はじめに

このエアレータは、専門的訓練を受けたオペレータが住宅の敷地内や商用地において運転操作することを前提として製造されています。この製品は、集約的で高度な管理を受けている、住宅の芝生、スポーツフィールド、商用目的で使用される芝生に対するエアレーション作業を行うことを主たる目的として製造されております。

この説明書を読んで製品の運転方法や整備方法を十分に理解し、他人に迷惑の掛からないまた適切な方法でご使用ください。この製品を適切かつ安全に使用するのはお客様の責任です。

製品の安全や取り扱い講習、アクセサリなどに関する情報、代理店についての情報の入手、お買い上げ製品の登録などをネットで行っていただくことができます:www.Toro.com

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマーサービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。図 1 にモデル番号とシリアル番号を刻印した銘板の取り付け位置を示します。いまのうちに番号をメモしておきましょう。

Important: シリアル番号プレートに QR コードがついている場合は、スマートフォンやタブレットでスキャンすると、製品保証、パーツその他の製品情報にアクセスできます。

g265026

この説明書では、危険についての注意を促すための警告記号(図 2)を使用しております。これらは死亡事故を含む重大な人身事故を防止するための注意ですから、必ずお守りください。

g000502

この他に2つの言葉で注意を促しています。重要「重要」は製品の構造などについての注意点を、はその他の注意点を表しています。

この製品は、CE キット 95-3350 を搭載することにより、欧州規制適合製品となります; 詳細については、DOC シート(規格適合証明書)をご覧ください。

DOT タイヤ情報は各タイヤの側面にあります。これはタイやの負荷と速度定格を表すものです。タイヤを交換する場合には同じまたは上級規格のタイヤを使用してください。タイヤは、「仕様」に従ってマシンの重量要求を満たすものをお使いください。

警告

カリフォルニア州

第65号決議による警告

米国カリフォルニア州では、この製品を使用した場合、ガンや先天性異常などを誘発する物質に触れる可能性があるとされております。

安全について

安全上の全般的な注意

  • エンジンを始動する前に必ずこのエアレータとトラクションユニットの両方のオペレーターズマニュアルをお読みになり、内容をよく理解してください。

  • 本機を運転する人、整備する人すべてにエアレータについての適切なトレーニングを行ってください。

  • 移動する時には、タインを上昇させ、機械の作動を低速にし、注意して走行してください。

  • 疲れている時、病気の時、アルコールや薬物を摂取した時は運転しないでください。

  • トレーラやトラックにエアレータを積み降ろすときには安全に十分注意してください。

  • 斜面では、運転速度を落としてください。

  • 段差、溝、盛り土、水などの近くで使用しないでください。万一車輪が段差や溝に落ちたり、地面が崩れたりすると、機体が瞬時に転倒し、非常に危険です。

  • エアレータの調整、洗浄、修理などを行う際には、トラクションユニットを停止させ、タイン(エアレータ モデル 44867)を上昇させ、エンジンを停止させ、駐車ブレーキを掛け、キーを抜き取り、機械の動きが完全に停止してから作業にかかってください。

  • タインの整備を行う場合には手袋をはめてください。破損したタイン交換してください。

  • 機械の可動部の近くに手足を近づけないでください。

間違った使い方や整備不良は負傷などの人身事故につながります。事故を防止するため、以下に示す安全上の注意や安全注意標識 Graphic のついている遵守事項は必ずお守りください 「注意」、「警告」、および「危険」 の記号は、人身の安全に関わる注意事項を示しています。これらの注意を怠ると死亡事故などの重大な人身事故が発生する恐れがあります。

このマニュアルの他の場所に書かれている注意事項も必ずお守りください。

安全ラベルと指示ラベル

Graphic

以下のラベルや指示は危険な個所の見やすい部分に貼付してあります。破損したりはがれたりした場合は新しいラベルを貼付してください。

decal106-0229
decal58-6520
decal133-8061

組み立て

前後左右は運転位置からみた方向です。

車輪を取り付ける

モデル 44856

この作業に必要なパーツ

ホイールアセンブリ2
スペーサ4
アクスル(車軸)2
スロット付きナット2
コッターピン2
  1. 3のように、フレームの間に、ホイールアセンブリと2個のスペーサ(左右のホイールハブにそれぞれ1個)をセットする。

