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組み立て

液量を点検する

初めてエンジンを始動する前に、エンジンオイルと油圧オイルの量を点検すること。詳細については以下の各項目を参照してください。

バッテリーを充電する

バッテリーを充電する;バッテリーを充電するを参照。

昇降バルブを開く

グラインダを上昇させたりマシンを移動させたりするためには、まずコントロールパネルの下にある昇降バルブを開く必要があります (図 3)。ノブを左に回すとグラインダを上昇させられます。ノブを回すほど、昇降操作時のグラインダの昇降速度が速くなります。

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製品の概要

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実際にエンジンを始動して作業を始める前に、各部分 (図 5) の操作方法をよく知っておいてください。

コントロールパネル

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キースイッチ

キースイッチはエンジンの始動と停止を行うスイッチで、3つの位置があります: OFF, RUN, STARTの 3 位置です。エンジンの始動手順を参照。

スロットルレバー

前に倒すとエンジン回転速度が速くなり、後ろに引くと遅くなります。

アワーメータ

本機の積算運転時間を表示します。

基準バー

基準バーは、運転時に手を置いたり操作の支点として利用するためのものです。運転中は、必ず、どちらかの手が基準バーにあるようにし、両手を放すことがないようにしてください。

駐車ブレーキレバー

レバーを引き上げると駐車ブレーキが掛かります。レバーを下げると駐車ブレーキが解除されます。

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走行コントロール

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  • 走行コントロールを前へ押すと前進します (図 8)。

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  • 後へ押すと後退します (図 9)。

    Important: 後退時は、必ず後ろの安全を確認し、手を基準バーに置いてください 。

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  • 走行コントロールを右へ押すと右旋回します (図 10)。

    g008131
  • 走行コントロールを左へ押すと左旋回します (図 11)。

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  • 停止するには走行コントロールから手を離します (図 7)。

Note: どの場合も、レバーを遠くへ押す(引く)ほどその方向への走行速度が上がります。

グラインダ制御・油圧昇降レバー

グラインダ制御レバーの使用方法:

  • グラインダ (図 12) の動作を開始するには、トリガを握り込んだ状態で、レバー上部にある赤いボタンを押します。グラインダが動作を開始したら赤いボタンから指を離してかまいません。

  • グラインダ (図 12) を停止するには、トリガから 0.5 秒間以上手を離します。

    Note: グラインダが動作中にトリガからごく短時間(0.5 秒未満)手を離した場合はグラインダは回転を続けます。

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  • グラインダを上昇させるには、レバーを手前に引きます (図 13)。

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  • グラインダを下降させるには、レバーを前方に押します (図 14)。

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  • グラインダを右または左に旋回させるには、レバーを希望する方向に動かします(図 15)。

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昇降速度コントロール

グラインダのヘッドが昇降するときの速度は、コントロールパネル右側の昇降速度コントロールで調整することができます (図 16)。ダイヤルを左に回すほど昇降速度が速くなり、右へ回すほど遅くなります。

もしも、グラインダヘッドを上昇させた状態でマシンを停止させなければならない場合には、コントロールダイヤルを右一杯に回してグラインダヘッドをロックしてください。

注意

これを怠って、コントロールダイヤルを右一杯に回さずにグラインダヘッドを上昇位置に放置すると、グラインダヘッドが落下して人身事故を起こす恐れがあります。

基本的に、エンジンを停止させる前には必ずグラインダを地表面まで降下させてください。グラインダヘッドを上昇位置に保持しておく必要がある場合には、必ず、コントロールダイヤルを右一杯に回してください。

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Note: 仕様および設計は予告なく変更される場合があります。

86cm
長さ241cm
高さ130cm
重量794 kg

アタッチメントとアクセサリ

トロが認定した各種のアタッチメントやアクセサリがそろっており、マシンの機能をさらに広げることができます。詳細は弊社の正規サービスディーラ、または代理店へお問い合わせください;弊社のウェブサイト www.Toro.com でもすべての認定アタッチメントとアクセサリをご覧になることができます。

いつも最高の性能と安全性を維持するために、必ずToroの純正部品をご使用ください。他社の部品やアクセサリを御使用になると危険な場合があり、製品保証を受けられなくなる場合がありますのでおやめください。

運転操作

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

Important: 運転前に、油圧オイルの量を確認し、機体の汚れを落としてください。作業エリアに人がいないこと、障害物がないことを確認してください。埋設管などがある場合は、すべてその位置にマーキングをしておいてください。

燃料を補給する

危険

燃料は非常に引火・爆発しやすい物質である。発火したり爆発したりすると、やけどや火災などを引き起こす。

  • 燃料補給は必ず屋外の開けた場所で、エンジンが冷えた状態で行う。こぼれた燃料はふき取る。

  • 箱型トレーラに本機を搭載した状態では、絶対に本機への燃料補給をしてはならない。

  • 燃料取り扱い中は禁煙を厳守し、火花や炎を絶対に近づけない。

  • 燃料は安全で汚れのない認可された容器に入れ、子供の手の届かない場所で保管する。30 日分以上の買い置きは避ける。

  • 運転時には必ず適切な排気システムを取り付け正常な状態で使用すること。

危険

燃料を補給中、静電気による火花が燃料に引火する危険がある。発火したり爆発したりすると、やけどや火災などを引き起こす。

  • 燃料容器は車から十分に離し、地面に直接置いて給油する。

  • 車に乗せたままの容器に燃料を補給しない。車両のカーペットやプラスチック製の床材などが絶縁体となって静電気の逃げ場がなくなるので危険である。

  • 可能であれば、機械を地面に降ろし、車輪を地面に接触させた状態で給油を行う。

  • 機械を車に搭載したままで給油を行わなければいけない場合には、大型タンクのノズルからでなく小型の容器から給油する。

  • 大型タンクのノズルから直接給油しなければならない場合には、ノズルを燃料タンクの口に常時接触させた状態で給油を行う。

警告

燃料を飲み込むと非常に危険で生命に関わる。また、気化した燃料に長期間ふれると身体に重篤な症状や疾病を引き起こす。

  • 燃料ガスを長時間吸い込むのは避けること。

  • ノズルや燃料タンクの注入口に顔を近づけないこと。

  • 目や皮膚に燃料が付着しないようにすること。

使用推奨燃料

  • 機械の性能を最も良く発揮させるために、オクタン価87以上の、きれいで新しい(購入後30日以内)無鉛ガソリンを使ってください(オクタン価評価法は(R+M)/2 を採用)。

  • エタノール: エタノールを添加(10% まで)したガソリン、MTBE(メチル第3ブチルエーテル)添加ガソリン(15% まで)を使用することが可能です。エタノールとMTBEとは別々の物質です。エタノール添加ガソリン(15% 添加=E15)は使用できません。エタノール含有率が 10% を超えるガソリンは絶対に使用してはなりません:たとえば E15(含有率 15%)、E20(含有率 20%)、E85(含有率 85%がこれにあたります。これらの燃料を使用した場合には性能が十分に発揮されず、エンジンに損傷が発生する恐れがあり、仮にそのようなトラブルが発生しても製品保証の対象とはなりません。

