はじめに

このロータリーカッティングデッキは、乗用型の装置に取り付けて使用する専門業務用の製品であり、そのような業務に従事するプロのオペレータが運転操作することを前提として製造されています。この製品は、集約的で高度な管理を受けているスポーツフィールドや商用目的で使用される芝生に対する刈り込み管理を行うことを主たる目的として製造されております。この機械は本来の目的から外れた使用をすると運転者本人や周囲の人間に危険な場合があります。

この説明書を読んで製品の運転方法や整備方法を十分に理解し、他人に迷惑の掛からない、適切で安全な方法でご使用ください。この製品を適切かつ安全に使用するのはお客様の責任です。

製品の安全や取り扱い講習、アクセサリなどに関する情報、代理店についての情報の入手、お買い上げ製品の登録などをネットで行っていただくことができます:www.Toro.com

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマー・サービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。図 1にモデル番号とシリアル番号を刻印した銘板の取り付け位置を示します。いまのうちに番号をメモしておきましょう。

Important: シリアル番号デカルについている QR コード(無い場合もあります)をモバイル機器でスキャンすると、製品保証、パーツその他の製品情報にアクセスできます。

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この説明書では、危険についての注意を促すための警告記号(図 2)を使用しております。これらは死亡事故を含む重大な人身事故を防止するための注意ですから、必ずお守りください。

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この他に2つの言葉で注意を促しています。重要 は製品の構造などについての注意点を、はその他の注意点を表しています。

この製品は、関連するEU規制に適合しています。 詳細については、DOC シート(規格適合証明書)をご覧ください。

警告

カリフォルニア州

第65号決議による警告

米国カリフォルニア州では、この製品を使用した場合、ガンや先天性異常などを誘発する物質に触れる可能性があるとされております。

安全について

所定のセットアップを行い、規格適合証明書(DOC)に記載されている CE キットを取り付けることにより、本機は ANSI B71.4-2017 および ENISO 5395 規格に適合する製品となります。

安全に関する一般的な注意

この機械は手足を切断したり物をはね飛ばしたりする能力があります。重大な人身事故を防ぐため、すべての注意事項を厳守してください。

  • エンジンを始動する前に必ずこのオペレーターズマニュアルをお読みになり、内容をよく理解してください。

  • この機械を運転する時は常に十分な注意を払ってください。運転中は運転操作に集中してください;注意散漫は事故の大きな原因となります。

  • ガードなどの安全保護機器が正しく機能していない時は、運転しないでください。

  • 回転部に手足を近づけないよう注意してください。排出口の近くに手足などを近づけないでください。

  • 作業場所に、無用の大人、子供、ペットなどを近づけないでください。子供に運転させないでください。

  • 運転席を離れる場合はエンジンを止め、(キーが付いている機種では)キーを抜き取り、機械の動きが完全に停止したことを確認してください。調整、整備、格納は機体が十分冷えてから行ってください。

間違った使い方や整備不良は人身事故などの原因となります。事故を防止するため、以下に示す安全上の注意や安全注意標識 Graphic のついている遵守事項は必ずお守りください 「注意」、「警告」、および「危険」 の記号は、人身の安全に関わる注意事項を示しています。これらの注意を怠ると死亡事故などの重大な人身事故が発生する恐れがあります。

カッティングユニットの安全確保

  • トラクションユニットに取り付けたカッティングユニットは、機械の一部になってしまいます。ですから、トラクションユニットのオペレーターズマニュアルもお読みになって、機械全体を安全に取り扱う方法を良く学んでください。

  • 異物をはね飛ばしたときや機体に異常な振動を感じたときにはまずマシンを停止し、キーを抜き取り、各部の動きが完全に止まってからよく点検してください。異常を発見したら、作業を再開する前にすべて修理してください。

