はじめに

このカッティングユニットは、集約的で高度な管理を受けているゴルフ場や公園、スポーツフィールド、商用目的で使用される芝生に対する刈り込み管理を行うことを主たる目的として製造されております。この機械は本来の目的から外れた使用をすると運転者本人や周囲の人間に危険な場合があります。

この説明書を読んで製品の運転方法や整備方法を十分に理解し、他人に迷惑の掛からない、適切で安全な方法でご使用ください。この製品を適切かつ安全に使用するのはお客様の責任です。

製品の安全や取り扱い講習、アクセサリなどに関する情報、代理店についての情報の入手、お買い上げ製品の登録などをネットで行っていただくことができます:www.Toro.com

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマーサービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。図 1にモデル番号とシリアル番号を刻印した銘板の取り付け位置を示します。いまのうちに番号をメモしておきましょう。

Important: シリアル番号プレートについている QR コード(無い場合もあります)をモバイル機器でスキャンすると、製品保証、パーツその他の製品情報にアクセスできます。

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この説明書では、危険についての注意を促すための警告記号(図 2)を使用しております。これらは死亡事故を含む重大な人身事故を防止するための注意ですから、必ずお守りください。

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この他に2つの言葉で注意を促しています。重要 は製品の構造などについての注意点を、はその他の注意点を表しています。

この製品は、関連する全ての欧州指令に適合しています。詳細についてはこの冊子の末尾にあるDOI(適合宣誓書)をご覧ください。

安全について

この機械は、EN ISO 5395: 規格およびANSI B71.4-2017 規格に適合しています。

安全に関する一般的な注意

この製品は手足を切断する能力がある。重大な人身事故を防ぐため、すべての注意事項を厳守してください。

  • 本機をご使用になる前に必ずこのオペレーターズマニュアルをお読みになり、内容をよく理解してください。

  • この機械を運転する時は常に十分な注意を払ってください。運転中は運転操作に集中してください;注意散漫は事故の大きな原因となります。

  • 機械の可動部の近くには絶対に手足を近づけないでください。

  • ガードなどの安全保護機器が正しく機能していない時は、運転しないでください。

  • 排出口の近くに手足などを近づけないでください。

  • 作業場所に、無用の大人、子供、ペットなどを近づけないでください。子供に運転させないでください。

  • 運転席を離れる前に:

    • 平らな場所に駐車する。

    • カッティングユニット下降

    • 駆動系統をOFFにする。

    • 駐車ブレーキを掛ける(装備車の場合)。

    • エンジンを止め、(キーのある機種では)キーを抜き取る。

    • 全ての動きが停止するのを待つ。

間違った使い方や整備不良は人身事故などの原因となります。事故を防止するため、以下に示す安全上の注意や安全注意標識 Graphic のついている遵守事項は必ずお守りください 「注意」、「警告」、および「危険」 の記号は、人身の安全に関わる注意事項を示しています。これらの注意を怠ると死亡事故などの重大な人身事故が発生する恐れがあります。

カッティングユニットの安全確保

  • トラクションユニットに取り付けたカッティングユニットは、機械の一部となります。ですから、トラクションユニットのオペレーターズマニュアルもお読みになって、機械全体を安全に取り扱う方法を良く学んでください。

  • 異物をはね飛ばしたときや機体に異常な振動を感じたときにはまずマシンを停止し、キー付きのマシンではキーを抜き取り、各部の動きが止まってからよく点検してください。異常を発見したら、作業を再開する前にすべて修理してください。

  • 各部品が良好な状態にあり、ボルトナット類が十分にしまっているか常に点検してください。読めなくなったステッカーは貼り替えてください。

  • アクセサリ、アタッチメント、交換部品は、必ずトロの純正品をお使いください。

刈り込みブレードについての安全事項

磨耗の進んだブレードや破損したブレードは、回転中にちぎれて飛び出す場合があり、これが起こるとオペレータや周囲の人間に多大の危険を及ぼし、最悪の場合には死亡事故となる。

