はじめに

この機械は専門業務に従事するプロのオペレータが運転操作することを前提として製造されています。主な用途は各種目土資材の搬送、計量投下、計量散布です。この機械は本来の目的から外れた使用をすると運転者本人や周囲の人間に危険な場合があります。

この説明書を読んで製品の運転方法や整備方法を十分に理解し、他人に迷惑の掛からないまた適切な方法でご使用ください。この製品を適切かつ安全に使用するのはお客様の責任です。

製品の安全や取り扱い講習、アクセサリなどに関する情報、代理店についての情報の入手、お買い上げ製品の登録などをネットで行っていただくことができます:www.Toro.com

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマーサービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。図 1 にモデル番号とシリアル番号を刻印した銘板の取り付け位置を示します。いまのうちに番号をメモしておきましょう。

Important: シリアル番号プレートに QR コードがついている場合は、スマートフォンやタブレットでスキャンすると、製品保証、パーツその他の製品情報にアクセスできます。

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この説明書では、危険についての注意を促すための警告記号(図 2)を使用しております。これらは死亡事故を含む重大な人身事故を防止するための注意ですから、必ずお守りください。

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この他に2つの言葉で注意を促しています。重要「重要」は製品の構造などについての注意点を、はその他の注意点を表しています。

この製品は、関連するEU規制に適合しています; 詳細については、DOC シート(規格適合証明書)をご覧ください。

警告

カリフォルニア州

第65号決議による警告

米国カリフォルニア州では、この製品を使用した場合、ガンや先天性異常などを誘発する物質に触れる可能性があるとされております。

安全について

安全上の全般的な注意

この機械は手足を切断したり物をはね飛ばしたりする能力があります。

  • 本機をご使用になる前に必ずこのマニュアルと、牽引に使用するワークマンのマニュアルの両方をお読みになり、内容をよく理解してください。この製品を使用する人すべてがこの製品と牽引に使用するワークマンについて良く知り、警告の内容を理解するようにしてください。

  • この機械を運転する時は常に十分な注意を払ってください。運転中は運転操作に集中してください;注意散漫は事故の大きな原因となります。

  • 機械の可動部の近くには絶対に手足を近づけないでください。

  • ガードなどの安全保護機器が正しく機能していない時は、運転しないでください。

  • 作業場所に、無用の大人、子供、ペットなどを近づけないでください。子供に運転させないでください。

  • 機械の詰まりを除去したり整備作業を行う場合には、平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、トラクションユニットのエンジンを停止し、キーを抜き取り、可動部が完全に停止したのを確認してください。調整、整備、清掃、格納などは、車両が十分に冷えてから行ってください。

間違った使い方や整備不良は負傷などの人身事故につながります。事故を防止するため、以下に示す安全上の注意や安全注意標識 Graphic のついている遵守事項は必ずお守りください 「注意」、「警告」、および「危険」 の記号は、人身の安全に関わる注意事項を示しています。これらの注意を怠ると死亡事故などの重大な人身事故が発生する恐れがあります。

安全ラベルと指示ラベル

Graphic

以下のラベルや指示は危険な個所の見やすい部分に貼付してあります。破損したりはがれたりした場合は新しいラベルを貼付してください。

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decal100-7679
decal105-0708
decal99-0016
decal117-4979
decal132-1316
decal133-8061
decal138-5940
decal138-5941
decal138-5949

組み立て

トングを取り付ける

この作業に必要なパーツ

トングアセンブリ1
リンチピン4
クレビスピン2
  1. 前レシーバチューブ、機体のフレーム、後レシーバチューブにトングを差し込む(図 3)。

    g269253
  2. トングの穴を、レシーバチューブの穴に合わせ、クレビスピンとリンチピン(4 本)でトングをチューブに固定する(図 4)。

    g269254

トラクションユニットの牽引バーにヒッチを接続する

  1. トラクションユニットの牽引バーとトングが水平になるようにヒッチのクレビスの位置を調整する(図 5)。

    g269296
  2. ヒッチのクレビスをトングに取り付ける;キャップスクリュ(2 本)、ワッシャ(4 本)、ロックナット(2 個)を使用する(図 5)。

  3. キャップスクリュとロックナットを 183-223 N·m (19-22 kg.m = 135-165 ft-lb) にトルク締めする。

  4. ヒッチピンとヘアピンで、ヒッチを牽引バーに固定する(図 5)。

トングジャッキ(オプション)を取り付ける

この作業に必要なパーツ

ジャッキ(オプション)1

ジャッキ(オプション)をトングに取り付ける

  1. ジャッキを、取り付けチューブに入れる(図 6)。

    g280872
  2. ジャッキの穴と、取り付けチューブの穴を合わせて、クレビスピンでジャッキを固定する(図 6)。

ワイヤハーネスを取り付ける

この作業に必要なパーツ

ワイヤハーネスアセンブリ(トップドレッサのハーネス、コントローラのハーネス、牽引車両用のハーネス)1
  1. トップドレッサのワイヤハーネスのコネクタを、車両のソレノイドバルブ用コネクタに接続する(図 7)。

    g012647
  2. 牽引車両用のハーネスのリング端子 2 つを、トラクションユニットのバッテリーへ導く。

  3. 牽引車両用のハーネスの黒線についているリング端子を、マイナスのバッテリーケーブルに組み付ける。

  4. 赤線についているリング端子を、プラスのバッテリーケーブルに組み付ける

  5. 各ハーネスからループバックコネクタを外し、トップドレッサのハーネス、コントローラのハーネス、牽引車両用のハーネスをつなぎ合わせる。

    Note: 車両用のハーネスとトップドレッサのハーネスの接続を外した時は、必ずそれぞれにループバックコネクタを接続し、コネクタを汚損から保護してください。

  6. トップドレッサのハーネスを、トングに沿って配設してケーブルタイで固定する。

  7. コントローラのハーネスをトップドレッサのハーネスに接続する。

  8. コントローラのハーネスを牽引車両の運転席に導き、ケーブルタイを使ってハーネスをフレームレールに固定する。

Note: ワイヤハーネスのコネクタは脱着可能となっており、牽引車両用のハーネスとトップドレッサのハーネスを、それぞれ、トラクションユニットとソップドレッサに接続したままにすることができます。

スキッドを取り付ける

この作業に必要なパーツ

スキッド4
キャリッジボルト8
平ワッシャ8
ロックナット8
  1. スキッドを 図 8 のようにセットする。

    g012648
  2. 取り付けブラケットにスキッドを取り付ける;キャリッジボルト(2 本)、平ワッシャ(2 枚)、ロックナット(2 個)を使用する。

  3. 他の 3 ヶ所についても、ステップ1と2を行う。

製品の概要

ゲート流量コントロール

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ゲートロックノブと調整ハンドルは機体の左側後部にあり、これでゲートの開度を調節・固定します(図 9)。