  • 各部品が良好な状態にあり、ボルトナット類が十分にしまっているか常に点検してください。読めなくなったステッカーは貼り替えてください。

  • アクセサリ、アタッチメント、交換部品は、必ずトロの純正品をお使いください。

安全ラベルと指示ラベル

Graphic

危険な部分の近くには、見やすい位置に安全ラベルや指示ラベルを貼付しています。破損したりはがれたりした場合は新しいラベルを貼付してください。

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組み立て

警告

始動キーをつけたままにしておくと、誰でもいつでもエンジンを始動させることができ、危険である。

整備・調整作業の前には必ず始動キーを抜いておくこと。

危険

PTO シャフトを接続したままでエンジンが始動すると重大な人身事故が発生する恐れがある。

PTO シャフトがカッティングユニットのギアボックスに接続されるまでは、エンジンを始動してPTOスイッチを操作してはならない。

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

昇降アームをトラクションユニットに取り付ける

この作業に必要なパーツ

ピボット・ピン・アセンブリ2
コッターピン2
  1. トラクションユニットの右前輪または左前輪のホイールナットをゆるめる(外してしまわないこと)。

  2. 機体をジャッキアップしてゆるめた車輪を床から浮かす。落下事故防止のために、ジャッキスタンドや支持ブロックなどを使ってサポートする。

  3. ゆるめたホイールナットを外し、タイヤとホイールを機体から外す。

  4. ピボットピン 1 本、コッターピン1 本を使って、ピボットブラケットに昇降アームを取り付ける(図 3)。昇降アームを、曲がった部分が外側を向くようにして取り付ける。

  5. ブレーキリターン・スプリングを昇降アームのタブ引っ掛ける(図 3)。

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  6. ホイール&タイヤアセンブリを取り付ける。ホイールナットを 102-108 N·m(6.2-8.9 kg.m = 75-80 ft-lb)にトルク締めする。

  7. 同様の方法で機体の反対側でも作業を行う。

昇降アームをカッティングユニットに接続する

この作業に必要なパーツ

昇降アーム(右)1
昇降アーム(左)1
スラスト・ワッシャ(ナイロン)4
クレビスピン4
ヘアピン コッター(小)2
刈高カラー2
クレビスピン2
ヘピンコッター(大)2
ボルト(½" x ¾")2
ワッシャ 2
  1. カッティングユニットをトラクションユニットの前に置く。

  2. 昇降レバーをフロート位置にセットする。昇降アームを押し下げて、昇降アームについている穴とキャスタアームのブラケットについている穴を整列させ、昇降アームのパッドに刈高ロッドを挿入できるようにする(図 4)

  3. スラスト・ワッシャ 2 枚、クレビス・ピン、大きいヘアピンコッターを使って、昇降アームをキャスタアームに固定する。スラストワッシャは昇降アームとキャスタアーム・ブラケットの間に入れる(図 4)コッターピンを、キャスタアームタブのスロットに差し込んで固定する。

  4. もう一方の昇降アームにも同じ作業を行う。

  5. トラクションユニットを始動し、カッティングユニットを上昇させる。

  6. カッティングユニットの後部を押し下げ、昇降アームのパッドに刈高ロッドを通す。

  7. 刈高ロッドに刈高カラーを取り付け、小さいクレビスピンとヘアピンコッターで固定する(図 4)。クレビスピンの頭をカッティングユニットの前方向に向けておく。

  8. 刈高ロッドのそれぞれの上部に、ボルト(½" x ¾")とワッシャを取りつける(図 4)。

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トラクションユニットの PTO シャフトの交換

モデル 30366 のカッティングユニットの PTO シャフトは他よりも短いので、以下のようにして取り付ける必要があります。

  1. PTOシャフトのメス側の端部をトラクションユニットのシャフトに接続しているコッターピン、ボルト、ロックナットを外す。

  2. トラクションユニットからPTOシャフトを外す(今後使用する予定がある場合にはしかるべく保管する)。

  3. カッティングデッキに付属しているPTOシャフトのメス側の端部を、トラクションユニットのシャフトに、コッターピンで固定する。

  4. ボルトとロックナットを締めつける。

PTOシャフトをカッティングユニットのギアボックスに接続する

  1. オスの PTO シャフトとメスの PTO シャフトを接続する。ギアケースの入力シャフトの取り付け穴と PTO シャフト穴とを整列させて相互に接続する。

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  2. ロールピンで固定する。

  3. ボルトとナットを 18-25 N∙m(1.8-2.5 kg.m = 175-225  in-lb)にトルク締めする。

グリスアップを行う

機械がその性能を正しく発揮できるように、使用を開始する前に、各部の潤滑を行ってください;潤滑を参照。この作業を怠るとマシンに急激な磨耗が発生しますから注意してください。