  • ブレードが磨耗や破損していないか定期的に点検すること。

  • ブレードを点検する時には安全に十分注意してください。ブレードをウェスでくるむか、安全手袋をはめ、十分に注意して取り扱ってください。ブレードは研磨または交換のみ行い、たたいて修復したり溶接したりしないでください。

  • 複数のブレードを持つ機械では、1つのブレードを回転させると他も回転する場合がありますから注意してください。

安全ラベルと指示ラベル

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危険な部分の近くには、見やすい位置に安全ラベルや指示ラベルを貼付しています。破損したりはがれたりした場合は新しいラベルを貼付してください。

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組み立て

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

リール用グリスフィッティングを取り付ける

この作業に必要なパーツ

グリスフィッティング(ストレート)1

カッティングユニットのリールモータ側にグリスフィッティングを取り付けてください。図 3を参照して、各位置に配置されたカッティングユニットのどちら側にリールモータを取り付けるかを確認する。

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  1. リールモータのサイドプレートの固定ねじを外す。ねじは廃棄する (図 4)。

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  2. グリスフィッティング(ストレート)を取り付ける (図 4)。

カッティングユニットを調整する

  1. リールと下刃の調整を行う。

  2. 刈高に合わせて後ローラを調整する。

  3. 刈り高を調整する。

  4. 必要に応じて後シールドを調整する。

  5. 必要に応じてカッティングユニットのステアリングを調整する。

  6. 全部のカッティングユニットをトラクションユニットに取り付け終わり、刈り込みに使用できる状態になったら、ターフ補正スプリングの調整を行う。

これらの調整についての詳細は、カッティングユニットを調整するを参照

リールモータを取り付ける。

この作業に必要なパーツ

O リング1
キャップスクリュ(既に取り付け済みの場合もあり)2

Important: リールモータを取り付ける前に、カッティングユニットをはさんでリールモータの反対側に取り付けるカウンタウェイトまたはアクセサリを購入し、その説明書に従って取り付けを行ってください。

  1. カッティングユニットをトラクションユニットに取り付ける:取り付け要領についてはトラクションユニットのオペレーターズマニュアル を参照。

  2. リールモータのサイドプレートにキャップスクリュが付いていない場合は取り付ける (図 4)。

  3. リールモータにOリングを取り付ける (図 5)。

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  4. リールモータを取り付け、キャップスクリュで固定する。

  5. サイドプレートからグリスを注入する。グリスベントからグリスが漏れてくるまで入れること (図 4)。

製品の概要

モデル番号ウェイト
0372166kg
0372268kg
0372774kg

アタッチメントとアクセサリ

トロが認定した各種のアタッチメントやアクセサリがそろっており、マシンの機能をさらに広げることができます。 詳細は弊社の正規サービスディーラ、または代理店へお問い合わせください;弊社のウェブサイト www.Toro.com でもすべての認定アタッチメントとアクセサリをご覧になることができます。

いつも最高の性能と安全性を維持するために、必ずToroの純正部品をご使用ください。他社の部品やアクセサリを御使用になると危険な場合があり、製品保証を受けられなくなる場合がありますのでおやめください。

運転操作

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

カッティングユニットを調整する

後シールドを調整する

ほとんどの場合、シールドを閉じた状態にする(前方に排出する)と、最もよく刈りかすを分散します。濡れ芝などのように草が非常に重い時はシールドを開ける方が良い場合もあります。

後シールド(図 6)を開くには、シールドを左サイドプレートに固定しているボルトをゆるめます。シールドを希望位置にセットしたら、ボルトを元通りに締め付けます。

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カッティングユニットの点検

このカッティングユニットではデュアルノブ方式によってベッドナイフとリールの調整を行うようになっており、最適の調整を簡単に手早く行うことができます。また、このデュアルノブ方式では非常に正確な調整ができますので、ベッドナイフとリールとが相互に研磨しあうようになり、鋭利な刃先が長持ちして、高品質な刈りを長時間持続させることができ、バックラップの頻度を大幅に減らすことができます。