  1. ゲートロックノブをゆるめて、ゲートとノブがスロット内を自由に移動できるようにする。

  2. 調整ハンドルを使って、ゲートを希望位置にセットし、ロックノブで調整を固定する。

ハンドコントロールスイッチ

トップドレッサの始動と停止を行うスイッチです(図 10)。

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長さトングを含む254 cm
トングを含まない153.7 cm
 185 cm
高さ 107.9 cm
純重量 660 kg
ホッパーの容積 0.7 m³
最大積載重量 930 kg
最大牽引速度なし24 km/h
満載時13 km/h

必要なアタッチメント

トップドレッサ用油圧ブレーキキットパーツ No. 106-9680

オプションアクセサリ

トングジャッキパーツ No. 106-9699
Mobil EAL 224 H 生分解性油圧オイル(18リットル容器入り)パーツ No. 100-7674
オイルフィルタパーツ No. 86-3010
追加車両用ハーネスパーツ No. 99-0198

推奨アクセサリ

ハンドスロットルキットモデル No. 07420

アタッチメントとアクセサリ

トロが認定した各種のアタッチメントやアクセサリがそろっており、マシンの機能をさらに広げることができます。詳細は弊社の正規サービスディーラ、または代理店へお問い合わせください;弊社のウェブサイト www.Toro.com でもすべての認定アタッチメントとアクセサリをご覧になることができます。

いつも最高の性能と安全性を維持するために、必ずToroの純正部品をご使用ください。他社の部品やアクセサリを御使用になると危険な場合があり、製品保証を受けられなくなる場合がありますのでおやめください。

運転操作

運転の前に

運転前の安全確認

  • この装置は、重量上、バランス上、取り扱い上に独自の特性があり、他の機械とは異なった動作特性があります。本機をご使用になる前に必ずこのオペレーターズマニュアルをお読みになり、内容をよく理解してください。操作方法をしっかり身につけ、緊急時にすぐに停止できるようになってください。

  • 子供やトレーニングを受けていない大人には、絶対に運転や整備をさせないでください。地域によっては機械のオペレータに年齢制限を設けていることがありますのでご注意ください。オーナーは、オペレータ全員にトレーニングを受講させる責任があります。

  • 各部の操作方法や本機の正しい使用方法、警告表示などに十分慣れ、安全に運転できるようになりましょう。

  • 機械の詰まりを除去したり整備作業を行う場合には、平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、トラクションユニットのエンジンを停止し、キーを抜き取り、可動部が完全に停止したのを確認してください。調整、整備、清掃、格納などは、車両が十分に冷えてから行ってください。

  • エンジンの緊急停止方法に慣れておきましょう。

  • ガードなどの安全装置は必ず所定の場所に取り付けて使用してください。安全カバーが紛失していたり、ステッカーの字が読めなくなったりした場合には、機械を使用する前に修理し、ステッカーは新しいものに貼り換えてください。

  • 常に機械全体の安全を心掛け、ボルト、ナット、ねじ類が十分に締まっているかを確認してください。各構成機器が機体に確実に取り付けてあることを確認してください。

  • 使用する車両の能力を、車両メーカーや販売店などに確認してください: この重量のエアレータを確実に搭載操作できる能力があることが必要です。

  • いかなる方法であれ、この機械を改造しないでください。

  • 本装置は、トングによって牽引車両と接続します。トングに掛かる重量により、装置の安定性が異なってきます。

    • トングにかかる重量がプラスであってもマイナスであっても、トングに上下方向の負荷がかかっているので、トングを接続・解除する場合に危険です。取り付け後は、ジャッキスタンド(オプション)で安全に支えられていることを確認してください。

    • トングの重量が牽引車両のヒッチを押し上げる状態になると、トングにかかる重量はマイナスになります。

    • トングの重量が牽引車両のヒッチを押し下げる状態になると、トングにかかる重量はマイナスになります。

  • トラクションユニットへの接続や切り離しは、必ずホッパーを完全に空にした状態で行ってください。トングが急に跳ね上がって人身事故となる危険があります。

ワークマンなどの牽引車両についての注意事項

Important: ヒッチとブレーキの定格が 680 kg 以上のトラクションユニットであることが必要です。

Note: 牽引性能を上げるために、荷台にウェイトを搭載してください。

  • ゴルフ場のグリーンで、フローテーションタイヤを取り付けた牽引車両での牽引が可能です。

  • グリーン周囲の法面などでは 4 輪駆動車をお使いいただくのがベストです。

  • 法面で使用する時にはトレーラブレーキを使用してください。ワークマンに搭載可能なトレーラ用ブレーキを用意しています。このキットは、他の車両にも取り付け可能です; 12 V ブレーキライト電源が必要です。

使用前の点検

運転中に

運転中の安全確認

  • オーナーやオペレータは自分自身や他の安全に責任があり、オペレータやユーザーの注意によって物損事故や人身事故を防止することができます。

  • 作業にふさわしい服装をし、安全めがね、長ズボン、頑丈で滑りにくい安全な靴、および聴覚保護具を着用してください。長い髪は束ねてください。ゆるい装飾品やだぶついた服は身に着けないでください。

  • 疲れている時、病気の時、アルコールや薬物を摂取した時は運転しないでください。

  • この機械を運転する時は常に十分な注意を払ってください。運転中は運転操作に集中してください;注意散漫は事故の大きな原因となります。

  • ホッパーに手足を近づけないよう注意してください。

  • 走行中は必ず着席してください。

  • 運転には十分な注意が必要です。安全への注意がおろそかになると、転倒など思わぬ事故となり、けがや死亡など重大な結果を招きます。運転は慎重に。転倒や暴走事故を防止するために以下の点にご注意ください:

    • バンカーや川、ウォーターハザード、減速ランプ、不案内な場所などでは必ず減速し、安全距離を取り、十分な注意をはらう。

    • 走行が不安定にならないよう、資材を積んだ状態で不整地走行する時には速度を落とすようにする。

    • 運転は、穴や障害物を確認できる十分な照明のもとで行ってください。

    • バックするときには、足元と後方の安全に十分な注意を払ってください。

    • 見通しの悪い曲がり角や、茂み、立ち木などの障害物の近くでは安全に十分注意してください。

    • 急な斜面を走行する場合には安全に特に注意する。斜面ではまっすぐに上るか下るかする。小さな旋回をする時や斜面で旋回を行う時には必ず減速する。斜面での旋回は可能な限り避ける。

    • ぬれた場所、スピードが出ている時、満載状態などでの運転には十二分の注意を払う。満載状態では停止時間が長くなることを忘れずに。斜面の上り下りに入る前にシフトダウンしておくこと。