製品の概要

Note: 仕様および設計は予告なく変更される場合があります。

刈幅1.52 m
刈高25-127 mm の範囲で 13 mm 刻みで調整可能
純重量204 kg

アタッチメントとアクセサリ

トロが認定した各種のアタッチメントやアクセサリがそろっており、マシンの機能をさらに広げることができます。 詳細は弊社の正規サービスディーラ、または代理店へお問い合わせください;弊社のウェブサイト www.Toro.com でもすべての認定アタッチメントとアクセサリをご覧になることができます。

いつも最高の性能と安全性を維持するために、必ずToroの純正部品をご使用ください。他社の部品やアクセサリを御使用になると危険な場合があり、製品保証を受けられなくなる場合がありますのでおやめください。

運転操作

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

注意

始動キーをつけたままにしておくと、誰でもいつでもエンジンを始動させることができ、危険である。

整備・調整作業の前には必ずエンジンを停止し、キーを抜いておくこと。

刈り高の調整

刈高の調整範囲は 25-127 mm、調整間隔は 13 mm 刻みです。調整は、キャスタホイールの軸を、キャスタフォークの上穴または下穴にセットし、キャスタフォークにスペーサを増減し、刈高ロッドの所定の穴に刈高カラーを固定して行います。スペーサの増減は左右とも同じに調整してください。

  1. エンジンを始動し、刈高の調整ができる程度にカッティングユニットを床から上げる。カッティングユニットを上昇させたらエンジンを止め、キーを抜き取る。

  2. 左右のキャスタフォークの同じ穴にキャスタホイールの軸をセットする。セッティング用の穴の選択については 図 6 および 図 7 を参照してください。

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    Note: 刈高が 64 mm 以上の場合は、ホイールとフォークの間に刈りかすがたまるのを防止するために、アクスルボルトをキャスタフォークの下側の穴にセットしてください。刈高を 64 mm 未満に設定しているのにホイールとフォークの間に刈りかすがたまる場合には、バック走行して刈りかすを振り落としてください。

  3. スピンドルシャフトからテンショニングキャップを取り(図 6)、キャスタアームからスピンドルを抜き出す。シム(3 mm)を2枚スピンドルのシャフトに通す(当初の状態と同じに)。これらのシムは、デッキ全体の左右の水平調整に必要となる。希望の高さにするために必要な数のスペーサ(12mm)をシャフトにセットし、ワッシャをはめる。

    刈高と、必要なシムの組み合わせとの関係は図 7にて確認してください:

  4. キャスタアームにキャスタスピンドルを通す。スピンドルシャフトにシムを取り付け(当初の状態と同じに)、残りのスペーサも取り付ける。テンショニングキャップを取り付けてアセンブリを固定する。

  5. 刈高カラーをカッティングデッキ後部の刈高ロッドに固定しているヘアピンコッターとクレビスピンを取り外す(図 8)。

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  6. 刈高カラーを、刈高ロッドにある希望する刈高の穴に合わせる(図 8 と 図 9)。

  7. クレビスピンとヘアピンコッターで刈高を固定する。

    Note: できれば、クレビスピンの頭をデッキの前に向けておく。

    Note: 刈高 25 mm、38 mm、また場合により 51 mm で使用する時には、スキッド(そり)とローラを一番高い穴にセットして使ってください。

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ローラを調整する

Note: 予定の刈高が 25 mm または 38 mm の場合は、ローラをブラケットの上穴に移動する必要があります。

  1. ローラの調整は、ローラシャフトをデッキブラケットに固定しているねじとナットを外して行います(図 10)。

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  2. ブラケットの下側の穴からシャフトを抜き取り、上側の穴に付け替える。

  3. ネジとナットを取り付けてアセンブリを固定する。

  4. 後(内側)ローラの調整方法は、図 11を参照。

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スキッドの調整

刈高 64 mm 以上にて使用する場合には、スキッドを下位置に取り付け、それ以下の刈高で使用する場合には、上位置に取り付けます。

Note: スキッドが磨耗してしまった場合には、スキッドを裏返して左右をを入れ替えて取り付けて利用することができます。これにより、1枚のスキッドをより長く使うことができます。

  1. PTOを解除し、駐車ブレーキを掛ける。

  2. エンジンを停止させ、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してから運転位置を離れる。

  3. 各スキッドの前にあるねじをゆるめる(図 12)。

  4. 各スキッドからフランジヘッドボルトとナットを外す。

  5. 各スキッドを希望位置に合わせて、フランジヘッドボルトとナットで固定する(図 12)。

    Note: スキッドの調整は、一番上の穴または真ん中の穴のどちらかで行ってください。下の穴は、ガーディアンデッキでスキッドの左右を入れ替えて使用するときに上穴として利用するものです。