毎日または必要に応じて、刈り込みに出発するまえに、各カッティングユニットの下刃とリールの刃合わせ状態を点検してください。この点検は、前日の調子に係わりなく毎回行ってください。

  1. 手でリールをゆっくりと後ろ向きに回転させ、リールと下刃の接触状態を耳で確認する。

    Note: 調整ノブのねじを1ノッチ回転させることにより、ベッドナイフが、0.018 mm 移動します。リールと下刃の調整を行うを参照してください。

  2. 切れ味確認用のペーパー(Toro P/N 125-5610)を一枚、リールと下刃との間に、下刃に対して直角になるように差し入れて、カッティングユニットの切れ味をテストする(図 7)。ゆっくりと リールを回転させる;これで紙が切れれば合格である。

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    Note: 接触を強くしないと切れない場合には、鋭利な刃先を取り戻して精密なカットができるようにバックラップ、ベッドナイフのフェーシング、または研磨を行うことが必要(Toro リール/ロータリー・モアのための研磨マニュアル, Form No. 09168SL を参照)。

    Important: どんな場合でもごく軽い接触がベストです。軽い接触を維持しないと、下刃とリール刃の接触による相互研磨がうまく行われず、短期間のうちに切れ味が落ちてしまいます。また、接触が強すぎると、下刃とリールが早く磨耗し、またその磨耗が不均一に発生する結果、かえって刈り上がりが悪くなる結果となりがちです。

    Note: 下刃は、長期間使用しているうちにリールに削られ、リールの端部と接触する縁の部分が角張ってきます。この角張った部分は、ヤスリなどを使って下刃の刃先と面一に削り落としておくようにしてください。

    Note: 出荷時に面取りを施していますが(図 8)、この面取りはベッドナイフの寿命の中ほど(40%)でなくなりますので、面取りが必要になります。

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    Note: 面取りを大きくしすぎると、ターフに刈り残しが出るようになりますから注意が必要です。

カッティングユニットのステアリングを調整する

後カッティングユニットのステアリングを大きくするには

後ろのカッティングユニット(2番と3番)のキャリアフレームから、ピボットスペーサ、六角ソケットねじ、およびフランジロックナット(各2)(図 9)を取り外すことにより、これらのカッティングユニットの首振り追従性能を向上させることができます(図 10)。

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ステアリングをロックする

カッティングユニットが首振りしないように固定するには、スナッパピンを使ってピボットヨークをキャリアフレームに固定します(図 11)。

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Note: 法面では、カッティングユニットを固定することをお奨めします。

リールと下刃の調整を行う

この調整によって、リールと下刃のすり合わせを行い、双方の刃先の状態および切れ味を確認してください。また、この調整を終了したのち、必ず実際のフィールドでカッティングユニットの刈り上がりを確認してください。フィールド試験の結果にもとづいて、必要に応じて微調整を行ってください。

Important: リールに対して下刃を強く押し付けすぎると、下刃が破損しますから注意してください。

  • バックラップや研磨を行った後には、実際に数分間の刈り込みを行うとリールと下刃が互いに馴染むので、その後に刃合わせ調整を行うとスムーズな場合があります。

  • ターフの密度が非常に高い場合や、刈高が非常に低い場合には、更に微調整が必要となる場合もあります。

この調整作業には、以下に挙げるものが必要です:

  • シム 0.05 mm (0.002") (パーツ No. 125-5611)

  • 切れ味確認用のペーパー(P/N 125-5610)

  1. カッティングユニットを平らな水平の作業台の上に置く。

  2. ベッドバー調整ねじを左に回してベッドナイフとリールの接触をなくす(図 12)。

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  3. ベッドナイフとリールが見えるように、カッティングユニットを立てる。

    Important: ユニットの背面についているベッドバー調整ねじのナットが床に当たっていないことを確認する;キックスタンドを使用すること(図 13)。

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  4. カッティングユニットの右端からおよそ 25 mm の位置でリール刃が下刃と交差するようにリールを回して位置を決める。