    • 急停止や急発進をしないこと。後退から前進、あるいは前進から後退への切り替えは、一旦完全に停止して行う。

    • 急旋回など突然の操作は、その後の制御が不安定になりやすく事故のもとであるから行わない。

    • 旋回時や後退時には周囲に注意すること。作業場所に異物や危険物がないことを確認し、無用の人間を入れない。旋回・後退はゆっくりと、低速で。

    • 旋回するときや道路や歩道を横切るときなどは、減速し周囲に十分な注意を払ってください。常に道を譲る心掛けを。

    • 頭上の危険物に注意し、低く垂れ下がった木の枝、門、歩道橋などの下を通り抜けるときは車両が通れる幅と自分の頭をぶつけない高さがあること確認する。

    • 機械の運転は十分な視界の確保ができる適切な天候条件のもとで行ってください。落雷の危険がある時には運転しない。

    • 安全に確信が持てない時は 作業を中止 して責任者に報告し、その指示に従う。

    • 走行中は車両から離れない。

  • 積み込みを開始する前に、必ず本装置に牽引車両が接続されていることを確認してください。

  • 本装置や牽引車両の最大積載量を超えないようにしてください。

  • 積荷の安定性は条件によって変わります - たとえば高く積むほど重心が高くなります。安定性確保のため、必要に応じて積載上限を規定より下げてお使いください。

  • 転倒を防止するために:

    • 積荷の高さと重量を慎重に確認してください。高く積むほど、そして積荷が重いほど、転倒のリスクは大きくなります。

    • 荷重が前後左右に均一に分散するように積んでください。

    • 旋回は慎重に行い、危険な操作は避けてください。

    • 積み込みを開始する前は必ず、本装置が車両に接続されていることを確認してください。

    • ホッパーに大きなものや重いものを入れないでください。大きすぎる荷重はベルトやローラを損傷するおそれがあります。また資材の質を揃えてください。砂に紛れている小石が飛び出すことが考えられます。

  • 運転席を離れる前に:

    • 平らな場所に駐車する。

    • エンジンを停止する。

    • 駐車ブレーキを掛ける。

    • エンジンを止め、(キーのある機種では)キーを抜き取る。

    • 全ての動きが停止するのを待つ。

  • 荷下ろし作業時は本装置の真後ろに立たないでください。

  • 車両からの切り離しは必ず平坦な場所で行ってください。

  • 資材を下ろす際には、事前に必ず本装置に牽引車両が接続されていることを確認すること。

  • 人や車両に近づいた時や、車両や通行人が横断している時は、アタッチメントをOFFにしてください。

  • 油圧トレーラブレーキ装着車では、ブレーキを連続して使用し続けると油圧オイルが過熱する可能性があります。長い下り坂ではブレーキに頼り過ぎず、必ず低速ギアにシフトしてください。ブレーキを過熱させないよう、車両でもトップドレッサでもブレーキは連続使用でなく間欠的に使用するようにしてください。

斜面での安全確保

  • 車両がどのていどの法面まで走行可能なのかを必ず確認しましょう。

  • 斜面はスリップや転倒などを起こしやすく、これらは重大な人身事故につながります。斜面での安全運転はオペレータの責任です。どんな斜面であっても、通常以上に十分な注意が必要です。

  • 斜面については、実地の測定を含めてオペレータ自身が調査を行い、安全に作業ができるかどうかを判断してください。この調査においては、常識を十分に働かせてください。

  • 以下に挙げる、斜面で運転する場合の安全上の注意を必ず読んで内容をしっかり理解してください。作業当日の諸条件を考慮して、実際に作業を行うかどうかを判断してください。同じ斜面上であっても、地表面の条件が変われば運転条件が変わります。

  • 斜面での発進・停止・旋回は避けてください。急に方向を変えたり急な加速やブレーキ操作をしないでください。旋回は速度を落としてゆっくりと行ってください。

  • 走行、ステアリング、安定性などに疑問がある場合には運転しないでください。

  • 隠れた穴、わだち、盛り上がり、石などの見えない障害は、取り除く、目印を付けるなどして警戒してください。深い芝生に隠れて障害物が見えないことがあります。不整地では機体が転倒する可能性があります。

  • ぬれ芝、急斜面など滑りやすい場所で運転すると滑って制御できなくなる危険があります。駆動力を失うと、スリップを起こしたりブレーキや舵取りができなくなる恐れがあります。

  • 段差、溝、盛り土、水などの近くでは安全に十二分の注意を払ってください。万一車輪が段差や溝に落ちたり、地面が崩れたりすると、機体が瞬時に転倒し、非常に危険です。必ず安全距離を確保してください。

装置をジャッキ(オプション)で支えるには

トラクションユニットから切り離す際にはジャッキを使用してください。

  1. クレビスピンを取り外す。

  2. ジャッキを縦にする(図 11)。

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  3. 取り付けチューブにセットしてクレビスピンで固定する(図 11)。

  4. ジャッキを伸ばして機体を支える。

ジャッキ(オプション)の収納

  1. 機体を牽引車両に接続する。

  2. ジャッキを完全に縮める。

  3. クレビスピンを取り外す。

  4. ジャッキを横にする(図 12)。

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  5. ジャッキを取り付けチューブにセットしてクレビスピンで固定する(図 12)。

運転操作

Important: 本装置を使用する前に、必ずトラクションユニットのオペレーターズマニュアルを読んで内容をよく理解してください。

  1. トラクションユニットを始動する;トラクションユニットのオペレーターズマニュアルを参照。

  2. ホッパーに資材を入れる前に、トラクションユニットとトップドレッサが正常に動作することを確認する。

    Note: 酷寒期に使用する場合には、酷寒時の使用についてを参照。

  3. ホッパーに砂などの資材を入れる;ホッパーへ資材を積み込む時を参照。

    Important: ホッパーに資材を入れすぎると、側板がゆがんだり、グリーンにタイヤ跡が残ったりする可能性があります。全部のタイヤの空気圧を点検する; タイヤ空気圧を点検するを参照。

  4. 目砂を散布する現場に移動する。

  5. 希望する散布量にゲートを調整し、ゲートロックノブでゲートを固定する。

    砂を散布する時の注意事項などについては、目砂の散布率を参照。

  6. トラクションユニットのシフトギアのレンジを低速にセットする。希望する速度でトラクションユニットの前進走行を開始する。

  7. ハンドコントロールスイッチで散布の ON/OFF を行う。

ホッパーへ資材を積み込む時

  • ホッパーの最大積載容量は 0.7 m³ です。

  • 一般的に乾燥砂の重量は 1602 kg/m³、濡れた砂は 2082 kg/m³ 程度となります。したがって、砂の重量が 930 kg を越えると過積載になる可能性が高くなります。