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  6. 各スキッドの前部についているねじを 9-11 N⋅m(0.9-1.2 kg·m = 80-100 in-lb)にトルク締めする。

フローバッフルを調整する

刈り込みのコンディションの合わせて、カッティングデッキの排出フローを調整することができます。刈りあがりが最も良くなる位置に、カムロックとバッフルをセットしてください。

  1. カムロックは、レバーをゆるめて調整する(図 13)。

  2. 希望の排出フローになるように、スロットの中の位置を調整する。

  3. 調整ができたらレバーを締めてバッフルとカムロックを固定する。(図 13)

  4. カムロックがバッフルを固定しない、あるいは固すぎる場合には、レバーをゆるめてからカムロックを回す。適切にロックできるようにカムロックを調整すること。

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フローバッフルの位置調整を行う

以下に示す図はあくまでも参考(推奨)です。草種や湿度、ターフの草丈などにより設定を変えてください。

Note: 走行速度が変わらないのにモアの回転速度が落ちてくる場合にはバッフルを開いてください。

A の位置

一番後ろにセットした状態です。以下のような条件で使うのに適しています。

  • 草丈が低く、軽い刈り込み

  • 乾燥した場所での刈り込み

  • 刈りカスが少ない刈り込み

  • 刈りカスを遠くへ飛ばしたい刈り込み

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B 位置

集草を行うのに適した設定です。 いつも、ブロアの開口部に整列させる。

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C 位置

一番開いた状態です。以下のような条件で使うのに適しています。

  • 草丈が高く、密度が高い刈り込み

  • 湿った場所での刈り込み

  • エンジンからのパワー消費を下げたい場合

  • 重い芝刈り作業を、走行速度を上げて行いたい時

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カッティングユニットのピッチの調整

カッティングユニットのピッチとは、ブレードを前後方向に向けたときのブレードの前後における床からの高さの差を言います。ブレードピッチを 6 mm にセットします:すなわち、ブレード前端よりもブレード後端の方が 6 mm 高い状態に調整します。

  1. 作業場の平らな場所に駐車する。

  2. カッティングデッキを希望する刈高に調整する。

  3. まず、1本のブレードを前後方向に向ける。

  4. 短い定規を使って、床面からブレードの前側の刃先までの高さを測る。ブレードを半回転させて後方に回し、床面からこの切っ先までの高さを測る。

  5. 後方での測定値から前方での測定値を引いた値がブレードのピッチとなる。

  6. 刈高ロッドの下部についているジャムナットをゆるめる(図 17)。

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  7. 刈高ロッドを回転させてカッティングユニット後部を上下させ、適切なピッチに調整する。

  8. ジャムナットを締めつける。

カッティングユニットのミスマッチの修正

各ターフのコンディションは同じでなく、またトラクションユニットのカウンタバランスの設定も様々ですので、本格作業を開始する前に試験刈りを行って、刈りあがりを確認することをお奨めします。

  1. カッティングデッキを希望する刈高に調整する;刈り高の調整を参照。

  2. トラクションユニットの前後のタイヤの空気圧を点検・調整する(1.38 bar = 1.4 kg/cm2 = 20 psi)。

  3. すべてのキャスタタイヤの空気圧を 3.45 barに調整する。

  4. ブレードが曲がっていないか点検する;ブレードの変形を調べるを参照。

  5. テスト区域を刈って、全部のカッティングユニットが同じ刈高で刈っているかどうかを見る。

  6. さらにカッティングユニットの調整が必要な場合には、長さ 2 m 程度またはそれ以上長い直定規を使って、平らな床面を探す。

  7. 測定を容易にするため、一番高い刈高に設定する;刈り高の調整を参照。

  8. 平らな床の上にカッティングユニットを降下させる。カッティングユニットの上部からカバーを外す。

  9. ブレードが前後方向を指すように回転させる。

  10. 床面からブレードの刃先までの高さを測る。

  11. 刈高が合わない場合には、シムをキャスタフォークに取り付けて調整する;刈り高の調整を参照。

サイドディスチャージの使い方

カッティングデッキ(モア)には、刈りかすを横下方向へ向けるデフレクタが取り付けられています。

危険

デフレクタや、排出カバー、または集草アセンブリを確実に取り付けずに使用すると、人がブレードに触れたり、ブレードに跳ね飛ばされたものが人に当たったりするなどして極めて危険である。回転中のブレードに触れたり、跳ね飛ばされた物に当たると、けがをするばかりでなく場合によっては死亡する。