    Note: その後の調整をやりやすくするために、この刃にマーカーで印をつける。

  5. リール刃と下刃が交差している場所で、リール刃と下刃の間に、シム(0.0508 mm)を挿入する。

  6. シムに 軽い 圧迫(シムが挟まれる感じ)を感じるまで、右側のベッドバー調整ねじを右に回し、圧迫を感じたらそこから調整ねじを2クリック戻して、シムを抜き取る。

    Note: カッティングユニットの左右どちらかの側で調整をすると反対側の調整も影響されます。2クリック戻すことにより、反対側の調整作業時にクリアランスを確保します。

    Note: 調整前の下刃とリールの間隔が広すぎる場合には、左右の調整ねじを交互に回して、間隔を適宜小さくしておくとよいでしょう。

  7. 先ほどマークを付けた刃(ユニット右側でシムを挟んでチェックした刃)がカッティングユニットの左端からおよそ 25 mm の位置でリール刃が下刃と交差するようにゆっくりと リールを回して位置を決める。

  8. シムが軽く挟まれた状態で引き抜ける程度まで、左側のベッドバー調整ねじを右に回して調整する。

  9. ユニットの右側に戻り、左右とも同じ程度の力でシムを引き抜くことができるように、適宜再調整する。

  10. ステップ8と9を繰り返して、カッティングユニットの左右どちらの側でも、同じ力でシムを引き抜けるように、しかしそこから左右でもう1クリック締めるとシムを引き抜けなくなるように、下刃とリール刃のすき間を調整する。

    Note: 以上で、下刃とリールが平行に調整された。

    Note: 以上の調整は、毎日行う必要はありません。研磨を行った後や分解して再組み立てを行った時に実施してください。

  11. この位置(あと1クリック締めるとシムが通らなくなる位置)から、ベッドバーアジャスタをそれぞれ右に1クリック締める。

    Note: 1回のクリックで、下刃が 0.022 mm 移動します。調整ねじを締めすぎないように注意してください。

  12. 切れ味確認用のトロ製試験ペーパーを一枚、リールと下刃との間に、下刃に対して直角になるように差し入れて、カッティングユニットの切れ味をテストする(図 14)。

    Note: ゆっくりと リールを回転させる;これで紙が切れれば合格である。

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    Note: 接触を強くしないと切れない場合には、鋭利な刃先を取り戻して精密なカットができるようにバックラップか研磨を行うことが必要である。

後ローラを調整する

  1. 希望の刈高範囲に必要な数のスペーサを刈高チャートで確認し、スペーサをサイドプレートの取り付けフランジ(図 15)の下に入れて、後ローラのブラケットの位置を正しくセットする(図 15)。

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  2. カッティングユニットの後部を持ち上げてベッドナイフの下に角材などの枕を置く。

  3. 各ローラブラケットをそれぞれのサイドプレート取り付けフランジおよびスペーサに固定しているナット2個を外す。

  4. サイドプレート取り付けフランジとスペーサから、ローラとボルトを外す。

  5. スペーサを、ローラブラケットの上にしてボルトに通す。

  6. ローラブラケットとスペーサとを、サイドプレート取り付けフランジの下側に、先ほど取り外したナットを使って取り付ける。

  7. ベッドナイフとリールの接触状態が良好であることを確認する。カッティングユニットを立てて、前ローラと後ローラ、およびベッドナイフが見えるようにする。

    Note: リールと後ローラとの平行関係は、カッティングユニット全体の組み立て精度により保証されていますから、調整は不要です。極わずかの狂いの調整は以下の方法により可能です:カッティングユニットを定盤の上に載せ、サイドプレート固定キャップスクリュをゆるめる(図 16)。全体を合わせてキャップスクリュを締め付ける。キャップスクリュを 37-45 N·m (3.7-4.6 kg.m = 27-33 ft-lb)にトルク締めする。