  • メタノールを含有するガソリンは使用できません

  • 燃料タンクや保管容器でガソリンを冬越しさせないでください。 冬越しさせる場合には必ずスタビライザ(品質安定剤)を添加してください。

  • ガソリンにオイルを混合しないでください

スタビライザー/コンディショナー

添加剤としてスタビライザー/コンディショナーを使用してください。この添加剤には以下のような働きがあります:

  • スタビライザメーカーの指示通りに使用することによって燃料の鮮度を一定期間保持することができる。

  • 運転中のエンジンのクリーニングを行う。

  • ゴム状やニス状の物質の発生を抑え、エンジンの始動をスムーズにする。

    Important: エタノール、メタノールを含んだ添加剤は絶対に使用しないでください。

    燃料に対して適量のスタビライザー/コンディショナーを添加してください。

    Note: 燃料スタビライザー/コンディショナーは燃料が新しいうちに添加するのが一番効果的です。燃料系にワニス状の付着物が発生するのを防ぐため、燃料スタビライザーは必ず使用してください。

燃料を補給する

  1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキ(搭載機種では)を掛け、油圧昇降装置を下げる。

  2. エンジンを止め、キーを抜き取り、エンジンが冷えるまで待つ。

  3. 燃料キャップの周囲をきれいに拭いてキャップを外す(図 17)。

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  4. 燃料タンクの首の根元から 6-13 mm 程度下まで給油する。

    Important: これは、温度が上昇して燃料は膨張したときにあふれないように空間を確保するためである。燃料タンク一杯に入れないこと。

  5. 燃料タンクのキャップをしっかりとはめる。

  6. こぼれた燃料はふき取ってください。

毎日の整備作業を実施する

毎日の運転前に、に記載されている「使用ごと/毎日の点検整備」を行ってください。

エンジンの始動手順

  1. スロットルレバーを 低速と高速の中間位置にセットする(図 18)。

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  2. キーを ON 位置に回す (図 18)。エンジンが始動したら、キーから手を離してください。

    Important: スタータは 1 度に 10 秒間以上連続で使用しないでください。5 秒以内にエンジンが始動しなかった場合は、30 秒間待ってからもう一度始動を試みてください。この手順を守らないとスタータモータを焼損する恐れがあります。

  3. スロットルレバーを希望位置にセットする (図 18)。

    Important: 油圧システムが冷たい間にエンジンを高速で運転すると(外気温が0℃付近またはそれ以下)、油圧システムが損傷を受けることがあります。低温時には、スロットルを中間位置のまま2-5分エンジンを回してからスロットルを高速(ウサギ)位置にしてください。それ以外の温度の時には、フルスロットルで運転するのがマシンの性能を最もよく引き出し、エンジンの冷却効果を高めることになります。

    Note: 外気温が氷点下の場合は機械をガレージに保管しておくと機械の温度が下がりすぎず、始動がスムーズに行えます。

マシンを運転する

走行コントロールでマシンの走行を制御します。どの場合も、レバーを遠くへ押す(引く)ほどその方向への走行速度が上がります。走行コントロールから手を離すと走行を停止します。

注意

後方の安全の確認せずにバックして、万一子供などを引いてしまうと悲惨な人身事故となり、場合によっては死亡事故となる。

後退時は、必ず後ろの安全を確認し、手を基準バーに置くこと。

エンジンの速度(1分間の回転数)はスロットルコントロールによって制御されています。スロットルレバー高速位置にすると最も良い性能が得られます。低速で運転する場合には、フルスロットル以外のスロットル設定で使用できます。

エンジンの停止手順

  1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキ(搭載機種では)を掛け、油圧昇降装置を下げる。

  2. スロットルレバーを 低速位置に動かす(図 18)。

  3. 負荷の大きい作業の直後など、エンジンが高温になっている場合には、1分間程度のアイドリングを行ってからキーをOFF位置にしてください。

    Note: エンジンが徐々に冷えるので機械のために良い効果があります。緊急時には、即座にエンジンを停止して構いません。

  4. キーを OFF 位置にして抜き取る。

    注意

    始動キーをつけたままにしておくと、誰でもいつでもエンジンを始動させることができ、危険である。

    たとえ数秒でも機械から離れる場合は、必ず始動スイッチからキーを抜き取ること。

故障したマシンを移動するには

Important: 油圧システムの損傷を防ぐため、トラクションユニットを牽引したり手押しで移動するときは、必ず牽引バルブを開けてください。

  1. 駐車ブレーキを掛け、油圧装置を下降させる。

  2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

  3. 下のシールドを外す。

  4. レンチを使って、油圧ポンプについている牽引バルブを左に 2 回転させる (図 19)。

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  5. 下部シールドを取り付け、マシンを牽引する。

  6. マシンの修理が終わったら、運転前に牽引バルブを閉じる。

切り株の切削作業

危険

この機械は手足を切断する能力がある。

  • 機械が動作中は、運転位置を離れないこと。可動部に近づかないこと。

  • 周囲の人全部を十分に遠ざけてください。

  • 人や動物が近づいてきたら直ちに機械を停止すること。

警告

切り株の切削中は、切削片、土などが飛んでくる。これらに当たるとけがをしたり物を壊したりする恐れがある。

  • グラインダの運転に際しては必ず保護めがねを使用すること。

  • 周囲の人全部をグラインダから十分に遠ざけること。

警告

切削作業中はグラインダから大きな音が発生し、聴覚を損なう恐れがある。

グラインダの運転に際しては必ず聴覚保護具を使用すること。

  1. エンジンを始動し、グラインダを上昇させ、スロットルレバーを高速位置に動かし、マシンを切り株の正面に移動させる。

  2. グラインダ制御レバーと走行コントロールを使って、グラインダを切り株の表面から 2.5 cm 程度低い高さに位置決めする(図 20)。

  3. グラインダを始動し、グラインダの速度が最高になるまで待つ。

  4. グラインダ制御レバーを使って、グラインダで切り株の表面をゆっくりと掃くように移動させて切削を開始する (図 20)。

    Important: グラインダが切り株に接触すると自動的に切削に適した速度まで下がって切り株を削り始めます。

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  5. グラインダの高さを約 2.5cm 下げて、掃きもどすようにして切り株を更に切削する。

  6. ステップ 4と5 を繰り返して地表面と同じ高さまで切削する。

  7. グラインダを上昇させて、残っている切り株の表面から数センチメートル低い高さに位置決めし、マシンを少し前進させ、ステップ 4 - 6 を繰り返して切り株全体を完全に切削除去する。

  8. 地表に露出している太い根を切削する必要があるときには、太い根それぞれの上にマシンを移動し、走行コントロールとグラインダコントロールを使って根に沿って切削を進める。