    g029051
  2. フレーム、スペーサ、ホイールにアクスルを差し込む(図 3)。

  3. アクスルに、スロット付きボルトを取り付け(図 3)て 8-20 N·m(0.9-2.0 kg.m = 75-180 in-lb)にトルク締めする。

  4. ホイールを回してベアリングに密着させ、遊びを完全になくす。

  5. キャッスルナットをゆるめてフレームから離し、ホイールハブに少しの遊びを作る。

  6. スロット付きナットを 1.5-2 N·m(0.17-0.23 kg.m = 15-20 in-lb)にトルク締めする。

    Note: アクスルにあるコッターピンの穴がナットの溝に合わない場合には、ナットをゆるめて整列させる。

  7. コッターピンを取り付ける(図 3)。

  8. ホイールハブの空間が完全になくなるまでホイールベアリングにグリスを入れる。シール部分からわずかにはみ出すまで入れること。

ウェイトを取り付ける

この作業に必要なパーツ

重量 12
ボルト(½ x 2¾")6
フランジロックナット(½")6

4のようにウェイトを取り付ける。

g214817

トングアセンブリを取り付ける

モデル 44856

この作業に必要なパーツ

トングアセンブリ1
ブラケット 2
ボルト(½ x 2½")6
ナット(½")6
ワッシャ(½")6
ロックワッシャ(½")6
ロックピン1
ヘアピンコッターピン (小)1
  1. エアレータのトング取り付けポイントから、ブラケット、ロックピン、金具を外す。

  2. 5のようにトングアセンブリをエアレータに整列させる。

    g216322
  3. エアレータのブラケットは 図 6 のように整列させる。

    g216319
  4. トングアセンブリとブラケットを金具で図 7のように固定し、ナットを54-74N·m (9.3-11.4kg.m = 67-83ft-lb) にトルク締めする。

    g216320
  5. ロックピンを取り付け、小さいヘアピンコッタで図 8のように固定する。

    g216321

ポンプとシリンダアセンブリを取り付ける

モデル 44856

この作業に必要なパーツ

ポンプとシリンダアセンブリ1
ねじ(⅜ x 1¼")2
ワッシャ(⅜")2
ロックナット(⅜")2
ねじ(½ x 1¼")1
ナット(½")1
ロックワッシャ(½")1
振動ストラップ1
シリンダピン2
ヘアピンコッターピン(大)2

Note: 油圧ホースが折り曲げられたりはさまれたりしないようにしてください。

9のように、ポンプとシリンダアセンブリを整列させて固定する。

g216317g216318

製品の概要

フレーム鋼管溶接構造:3セクションに分かれており、各セクションは等高線に沿って水平および斜め方向に動く。スプリング付き。
エアレーションホイール12 個の鋳鉄製、32kg、セクションあたり4個。1個おきにロールピンを装着
シャフト1¼" を 1" に成形加工
タイン96 本。ホイールあたり 8 本。ボルト 1 本で固定。タインにあるもう 1 個の穴はホイールのロールピンで固定する;½ または ¾"オープンまたはクローズ。4"のスライシングブレードを装着可能。
ベアリングセルフシール式、自動整列式
移動走行用タイヤ(モデル 44856 のみ)4.80 x 8 — 2 プライ
ヒッチドロップピン(モデル 44856) 3 ポイント—カテゴリ 1 トラクタ タイプ(モデル 44867)
昇降機構(モデル 44856 のみ)手動油圧ポンプによりストローク 10" のシリンダへ送油必要な油圧オイルは Mobil DTE 15 M または同等品
スプリング6本でタインの押圧を補助
エアレーション幅2 m
パターンセンターで 15 cm
動作速度1-16 km/h。ただし条件による
全幅:2.2 m (モデル 44856)
2 m (モデル 44867)
重量674kg (モデル 44856)
569kg (モデル 44867)

アタッチメントとアクセサリ

トロが認定した各種のアタッチメントやアクセサリがそろっており、マシンの機能をさらに広げることができます。詳細は弊社の正規サービスディーラ、または代理店へお問い合わせください;弊社のウェブサイト www.Toro.com でもすべての認定アタッチメントとアクセサリをご覧になることができます。

いつも最高の性能と安全性を維持するために、必ずToroの純正部品をご使用ください。他社の部品やアクセサリを御使用になると危険な場合があり、製品保証を受けられなくなる場合がありますのでおやめください。

運転操作

Note: 前後左右はトラクションユニットの運転位置からみた方向です。

エアレータをトラクションユニットに連結する

トラクションユニット側の準備

  1. 平らな場所にトラクションユニットを停止させ、エンジンを止め、駐車ブレーキを掛け、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認する。