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ターフ補正スプリングを調整する

ターフ補正スプリングは、カッティングユニットの前から後ろへの「体重移動」を行う働きがあります。これにより、マーセリングやボビングと呼ばれる「波打ったような」仕上がりを防いでいます。

Important: この調整は、カッティングユニットをトラクタに取り付け、ユニットを真っ直ぐ前に向けて床に降ろした状態で行ってください。

  1. スプリングロッドの後穴にヘアピンコッターを忘れずに取り付けてください(図 17)。

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  2. スプリングロッド前部の6角ナットを締めて、スプリング(圧縮状態)の長さが15.9 cm になるようにする(図 17)。

    Note: アップダウンの激しい場所で使用する時には、スプリングの長さを 12.7 mmに調整してください。

    Note: 刈高や刈り込みの強さを変更した場合には、ターフ補正スプリングの設定の確認、調整が必要になります。

刈高の調整方法

Note: 刈高を 2.54mm よりも高く設定するには高刈りキットが必要です。

  1. 刈り高ブラケットをカッティングユニットのサイドプレートに固定しているロックナットをゆるめる(図 18)。

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  2. ゲージバー(図 19)のナットをゆるめ、調整ねじを希望の刈り高に合わせる。ねじの頭の下からバーの表面までの距離が刈り高となる。

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  3. ゲージバーのねじの頭を下刃の先端に引っかけ、バーの後端を後ローラに当てがう(図 20)。

  4. バーの前端がローラに当たるように、調整ねじで調整する(図 20)。ローラ全体が下刃と平行になるように、ローラの両側を均等に調節する。

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    Important: 前後のローラにゲージが当たり、ねじ頭がリールにぴったりと掛かっているのが正しい調整状態です。下刃の左右端でこの状態となるように調整してください。

  5. ナットを締めて調整を固定する。

    Note: ナットを締めすぎないこと。ワッシャの遊びがなくなるまで締め付ければそれでよい。

    刈高表

    刈高設定刈り込みの「強さ」後スペーサの数チェーンリンクの数グルーマキットを取り付けている場合**刈高設定刈り込みの「強さ」後スペーサの数チェーンリンクの数グルーマキットを取り付けている場合**
    6.4 mm弱め05+Yes41.3mm弱め55-
    普通05+Yes普通65-
    強め15+-強め75-
    9.5 mm弱め05+Yes44.4mm弱め65-
    普通15+Yes普通75-
    強め25+-強め86-
    12.7 mm弱め06Yes47.6mm弱め75-
    普通15+Yes普通86-
    強め25+Yes強め96-
    15.6 mm弱め16Yes50.8mm弱め76-
    普通25+Yes普通86-
    強め35+-強め96-
    19.1 mm弱め26Yes54.0mm弱め86-
    普通35+YesNormal96-
    強め46-強め106-
    22.2 mm弱め26Yes57.1mm弱め86-
    普通36YesNormal96-
    強め45+-強め106-
    25.4 mm弱め36Yes60.3mm弱め96-
    普通45+YesNormal106-
    強め55+-強め116-
    28.6 mm*弱め46-63.5mm弱め96-
    普通55-Normal106-
    強め65-強め116-
    31.8 mm*弱め46- + 昇降アームの U ブラケットを下穴にセットします(図 23)。
    普通56-   "Y" は、この刈高とスペーサの組み合わせで 27" グルーマの使用が可能であることを示します。
    強め66-  

