はじめに

この清掃用ブロアは、乗用型の装置で牽引使用する専門業務用の製品であり、そのような業務に従事するプロのオペレータが運転操作することを前提として製造されています。この製品は、集約的で高度な管理を受けている公園、ゴルフ場、スポーツフィールドその他の芝生において、風でごみを吹き飛ばす方法によって清掃を行うことを主たる目的として製造されております。

この説明書を読んで製品の運転方法や整備方法を十分に理解し、他人に迷惑の掛からないまた適切な方法でご使用ください。この製品を適切かつ安全に使用するのはお客様の責任です。

製品の安全や取り扱い講習、アクセサリなどに関する情報、代理店についての情報の入手、お買い上げ製品の登録などをネットで行っていただくことができます:www.Toro.com

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマーサービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。Figure 1 にモデル番号とシリアル番号を刻印した銘板の取り付け位置を示します。いまのうちに番号をメモしておきましょう。

Important: シリアル番号プレートに QR コードがついている場合は、スマートフォンやタブレットでスキャンすると、製品保証、パーツその他の製品情報にアクセスできます。

g262332g021671

この説明書では、危険についての注意を促すための警告記号Figure 2を使用しております。死亡事故を含む重大な人身事故を防止するための注意ですから必ずお守りください。

g000502

この他に2つの言葉で注意を促しています。重要「重要」は製品の構造などについての注意点を、はその他の注意点を表しています。

この製品は、関連するEU規制に適合しています; 詳細については、DOC シート(規格適合証明書)をご覧ください。

カリフォルニア州の森林地帯・潅木地帯・草地などでこの機械を使用する場合には、エンジンに同州公共資源法第4442章に規定される正常に機能するスパークアレスタが装着されていること、エンジンに対して森林等の火災防止措置をほどこされていることが義務づけられており、これを満たさない機械は、第4442章または4443章違犯となります。

DOT タイヤ情報は各タイヤの側面にあります。これはタイやの負荷と速度定格を表すものです。タイヤを交換する場合には同じまたは上級規格のタイヤを使用してください。タイヤは必ずマシンの重量要求を満たすものをお使いください。

警告

カリフォルニア州

第65号決議による警告

米国カリフォルニア州では、この製品を使用した場合、ガンや先天性異常などを誘発する物質に触れる可能性があるとされております。

安全について

この機械は ANSI B71.4-2017 標準に適合する製品です。

安全上の全般的な注意

この機械は手足を切断したり物をはね飛ばしたりする能力があります。重大な人身事故を防ぐため、すべての注意事項を厳守してください。

この機械は本来の目的から外れた使用をすると運転者本人や周囲の人間に危険な場合があります。

  • 本機をご使用になる前に必ずこのマニュアルと、トラクションユニットのマニュアルの両方をお読みになり、内容をよく理解してください。この製品を使用する人すべてがこの製品とトラクションユニットについて良く知り、警告の内容を理解するようにしてください。

  • この機械を運転する時は常に十分な注意を払ってください。運転中は運転操作に集中してください;注意散漫は事故の大きな原因となります。

  • 機械の可動部の近くには絶対に手足を近づけないでください。

  • ガードなどの安全保護機器が正しく取り付けられていない時は、運転しないでください。

  • 作業場所に、子供や無用の大人、ペットなどを近づけないでください。子供に運転させないでください。

  • 各部の調整、修理、洗浄、格納などは、必ずエンジンを停止させ、キーがついている機種ではキーを抜き取り、各部が完全に停止し、機体が十分に冷えてから行ってください。

間違った使い方や整備不良は負傷などの人身事故につながります。事故を防止するため、以下に示す安全上の注意や安全注意標識のついている遵守事項は必ずお守りください(Figure 2)。注意、警告、および危険 の文字は、人身の安全に関わる注意事項を示しています。これらの注意を怠ると死亡事故などの重大な人身事故が発生する恐れがあります。