  • デフレクタは排出方向を下向きにする重要な部材であるから、絶対に取り外したままで刈り込みを行ってはならない。デフレクタが破損している場合には直ちに交換すること。

  • 刈り込みデッキの下には絶対に手足を差し入れないこと。

  • 排出部やブレード部に手を入れる場合には、必ず、ブレード制御スイッチ(PTO)を解除し、エンジンを止め、キーを抜き取っておくこと。

  • デフレクタが降りた位置になっているのを必ず確認しておくこと。

ヒント

スロットルは高速に設定し走行速度を調整

芝刈り作業に必要なパワーを十分に引き出すために、エンジンは常にスロットル全開で使用し、コンディションに合わせて走行速度を調整してください。カッティングユニットへの負荷が大きくなったら走行ペダルの踏み込みを浅くして走行速度を遅くし、走行に掛かる負荷を下げてください。

刈り込みの方向

刈り込みの方向を変えるようにしましょう;同じルートで長期間刈り込むとターフにタイヤマークがついてしまいます。また、刈りかすの飛散方向も変わるので自然分解が促進され、栄養的にも有利です。

刈り込み速度

遅めの速度で刈り込むとカットの質が向上します。

刈高を下げすぎない

いままで使っていた芝刈り機よりも広い刈り幅で刈る場合には、以前の刈り高より少し高目の設定で刈って、以前と同じ刈高に仕上がるか、凹凸面を削らないか、確認してください。

条件に合った刈り高の設定を

一度に切り取る長さは25 mm以内に抑えましょう。草丈の1/3 以上は刈り取らないのが原則です。成長期の密生している芝生では、刈り込み速度を遅くしたり、刈り高設定をさらに目盛り一つ上げる必要があるかもしれません。

Important: 草丈の 1/3 以上を刈り取る場合や、長く伸びたまばらな草地を刈る場合、あるいは乾燥した草地を刈る場合には、空中に舞うほこりを減らしたり駆動部への負荷を減らす効果のあるフラットセール・ブレードの使用をお奨めします。

丈の高い草

芝生が伸びすぎてしまった時や、濡れている芝を刈る時は、刈り高を高めに設定して刈りましょう。その後に通常の刈り高に下げてもう一度刈るときれいに仕上がります。

カッティングユニットをきれいに維持する

芝刈り作業が終わったらホースと水道水でカッティングユニットの裏側を洗浄してください。カッティングユニットの内側に刈りかすやごみが溜まると切れ味が落ち、仕上がりが悪くなります。

火災防止のため、エンジンやマフラー、バッテリー、駐車ブレーキ、カッティングユニット、燃料タンクなどの周囲に、余分なグリス、草や木の葉、ほこりなどが溜まらないようご注意ください。 こぼれたオイルや燃料はふきとってください。

ブレードの保守

ブレードの刃先が鋭利であれば、芝草の切り口もきれいです。シーズンを通してブレードの刃先を鋭利にしておきましょう。切れ味の悪い刃先は芝草を引きちぎるので、切り口が茶色に変色し、芝草の成長を悪くし、また病気にもかかりやすくなります。ブレードの磨耗や破損を毎日点検してください。必要に応じてブレードを研磨してください。ブレードが破損したり磨耗したりした場合には、直ちに交換してください;トロの純正ブレードを使ってください。ブレードの取り外しと取り付けを参照してください。

カッティングユニットのピッチの設定

トロでは、ブレードのピッチを8 mm に調整することを推奨しています。 ピッチを大きく(8 mm以上)すると、刈り込みに必要なパワーは小さくなりますが、クリップが大きくなり、刈り上がりが悪くなります。ピッチを小さく(8 mm以下)すると、刈り込みに必要なパワーは大きくなりますが、クリップが小さくなり、刈り上がりが向上します。