    Note: チェーンリンクを1つずらすごとに、後ローラのピッチ角が 7.0 度変わります。

    34.9 mm*弱め46- 

    Note: 昇降アームの U ブラケットを下穴にセットすると後ローラのピッチ角が 3.5 度増えます。

    普通56-    
    強め66-    
    38.1 mm*弱め56-
    普通66-
    強め76-

    以下の表により、希望する刈高に最も適したベッドナイフを決定してください。

    ベッドナイフ選択チャート
    ベッドナイフパーツ番号ベッドナイフのリップの高さ 刈高
    ローカット(オプション)120-1641(69 cm)5.6 mm (0.220")6.4-12.7 mm
    120-1642(81 cm)  
    EdgeMax®(オプション)112-8910(69 cm)6.9 mm9.5-63.5 mm*
     112-8956(81 cm)  
    標準(通常装備品)114-9388(69 cm)6.9 mm (0.270")9.5-63.5 mm*
    114-9389(81 cm)  
    ヘビーデューティー(オプション)114-9390(69 cm)9.3mm (0.370")12.7-63.5 mm
    114-9391(81 cm)  
    * 暖地型芝草を 12.7 mm 以下の刈高で刈り込む場合には、ローカット用ベッドナイフが必要となる場合があります。
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刈高に関わる用語の解説

刈高の設定

希望する刈り高に設定調整するという意味です。

名目の刈高(作業台で設定した刈高)

これは、前後のローラの底部を結んでできる平面からベッドナイフの先端までの高さのこと、いわば理論上の刈り込み高さです。

実効刈高

実際に芝草が刈り取られる高さのことです。名目刈高が同じでも、草種の違い、季節の違い、ターフや土壌のコンディションなどにより実効刈高はさまざまに変化します。カッティングユニットの設定(刈り込みの強さ、ローラの種類と位置、ベッドナイフの種類、装着するアタッチメント、ターフ補正装置の調整など)も、実効刈高に影響を与えます。ターフエバリュエータ(モデル 04399)を使って、定期的に実効刈高を確認し、名目刈高との差を把握しておくことをお勧めします。

刈り込みの「強さ」

刈り込みの「強度」は、刈りあがりに大きな影響を与えます。「強さ」とは、地表面と下刃との角度を言います (図 22)。

この角度を何度にセットするのが一番よいかは、ターフのコンディションによって、また、どのような刈り上がりを希望するかによって異なってきます。使っていくうちにベストの設定がわかるようになります。ターフのコンディションはシーズンを通じて変化しますから、それに合わせてカッティングユニットの姿勢を変えて構いません。

一般的に、暖地型の芝草(バミューダ、パスパラム、ゾイシアなど)には、弱~普通程度の設定が適しており、寒地型の芝草(ベント、ブルーグラス、ライグラスなど)には、普通~きつめの設定が適しています。きつい設定では、リールの回転によって、より多くの芝草がベッドナイフにかき寄せられるので、刈り取り量が多くなります。

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後スペーサ

刈り込みの強さは、後スペーサの数で設定します。刈高の設定が同じなら、サイドプレート取り付けフランジの下にセットするスペーサの数が多いほど「きつい」刈り込みになります。トラクションユニットに装着されているカッティングユニット全部が同じ姿勢(スペーサ Toro P/N106-3925 の数が同じ)にセットされていることが必要です。姿勢が異なるとターフの見映えが悪くなる可能性があります (図 22)。

チェーンリンク

昇降アームチェーンを取り付ける位置によって、後ローラのピッチ角が決まります(図 23)。

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グルーマ

カッティングユニットにグルーマを取り付けた場合の推奨刈高設定値を示しています。

保守

キックスタンドを使ってカッティングユニットを立てた状態にする

ベッドナイフやリールを見るためにカッティングユニットを立てる場合には、ベッドバー調整ねじのナットが床面に接触しないように、カッティングユニットの後ろ側についているスタンド(トラクションユニットの付属品)で支えるようにしてください(図 24)。

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カッティングユニットの潤滑

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定期的に、5ヶ所のグリスポイント(図 25)にNo.2リチウム系汎用グリスを注入します。

グリスポイントは、前ローラ(2ヶ所)、後ローラ(2ヶ所)、リールモータのスプライン(1ヶ所)です。

Note: カッティングユニットを水洗いした直後にグリスアップ作業を行うと、機械各部から水分を追い出してベアリングの寿命を延ばすことができます。

  1. グリスニップルの周囲をウェスできれいに拭く。

  2. きれいなグリスがローラのシールやベアリングの逃がしバルブからはみ出してくるまでグリスを注入する。

  3. はみ出したグリスはふき取る。

リールの2番取り(リリーフ研磨)