安全ラベルと指示ラベル

Graphic

以下のラベルや指示は危険な個所の見やすい部分に貼付してあります。破損したりはがれたりした場合は新しいラベルを貼付してください。

decal115-5106
decal119-0217
decal125-4283
decal115-5113
decal133-8061

組み立て

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

Note: このブロアを取り付けて使用するためには、トラクションユニットが 4 輪駆動モデルで、前クイックアタッチ・フロントフレーム(モデル 30509)を搭載しており、さらに、電動アクセサリ・キット(パーツ番号 115–0019)またはジョイスティック・キット(モデル 31219)を装備している必要があります。

木箱からブロアを取り出す

Important: ブロアのフレームを出荷用クレートに固定しているボルトを外す時や、クレートを解体する時は、ジャッキスタンドでブロアを確実に保持してください。

  1. 木箱の上部を取り外す(Figure 3)。

    g021672
  2. 木箱の端面(ブロアの上部側の面)を取り外す(Figure 3)。

  3. ブロアハウジングの下についているボードを取り外す(Figure 3)。

  4. 木箱の上面アセンブリに吊り上げ用のストラップを掛けて木箱を持ち上げて垂直に立たせる(Figure 4)。

    g021673
  5. ジャッキスタンドのチューブを保管チューブに固定しているスナッパピンを外す(Figure 5)。保管位置からジャッキアセンブリを外す。

    g021674
  6. パレットからストラップを外し、そのストラップをブロアの吊り上げ用ループに掛ける(Figure 6)。

  7. ストラップがピンと張るまでブロアを持ち上げる。

    g021675
  8. この状態で、ブロアをパレットに固定しているボルトを注意深く外す。

  9. クレートを脇にずらし、ストラップで吊った状態でキャスタホイールが床面に接触するまでブロアを下降させる(Figure 7)。

    g021676
  10. ジャッキスタンドのチューブをフレームのチューブを差し込み、取り付け穴をそろえ、スナッパピンで固定する(Figure 8)。

    g021637
  11. クランクハンドルをジャッキのクランクに固定しているケーブルタイを外す。

  12. ジャッキパッドがキャスタホイールのタイヤと同じ高さになるように、ジャッキスタンドを下げる。

  13. ブロアの吊り上げループからストラップを取り外す。

駆動シャフトをブロアのギアボックスのシャフトに取り付ける

この作業に必要なパーツ

駆動シャフトアセンブリ 1
ロールピン 1
ボルト, 5/16 x 1" 2
ロックナット, 5/16" 2
  1. 駆動シャフトを出荷用木箱に固定しているケーブルタイを取り外す。