保守

推奨される定期整備作業

整備間隔整備手順
使用開始後最初の 2 時間
  • キャスタホイールナットを締めつける。
  • 使用開始後最初の 10 時間
  • キャスタホイールナットを締めつける。
  • 使用するごとまたは毎日
  • キャスタ・アームのブッシュにグリスを補給する。
  • キャスタホイールのベアリングにグリスを補給する。
  • 使用後毎回
  • カッティングユニットを洗浄します。
  • 50運転時間ごと
  • 各グリス注入部のグリスアップを行う。
  • ギアボックスの潤滑油を点検する。
  • キャスタホイールナットを締めつける。
  • ブレードの駆動ベルトの調整を点検する。
  • カッティングユニットのベルトカバーの裏側を清掃する。
  • 400運転時間ごと
  • ギアボックスの潤滑油を交換する。
  • 始業点検表

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    点検項目第週
    デフレクタが下向きになっているか点検する(該当機種の場合)。       
    タイヤ空気圧を点検する       
    バッテリーの状態を点検する。       
    グリスアップを行なう。1       
    塗装傷のタッチアップ       

    1. 車体を水洗いしたときは整備間隔に関係なく直ちにグリスアップする。

    要注意個所の記録
    点検担当者名:
    内容日付記事
       
       
       
       
       

    注意

    始動キーをつけたままにしておくと、誰でもいつでもエンジンを始動させることができ、危険である。

    整備・調整作業の前には必ずエンジンを停止し、キーを抜いておくこと。

    Important: カバーについているボルトナット類は、カバーを外しても、カバーから外れません。全部のボルト類を数回転ずつゆるめてカバーが外れかけた状態にし、それから、全部のボルト類を完全にゆるめてカバーを外すようにしてください。このようにすれば、誤ってリテーナからボルトを外してしまうことがありません。

    潤滑

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • キャスタ・アームのブッシュにグリスを補給する。
  • キャスタホイールのベアリングにグリスを補給する。
  • 50運転時間ごと
  • 各グリス注入部のグリスアップを行う。
  • 定期的に、全部の潤滑個所にNo.2汎用リチウム系グリスを注入します。機体を水洗いした場合には、直ちに全部のベアリングとブッシュにグリスアップを行ってください。

    以下の各部のグリスアップを行う:

    • キャスタフォークのシャフトのブッシュ(図 18

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    • スピンドルシャフトのベアリング(プーリの下)(図 19)

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    • アイドラアームのシャフトのベアリング(図 19)

    • 前昇降アームのピボット(図 20

      g012235
    • 後昇降アームのピボット(図 21

      g010550

    ギアボックスのオイルを点検する

    整備間隔整備手順
    50運転時間ごと
  • ギアボックスの潤滑油を点検する。
  • 400運転時間ごと
  • ギアボックスの潤滑油を交換する。
  • ギアボックスに使用するオイルは石油系または合成の SAE 80W-90 ギア用潤滑油です。適量のオイルを入れて出荷していますが、カッティングユニットを使用する前に点検してください。ギアボックスの容量は 283 ml です。

    1. マシンとカッティングユニットを平らな場所に駐車させる。

    2. ギアボックスの上部についているディップスティック兼給油プラグ(図 22)を取り、オイルの量が、ディップスティックについている2本のマークの間にあることを確認する。油量が少なければ2本のマークの中間まで補給する。

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    カッティングユニットの取り外し

    1. 平らな場所で、カッティングデッキを床に降下させ、昇降レバーをフロート位置にセットし、エンジンを停止し、駐車ブレーキを掛ける。

    2. 各刈高ロッドの上部についているボルトとワッシャを外す(図 23)。

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    3. カッティングユニット後部で、刈高ロッドに刈高カラーを固定しているヘアピンとクレビスピンを外す(図 23)。刈高カラーを外す。

    4. 昇降アームをキャスタアームブラケットに固定しているヘアピンコッターとクレビスピンを外す(図 24)。

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    5. PTO シャフトのオスメスの接続部分を解除して、カッティングユニットをトラクションユニットから引き出す(図 25)。

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      危険

      PTO シャフトを接続したままでエンジンが始動すると重大な人身事故が発生する恐れがある。

      PTO シャフトがカッティングユニットのギアボックスに接続されるまでは、エンジンを始動してPTOレバーを操作してはならない。

    キャスタアームのブッシュの整備

    キャスタアームのチューブには上側と下側にブッシュがはめ込んでありますが、これらのブッシュは使用に伴って磨耗してきます。

    ブッシュを点検するには、キャスタフォークを前後左右に揺り動かして見ます。ブッシュの中でキャスタのシャフトがぐらついているようならブッシュの磨耗が進んでいると判断し、交換してください。