  • 砂は前後方向の中間部に、出来るだけ左右均等に、いれてください。

  • トップドレッサに砂を満載した状態でフルスピートで走行すると砂がずれを起こす危険がある。特に旋回中、斜面走行中や速度を急に変化させた時、凹凸のある場所を走行している時には、この現象が起こりやすくなる。重心の急変は転倒につながります。ホッパーに満載した状態で移動や散布を行う場合には十分な注意が必要である。

  • 重い物を積んでいる時は停止距離が長くなり、安全旋回半径は大きくなりますので注意が必要である。

目砂の散布率

散布される砂の量はゲートの設定で決まります。また、砂の水分含有量や粗さ(粒径)が異なると散布率も変わってきます。目砂の散布量の設定に当たっては、これらの要因を考慮に入れることが必要となります。実際の散布量については、小さいエリアで試運転を行って確認してください。散布量を増やしたい場合にはゲートの開度を大きくしてください。

均一な散布を行うためにはどのグリーンでも同じ速度でで牽引することが必要です。速度範囲は 3.2-13 km/h としてください。

砂についての注意事項

トップドレッサ には、散布作業中に砂が塊のまま落ちたり、大きな石が引っかかったりしないように、フレキシブルゲートエッジ(図 13)とスプリングリリースが付いています。ベルトをできるだけ長期にわたって使うことができるように、使用する砂に鋭利な石などが入らないような配慮を行ってください。

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酷寒時の使用について

タイヤの性能による制限がありますが、冬期にもある程度の散布作業を行うことが可能です。ある程度の制限はありますが、凍結防止用の砂や薬剤を散布することが可能です。コンベアベルトは PVC 製なので、低温状態では非常に硬くなり駆動するのに大きな力が必要になります。気温40° F(5° C)以下で使用した場合、ベルトの寿命がおよそ 50% 短縮される可能性があります。

Important: 気温が -7° C(20° F)以下での使用は控えてください。

  1. スプリングの圧縮長さを 101 mm に増やす;コンベアベルトの張りの調整を参照。

  2. 資材を積み込む前にベルトの試運転を行い、ベルト駆動に問題がないことを確認する。

    Important: ベルトや駆動ローラがスリップするようでは、これらが破損する恐れがあります。

Important: 暖かい季節になったら、ベルトの張り(スプリング長さ)を 112 mm にして使用してください。

ヒント

  • このトップドレッサは、牽引走行されることによって各部が駆動されるため、ベルトやブラシの動作を確認するためには、実際に牽引走行する必要があります。

  • また、3.2-13 km/h の範囲で牽引すると、最も良い結果が得られます。牽引速度が早くなればベルトやブラシの速度も上がるため、散布中の走行速度が多少変わっても、グリーンへの砂の投下量は一定に保たれます。ゲートは多段階(⅛ ずつ 13 段階)に調整できます。一列目の散布結果を見て、必要に応じた調整を行ってください。

    砂を散布する時の注意事項などについては、目砂の散布率を参照してください。

  • 前進走行を開始してからハンドコントロールスイッチを ON にすると散布が始まります。グリーンやティーで希望通りの位置で砂の投下を開始・停止するためには多少の練習が必要です。

  • ホッパーに資材を入れる前に、ドップドレッサが牽引車両に適切に接続されていることを確認してください。資材の重量によってトングが暴れると危険です。牽引車両からの切り離しは、必ずホッパー内部を空にして行ってください。トングが急に跳ね上がって人身事故となる危険があります。

  • このトップドレッサは、大抵のトラクタよりも幅が広くなっています。ゲートなどを通り抜ける際にトラクタが通れてもトップドレッサが通り抜けられない場合がありますので、事前に確認するなどして十分にご注意ください。

  • トラクションユニットには、トップドレッサの牽引荷重が負荷としてかかります。安全運転を心掛けてください。

    • 公道を走行しないでください。

    • カーブの手前では必ずトラクションユニットを減速し、ゆっくりとした速度で旋回してください。

    • 地表面がラフな部分や表面の状態がよくわからない場所に入り込む場合には必ずを十分に減速してください。

    • 進行方向を変えるときや、停止する場合にも、必ずその前に十分に減速するようにしてください。

    • 斜面で走行や旋回をする場合にも、必ずその前に十分に減速し、確実に制御しながら走行・旋回してください。

    • 急旋回や急停止をしないでください。坂道、ランプ、傾斜面、法面などでは進行方向を急に変えないでください。

    • つねに、地表(路面)状態を確認しながら、状態に合わせて走行速度を調整してください:ぬれていて滑りやすい場所、砂地や砂利で走りにくい場所、視界の悪い場所、夕暮れ時や夜明け前、霧、もや、雨などの条件に合わせてください。

    • 特に、重いものを搭載・牽引して下り坂を走るときには安全に十二分に注意してください。傾斜地では、可能な場合は必ず、真っ直ぐに登って真っ直ぐに降りるルートを選んでください。法面の横断(左右に傾いての走行)は可能であればしないでください。横転する可能性が常に存在し、万一横転した場合には重大な事故となります。

    警告

    牽引車両が斜面で転倒すると、重大な人身事故に直結する。

    • 坂を登りきれない時は絶対にUターンしようとしないこと。

    • シフトを「後退」に切り換え、必ずバックでゆっくりまっすぐに坂を下りること。

    • トランスミッションをニュートラルにしてクラッチをつないだままでブレーキだけに頼って坂を下りてはいけない。

    • ホッパーの壁面にコンパネなどを当てて壁を作って砂を高く積むことはしないこと。そのような積み方をすると重心が高くなって転倒などの大事故を起こす危険が高くなる。

    • 斜面は横切らず、真っ直ぐ上り下りすること。斜面での旋回は避けること。下り坂で急にクラッチペダルやブレーキペダルを踏んではならない。速度の急な変化は転倒などに結びつきやすい。

  • グリーンを横切ることができないような狭いエリアでは、安全な場所までバックで移動し、その場所から前進して目砂を散布するようにしましょう。

  • バックする際には必ず後方を確認し、人がいないことを確かめてください。バックするときには低速で、動きをきちんと観察しながら下がってください。

  • トレーラを接続した状態で後退走行する時は細心の注意を払ってください。

  • この装置を牽引する時の最高速度は、資材を積んでいない場合で 24 km/h、資材を積んだ状態では 13 km/h です。一般の牽引の場合と同様に、旋回時や後退時には安全に十分注意してください。通り道の左右にいる人物や障害物に十分な注意を払ってください。

  • 道路付近で作業するときや道路を横断するときは周囲の交通に注意してください。歩行者や他の車両に対し、常に道を譲る心掛けをもちましょう。.