  2. 駆動シャフトをギアボックスのシャフトに接続する。

  3. ギアボックスのシャフトについている取り付け穴と駆動シャフトの取り付け穴とを整列させる。

    g023911
  4. ロールピンでアセンブリを固定する(Figure 9)。

  5. 駆動シャフトをギアボックスのシャフトに固定する;ボルト(5/16 x 1")2 本とロックナット(5/16")2個を使用する(Figure 9)。

  6. ボルトを 18-25 Nm(1.0-1.4 kg.m = 175-225 in-lb)にトルク締めする。

  7. 駆動シャフトをまとめているケーブルタイを外す。

  8. 安全チェーンをブロアフレームに取り付ける(Figure 9)。

ブロアのフレームに取り付けプレートを取り付ける

この作業に必要なパーツ

取り付けプレート 1
ボルト, x 1" 4
ロックナット, " 4
  1. 取り付けプレートを木箱に固定しているボルトを外す(Figure 10)。

    g021682
  2. 取り付けプレートをブロアのフレームに固定する;ボルト( x 1")4 本とロックナット(")4個を使用する(Figure 11)。

    Note: 取り付けプレートの左右でそれぞれ下側の取り付け穴を使用すること。

    g021677
  3. ボルトを92-113Nm(3.7-4.6kg.m = 68~82 ft-lb)にトルク締めする。

ブロアをトラクションユニットに取り付ける

この作業に必要なパーツ

ブロアアセンブリ 1
ロッキングピン 1
ヘアピンコッター 1
  1. 機体前部についているアタッチメントをすべて外す。

  2. アタッチメントのアダプタの真後ろに、トラクションユニットを停車する。

  3. トラクションユニットのアダプタを上昇させてアタッチメント・アダプタに嵌め合わせる。

    Note: ジャッキスタンドをキャスタよりも高くする。

  4. アダプタにロッキングピンを通して、ヘアピンコッターで固定する(Figure 12)。

    g023910
  5. 駆動シャフトにクイックカップラを接続する。これでシャフトがクイックアタッチフレームに取り付けられる(Figure 13)。

    g021678
  6. 安全チェーンをクイックアタッチフレームに取り付ける(Figure 13)。

  7. 油圧カップラについている防塵プラグを外す。カップラに汚れがついていないこと、異物が入っている様子がないことを確認する。

  8. アタッチメントの油圧カップラを、トラクションユニットの後部補助油圧パワーキットのカップラに接続する。

    Important: 油圧ホースのカップラを外した時は必ず防塵プラグをきれいに清掃してからカップラに栓をし、油圧装置内部に絶対に異物を入れないよう、細心の注意を払ってください。

近接スイッチを取り付ける

この作業に必要なパーツ

近接スイッチアセンブリ 1
センサープレート 1
キャリッジボルト, 5/16 x 1" 2
フランジナット, 5/16" 2
  1. 前フレームの下側についている穴を利用して、近接スイッチを、ワッシャおよびジャムナットで取り付ける(Figure 14)。

    g021679
  2. 左側の昇降アームにセンサープレートを仮止めする;キャリッジボルト(5/16 x 1")2 本とフランジナット 2 個を使用する。

    Note: この時点ではまだジャムナットを締め付けないこと。

  3. センサープレートはFigure 14のようにセットする。

    Note: スイッチがセンサープレートに接触しないように注意すること。

  4. マシンを始動し、ブロアを上昇させて、マシンを停止させる。

  5. センサープレートの位置を調整する;プレートと近接スイッチを整列させてキャリッジボルトのナットを締め付ける。スイッチがセンサープレートに接触しないように注意すること。

  6. ジャムナットを使って、近接スイッチの上下位置を調整する;スイッチのプランジャとセンサープレートとの距離が 3.8-4.3 mm になるようにする(Figure 15)。

  7. すきまが正しく調整できたら、ジャムナットを 20Nm (2.0 kg.m = 15 ft-lb) にトルク締めする

    g021761
  8. 近接スイッチから出ているコードを、前アタッチメント上昇スイッチ(グランドマスター360電気アクセサリ・キット)に接続する。

  9. スイッチが正しく調整されていれば、ブロアを持ち上げたときにブロアが停止する。

Note: また、トラクションユニットを通常の刈り込み機械仕様に戻したとき、刈り込みデッキ(前アタッチメント)を完全に上昇させるとPTOが作動しなくなります。刈り込みデッキを作動させるには、デッキを完全に降ろさなければなりません。

グリスアップ

この作業に必要なパーツ

汎用リチウム系グリス 必要に応じて

製品の概要

前アタッチメント昇降スイッチ

ロッカースイッチを前・後方向に押すことによって、前アタッチメンの上昇・下降を行います(Figure 16)。

警告

パワーダウンスイッチ(下降)スイッチを押し下げ続けると、油圧システムやアタッチメントに重大な損傷が発生する恐れがある。

吹き出し方向スイッチ

ロッカースイッチを前・後方向に押すことによって、ノズルを希望する方向に回すことができます(Figure 16)。

g021041

ジョイスティック(オプション)

Note: 前後左右はすべて通常の運転姿勢を基準として見た方向です。

g017857
ジョイスティックの動作機能
前進ブロアを下降させる
バックブロアを上昇させる
ブロアのノズルを左旋回させる
ブロアのノズルを右旋回させる
左トグル公道では使わないでください。
右トグル公道では使わないでください。
重量171kg

運転操作

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

Important: マシンを使用する時は必ずファンガードとギアケースがガードを正しく取り付けてください(Figure 18)。

g023971

運転時の安全確保

運転前の安全確認

  • 子供やトレーニングを受けていない大人には、絶対に運転や整備をさせないでください。地域によっては機械のオペレータに年齢制限を設けていることがありますのでご注意ください。オーナーは、オペレータ全員にトレーニングを受講させる責任があります。