    1. カッティングユニットを上昇させて、ホイールを床から浮かす。カッティングユニットが落下しないように支持ブロックでサポートする。

    2. 各キャスタスピンドルの上部についているトーショニングキャップ、スペーサ、スラストワッシャを外す。

    3. キャスタスピンドルをチューブから引き抜く。スラストワッシャとスペーサは、スピンドルの一番下に残しておく。

    4. ピンポンチを使って、チューブの上または下からブッシュをたたき出す(図 26)。もう1個のブッシュについても同様にして取り出す。チューブの内部をきれいに清掃する。

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    5. 新しいブッシュの内外面にグリスを塗る。ハンマーと平たい板を使って、ブッシュをチューブにたたき込む。

    6. キャスタシャフトを点検し、必要に応じて交換する。

    7. ブッシュと取り付けチューブにキャスタスピンドルを通し、もう 1 枚のスラストワッシャと残りのスペーサをスピンドルに取り付け、テンショニングキャップをキャスタスピンドルに取り付ける。

    キャスタホイールとベアリングの整備

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 2 時間
  • キャスタホイールナットを締めつける。
  • 使用開始後最初の 10 時間
  • キャスタホイールナットを締めつける。
  • 50運転時間ごと
  • キャスタホイールナットを締めつける。
    1. キャスタホイールアセンブリをキャスタフォークの間に保持しているボルトのロックナット(図 27)を外す。キャスタホイールをつかんでおいて、ボルトをフォークまたはピボットアームから抜き取る。

    2. ホイールのハブからベアリングを外して、ベアリングスペーサを床に落とす(図 27)。ホイールハブの反対側にあるベアリングを取る。

    3. ベアリング、スペーサ、ホイールハブの内側の状態を点検する。磨耗したり破損したりしている部品は交換する。

    4. キャスタホイールを組み立てるには、まず、ホイールのハブにベアリングを押し込む。ベアリングを取り付ける時、ベアリングの外側のレース部分を押すように注意すること。

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    5. ホイールのハブにベアリングスペーサを入れる。もう一個のベアリングをホイールハブの空いている側に取り付けてハブ内部のスペーサを固定する。

    6. キャスタフォークの間にキャスタホイールアセンブリを入れ、ボルトとロックナットで固定する。

    ブレードの整備

    刈り込みブレードについての安全事項

    • ブレードが磨耗や破損していないか定期的に点検すること。

    • ブレードを点検する時には安全に十分注意してください。ブレードをウェスでくるむか、安全手袋をはめ、十分に注意して取り扱ってください。ブレードは研磨または交換のみ行い、たたいて修復したり溶接したりしないでください。

    • 複数のブレードを持つ機械では、1つのブレードを回転させると他も回転する場合がありますから注意してください。

    ブレードの変形を調べる

    機械を何かに衝突させてしまった場合には、機械に損傷がないか点検し、必要があれば修理を行ってください。点検修理が終わるまでは作業を再開しないでください。全部のスピンドルプーリのナットを 176-203 N·m(18.0-20.8 kg.m = 130-150 ft-lb)にトルク締めしてください。

    1. 平らな場所に駐車し、カッティングユニットを上昇させ、駐車ブレーキを掛け、走行ベダルをニュートラルとし、PTO レバーが OFF になっているのを確認し、エンジンを停止させ、キーを抜き取る。

      Note: カッティングユニットが落下しないように支持ブロックでサポートする。

    2. カッティングユニットの天井から各ブレードの前端の刃先までの距離を測る(図 28)。

      Note: 測定値を記録する。

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    3. ブレードを半回転させて後ろ側にあった刃先を前側にし、ステップ 2 と同じ位置で、カッティングユニットとブレードの刃先の距離を測る。

      Note: 上記手順2と3で記録した2つの測定値が 3 mm の差の中に収まっていれば適正である。この差が 3 mm を超える場合には、そのブレードが変形しているので交換する;ブレードの取り外しと取り付けを参照。

    ブレードの取り外しと取り付け

    ブレードが堅いものに当たった、バランスが取れていない、磨耗した、曲がったなどの場合には交換する必要があります。安全を確保し、適切な刈りを行うために、ブレードは必ず Toro 社の純正品をお使いください。

    1. 平らな場所に駐車し、カッティングユニットを移動走行位置まで上昇させ、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止させてキーを抜き取る。