  9. Note:

マシンを搬送する場合の固定方法

Important: 公道を走行しないでください。

  1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキ(搭載機種では)を掛け、油圧昇降装置を下げる。

  2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

  3. マシンの前後にあるロープ掛けポイントを利用して、ロープやチェーンなど適切なものでトレーラに機体を固定する (図 21 と 図 22)。ロープ掛けや積荷固定についてはそれぞれの地域の法令などを順守してください。

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マシンを持ち上げる

ロープ掛けポイントを吊り上げポイントとして利用することができます (図 21 と 図 22)。

ヒント

  • 機体を損傷させないよう、使用前に作業場所からごみや岩などを取り除いてください。

  • 切削中、エンジンは常に最高速度(フルスロットル)で運転してください。

  • 切り株の手前側のエッジ部分を切削するようにするのが効率的です。切削が進んでホイールの直径の ¼ に近くなったら、グラインダを下げて再びエッジ部分から削り始めるようにします。

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  • ホイールの回転速度が落ちないように、エンジンの音に注意し、グラインダホイールを良く見ながら切削します。切削しにくくなってきたら、ヘッドを少し浮かせて、ゆっくり往復させるようにしましょう。

  • 左から右へ切削している時は、削りかすの大部分はホイールの左側へ飛びます。右から左へ切削している時は、大部分がホイールの右側へ飛びます。

  • ターフへのダメージを減らすために側面から切削しても構いません。

保守

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

推奨される定期整備作業

整備間隔整備手順
使用開始後最初の 50 時間
  • クローラの張りを点検調整する。
  • 使用するごとまたは毎日
  • マシンのグリスアップを行ってください。(洗浄後は毎回すぐに行う。)
  • エンジンオイルの量を点検する。
  • クローラを洗浄し状態を点検する。
  • エンジンのスクリーンを清掃する。
  • 刃の状態を点検し、破損や摩耗しているものは全て交換(または裏返して取り付け)し、全部の刃のナットをトルク締めする。
  • ボルトナット類にゆるみがないか点検する。
  • 使用後毎回
  • マシンの外側を清掃する。
  • 25運転時間ごと
  • バッテリー液の量を点検する。
  • 油圧オイルの量を点検する。
  • 100運転時間ごと
  • エンジンオイルとオイルフィルタを交換する(ほこりのひどい場所で使用する場合は、より頻繁に手入れを行う)。
  • クローラの張りを点検調整する。
  • 油圧ラインに、オイル漏れ、フィッティングのゆるみ、ねじれ、支持部のゆるみ、磨耗や腐食などがないか点検し、必要に応じて整備・修理する。
  • 150運転時間ごと
  • 一次フィルタを点検する。
  • 低圧燃料フィルタを交換する(ほこりの多い環境で使用するときは整備間隔を短くする)
  • 200運転時間ごと
  • エンジンオイルフィルタの交換を行う。
  • 油圧フィルタを交換する。
  • 250運転時間ごと
  • ロードホイールを点検しグリスアップする。
  • 300運転時間ごと
  • 一次エアフィルタを交換する(砂やほこりの多い環境では整備間隔を短くする)。
  • インナーエアフィルタを点検する。
  • 400運転時間ごと
  • 油圧オイルを交換する。
  • 500運転時間ごと
  • 点火プラグを交換し電極間の調整を行う。
  • 600運転時間ごと
  • インナーエアフィルタを交換する。
  • 1500運転時間ごと
  • 全部の可動部油圧ホースを交換する。
  • 1年ごとまたは長期保管前
  • クローラの張りを点検調整する。
  • 塗装傷のタッチアップを行う。.
  • Important: エンジンの整備に関しての詳細は、付属のエンジンマニュアルを参照のこと。

    注意

    始動キーをつけたままにしておくと、誰でもいつでもエンジンを始動させることができ、危険である。

    整備・調整作業の前には必ず始動スイッチからキーを抜きとり、点火プラグ装着車の場合は、念のために点火プラグのコードを外しておくこと。点火コードが絶対に点火プラグと触れることのないよう、確実に隔離すること。

    整備前に行う作業

    Important: カバーについているボルトナット類は、カバーを外しても、カバーから外れません。全部のボルト類を数回転ずつゆるめてカバーが外れかけた状態にし、それから、全部のボルト類を完全にゆるめてカバーを外すようにしてください。このようにすれば、誤ってリテーナからボルトを外してしまうことがありません。

    前カバーの取り外し

    Important: カバーについているボルトナット類は、カバーを外しても、カバーから外れません。全部のボルト類を数回転ずつゆるめてカバーが外れかけた状態にし、それから、全部のボルト類を完全にゆるめてカバーを外すようにしてください。このようにすれば、誤ってリテーナからボルトを外してしまうことがありません。

    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取り、エンジンが冷えるまで待つ。

      警告

      マシンの運転終了直後は、カバーやその下にあるマフラーが高温になっており、触れると大やけどをする危険がある。

      エンジン停止後に機体が十分に冷えてからカバーを取り外すようにすること。

    3. 前カバーを機体に固定しているボルト 2 本をゆるめる(図 24)。

      g021242
    4. カバーを前方に少しずらし、そこから持ち上げて機体から取り外す (図 24)。

    5. 前カバーを取り付ける時はセットし、先ほど取り外したボルト 2 本で機体に固定する (図 24)。

    1. 前カバーを取り外す;前カバーの取り外しを参照。

    2. g250400

    下部シールドの取り外し

    Important: カバーについているボルトナット類は、カバーを外しても、カバーから外れません。全部のボルト類を数回転ずつゆるめてカバーが外れかけた状態にし、それから、全部のボルト類を完全にゆるめてカバーを外すようにしてください。このようにすれば、誤ってリテーナからボルトを外してしまうことがありません。

    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキ(搭載機種では)を掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. 下部シールドを機体に固定しているボルト(2本)を交互にゆるめてシールドを外す(図 26)。

      g019847
    4. シールドを引き離すようにして機体から外す。

    5. 運転する時は必ずシールドを取り付ける。下側シールドを 4 ヶ所のタブにセットし、外す時にゆるめたボルト(2本)で固定する(図 26)。

      Note: 下部シールドを少し持ち上げて、4個のタブ全部に載っていることを確認してください。

    潤滑

    グリスアップを行う

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • マシンのグリスアップを行ってください。(洗浄後は毎回すぐに行う。)
  • グリスの種類:汎用グリス

    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. グリスニップルをウェスできれいに拭く。

    4. ニップルにグリスガンを接続する(図 27-図 29)。

    5. グリスがはみ出てくるまで注入する(約3回のポンプ動作)。

    6. はみ出したグリスはふき取る。

    g019848
    g025622
    g020519

    エンジンの整備

    エアクリーナの整備

    整備間隔整備手順
    150運転時間ごと
  • 一次フィルタを点検する。
  • 300運転時間ごと
  • 一次エアフィルタを交換する(砂やほこりの多い環境では整備間隔を短くする)。
  • インナーエアフィルタを点検する。
  • 600運転時間ごと
  • インナーエアフィルタを交換する。
  • エアフィルタの取り外し