未使用のリールは、ランド部の幅が 1.3-1.5 mm あり、30 °の逃げ角(2番角、リリーフ角)を付けてあります。

ランド部の幅が 3 mm を超えたら以下の作業を行ってください:

  1. 全部のリール刃に 30 °の角度で2番削りを行って、ランド部の幅を 1.3mm にしてください (図 26)。

    g028800
  2. 円筒研磨を行って各刃先の軌道円の差を 0.025 mm 未満にしてください。

    Note: これにより、ランド部の幅がわずかに大きくなります。

Note: リールやベッドナイフの鋭利な刃先を長持ちさせるには、リールやベッドナイフを新たに研磨して使い始めたときに、フェアウェイを2面刈り込むごとに刃合わせのチェックを行い、刃先にバリが出ていたら除去してください。バリは刃と刃の接触を大きくして摩耗を早めます。

ベッドナイフの整備

ベッドナイフの使用限界を以下の表に示します。

Important: 使用限界を超えているベッドナイフでは、刈り込み後の見映えが悪くなったり、カッティングユニットの耐衝撃性が低下したりする可能性があります。

ベッドナイフの使用限界表
ベッドナイフパーツ番号ベッドナイフのリップの高さ 使用限界*研磨角度上面角/前面角
ローカット(オプション)120-1641(69 cm)120-1642(81 cm)5.6 mm4.8 mm10度/5 度
EdgeMax®(オプション)112-8910(69 cm)112-8956(81 cm)6.9 mm4.8 mm10度/5 度
標準(通常装備品) 114-9388(69 cm)114-9389(81 cm)6.9 mm4.8 mm10度/5 度
ヘビーデューティー(オプション)114-9390(69 cm)114-9391(81 cm)9.3 mm4.8 mm10度/5 度
g027268

Note: どのベッドナイフでも、その使用限界はベッドナイフの底面を基準として判断します(図 28)。

g007165

上面の研磨角度を点検する

ベッドナイフの研磨では、研磨角度が非常に重要です。

傾斜計(トロのパーツ番号 131-6828)と傾斜計マウント(トロのパーツ番号 131-6829)を使用して研磨機の設定角度を調べ、必要に応じて修正を行ってください。

  1. 29に示すように、ベッドナイフの底部に傾斜計をセットする。

    g034113
  2. 傾斜計についている Alt Zero ボタンを押す。

  3. 傾斜計マウントのマグネットのエッジがベッドナイフのエッジに密着するように、ベッドナイフのエッジに傾斜計マウントをセットする(図 30)。

    Note: このとき、ステップ 1の時と同じ側にデジタル表示が見えるようにしてください。

    g034114
  4. 30に示すようにマウントに傾斜計を取り付ける。

    Note: これで表示される角度が、研磨機が実際にセットされている角度です。この角度が上面角の推奨値から2度以内であることが必要です。

ベッドバーの整備

ベッドバーの取り外し

  1. ベッドバー調整ねじを左に回して下刃とリールの接触を完全になくす(図 31)。

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  2. スプリングテンションナットをゆるめて、ワッシャがベッドバーを全く押さないようにする(図 31)。

  3. ベッドバーボルト(図 32)を固定しているロックナット(機体両側)をゆるめる。

    g003334
  4. 各ベッドバーボルトを抜いて、ベッドバーを下に引き抜いて外す(図 32)。

    Note: ベッドバーの両端にそれぞれナイロンワッシャ2枚とスチールワッシャが1枚ずつあるので注意する(図 33)。

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ベッドバーの取り付け

  1. ベッドバーアジャスタとスラストワッシャとの間にベッドバーの固定用「耳」を入れる。

  2. ベッドバーボルト(とボルトについているナット)とワッシャ6枚で、ベッドバーを各サイドプレートに固定する。

    Note: サイドプレートのボスの両側にナイロンワッシャを入れる。その外側からスチール製ワッシャを取り付ける(図 33)。

  3. ベッドバーボルトを 37-45 N·m (3.7-4.6 kg.m = 27-33 ft-lb)にトルク締めする。

    Note: 左右の遊びが完全になくなって外側のスチール製ワッシャが回らなくなるまで(ただし決して締めすぎになったりサイドプレートが変形したりしていない)ロックナットを締め付ける。内側のワッシャには遊びがあってかまいません。