  2. トラクションユニットの各部にゆるみなどの問題がないか目視で点検する。ゆるみなどがある場合には締め付けを行い、問題はすべて作業前に解決すること。

エアレータの接続

モデル 44856

エアレータのヒッチを、トラクションユニットのトングに接続し、トラクションユニットの金具で固定する。

Important: トングは手で持ち上げないでください。トングジャッキまたはホイスなどでトラクションユニットとの位置合わせを行ってください。

  1. タイヤ空気圧を点検する;タイヤ空気圧を点検するを参照。

  2. 3 点ヒッチを下降させる;トラクションユニットのオペレーターズマニュアル を参照。

  3. 上部リンクブラケットが付いている場合には、そこからリンチピン、クレビスピン、上側 3 点リンクを外す(図 10)。

    g250419
  4. 3 点ヒッチの下部リンクを一番高い位置まで上げる(図 11)。

    g264991
  5. ハンド油圧ポンプを使って、昇降アーム(図 12)をロックバーブラケットの前穴のすぐ後ろ(移動走行位置)まで動かす。

    Note: バーがロックバーブラケットの前穴の後ろにきた位置が移動走行位置です。

    g265013
  6. ロックバーのブラケットの前穴にロックバーのピンを入れ、このピンをブラケットにヘアピンで固定する(図 12)。

  7. エアレータのトングをトラクションユニットの牽引バーに合わせ、トラクションユニットの金具でエアレータを固定する(図 13)。

    g265012

エアレータの接続

モデル 44867
  1. トラクションユニットの下リンクアームを下げる(図 14)。

    g265078
  2. 下リンクアーム(図 15)を外側一杯に出す;トラクションユニットのオペレーターズマニュアルを参照。

    g264148
  3. 3 点ヒッチの上リンクが外されている場合には取り付ける(図 16)。

    g265074
  4. トラクションユニットの下リンクアームがエアレータの昇降アームのピンと整列するようにエアレータをセットする(図 17)。

    g265123
  5. 下リンクアームを昇降アームに合わせ、アームをリンチピンで固定する(図 17)。

  6. 3 点リンクのもう一方の端部をエアレータの昇降アームに取り付ける(図 18);ボルト(¾ x 4")、ナット(¾")、ジャムナット(¾")を使用する。

    g265124
  7. 3 点ヒッチのリンクを調整してエアレータを前後・左右方向で水平にする(図 19);トラクションユニットのオペレーターズマニュアルを参照。

    g265125

タインを取り付ける

Important: タインの取り付けは、エアレータをトラクションユニットに接続した後で行ってください。

  1. 20に示すように、外側のキャスチングからタインを取り付ける。

    g029052
  2. キャスティングにタイン(8本)全部を、ロールピンとボルト(½" x 1¾")で取り付ける。ロールピンが前側にくるのが正しい取り付けである(図 20)。

    Note: ロールピンが前穴、ボルトは二番めの穴を使用してください。

エアレータを使用する

モデル 44856 の使用方法

  1. ハンド油圧ポンプのベース部にあるバルブ(図 21)を閉じて、ポンプを操作する;ロックピンがロックバーブラケットの中で回転するまでポンプ動作を続ける。

    g265130
  2. ロックピンのヘアピンを抜いて、ロックピンをロkkバーブラケットの後穴(格納・エアレーション位置)に移動させ、ロックピンをブラケットにヘアピンで固定する(図 22)。

    Note: ロックピンを格納・エアレーション位置に移動させることによって、エアレーション作業中にエアレータを昇降させることができるようになります。

    g265163
  3. ハンド油圧ポンプのベース部にあるバルブを開いてエアレータを床面まで降下させる。

  4. 運転席に戻り、牽引のための以下の操作を行う;トラクションユニットのオペレーターズマニュアルを参照。

  5. 現場でのエアレーション作業の終点に来たら、トラクションユニットを停車させ、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止させてキーを抜き取る。

  6. 油圧ハンドポンプのバルブを閉じ(図 21)、ポンプを操作してエアレータを移動走行位置まで上昇させる。

  7. ロックピンのヘアピンを抜いて、ロックピンをロックバーブラケットの前穴(移動走行位置)に移動させ、ロックピンをブラケットにヘアピンで固定する(図 22)。

モデル 44867 の使用方法

  1. トラクションユニットのエンジンを始動させ、低速回転にセットする。

  2. 低速で前進しながら、トラクションユニットの 3 ポイントヒッチまたはリモート油圧装置で、しずかにエアレータを降下させる(図 23)。

    g265323
  3. エアレーションが始まったら、トラクションユニットの走行速度を上げる。

  4. 列の終端に来たら、エアレータを上昇させてから旋回を行う(図 24)。

    g265324

保守

注意

始動スイッチにキーをつけたままにしておくと、誰でもいつでもエンジンを始動させることができ、危険である。

整備作業の前には必ずキーを抜いておくこと。

推奨される定期整備作業

整備間隔整備手順
使用するごとまたは毎日
  • タイヤ空気圧を点検する。
  • タインの摩耗具合を点検する。
  • 40運転時間ごと
  • フィッティングにグリスを注入する。
  • 100運転時間ごと
  • メインアームのブッシュ点検する。
  • 潤滑