    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキ(搭載機種では)を掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. エアクリーナのラッチを外し、ボディーからカバーを抜き出す(図 30)。

      g001883
    4. カバーの内部を圧縮空気できれいに清掃する。

    5. 1次フィルタをゆっくり引き抜くようにしてエアクリーナのボディーから外す(図 30)。

      Note: ボディの側面にフィルタをぶつけないように注意すること。

    6. 安全フィルタは、交換するとき以外は外さない。

      Important: 安全フィルタは清掃しないでください。安全フィルタが汚れている場合には、1次フィルタが破損しています。その場合には両方のフィルタを交換してください。

    一次エアフィルタの整備

    フィルタの外側から照明を当てて1次フィルタの内側を点検し、傷などがないか確認する。

    Note: フィルタに穴があいているとその部分が明るく見えます。フィルタが汚れている、曲がっている、または破損している場合には交換する。1次フィルタは清掃しないこと。

    安全フィルタの整備

    この安全フィルタは再利用せず、定期的に交換してください。

    Important: 安全フィルタは清掃しないでください。安全フィルタが汚れている場合には、1次フィルタが破損しています。その場合には両方のフィルタを交換してください。

    フィルタの取り付け

    Important: エンジンを保護するため、必ず両方のエアフィルタを取り付け、カバーをつけて運転してください。

    1. 新しいフィルタの場合は、出荷中の破損などの傷がついていないか点検する。

      Note: 破損しているフィルタを使用しないこと。

    2. 安全フィルタを交換する場合には、十分に注意しながら、フィルタのボディに挿入する(図 30)。

    3. 1次フィルタをゆっくり押し込むようにして安全フィルタの上から取り付ける(図 30)。

      Note: 1次フィルタの外側リムをしっかり押さえて確実に装着してください。

      Important: フィルタの真ん中(柔らかい部分)を持たない。

    4. 上下方向を確認し、Upと書いてある方を上に向けてエアクリーナカバーを正しく取り付け、ラッチを掛ける(図 30)。

    エンジンオイルについて

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • エンジンオイルの量を点検する。
  • 100運転時間ごと
  • エンジンオイルとオイルフィルタを交換する(ほこりのひどい場所で使用する場合は、より頻繁に手入れを行う)。
  • 200運転時間ごと
  • エンジンオイルフィルタの交換を行う。
  • エンジンオイルの仕様

    オイルのタイプ: 洗浄性オイル(API 規格 SJ またはそれ以上)

    オイルの量: 1.9 リットル(フィルタ交換時)

    粘度: 下の表を参照してください。

    g024123

    Note: 酷寒地 (-23ºC以下) では、合成オイルをご使用いただくとエンジンの始動性が改善されます。

    エンジンオイルの量を点検する

    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキ(搭載機種では)を掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    g247313g194611

    エンジンオイルの交換

    Note: 廃油はリサイクルセンターに持ち込むなど適切な方法で処分してください。

    1. エンジンを始動し、5 分間程度運転する。

      Note: オイルが温まって排出しやすくなります。

    2. オイルが完全に抜けるように、機体の後部側が前部側よりもやや低くなるように駐車する。

    3. 駐車ブレーキを掛け、油圧装置を下降させる。

    4. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    5. ドレンホースの下に廃油受けを置く。ドレンバルブを回して開き、オイルを排出する(図 33 と 図 34)。

      g024911
      g024912
    6. オイルが完全に抜けたらドレンプラグを閉じる。

    7. 廃油はリサイクルセンターに持ち込むなど適切な方法で処分してください。

    8. 所定量の 80% 程度のオイルをゆっくり入れ、そこから、残りの量を注意深く足してFULLマークまで入れる(図 35)。

      g194610
    9. エンジンを始動し、平らな場所へ移動する。その後、オイルの量をもう一度点検する。

    エンジンオイルフィルタの交換

    1. エンジンからオイルを抜く;エンジンオイルの交換を参照。

    2. エンジンオイルフィルタを交換する(図 36)。

      g247314g247326

      Note: フィルタのガスケットがエンジンに当たるまで締め付け、そこからさらに 3/4 回転締め付ける。

    3. 適切な種類の新しいオイルをエンジンに入れる;エンジンオイルの仕様を参照。

    点火プラグの整備

    整備間隔整備手順
    500運転時間ごと
  • 点火プラグを交換し電極間の調整を行う。
  • 電極間のエアギャップを正しく調整しておいてください。取り付け、取り外しには必ず専用のレンチを使い、エア・ギャップの点検調整にはすきまゲージやギャップ調整工具などを使ってください。必要に応じて新しい点火プラグと交換してください。

    タイプ : Champion® XC10YC または同等品

    エアギャップ:0.76 mm

    点火プラグの取り外し

    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキ(搭載機種では)を掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. 37のように、点火プラグを取り外す。

      g247337g027478

    点火プラグの点検

    Important: 点火プラグは清掃しないでください。黒い汚れ、電極の磨耗、油膜、亀裂などがあれば新しいものと交換してください。

    絶縁体部がうす茶色や灰色なら適正、碍子が黒くなっているのは不完全燃焼である(エアクリーナの汚れが原因であることが多い)。

    すきまを 0.75 mm に調整する。

    g206628

    点火プラグの取り付け(s)

    g028109

    燃料系統の整備

    燃料タンクの内部清掃

    危険

    燃料は非常に引火・爆発しやすい物質である。発火したり爆発したりすると、やけどや火災などを引き起こす。

    燃料に関する注意事項の説明は燃料についての安全事項 を参照してください。

    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. ボトムシールドを外して燃料バルブへのアクセスを確保する; 下部シールドの取り外しを参照。

      Note: 燃料バルブは、バッテリーの後ろからフレームを抜ける形でアクセスすることも可能です (図 40)。

      g025624
    4. 燃料バルブを閉じる(図 41)。

      g025625
    5. 燃料バルブについているホースのエンジン側のホースクランプをゆるめて、バルブから離れた位置に移動させる(図 41)。

    6. 燃料ラインをバルブから抜き取る(図 41)。

    7. 燃料バルブを開き、排出される燃料を適切な容器に受ける。

      Note: 必要に応じて燃料フィルタを交換する;油圧フィルタの交換を参照。

    8. 燃料バルブに燃料ホースをつなぐ。ホースクランプを燃料フィルタの位置までずらして燃料ラインを固定する。

    9. 下部シールドを取り付ける; 下部シールドの取り外しを参照。

    10. こぼれた燃料はふき取ってください。

    低圧燃料フィルタの交換

    整備間隔整備手順
    150運転時間ごと
  • 低圧燃料フィルタを交換する(ほこりの多い環境で使用するときは整備間隔を短くする)
  • 汚れているフィルタを再取り付けするのは絶対にやめてください。