  • 各部の操作方法や本機の正しい使用方法、警告表示などに十分慣れ、安全に運転できるようになりましょう。

  • 各部の調整、修理、洗浄、格納などは、必ず、各部が完全に停止し機体が十分に冷えてから行ってください。マシンの緊急停止方法に慣れておきましょう。

  • ガードなどの安全装置やステッカー類は必ず所定の場所に取り付けて使用してください。機能しない安全装置はすべて交換、読めないステッカーはすべて貼り替えてください。これらが正しく機能しない時には機械を使用しないでください。

  • いかなる方法であれ、この機械を改造しないでください。

運転中の安全確認

  • オーナーやオペレータは自分自身や他の安全に責任があり、オペレータやユーザーの注意によって物損事故や人身事故を防止することができます。

  • 作業にふさわしい服装をし、安全めがね、長ズボン、頑丈で滑りにくい安全な靴、および聴覚保護具を着用してください。長い髪は束ねてください。垂れ下がるような装飾品は身に着けないでください。

  • 疲れている時、病気の時、アルコールや薬物を摂取した時は運転しないでください。

  • この機械を運転する時は常に十分な注意を払ってください。運転中は運転操作に集中してください;注意散漫は事故の大きな原因となります。

  • 排出口から噴出す風は非常に強く、まともに吹かれるとケガをする危険があります。清掃作業中は、吹き出し口に人を近づけないでください。

  • 人を近づけないでください;人が近づいてきたらエンジンを停止させてください。吹き出し口を人に向けないでください。

  • 人を乗せないでください。また、作業中は周囲から人やペットを十分に遠ざけてください。

  • 運転は、穴や障害物を確認できる十分な照明のもとで行ってください。

  • バックするときには、足元と後方の安全に十分な注意を払ってください。

  • 見通しの悪い曲がり角や、茂み、立ち木などの障害物の近くでは安全に十分注意してください。

  • エンジンを掛けたままで絶対に機体から離れないでください。

  • 万一、機体に異常な振動を感じたら、直ちに運転を中止し、エンジンを止めてキーを抜き、本機の全ての動作が停止するのを待ち、それから点検にかかってください。破損部は必ず修理・交換してから運転するようにしてください。

  • ラフ、凹凸のある場所、縁石の近く、穴の近くなど路面が一定でない場所では必ず減速してください。

斜面での安全確保

  • 斜面はスリップや転倒などを起こしやすく、これらは重大な人身事故につながります。斜面での安全運転はオペレータの責任です。どんな斜面であっても、通常以上に十分な注意が必要です。

  • トラクションユニットがどの程度の法面まで走行可能なのかを必ず確認しましょう。

  • 斜面については、実地の測定を含めてオペレータ自身が調査を行い、安全に作業ができるかどうかを判断してください。この調査においては、常識を十分に働かせてください。

  • 以下に挙げる、斜面で運転する場合の安全上の注意を必ず読んで内容をしっかり理解してください。実際に運転する前に、現場の状態をよく観察し、その日その場所でこのマシンで安全に作業ができるかどうかを判断してください。同じ斜面上であっても、地表面の条件が変われば運転条件が変わります。

    • 斜面での発進・停止・旋回は避けてください。急に方向を変えたり急な加速やブレーキ操作をしないでください。旋回は速度を落としてゆっくりと行ってください。

    • 走行、ステアリング、安定性などに疑問がある場合には運転しないでください。

    • 隠れた穴、わだち、盛り上がり、石などの見えない障害は、取り除く、目印を付けるなどして警戒してください。深い芝生に隠れて障害物が見えないことがあります。不整地では機体が転倒する可能性があります。

    • ぬれ芝、急斜面など滑りやすい場所で運転すると滑って制御できなくなる危険があります。

    • 段差、溝、盛り土、水などの近では安全に十二分の注意を払ってください。万一車輪が段差や溝に落ちたり、地面が崩れたりすると、機体が瞬時に転倒し、非常に危険です。必ず安全距離を確保してください。

運転終了後の安全確認

  • 各部の調整、修理、洗浄、格納などは、必ず平らな場所でエンジンを停止させ、キーを抜き取り、各部が完全に停止し、機体が十分に冷えてから行ってください。

  • マシンの切り離しは、必ず平らな場所で行ってください。

  • マシン各部が良好な状態にあり、ボルトナット類が十分にしまっているか常に点検してください。

  • 摩耗、破損したり読めなくなったステッカーは交換してください。

ブロアのノズルの高さ調整

ブロアの噴き出し口(ノズル)は 114-216 mm の範囲で使用することができます。ノズルの高さを調整するには、キャスタホイールのアクスルをキャスタフォークの上の穴または下の穴にセットし、キャスタフォークに同数のスペーサを追加または取り外します。