  • トップドレッサに異常な振動を感じたときには、まずトラクションユニットを停止させ、駐車ブレーキを掛け、エンジンを止めてキーを抜き、各部の動きが完全に止まるのを待ってよく点検してください。摩耗や損傷などの異常はすべて修理してください。

  • ゴルフ場内を移動走行中にキャビテーションノイズが発生した場合は、走行速度を落とし、整備場に戻って原因の究明を行ってください。牽引速度は 13 km/h までとしてください。本装置は公道や高速道路を走行するための車両ではありません。牽引速度が 24 km/h を超えると、内部の油圧機器が破損します。

  • トップドレッサの整備や調整を行う前に:

    • 牽引車両を停止させ、駐車ブレーキを掛ける。

    • エンジンを停止させ、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認して運転席から降りる。

  • 各部にゆるみがないか時々点検して締め付けを行ってください。整備や調整が終わったら、に外してあった部品をすべて元通りに取り付けてください。

  • ホッパーに目砂を入れるとき、ホッパーにバケットローダなどをぶつけないように十分注意してください。ホッパーは大抵のバケットよりも幅広に作ってありますが、ぶつけられると変形します。

  • 目砂は乾燥しているものがベストですが、濡れた砂であっても問題なく散布することができます。ゲートの設定の微調整が必要になる場合がありますが、資材は一定に、むらなく散布することができます。ベルトがスリップする場合にはベルトの張りとクリーンアウトを点検してください。

  • 目砂資材は粒径や水分含有量がいろいろです。また、グリーンモアや芝草を傷つける可能性のある異物も含まれている可能性があります。資材の入手先で十分な品質管理を行うようにし、取扱いや積載にも注意を払ってください。

  • 右側ホッパーパネルに観察窓を設けてあり、ここでホッパー内の残量を確認できます。散布中に列の途中で資材切れにならいように、あらかじめホッパー内の資材の残量を確認してから散布を開始することをお奨めします。

  • この装置で採用している特殊振動アクスルは、グリーンやティーなどのアンジュレーションのある面を走行しているときでも常時油圧システムを駆動できるように構成されています。砲台形のグリーンなどの急斜面に入る時には、アクスルをターフにぶつけたりグリーンのアプローチ部分にタイヤ跡を残したりしないように、必ず十分に速度を落としてください。

    警告

    回転部に挟まれたり巻き込まれたりすると危険である。

    動作中はブラシやコンベアに近づかないこと。

  • 安全運転は、毎日の始業点検から始まります。トップドレッサを使用する前に必ず Toro ワークマンまたは牽引に使用するその他の車両のマニュアルをお読みになり、内容をよく理解してください。

運転終了後に

運転終了後の安全確認

  • 機械の詰まりを除去したり整備作業を行う場合には、平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、トラクションユニットのエンジンを停止し、キーを抜き取り、可動部が完全に停止したのを確認してください。調整、整備、清掃、格納などは、車両が十分に冷えてから行ってください。

  • 床面(地面)が柔らかいとジャッキの脚部がめり込んで機体を転倒させる危険があります。

  • 移動走行中を含め、散布を行っていない時は、装置を OFF にしておいてください。

  • マシン各部が良好な状態にあり、ボルトナット類が十分にしまっているか常に点検してください。

  • 摩耗、破損したり読めなくなったステッカーは交換してください。

保守

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

保守作業時の安全確保

  • 運転席を離れる前に:

    • 平らな場所に駐車する。

    • エンジンを停止する。

    • 駐車ブレーキを掛ける。

    • エンジンを止め、(キーのある機種では)キーを抜き取る。

    • 全ての動きが停止するのを待つ。

  • 保守作業は、各部が十分冷えてから行う。

  • このマニュアルに記載されている以外の保守整備作業は行わないでください。大がかりな修理が必要になった時や補助が必要な時は、Toro 正規代理店にご相談ください。

  • 可能な限り、エンジンを回転させながらの整備はしないでください。可動部に近づかないでください。

  • 車両のエンジンを作動させたままでチェーンの張りの点検や調整をしないでください。

  • 機器類を取り外すとき、スプリングなどの力が掛かっている場合があります。取り外しには十分注意してください。

  • 機体の下で作業する場合には、必ずジャッキスタンドで機体を確実に支えてください。

  • 整備や調整が終わったら、必ず全部のガード類を正しく取り付けてください。

  • マシン各部が良好な状態にあり、ボルトナット類が十分にしまっているか常に点検してください。

  • 擦り切れたり破損したりしたステッカーは貼り替えてください。

  • 機械の性能を完全に引き出し、かつ安全にお使いいただくために、交換部品は純正品をお使いください。他社の部品を御使用になると危険な場合があり、製品保証を受けられなくなる場合がありますのでおやめください。

推奨される定期整備作業

整備間隔整備手順
使用開始後最初の 1 時間
  • ホイールボルトのトルク締めを行う。
  • 使用開始後最初の 10 時間
  • ホイールボルトのトルク締めを行う。
  • 使用するごとまたは毎日
  • タイヤ空気圧を点検する。
  • 油圧ラインとホースを点検する
  • 油圧オイルの量を点検する。
  • 40運転時間ごと
  • ブラシの位置と摩耗具合を点検する。
  • 200運転時間ごと
  • グリスアップを行なう。.
  • ホイールボルトのトルク締めを行う。
  • 800運転時間ごと
  • 推奨されていない油圧オイルを使用している場合、代替品のオイルを使用した場合には、油圧オイルフィルタを交換してください。
  • 推奨されていない油圧オイルを使用している場合、代替品のオイルを使用した場合には、油圧オイルフィルタを交換してください。
  • 1000運転時間ごと
  • 推奨オイルをご使用の場合には、油圧オイルフィルタを交換してください。
  • 2000運転時間ごと
  • 推奨オイルをご使用の場合には、油圧オイルを交換してください。
  • 整備前に行う作業

    保守整備作業の準備

    1. トップドレッサのハンドコントロールスイッチを OFF にする。

    2. 平らな場所に駐車する。

    3. トラクションユニットの駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止し、キーを抜き取り、機械の動きが完全に停止したのを確認して運転席を降りる。

    車体をジャッキで持ち上げる場合

    1. ホッパーを空にする。

    2. ステップ保守整備作業の準備の手順を行う。

    3. スキッドにジャッキを当ててジャッキアップする。

      g012654
    4. 機体をジャッキスタンドで支える。

    5. 車輪に対して作業を行う場合は車輪を上または下にずらせばホイールボルトに手が届くようになる。

      Important: 車輪を外した場合には、再取り付け時にホイールボルトをホイールボルトのトルク締めに示されている値にトルク締めしてください。 トルク値が適切でないと、車輪の脱落などの恐れがあります。