  4. スプリングがつぶれるまでテンションナットを締め、そこから半回転戻す(図 34)。

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ベッドナイフの取り付け

  1. ベッドバーの表面についている錆や汚れをきれいに落とし、ベッドバーの表面に薄くオイルを塗る。

  2. ねじ穴をきれいに掃除する

  3. ベッドナイフ固定ボルトに固着防止パウンドを塗ってベッドナイフをベッドバーに固定する(図 35)。

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    1. 外側の 2 本のねじを 1 N·m(1.15 kg.m=10 in-lb)にトルク締めする;図 35を参照。

    2. ベッドナイフの中央から交互に左右に、各ねじを 23-28 N·m(2.3-2.9 1 kg.m = 200-250 in-lb)にトルク締めする;図 35を参照。

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  4. ベッドナイフを研磨する。

HD デュアルポイントアジャスタ(DPA)の整備

  1. 全部のパーツを取り外す(HD DPA キット(モデル 120–7230)の 取り付け要領書 および 図 37を参照)。

  2. カッティングユニットのキャリアフレームのブッシュ挿入穴に固着防止コンパウンドを塗布する(図 37)。

  3. フランジブッシュのキーとフレームのキー溝を揃えて、ブッシュを挿入する(図 37)。

  4. アジャスタシャフトにウェーブワッシャを通し、アジャスタシャフトをカッティングユニットのフレームのフランジブッシュに通す(図 37)。

  5. 平ワッシャとロックナットでアジャスタシャフトを固定する(図 37)。ロックナットを 20-27 N・m (2.1-2.6 kg.m = 15-20 ft-lb)にトルク締めする。

    Note: ベッドバーアジャスタのシャフトは左ねじである。

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  6. アジャスタシャフトに嵌るベッドバー調整ねじのねじ山部分に固着防止コンパウンドを塗布する

  7. ベッドバー調整ねじをアジャスタシャフトにはめ込む。

  8. 硬化ワッシャ、スプリング、スプリングテンションナットをアジャスタねじに仮止めする。

  9. ベッドバーアジャスタとスラストワッシャとの間にベッドバーの固定用「耳」を入れる。

  10. ベッドバーボルト(とボルトについているナット)とワッシャ6枚で、ベッドバーを各サイドプレートに固定する。

    Note: サイドプレートのボスの両側にナイロンワッシャを入れる。 その外側からスチール製ワッシャを取り付ける(図 37)。 ベッドバーボルトを 37-45 N·m (3.73-4.56 kg.m = 27-33 ft-lb)にトルク締めする。左右の遊びが完全になくなって外側のスチール製ワッシャが回らなくなるまで(ただし決して締めすぎになったりサイドプレートが変形したりしていない)ロックナットを締め付ける。内側のワッシャには遊びがあってかまいません。

  11. 各ベッドバーアジャスタアセンブリを締め付けて圧縮スプリングを完全に圧縮し、そこから1/2回転だけ戻す(図 37)。

  12. カッティングユニットの反対側についても同じ作業を行う。

  13. リールと下刃の調整を行う

ローラの整備

ローラリビルドキットおよび、ローラリビルド工具キット(図 38)が販売されています。ローラリビルドキットは、ローラの分解組み立てに必要なすべてのベアリング、ベアリングナット、内側シール、外側シールをセットにしたキットです。ローラリビルドツールキットは、ローラリビルドキットをつかってローラの再組み立てを行うのに必要な工具と説明書のキットです。詳細は、パーツカタログをご覧になるか、代理店にお問い合わせください。

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