  1. エンジンを始動し、カッティングユニットを上昇させて刈高の調整ができるようにする。

  2. ブロアを上昇させたらエンジンを止め、キーを抜き取る。

  3. 両方のキャスタホイールのアクスルをキャスタフォークの上穴または下穴にセット(全部のキャスタフォークで同じ穴に統一)する(Figure 19)。

    Note: ノズルを高い位置で使用したい場合には、キャスタホイールのアクスルを下の穴にセットする。

    g008866
  4. スピンドルシャフトからテンショニングキャップを外し(Figure 19)キャスタアームからスピンドルを抜き出す。

  5. 最初についていたように、スピンドルシャフトにシム(3 mm)を 2 枚セットする。

    Note: これらのシムは、ブロアをその幅方向全体にわたって水平にするために必要なものである。

  6. 希望の高さにするために必要な数のスペーサ(13 mm)をシャフトにセットし、ワッシャをはめる。

  7. キャスタアームにキャスタスピンドルを押し込む。

  8. シムを取り付け(最初についていたように)、残りのスペーサをスピンドルシャフトに取り付ける。

  9. テンショニングキャップを取り付けてアセンブリを固定する。

運転のヒント

警告

排出口から噴出す風は非常に強く、まともに吹かれるとケガをする危険があります。

  • 作動中は、排出口に近づかないでください。

  • 作動中は、排出口の周囲に人を近づけないでください。

  • ブロアの使い方を練習しましょう。自然の風が吹いている方向と同じ方向にゴミを吹き飛ばすようにするのが作業のコツです。

  • 旋回動作を行う時は、注意深くゆっくりと行ってください。方向を変えるときには必ず周囲と後ろの安全を確認してください。

  • 風の吹き出し方向に常に留意し、絶対に人に向けないようにしてください。

  • 見通しの悪い曲がり角や、茂み、立ち木などの障害物の近くでは安全に十分注意してください。

  • 頭上の安全(木の枝、門、電線など)に注意し、これらにブロアのスクリーンをぶつけないように注意してください。

  • 小さな旋回をするときや法面で旋回するときは、走行速度を十分に落としましょう。

  • バックするときには、後方の安全に注意し、マシンの後部に人がいないことを十分に確認する。

  • 貼り芝をした直後などは、芝を傷める可能性がありますから注意してください。

  • 清掃作業中は、吹き出し口に人を近づけないでください。周囲の人間が吹き出し口に近づかないように注意し、また吹き出し口を人に向けないように注意してください。

  • 大丈夫だろう、は非常に危険!人や動物が突然目の前に現れたらすぐに作業を停止しましょう。注意が分散してしまい、地形の変化や障害物に気づかなかったり、ガードの取り付け位置が悪かったりすると、ものを跳ね飛ばし、負傷事故を起こす危険が高くなります。周囲に人がいなくなるまで作業を再開しないでください。

Important: 移動走行に移る前に、ブロアを上昇位置にしてください。吹き出し口を下向きにしたままで走行すると、路面に当たって破損する可能性があります。

保守

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

保守作業時の安全確保

  • 清掃、整備、調整等を行う前に以下を行ってください:

    • 平らな場所に駐車する。

    • すべての動作が停止するのを待つ。

    • 本機をトラクションユニットから切り離す。

    • ジャッキスタンドを降ろす。

    • 保守作業は、各部が十分冷えてから行う。

  • このマニュアルに記載されている以外の保守整備作業は行わないでください。大がかりな修理が必要になった時や補助が必要な時は、Toro 正規代理店にご相談ください。