    潤滑

    グリスの仕様

    No. 2 リチウム系グリス

    ベアリングとブッシュのグリスアップ

    整備間隔整備手順
    200運転時間ごと
  • グリスアップを行なう。.
    1. ステップ保守整備作業の準備の手順を行う。

    2. グリスフィッティング表に掲載されている部分に所定のグリスを注入する。

    グリスフィッティング表

    場所数量
    ローラシャフトベアリング(図 154
    ブラシシャフトベアリング(図 151
    ピボットベアリング(図 164
    ホイールベアリング(図 164

    Important: ベアリングとハウジングの間からわずかにグリスが漏れる程度に注入してください。グリスの量が多すぎるとオーバーヒートを起こしたりシールが劣化する可能性があります。

    g012652
    g012653

    Note: 駆動チェーンは、錆びて動きが固くなったのでない限り原則として潤滑しません。錆びついて動きが固くなった場合にのみ、 ドライタイプの潤滑剤を軽く塗布してください。大量に吹き拭けると、砂やどが付着して摩耗を進める原因となります。

    走行系統の整備

    タイヤ空気圧を点検する

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • タイヤ空気圧を点検する。
    1. ステップ保守整備作業の準備の手順を行う。

    2. タイヤ空気圧を点検する。

      1.38-2.07 bar(1.4-2.1 kg/cm2 = 20-30 psi)あれば適切である。

    3. 空気圧が 1.38-2.07 bar(1.4-2.1 kg/cm2 = 20-30 psi)の範囲にない場合には、適正値に調整する。

    ホイールボルトのトルク締め

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 1 時間
  • ホイールボルトのトルク締めを行う。
  • 使用開始後最初の 10 時間
  • ホイールボルトのトルク締めを行う。
  • 200運転時間ごと
  • ホイールボルトのトルク締めを行う。
  • Important: 適切なトルクを維持しないと脱輪の恐れがある。

    1. ステップ保守整備作業の準備の手順を行う。

    2. ホイールナット(20本)を 109-122 N·m(6.2-8.9 kg.m = 80-90 ft-lb)にトルク締めする。

    ホイール駆動チェーンの張りの調整

    1. ステップ保守整備作業の準備の手順を行う。

    2. 油圧モータ/ポンプをアクスルクレードルに固定しているキャリッジボルトとナットをゆるめる(図 17)。

      g012661
    3. モータスプロケットアセンブリを回して(図 17)ホイール駆動チェーンのたわみが 3.2 mm になるように調整する。

      Note: チェーンへは、アクスルクレードルの切欠きからアクセスできます。

      Important: チェーンの張りを強くしすぎるとチェーンの摩耗が早くなります。チェーンの張りを弱くしすぎるとスプロケットの摩耗が早くなります

    4. 取り付けボルトを締め付ける。

    コンベアベルトのチェーンの張りの調整

    1. ステップ保守整備作業の準備の手順を行う。

    2. チェーンカバーを取り外す(図 18)。

      g012659
    3. モータ&スプロケットアセンブリをメインフレームに固定しているボルト・ナットをゆるめる(図 19)。

    4. モータ&スプロケットアセンブリを回して(図 19)コンベアベルトのチェーンのたわみが 3.2 mm になるように調整する。

      Important: チェーンの張りを強くしすぎるとチェーンの摩耗が早くなります。チェーンの張りを弱くしすぎるとスプロケットの摩耗が早くなります

      g012660
    5. 取り付けボルトを締め付ける(図 19)。

    6. チェーンカバーを取り付ける(図 18)。

    ベルトの整備

    コンベアベルトの張りの調整

    適切に調整されたコンベアベルトでは、それぞれの圧縮スプリングの圧縮長さが 112 mm になります。以下の手順で調整してください。

    1. ホッパーを空にする。

    2. ステップ保守整備作業の準備の手順を行う。

    3. 後ジャムナットをゆるめる(図 20)。

      g012662
    4. 圧縮スプリングへの前ジャムナットの長さを 112 mm に調整する。

    5. 後ジャムナットを締め付ける。

    6. マシンの反対側でも 3 - 5 の作業を行う。.

    7. 機体の両側で、ベルトローラのシャフトの中心間の距離を測定し、左右とも同じであることを確認する(図 21)。

      左右ともおよそ 895 mm であればよい。

      g012663

    コンベアベルトの交換

    散布装置の準備を行う

    1. ホッパーを空にする。

    2. ステップ保守整備作業の準備の手順を行う。

    3. ホッパーのシール部分やゲートのエッジ部分の摩耗具合を点検する(図 22)。

      交換後のコンベアベルトが適切に作動するように、磨耗している部品や破損している部品は交換する。

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    コンベアチェーンを取り外す

    1. チェーンカバーを取り外す(図 23)。

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    2. チェーンのマスターリンクを外し、小さい方のスプロケットからチェーンを外す(図 24)。

      必要であれば、モータ取り付けボルトを外してマスターリンクを外す。

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    スライダベッドを分解する

    1. テンションロッドの前後のジャムナットをゆるめてスプリングの張りをなくす(図 25)。

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    2. 装置の左右で、スライダフレームレールにホッパーを固定しているキャップスクリュ(2本)、ワッシャ(2枚)、ロックナット(2個)を外す(図 26)。

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    3. ホッパーを後方に立て掛ける(壁、柱、梯子などを利用)(図 27)。.

      Important: 装置後部にホッパーを立てかけると、ブラシや油圧カップラを損傷する恐れがあります。ホッパーは必ず垂直よりも後ろに傾けて壁などにもたれさせ、不意に落ちてくることがないようにしてください(図 27)。

      g012669
    4. 装置右側で、スライダフレームレールを右側フェンダに固定しているキャップスクリュ(2本)をゆるめる(図 28)。 スライダベッドを傾けられるように、ボルト類は十分にゆるめる。

      g012670
    5. 装置左側で、スライダフレームレールを左側フェンダに固定しているキャップスクリュ(2本)とワッシャ(2枚)をゆるめる(図 29)。

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    ベルトの取り外し

    ベルトを切断してローラから外す。

    ベルトの取り付け

    1. 左側スライダフレームレールの穴に吊り上げ棒(角パイプ)などを指し込んで、フレームレールを少しだけ持ち上げる;図 29スライダベッドを分解する)を参照。

    2. 各パイプとローラのできるだけ深くまでベルトを入れる。

    3. 各ローラとベルトの間にプラスチック製のベルトツールを入れる。

      それぞれのツールがローラの外側にくるまでローラを回転させる。ツールをリブの向こう側、ベルトのセンター部へ押し込む。

    4. ベルトとツールをローラに更に押し込、ベルトをローラの中央にセットする。

    5. ベルトツールを外す。

    6. ベルト位置を調整してベルトのリブを、各ローラのリブ用溝に嵌める。

    スライダベッドを組み立てる

    1. 装置の左側で、スライダフレームレールを左フェンダに組み付ける(図 30);スライダベッドを分解するで取り外したキャップスクリュ(2本)とワッシャ(2枚)を使用し、キャップスクリュを締め付ける。

      g012671
    2. 装置右側で、スライダフレームレールを右側フェンダに固定しているキャップスクリュ(2本)を締め付ける(図 31)。

      g012670
    3. スライダフレーム上にホッパーを注意深く降ろす;図 27スライダベッドを分解する)を参照。.