    ベアリングの潤滑

    整備間隔整備手順
    40運転時間ごと
  • フィッティングにグリスを注入する。
  • グリスの仕様:No. 2 汎用リチウム系グリス

    No.2 リチウム系汎用グリスを使って図 25または図 26のように機体のグリスアップを行う。

    g265329
    g265328

    シャーシの保守

    タイヤ空気圧を点検する

    モデル 44856
    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • タイヤ空気圧を点検する。
    1. タイヤ空気圧を点検してください(図 27)。

      4.13 bar(2.1 kg/cm2 = 60 psi) あれば適正。

      g265014
    2. 必要に応じてエア抜きやエアの追加を行って 4.13 bar に調整する。

    メインアームのブッシュの点検

    整備間隔整備手順
    100運転時間ごと
  • メインアームのブッシュ点検する。
  • 全部で 6 本あるメインアームは、地表面のアンジュレーションに沿って滑らかに上下します。メインアームとフレームの取り付けブラケットとの間にはブロンズ製のブッシュが挿入されています(図 28)。

    g265377g265376
    1. エアレータを移動走行位置にセットする;エアレータを使用するを参照。

    2. メイアーム(6本)がどれも自由に動くことを確認する(図 28)。

    3. メイアームが自由に動かない場合は以下を行う:

      1. スプリングのテンションをゆるめる;スプリングの調整を参照。

      2. メインアームをフレーム取り付けブラケットに固定しているボルト、ナット、ワッシャ、ブッシュを外して、各部の摩耗状態を調べる(図 28)。

        Note: 摩耗・破損しているパーツはすべて交換してください。ブロンズ製ブッシュは、メインアームと取り付けブラケットの板厚を足した長さよりも 3 mm 長くしてあります。

      3. メインアームをフレーム取り付けブラケットに取り付ける;ボルト、ナット、ワッシャ、ブッシュを使用する(図 28)。

      4. ボルト(⅝ x 2")とナット(⅝")を、ブッシュに対して(アームに対してではなく)締め付けて、アームが自由に動けるようにする。

      5. スプリングのテンションを調整する;スプリングの調整を参照。

    スプリングの調整

    スプリングは、重量負荷を均等に散らしてピボットピンへの衝撃を和らげるためのものです。各スプリングを均等に調節してエアレータを水平にしてください。スプリングの調節は、スプリングロッドの上部にあるナットで行います(図 29)。

    Important: スプリングを完全に縮めてしまわないでください。スプリングの巻きの間に少なくとも 1.6 mm のすきまを残してください。

    g265341

    タインの点検

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • タインの摩耗具合を点検する。
  • いつも最高の性能でお使いいただくために、使用前に必ずタインの点検(摩耗・破損)を行ってください。摩耗が進んだタインは簡単に曲がったり折れたりして、折れた破片が地中に残ります。図 30に摩耗の具体例を示しています。

    g029056

    格納保管前には、タインを洗浄してコアを洗い流してください。コアを付けたままで長期間放置すると、タイン内部に肌荒れが発生してコアがスムーズに出てこなくなります。

    保管

    1. タインを上昇させる。

    2. 牽引車両を停止し、エンジンを停止し、駐車ブレーキを掛け、キーを抜き取る。

    3. エアレータの機体全体の汚れを落とす。タインに残っているコアを除去する。

      Important: 機体は中性洗剤と水で洗うことができます。ただしエアレータに高圧洗浄器は使用しないでください。

    4. エアレータの潤滑を行う;潤滑を参照。

    5. タインの状態を点検する。タインが破損したりなくなっていたりしたら、交換する。

    6. 機体各部のゆるみを点検し、必要な締め付けや交換、修理を行う。破損個所はすべて修理する。

    7. 表面のキズや塗装のはがれているところには再塗装を行う(塗料は正規代理店にて入手可能)。

    8. 汚れていない乾燥した場所でエアレータを保管する。

    9. 機体にはカバーを掛けておく。