  • 機体の下で作業をするときには、機体をブロックやジャッキスタンドで確実に支えてください。

  • 整備作業終了後は、必ずすべてのガード類を確実に取り付けてください。

  • 適切な訓練を受けていない人には機械の整備をさせないでください。

  • 各部品が良好な状態にあり、ボルトナット類が十分にしまっているか常に点検してください。破損するなどして読めなくなったステッカーは交換してください。

  • 安全装置の作動を妨げるようなことや、安全装置による保護を弱めるようなことはしないでください。安全装置が適切に作動するかを定期的に点検してください。

  • 大がかりな修理が必要になった時や補助が必要な時は、Toro 正規代理店にご相談ください。

  • 機体の改造を行うと、機械の挙動や性能、耐久性などが変化し、そのために事故が起きる可能性があります。このような使い方をすると Toro® の製品保証が適用されなくなります。

潤滑

整備間隔整備手順
50運転時間ごと
  • 各グリス注入部のグリスアップを行います
  • ブロアには定期的にグリスアップが必要なベアリングとブッシュがあります。通常の使用では 50 運転時間ごとに、ベアリングにリチウム系汎用2号グリスを注入します。ブロアを水洗いしたときは整備間隔に関係なく直ちにグリスアップしてください。

    グリスアップ箇所は以下の通りです:

    駆動プーリ (Figure 20

    g021632

    キャスタホイールのシャフト(2ヶ所)(Figure 21

    g011557

    駆動シャフト (Figure 22)

    g021633

    ギアボックスの潤滑状態を点検する

    整備間隔整備手順
    50運転時間ごと
  • ギアボックスの潤滑状態を点検する
  • ギアボックスの容量: 207ml

    1. 平らな場所に駐車し、ブロアを床面まで降下させる。

    2. ギアケースのカバーをブロアに固定しているボルト(5本)とワッシャを外す(Figure 23)。

      g022000
    3. カバーを外すと、ブロアのギアケースがある(Figure 23)。

    4. ギアボックスの側面にある点検・補給プラグを外す(Figure 24)。

      g022001
    5. 油量を点検する。プラグの穴のふちまでオイルがあればよい。油量が少なければ、SAE 80-90 wt. ギア用潤滑油を穴のふちまで補給する。

    6. 点検・補給プラグを取り付ける。

    7. カバーを取り付ける。

    吹き出し口の点検

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • 吹き出し口のクランプとガイドの点検を行う
  • 吹き出し口のクランプの点検

    1. 吹き出し口のクランプを点検します(Figure 25);ゆるんでいないことを毎日確認してください。

      Note: 障害物を強引に乗り越えたり不整地で牽引したりするとノズルがゆるむ可能性があります。

    2. すきまの大きさが 13 mm に維持されるようにクランプを締め付けてください。

      噴き出しノズルは手で自由に回せなければなりません。

    g023909

    噴出し口のガイドの清掃

    噴出し口の周囲や内部、およびガイドとガイドの間についている刈りかす、ほこり、ごみなどを除去してください(Figure 26)。

    モータが無理なく回転できるように、ノズルはいつもきれいにしておいてください。

    g021635

    ノズルベルトの調整

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 8 時間
  • ベルトの状態と張りを点検する。
  • 50運転時間ごと
  • ベルトの状態と張りを点検する。
  • ノズルの方向を変える時にベルトがスリップするようになったら、ベルトの調整を行ってください。

    1. ベルトの一番長いスパンの中央部分を、30 N∙m(10 kg)の力で押す(Figure 27)。

      Note: ベルトのたわみが 4.8mm 程度あれば適正です。

    2. たわみの量が適正でない場合は以下の手順へ進む。適正であれば調整は不要である。

      g021636
    3. 六角ナットをゆるめてフランジナットを締め付けるとヘッドボルトをベルトの張りがきつくなる(Figure 27)。

      Note: 締め付けすぎないように注意すること。

    4. 調整ができたら六角ナットを締めて固定する。

    格納保管

    1. ブロアの各部に付着している泥や刈りかすをきれいに落とす。

      Important: 機体は中性洗剤と水で洗うことができます。ただし高圧洗浄器は使用しないでください。大量の水をかけないでください。

    2. 全部のボルト・ナットの締まりを点検する。磨耗している部品は交換する。

    3. 機体の塗装がはげていればタッチアップ修理をする。ペイントは代理店で入手することができる。

    4. 汚れていない乾燥したガレージなどの格納施設で保管する。ジャッキスタンドを使って、立てた状態で保管する。ブロアを床に寝かせないこと。