    4. 装置の左右それぞれの側で、ホッパーをスライダフレームレールに固定する(図 32);スライダベッドを分解するで外したキャップスクリュ(2本9、ワッシャ(2枚)、ロックナット(2個)を使用する。

      g012668
    5. コンベアベルトの張りを調整する;コンベアベルトの張りの調整を参照。.

    コンベアチェーンを取り付ける

    1. 小さい方のスプロケットにチェーンを取り付け、マスターリンクでチェーンを固定する(図 33)。

      g012666
    2. 分解時にモータ取り付けボルトをゆるめていた場合には、ここでコンベアベルトの張りを正しく調整しなおす;コンベアベルトのチェーンの張りの調整を参照。.

    3. チェーンカバーを取り付ける(図 34)。

      g012659

    油圧系統の整備

    油圧系統に関する安全確保

    • 万一、油圧オイルが体内に入ったら、直ちに専門医の治療を受ける。万一、油圧オイルが体内に入った場合には、数時間以内に手術を受ける必要がある。

    • 油圧装置を作動させる前に、全部のラインコネクタが適切に接続されていること、およびラインやホースの状態が良好であることを確認すること。

    • 油圧のピンホールリークやノズルからは作動油が高圧で噴出しているので、絶対に手などを近づけない。

    • リークの点検には新聞紙やボール紙を使う。

    • 油圧関係の整備を行う時は、内部の圧力を確実に解放する。

    油圧ラインとホースの点検

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • 油圧ラインとホースを点検する
  • 毎日、 油圧ホースと油圧ラインを点検し、 漏れ、 折れ、 サポートのゆるみ、 磨耗や腐食があれば交換してください。修理不十分のまま運転しないでください。

    油圧作動液の仕様

    油圧オイル溜めに高品質の油圧オイルを満たして出荷しています。初めての運転の前に必ず油量を確認し、その後は毎日点検してください;油圧オイルの量を点検するを参照。

    交換用の推奨油圧オイル:Toro PX Extended Life Hydraulic Fluid(19 リットル缶または208 リットル缶)。

    Note: 推奨オイルを使用するとオイルやフィルタ交換の回数を減らすことができます。

    使用可能な他のオイル:Toro PX Extended Life Hydraulic Fluidが入手できない場合は、以下に挙げる特性条件および産業規格を満たす石油系の油圧オイルを使用することができます。合成オイルは使用しないでください。オイルの専門業者と相談の上、適切なオイルを選択してください:

    Note: 不適切なオイルの使用による損害については弊社は責任を持ちかねますので、品質の確かな製品をお使い下さる様お願いいたします。

    高粘度インデックス/低流動点アンチウェア油圧作動液, ISO VG 46

    物性: 
     粘度, ASTM D445cSt @ 40°C 44-48
     粘性インデックス ASTM D2270140 以上
     流動点, ASTM D97-37°C--45°C
     産業規格:Eaton Vickers 694 (I-286-S, M-2950-S/35VQ25 or M-2952-S)

    Note: 多くの油圧オイルはほとんど無色透明であり、そのためオイル洩れの発見が遅れがちです。油圧オイル用の着色剤(20 ml 瓶)をお使いいただくと便利です。1瓶で 15-22 リットルのオイルに使用できます。パーツ番号は P/N 44-2500; ご注文は Toro 代理店へ。

    Important: トロ・プレミアム合成生分解油圧作動液は、トロ社がこの製品への使用を認めた唯一の合成生分解オイルです。この生分解オイルは、トロの油圧系統に使用されているエラストマー製品に悪影響を与えないこと、また広い温度範囲で安定していることが確認されています。この生分解オイルは、通常の鉱物系油圧オイルと互換性がありますが、通常のオイルから切り替える際には、生分解性能を最大限に発揮させるために、油圧系統内部を洗浄することを強くお奨めします。この生分解オイルは、モービル代理店にて 19 リットル缶または 208 リットル缶でお求めになれます。

    油圧オイルの量を点検する

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • 油圧オイルの量を点検する。
    1. ステップ保守整備作業の準備の手順を行う。

    2. 油圧オイルタンクの補給口キャップ周囲のよごれをきれいに除去してキャップを外す(図 35)。

      g280776
    3. 油圧オイルの量を点検する。

      オイルが補給口のスクリーンの高さの 1/2 まであればよい(図 35)。

    4. オイルが少ない場合には所定のオイルを補給する。

    5. 油圧タンクのキャップを取り付ける(図 35)。

    油圧フィルタの交換

    整備間隔整備手順
    800運転時間ごと
  • 推奨されていない油圧オイルを使用している場合、代替品のオイルを使用した場合には、油圧オイルフィルタを交換してください。
  • 1000運転時間ごと
  • 推奨オイルをご使用の場合には、油圧オイルフィルタを交換してください。
    1. ステップ保守整備作業の準備の手順を行う。

    2. フィルタと油圧マニホルドの汚れをきれいに取り除き、フィルタの下にオイル回収容器を置き、フィルタを外す(図 36)。

      g280778
    3. 新しいフィルタについているガスケットに油圧オイルを塗りつける;油圧作動液の仕様を参照。

    4. 油圧マニホルドのフィルタ取り付けエリアをきれいにする(図 36)。

    5. フィルタ取り付けマウントにフィルタを取り付ける;ガスケットがマニホルドに接触したところから、さらに 1/2 回転締め付ける。

    6. 牽引して油圧システムを作動させ、オイル漏れなどがないことを確認する。

    油圧オイルの交換

    整備間隔整備手順
    800運転時間ごと
  • 推奨されていない油圧オイルを使用している場合、代替品のオイルを使用した場合には、油圧オイルフィルタを交換してください。
  • 2000運転時間ごと
  • 推奨オイルをご使用の場合には、油圧オイルを交換してください。
  • 油圧オイルタンクの容量:約 9.5 リットル

    Important: 油圧オイルが汚染されてしまった場合には、システム全体を洗浄する必要があります。ディストリビュータにご連絡ください。汚染されたオイルは乳液状になったり黒ずんだ色になったりします。