    Note: フィルタの取り付け方をよく観察してからフィルタを取り外す。

    Note: こぼれた燃料はふき取ってください。

    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. 燃料バルブを閉じる。

    4. 古いフィルタのクランプをゆるめて脇に寄せる(図 42)。

      g008963
    5. ホースからフィルタを抜き取る。

    6. 新しいフィルタをホースに取り付け、クランプで固定する。

    7. 燃料バルブを開く。

    8. 燃料タンクを点検し、必要に応じて修理する。

    9. こぼれた燃料はふき取ってください。

    高圧燃料フィルタの整備

    高圧燃料フィルタは整備しないでください。高圧燃料フィルタは燃料ポンプモジュールと一体化されています。高圧燃料フィルタを始め、燃料ポンプモジュール内の機器は整備できません。

    Important: 燃料ポンプモジュールは分解しないでください。

    燃料ポンプモジュールの交換は弊社サービスティーラにお任せください。

    電気系統の整備

    バッテリーの整備

    整備間隔整備手順
    25運転時間ごと
  • バッテリー液の量を点検する。
  • バッテリーの表面はいつもきれいに、常にフル充電状態にしておきましょう。バッテリーやバッテリーボックスの清掃にはペーパータオルが便利です。端子部に腐食が発生した場合には、重曹水(水4:重曹1)で清掃します。きれいになった端子には、錆びないようにグリスを塗っておきます。

    電圧:12 V、CCA 350 A (-18 °C)。

    警告

    バッテリーケーブルの接続手順が不適切であるとケーブルがショートを起こして火花が発生する。それによって水素ガスが爆発を起こし人身事故に至る恐れがある。

    • ケーブルを取り外す時は、必ずマイナス(黒)ケーブルから取り外し、次にプラス(赤)ケーブルを外す。

    • ケーブルを取り付ける時は、必ずプラス(赤)ケーブルから取り付け、それからマイナス(黒)ケーブルを取り付ける。

    警告

    バッテリーの端子に金属製品や車体の金属部分が触れるとショートを起こして火花が発生する。それによって水素ガスが爆発を起こし人身事故に至る恐れがある。

    • バッテリーの取り外しや取り付けを行うときには、端子と金属部を接触させないように注意する。

    • バッテリーの端子と金属部を接触させない。

    バッテリーの取り外し

    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. マイナスケーブルのゴムカバー(黒)を外す。バッテリーのマイナス (-) 端子から、マイナスケーブルを外す (図 43)。

      g020521
    4. プラス端子(赤色)から赤いゴムカバーを外す。赤いプラス(+)ケーブルを取り外す(図 43)。

    5. バッテリーを固定している押さえ板、Jボルト、ロックナットを外してバッテリーを外す (図 43)。

    バッテリーを充電する

    警告

    充電中は爆発性のガスが発生する。

    充電中は絶対禁煙を厳守。バッテリーに火気を近づけない。

    Important: バッテリーはいつもフル充電状態にしておきましょう(液の比重が1.265になる)。特に氷点下で保管する場合にはこのことを守ってください。

    1. 車体からバッテリーを取り外す;バッテリーの取り外しを参照。

    2. 3-4 Aで 4-8 時間充電する(図 44)。充電しすぎないように注意すること。

      g003792
    3. 充電が終わったら、チャージャのプラグをコンセントから抜いてから、チャージャのリード線をバッテリー端子から外す()図 44

    バッテリーの清掃

    Note: 端子や周囲が汚れていると自然放電しますので、バッテリーが汚れないようにしてください。

    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. 機体からバッテリーを外す:バッテリーの取り外し

    4. 重曹と水でケース全体を洗う。

    5. 真水でケースを仕上げ洗いする。

    6. 腐食防止のために両方の端子部にワセリン(Grafo 112X: P/N 505-47)を薄く塗る。

    7. バッテリーを取り付ける; バッテリーを取り付けるを参照。

    バッテリーを取り付ける

    1. 先ほど取り外したねじ類を再使用して、プラスケーブル(赤いケーブル)をバッテリーのプラス(+)端子に取り付ける(図 44)。

    2. プラス(+)端子に赤いゴムカバーを取り付ける。

    3. 先ほど取り外したねじ類を再使用して、マイナスケーブル(黒いケーブル)をバッテリーのマイナス(-)端子に取り付ける(図 44)。

    4. 押さえ棒と蝶ナットでバッテリーを固定する(図 44)。

    Important: 鋭利な端部などにバッテリーのケーブルを当てないよう、またケーブル同士を接触させないよう、注意してください。

    後付けしたバッテリーの整備

    本機にもともと搭載されているバッテリーはメンテナンスフリータイプです。別のバッテリーに交換した場合は、そのバッテリーのメーカーの指示に従って整備してください。

    ヒューズの交換

    全部で4本のヒューズを使用しています。ヒューズはコントロールパネルの左下にあります(図 45)。

    始動回路30 A
    不使用5 A
    冷却ファン回路20 A
    ヘッドライト(オプション)15 A
    g019854

    走行系統の整備

    クローラの整備

    クローラの洗浄

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • クローラを洗浄し状態を点検する。
  • クローラの状態を定期的に点検してください。摩耗が進んだクローラは交換してください。

    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. 圧力洗浄機または水道水(ホース)で左右のクローラ部分を洗浄する。

    Important: 高圧洗浄器は、クローラ(キャタピラ)部分の清掃にのみ使用してください。他の部分の洗浄には高圧洗浄器を使用しないでください。圧力洗浄器を使うと、電気系統や油圧バルブに水が浸入し、トラブルの原因となります。

    Important: 走行ホイールと駆動ホイールも完全に洗浄してください (図 46)。洗浄されているロードホイールは自由に回転します。

    g019855

    クローラの張りの点検と調整

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 50 時間
  • クローラの張りを点検調整する。
  • 100運転時間ごと
  • クローラの張りを点検調整する。
  • クローラの長さ方向の中央部分(ロードホイールと駆動ホイールの中間部分)を 20.4 kg ほどの力で押してクローラのたわみを点検します。たわみが 6 mm-10 mm 程度であれば適正です。たわみが適正範囲にない場合には、以下の調整を行います。

    g019856
    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. クローラのテンションボルトとテンションアームのクランプボルトのジャムナットをゆるめる(図 48)。

      g019857
    4. テンションボルトを 32.5-40 N·m(3.3-4.2 kg.m = 24-30 ft-lb)にトルク締めする (図 48)。

    5. クローラのスパンの中央部を 20.4 kg 程度の力で押したときのたわみが 6 mm-10 mm 程度であることを確認する。必要に応じてテンションボルトのトルクを調整する。

    6. ジャムナットを締める。

    7. クランプボルトを 102 N·m(10.4 kg.m = 75 ft-lb)にトルク締めする。

    クローラの交換

    摩耗が進んだクローラは交換してください。

    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. 交換したい側を持ち上げてクローラを床から 7.6-10 cm 程度浮かせ、この状態で支持する。

    4. テンションボルトとジャムナットをゆるめる(図 48)。

    5. テンショニングホイールを機体後方に向けて押して一杯まで移動させる(図 49)。

      g019858
    6. クローラを外す;テンショニングホイールの上から始めて、クローラを前進方向に回転させながら、皮をむく要領で取り外す。

    7. テンショニングホイールから外れたら、機体から取り出す(図 49)。

    8. 駆動ホイールからスタートして、新しいクローラをホイールに巻きつけるようにして取り付ける;クローラについている爪がホイールの溝にはまるように取り付けること(図 46)。

    9. 後ロードホイールと中央ロードホイールの下と間にクローラを押し込むようにして取り付ける(図 46)。

    10. テンショニングホイールの下側からスタートして、クローラを後退方向に回転させながらテンショニングホイールに取り付ける。

    11. テンションボルトとナットを取り付ける。

    12. テンションボルトを 32.5-40 N·m(3.3-4.2 kg.m = 24-30 ft-lb)にトルク締めしてクローラを締める。

    13. クローラのスパンの中央部を 20.4 kg 程度の力で押したときのたわみが 6 mm-10 mm 程度であることを確認する。必要に応じてテンションボルトのトルクを調整する。

    14. ジャムナットを締める。

    15. 機体を床面に降ろす。

    16. もう一方のクローラも同じ要領で取り付ける。

    ロードホイールの点検とグリスアップ

    整備間隔整備手順
    250運転時間ごと
  • ロードホイールを点検しグリスアップする。
    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. クローラを外す; クローラの交換を参照。

    4. 各下クローラガイド(ロードホイールを囲っている)を固定しているボルト(各4)を外してガイドを取り外す(図 50)。

      g019931
    5. ロードホイールについているスナップリングとキャップを外す(図 51)。

      g019932
    6. キャップ外した部分とガスケット周囲のグリスの状態を見る (図 51)。グリスが劣化しているようであれば、完全にふき取り、ガスケットを交換して新しいグリスを入れる。

    7. ロードホイールのベアリングにガタがなく、ホイールが滑らかに回転することを確認する。万一ベアリングが固着している場合は、弊社の正規サービスディーラに依頼してロードホイールを交換する。

    8. グリスを入れたキャップをボルトの頭に取り付ける (図 51)。

    9. キャップをスナップリングで固定する (図 51)。

    10. すべてのホイールに対して、ステップ5-9の作業を行う。

    11. 先ほど取り外したボルト類を使って、各クローラガイドを機体に取り付ける。ボルトを91-112N·m(3.7-4.6kg.m = 67~83 ft-lb)にトルク締めする。

    12. クローラを取り付ける; クローラの交換を参照。

    冷却系統の整備

    エンジンスクリーンの清掃

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • エンジンのスクリーンを清掃する。
  • 毎回、運転前に、エンジンスクリーンやその付近に刈りかすやごみがたまっていたら取り除いてください。これにより、十分な冷却効果と適正なエンジン回転数が確保でき、エンジンのオーバーヒートや損傷の発生を抑えることができます。

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    ベルトの整備

    ポンプ駆動ベルトの交換

    ベルトから音が出る、ベルトが割れている、ひどく磨耗しているなどの場合は交換してください。交換用のベルトは弊社代理店でお求めください。

    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. 機体の後部を持ち上げてジャッキスタンドで支える。

    4. 下部シールドを取り外す; 下部シールドの取り外しを参照。

    5. ポンプ駆動カップラについている固定ねじをゆるめる (図 53)。

      g019859
    6. カップラを下げてプーリから遠ざける。

    7. スプリングプラー (特殊工具;代理店でお求めください) または頑丈な金属製のフックを使って、アイドラプーリのスプリングをボルトから引き離し、ベルトのテンションをゆるめる。

    8. ベルトを取り外す。

    9. プーリに新しいベルトを取り付ける。

    10. アイドラプーリスプリングをボルトに取り付ける。

    11. カップラを上に移動させてプーリにつなぐ。

    12. カップラの固定ねじにロッキングコンパウンドを塗り、10-12.6 Nm (1.0-1.3 kg.m = 90-110 in-lb) にトルク締めする。

    13. 下部シールドを取り付ける。

    制御系統の整備

    走行コントロールの整列調整

    コントロール類は工場で調整済みですが、長期間にわたって使用しているうちにレバー類の整列、ニュートラル位置、全速前進時の直進状態などの調整が必要になることが考えられます。

    Important: これらの調整を適切に行うには、以下の順序を守ってそれぞれを調整してください。

    走行コントロールの後退位置の調整

    全速後退位置にセットした走行コントロールバーが基準バーに対して適切に整列しなくなっていることを発見した場合には、直ちに以下の調整を行ってください。

    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキ(搭載機種では)を掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. 走行コントロールを手前一杯に引いてコントロールの前部を基準バーに接触させる(図 54)。

      g004190
    4. 全速後退位置にセットした走行コントロールバーが基準バーに対して適切に整列していない場合は、走行コントロールのステム部にあるナットとボルトをゆるめる (図 55)。

      g004191
    5. 全速後退位置にセットした走行コントロールバーが基準バーに対して面一になるように調整する (図 55 と 図 56)。

      g004192
    6. 走行コントロールステムのフランジナットとボルトを締め付ける。

    7. エンジンを掛ける。

    8. 走行コントロールを後退位置にセットし、基準バーにしっかり押し付けるようにして走行させる。マシンがまっすぐに後退しない場合は、以下の調整を行う:

      1. エンジンを停止する

      2. 左右両方のクローラが自由に回転できるように機体を床から浮かせる。

      3. 走行コントロールのステムのフランジナットとボルトをゆるめる (図 55)。

      4. 走行ロッド (コントロールパネル下) のジャムナットをゆるめる (図 57)。

        g011476
      5. エンジンを始動し、スロットルレバーを高速側へ 1/3 程度の位置にセットする。

        警告

        エンジン回転中は、機械各部が動いており、これらに巻き込まれるとけがや火傷などを負う危険がある。

        調整作業中に機械各部への巻き込まれ、挟まれ、高温部への接触などを起こさないように十分注意すること。

      6. 一人の人間が、走行コントロールを後退位置にセットして基準バーにしっかり押し付けて保持する。

      7. 左右のクローラが同じ速さで回転するように走行ロッドの長さを調整する。

        Note: この調整は、後退時の最高速度の設定でもあります。

      8. ジャムナットを締めつける。

      9. 全速後退位置にセットした走行コントロールバーが基準バーに対して面一になるように調整する (図 55 と 図 56)。

      10. 走行コントロールステムのフランジナットとボルトを締め付ける。

      11. エンジンを止めて、機体を床に降ろす。

      12. 走行コントロールを全速後退位置にセットし、後退走行動作を確認する。直進しない場合には、どちら側にずれるかを確認する。まっすぐに後退できるようになるまで上記の調整を行う。

    走行コントロールの整列調整

    エンジンのウォームアップが終了していて走行コントロールがニュートラル位置にあるのにマシンがクリーピングする場合には、ポンプのニュートラル復帰機構の調整を行う必要があります;弊社代理店に連絡してください。

    走行コントロールの前進位置調整

    走行コントロールバーを全速前進位置にセットした時にマシンが直進しなくなっていることを発見した場合には、以下の調整を行ってください:

    1. 走行コントロールバーを全速前進位置にセットして実際にマシンを走行させ、どちら側にずれるかを確認する。

    2. 走行コントロールから手を離す。

    3. マシンが 左にずれていく場合には、走行コントロール前部にある走行固定ねじを固定している 右側の ジャムナットをゆるめて固定ねじの調整を行う (図 58)。

    4. マシンが右にずれていく場合には、走行コントロール前部にある走行固定ねじを固定している左側のジャムナットをゆるめて固定ねじの調整を行う (図 58)。

      g004194
    5. マシンが正しく直進するまで、調整を繰り返す。

      Important: 全速前進位置で、走行固定ねじがストップに当たっている(油圧ポンプを保護するため)ことを確認してください。

    油圧系統の整備

    警告

    高圧で噴出する作動油は皮膚を貫通し、身体に重大な損傷を引き起こす。万一、油圧オイルが体内に入った場合には、この種の労働災害に経験のある施設で数時間以内に外科手術を受けないと壊疽(えそ)を起こす。

    • 油圧のピンホールリークやノズルからは作動油が高圧で噴出しているので、絶対に手などを近づけない。

    • リークの点検には新聞紙やボール紙を使い、決して手で直接確かめない。

    油圧作動液の仕様

    整備間隔整備手順
    100運転時間ごと
  • 油圧ラインに、オイル漏れ、フィッティングのゆるみ、ねじれ、支持部のゆるみ、磨耗や腐食などがないか点検し、必要に応じて整備・修理する。
  • 1500運転時間ごと
  • 全部の可動部油圧ホースを交換する。
  • 油圧オイルタンクの容量:38 リットル

    オールシーズン用トロ・プレミアム油圧オイルをお使いください(製品の詳細についは弊社代理店におたずねください)。

    他に使用可能なオイル:トロのオイルが入手できない場合は、以下に挙げる特性、条件および産業規格をすべて満たす通常の石油系オイルを使用することができます。オイルの性能や規格がマシンに適合しているかどうかについては専門業者にご相談ください。注: 不適切なオイルの使用による損害については弊社は責任を持ちかねますので、品質の確かな製品をお使い下さる様お願いいたします。

    高粘度インデックス/低流動点アンチウェア油圧作動液, ISO VG 46
     物性:
      粘度, ASTM D445cSt @ 40°C 44-48cSt @ 100°C 7.9-9.1
      粘性インデックス ASTM D2270140 以上
      流動点, ASTM D97-37°C--45°C
      FZG, フェールステージ11 以上
      水分含有量(新しい液)500ppm (最大)
     産業規格:
      Vickers I-286-S, Vickers M-2950-S, Denison HF-0, Vickers 35 VQ 25 (Eaton ATS373-C)

    車両用に製造されている適切な油圧オイル(産業プラント用の油圧オイルではありません)。マルチウェイト・タイプの ZnDTP または ZDDP アンチウェア(磨耗防止剤)入りの製品(アッシュレスではありません)を使用してください。

    Important: 多くの油圧オイルはほとんど無色透明であり、そのためオイル洩れの発見が遅れがちです。油圧オイル用の着色剤(20 ml 瓶)をお使いいただくと便利です。1瓶で 15-22 リットルのオイルに使用できます。ご注文は弊社代理店へ(パーツ番号は P/N 44-2500です)。

    油圧オイルの量を点検する

    整備間隔整備手順
    25運転時間ごと
  • 油圧オイルの量を点検する。
  • 油圧オイルの種類については油圧作動液の仕様を参照のこと。

    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキ(搭載機種では)を掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. 機体の右側にある点検窓で確認する。窓からオイルが見えないようであればオイルを補給する。

      g019839
    4. カバープレートを取り外す; 前カバーの取り外しを参照。

    5. 油圧オイルタンクの注油口周辺とキャップをきれいに拭き、ソケットレンチで補給口からキャップとフィルタを外す (図 60)。

      g019840
    6. 油量が少なければ点検窓から確認できるようになるまで補給する。

    7. キャップとフィルタを取り付け、上部ボルトを21-25 N·m(2.3-2.8 kg.m = 200-240 in-lb)にトルク締めする。

    8. カバープレートを取り付ける; 前カバーの取り外しを参照。

    油圧フィルタの交換

    整備間隔整備手順
    200運転時間ごと
  • 油圧フィルタを交換する。
    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキ(搭載機種では)を掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. 上部カバーを取り外す。

    4. 古いフィルタを外して捨てる(図 61)。

      g019840
    5. 新しいフィルタを取り付け、キャップをして上部ボルトを21-25 N·m(2.3-2.8 kg.m = 200-240 in-lb)にトルク締めする (図 61)。

    6. こぼれたオイルを拭き取る。

    7. 上部カバーを取り付ける。

    油圧オイルの交換

    整備間隔整備手順
    400運転時間ごと
  • 油圧オイルを交換する。
    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. 機体が十分に冷えていることを確認する。

    4. 上部カバーを取り外す。

    5. 油圧オイルタンクのフィルタとキャップ(図 61)を取る。

    6. 油圧オイルタンクの下にオイルを受ける容器(38リットル以上)を置く。

    7. ドレンプラグを外して排出されるオイルを容器に回収する(図 62)。

      g019890
    8. オイルが完全に抜けたらドレンプラグを取り付けて締め付ける。

      Note: 廃油はリサイクルセンターに持ち込むなど適切な方法で処分する。

    9. 油圧オイルタンクに油圧オイルを入れる;油圧作動液の仕様 を参照。

    10. フィルタを取り付け、キャップをして上部ボルトを21-25 N·m(2.3-2.8 kg.m = 200-240 in-lb)にトルク締めする (図 61)。

    11. エンジンを始動し、数分間程度運転する。

    12. エンジンを停止する。

    13. 油圧オイルの量を点検し、必要に応じて補給する; 油圧オイルの量を点検するを参照。

    14. こぼれたオイルを拭き取る。

    15. 上部カバーを取り付ける。

    グラインダの保守

    刃の交換

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • 刃の状態を点検し、破損や摩耗しているものは全て交換(または裏返して取り付け)し、全部の刃のナットをトルク締めする。
  • 刃は非常に早く摩耗しますから定期的に点検してください(図 63)。

    g034325

    刃は 3 か所に印がついており、120度ずつ回転させて全部で 3 回使用することができます。刃を固定しているナットをゆるめると刃を回転させることができます (図 64)。刃を前に押し出して 1/3 回転させ、未使用の刃先を外に向けてください。ナットは 37-45 N·m (3.7-4.6 kg.m = 27-33 ft-lb) にトルク締めしてください。

    刃を交換するには、ナットを外して刃を取り出し、新しい刃を取り付け、スペーサとナットで固定してください (図 64)。ナットは 37-45 N·m (3.7-4.6 kg.m = 27-33 ft-lb) にトルク締めしてください。

    g019862

    洗浄

    マシンの外側の清掃

    整備間隔整備手順
    使用後毎回
  • マシンの外側を清掃する。
  • Important: スクリーンや冷却フィン詰まった状態、あるいは冷却シュラウドを外して運転するとオーバーヒートしてエンジンが損傷します。