    1. ステップ保守整備作業の準備の手順を行う。

    2. 容量 9.5 リットルほどの廃油受けを油圧マニホルドの下に置く(図 37)。

      g280774g280775
    3. 油圧マニホルドのフィッティングについている戻りホースを外し、流れ出てくるオイルをすべて回収する(図 37)。

    4. 戻りホースを元通りにとりつけて締め付ける(図 37)。

    5. 油圧オイルタンクの補給口キャップ周囲のよごれをきれいに除去してキャップを外す;図 35油圧オイルの量を点検する)を参照。

    6. 所定の油圧オイルを約 9.5 リットル入れる;油圧作動液の仕様を参照。

      Important: 指定された銘柄のオイル以外は使用しないでください。他のオイルを使用すると油圧機器のトラブルの原因となります。

    7. オイル量を点検し、必要に応じて油圧オイルの量を点検するに示されているレベルまでオイルを補給する。

      Important: 油圧オイルを入れすぎないように注意してください。

    8. 油圧オイルタンクのキャップを取り付ける;図 35油圧オイルの量を点検する)を参照。

    ブラシの整備

    ブラシの位置と摩耗具合の点検

    整備間隔整備手順
    40運転時間ごと
  • ブラシの位置と摩耗具合を点検する。
  • 目砂をきれいに散布するためには、ブラシがコンベアベルトと確実に接触し、しかもベルトの動きを邪魔しないことが必要です。この調整の点検は、ベルトとブラシとの間に硬い紙を置いて行います。

    1. ブラシとベルトとの間に硬い紙などを差し入れて調整を確認する。

    2. ブラシの左右で高さが同じになっているかどうか点検する。

    3. ブラシの状態の点検

      摩耗が激しい場合は交換する。毛先の摩耗均一でない場合には、ブラシを調整するか、ブラシの位置を調整する;ブラシの位置の調整を参照。

    ブラシの位置の調整

    Note: 濡れた資材を散布する場合には、ブラシがベルトの突起部分に軽くあたって資材を飛ばすように(ベルトの低くて平たい部分を強くこすらないように)ブラシを調整してください。

    1. ベアリングハウジング(図 38)を機体右側に固定しているナットをゆるめる。

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    2. ブラシモータ(図 39)を機体左側に固定しているナットをゆるめる。

      g012658
    3. ブラシの右側をセットしてナットで仮止めする。

    4. ブラシの左側をセットしてナットで仮止めする。

    5. ブラシとコンベアベルトの間に硬い紙を入れる。

      ブラシは左右に均一な高さでなければいけない。

    6. 高さに問題なければナットを本締めする。

      ブラシの高さがそろっていない場合はステップ1-6をもう一度行う。

    洗浄

    車体を清掃する

    • トップドレッサを十分に洗浄する(特にホッパーの内側)。ホッパーとコンベアベルト部分に砂が一切残さないように清掃する。

    • 必要に応じて水または水と刺激の少ない洗剤で車体を洗浄する。柔らかい布などを使っても構いません。

    Important: 塩分を含んだ水や処理水は機体の洗浄に使用しないでください。

    Important: 高圧洗浄機は使用しないでください。圧力洗浄機を使うと、電装部の損傷、ステッカー類の剥がれ、潤滑部のグリス落ちなどを起こす可能性があります。電線部および油圧部分に水を掛け過ぎないようにしてください。

    保管

    格納保管時の安全

    • マシンを停止させ、(キー付きの機種では)キーを抜き取り、各部の動作が完全に停止したのを確認してから運転位置を離れる。調整、整備、清掃、格納などは、車両が十分に冷えてから行ってください。

    • ガス湯沸かし器のパイロット火やストーブなど裸火や火花を発するものがある近くでは、機械や燃料容器を保管・格納しないでください。

    格納保管の準備

    • しっかりした平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止し、キーを抜き取り、可動部が完全に停止したのを確認する。

    • ジャッキ(オプション)を取り付けて水平(移動時)位置から垂直(使用時)位置にする。

    • トップドレッサを十分に洗浄する(特にホッパーの内側)。ホッパーとコンベアベルト部分には砂が一切残っていないようにする。

    • 各ボルト類を締め付ける。

    • 各グリス注入部とベアリングのグリスアップを行う。はみ出したグリスはふき取る。

    • コンベアベルトを保護するため、直射日光を避けて保管する。屋外で保管する場合には、シートなどでカバーを掛けるのが望ましい。

    • 駆動チェーンの張りを点検する。必要に応じて張りを調整する。

    • コンベアベルトの張りを点検する。必要に応じて張りを調整する。

    • 格納期間が終わって使用を開始する時には、砂を積み込む前に、ベルトがスムースに動作することを確認しておく。

    故障探究

    ProblemPossible CauseCorrective Action
    コントローラのコードが接続しにくい、すぐに外れる。
    1. トラクションユニットのコネクタと合っていない。
    2. ON/OFF のコネクタがブレーキの配線に接続されている。
    1. 代理店から適切なハーネスを購入する。
    2. 正しく接続しなおす。
    牽引する時に異常に重い。
    1. ホイールモータ / ポンプが作動していない。
    2. ブレーキソレノイドが作動している。
    3. 油圧オイルが過熱している。
    1. 油圧配管が逆になっている。
    2. 配線を確認する。
    3. 正しく修正する。
    油圧オイルが漏れている。
    1. フィッティングがゆるんでいる。
    2. オイルフィルタがゆるんでいる。
    3. 油圧フィッティングのO リングが無くなっている。
    4. 油圧オイルタンクからオイルがあふれている。
    1. フィッティングを締め付ける。
    2. オイルフィルタを締め付ける。
    3. O リングを取り付ける。
    4. タンクのオイルを適正量に減らす。
    コンベアベルトやブラシが作動しない。
    1. ソレノイドの配線から 12 V が供給されていない。
    2. ハンドコントロールスイッチが故障している。
    3. 油圧モータ / ポンプが回転していない。
    4. コンベアベルトがスリップする。
    1. ヒューズと接続を確認する。
    2. スイッチの導通試験と電気ソレノイドコネクタに入っているダイオードの試験を行う。
    3. ホイール駆動チェーンを点検。
    4. コンベアベルトの張りを点検する。
    コンベアベルトが整列していない、またはトラックから外れている。
    1. ローラの中心線がそろっていない。
    2. ベルトの張りが不適切。
    3. ローラを固定しているベアリングロックカラーがゆるんでいる。
    4. ベルトのリブがローラの溝に入っていない。
    1. 左右の位置調整を行う。
    2. 左右のスプリングの張りが同じに調整されているかどうか確認。
    3. ベアリングロックカラーを締め付ける。
    4. リブをローラの溝に合わせて入れる。

    図面

    油圧配線図 138-5972

    g280721

    電気配線図 100-7687

    g269551