    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキ(搭載機種では)を掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取り、エンジンが冷えるまで待つ。

    3. エアクリーナについた汚れはふき取る。

    4. Important: 汚れは、水で洗い流すよりもブロアで吹き飛ばすのが望ましい方法です。水で清掃する場合には、電気部品や油圧バルブをぬらさないように十分注意してください。高圧の水は使用しないでください。圧力洗浄器を使うと、電気系統や油圧バルブに水が浸入し、トラブルの原因となります。

      Note:

    5. オイルクーラを清掃する。

    保管

    1. 平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、油圧昇降装置を下げる。

    2. エンジンを止め、キーを抜き取る。

    3. 機体全体のよごれ落しを行い、特にエンジンなどにたまっているごみを取り除く。特にエンジンのシリンダヘッドや冷却フィン部分やブロアハウジングを丁寧に清掃する。

      Important: 機体は中性洗剤と水で洗うことができます。ただし高圧洗浄器は使用しないでください。また、コントロールパネルやエンジン、油圧ポンプ、モーターに大量の水をかけないようにしてください。

    4. エアクリーナの整備を行う;エアクリーナの整備を参照。

    5. 機体のグリスアップを行う;グリスアップを行うを参照。

    6. エンジンオイルを交換する;エンジンオイルの交換を参照。

    7. 点火プラグを外し、点検を行う;点火プラグの整備を参照。

    8. 保管期間が 30 日間以上に及ぶ場合には、以下の整備を行う:

      1. 燃料タンクの燃料に石油系スタビライザー/コンディショナーを添加する。混合手順は、スタビライザの説明書に従うこと。アルコール系のスタビライザ(エタノール系やメタノール系)は使用しないこと。

        Note: スタビライザは、新しい燃料に添加して常時使うのが最も効果的です。

      2. エンジンをかけて約5分間作動させ、コンディショナ入りのガソリンを各部に循環させる。

      3. エンジンを停止し、温度が下がるのを待ってサイホン式の手動ポンプなどで燃料を抜き取る。

      4. エンジンを再度始動して自然に停止するまで運転する。

      5. チョークをセットする。

      6. 始動できなくなるまでエンジンの始動・運転を続ける。

      7. 抜き取った燃料は地域の法律などに従って適切に処分する。適切なリサイクル処置を講ずる。

      Important: スタビライザ(品質安定剤)を添加した燃料であっても、スタビライザメーカーが推奨する保管期間を越えて保管しないでください。

    9. プラグを外し、プラグ取り付け穴からエンジンオイルをスプーン2杯程度入れ、

    10. 取り付け穴からオイルが吹いてきたら吸い取れるようにウェスを被せ、スタータまたはリコイルハンドルでエンジンをクランキングさせ、オイルをシリンダ内部に行き渡らせる。

    11. 点火プラグを取り付ける;ただし点火ケーブルは接続しないこと。

    12. バッテリーを充電する; バッテリーを充電するを参照。

    13. クローラの張りを点検調整する; クローラの張りの点検と調整を参照

    14. 各ボルト類の締め付けを確認する。破損個所はすべて修理する。

    15. 表面のキズや塗装のはがれているところには再塗装を行う(塗料は代理店にて入手可能)。

    16. 汚れていない乾燥した場所で保管する。始動キーは必ず抜き取って別途保管する。

    17. 機体にはカバーを掛けておく。

    故障探究

    ProblemPossible CauseCorrective Action
    スタータがクランキングしない。
    1. バッテリーが上がっている。
    2. 配線のゆるみ、腐食など。
    3. リレーまたはスイッチの破損。
    1. バッテリーを充電または交換する。
    2. 配線を点検修正する。
    3. 代理店に連絡する。
    エンジンが始動しない、始動しにくい、すぐ止まる.
    1. ガス欠。
    2. 燃料バルブが閉まっている。
    3. コントロールがニュートラル位置にない。
    4. エアクリーナが汚れている。
    5. 点火プラグのコードがゆるんでいる、または外れている。
    6. 点火プラグの割れ、ギャップの狂いなどがある。
    7. 燃料のなかに異物、水などが混入している。
    1. 燃料タンクに新しい燃料を入れる。
    2. 燃料バルブを開く。
    3. ニュートラル位置にする。
    4. エレメントを清掃または交換する。
    5. 点火プラグに点火ケーブルを取り付ける。
    6. 正しく調整された新しいものに交換する。
    7. 代理店に連絡する。
    エンジンのパワーが出ない。
    1. エンジンの負荷が大きすぎる。
    2. エアクリーナが汚れている。
    3. エンジンオイルの量が不足している。
    4. 冷却フィン付近およびエンジンのブロアハウジングの下付近が目詰まりしている。
    5. 点火プラグの割れ、ギャップの狂いなどがある。
    6. 燃料のなかに異物、水などが混入している。
    1. 走行速度を遅くする。
    2. エレメントを清掃または交換する。
    3. クランクケースにオイルを入れる。
    4. 清掃して空気の流れを良くする。
    5. 正しく調整された新しいものに交換する。
    6. 代理店に連絡する。
    エンジンがオーバーヒートしている。
    1. エンジンの負荷が大きすぎる。
    2. エンジンオイルの量が不足している。
    3. 冷却フィン付近およびエンジンのブロアハウジングの下付近が目詰まりしている。
    1. 走行速度を遅くする。
    2. クランクケースにオイルを入れる。
    3. 清掃して空気の流れを良くする。
    異常に振動する。
    1. エンジン固定ボルトがゆるい。
    1. 固定ボルトを締め付ける。
    走行できない。
    1. 油圧オイルが不足している。
    2. 牽引バルブが開いたまま。
    3. 油圧装置が故障している。
    1. 油圧オイルを補給する。
    2. 牽引バルブを閉じる。
    3. 代理店に連絡する。
    グラインダが回転しない。.
    1. 石や木片が挟まっている。
    2. グラインダの駆動部が破損している。
    3. 油圧装置の詰まり、汚染、破損など。
    1. エンジンを止めて棒などで取り除く。
    2. 代理店に連絡する。
    3. 代理店に連絡する。
    切削速度が遅い。.
    1. 刃が磨耗している。
    2. 油圧装置がオーバーヒートしている。
    3. 油圧装置の詰まり、汚染、破損など。
    1. 刃を交換または新しい刃先を出す。
    2. エンジンを止め、各部が冷えるのを待つ。
    3. 代理店に連絡する。
    グラインダヘッドが昇降しない。
    1. 昇降バルブが閉まっている。
    1. バルブのダイヤルを左に回して開く。
    油圧オイルがあふれているか温度が高すぎる。
    1. 冷却ファンが作動していない。
    1. ヒューズを点検・交換する。

    図面

    電気回路図

    g025620

    油圧回路図

    g025621