      Note: カッティングユニットが落下しないように支持ブロックなどで確実に支える。

    2. ぼろきれや厚いパッドの入った手袋を使ってブレードの端部をしっかり握る。

    3. スピンドルのシャフトからブレードボルト、芝削り防止カップ、ブレードを取り外す(図 29)。

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    4. ブレード、芝削り防止カップ、ボルトを取り付けてボルトを115-149 N·m(11.8-15.2 kg.m = 85-110 ft-lb)にトルク締めする。

      Important: ブレードの立っている側(セール部)がカッティングデッキの天井を向くのが正しい取り付け方です。

      Note: デッキが何かに衝突した場合には、全部のスピンドルプーリ・ナットを115-149 N·m(11.8-15.2 kg.m = 85-150 ft-lb)にトルク締めする。

    ブレードの点検と研磨

    高品質の刈りを実現するためには、刃先と、刃先の反対側にある立ち上がった部分であるセイル部の両方が重要です。

    シーズンを通じて鋭利な刈り込みブレードを維持するようにしましょう。刃先が鋭利であれば、芝草をむしるような刈りにならず、切り口がきれいです。

    ブレードに過度の磨耗がないか、破損がないか点検してください。セイルは芝草を立たせて刈高を揃える重要部分ですが、使用に伴って摩耗してきます。

    1. 平らな場所に駐車し、カッティングユニットを上昇させ、駐車ブレーキを掛け、走行ベダルをニュートラルとし、PTO レバーが OFF になっているのを確認し、エンジンを停止させ、キーを抜き取る。

    2. ブレードの切っ先を注意深く観察、特に、直線部と曲線部が交わる部分をよく観察する(図 30)。

      Note: この、直線部と曲線部の交差域は、砂などによる磨耗が進みやすい部分なので、機械を使用する前によく点検することが必要である。磨耗が進んでいる場合(図 30)にはブレードを交換する。

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    3. すべてのブレードの刃先を点検し、刃先が丸くなっていたり打ち傷がある場合には研磨する(図 31)。

      Note: 研磨は刃先の上面だけに行い、刃の元々の角度を変えないように十分注意する(図 31)。両方の刃先から等量を削るとブレードのバランスを維持することができます。

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      Note: ブレードを取り外し、研磨機で研磨する。研磨後、ブレードと、芝削り防止カップをつけてブレードボルトで固定する;ブレードの取り外しと取り付けを参照。

    ブレードの点検とミスマッチの修正

    ブレード同士のマッチングが取れていないと、刈り込んだ時に筋が残ります。この問題は、どのブレードも曲がっていない、全部のブレードが同じ面で回転するように調整することで解決することができます。

    1. 長さ 1m の水準器を使って、作業場に平らな場所を探しだす。

    2. 刈高を一番高い位置に設定する;刈り高の調整を参照。

    3. 平らな床の上にカッティングユニットを降下させる。カッティングユニットからカバーを外す。

    4. ブレードが前後方向を指すように回転させる。床面からブレードの刃先までの高さを測る。測定値を記録する。同じブレードを半回転させて後方に回し、床面からこの刃先までの高さを測る。上記手順で記録した2つの測定値が 3 mm の差の中に収まっていれば適正である。差が3 mm よりも大きい場合には、そのブレードは曲がっていて危険であるから交換する。全部のブレードでこの測定を行うこと。

    5. 左右のブレードの測定値を、中央のブレードの測定値と比較する。中央のブレードの高さが、他のブレードより 10 mm 以上低くなければ適正とする。中央のブレードが 10 mm 以上低い場合には、6 へ進んでスピンドルハウジングとデッキとの間にシムを入れて調整する。

    6. シムを追加する場所にあるアウタースピンドルからボルト、平ワッシャ、ロックワッシャ、ナットを外す。スピンドルハウジングとカッティングユニットの底との間にシム(P/N 3256-24)を増減してブレードの高さを調整する。ブレード先端同士の高さの差が所定条件を満たすまで、この調整を続ける。

      Important: 1つの場所に入れるシムは3枚までとしてください。1つの穴に2枚のシムを入れても調整が完了しない場合には、隣の穴にシムを増減して調整を続けてください。

    7. ベルトカバーを取り付ける。

    駆動ベルトの交換

    整備間隔整備手順
    50運転時間ごと
  • ブレードの駆動ベルトの調整を点検する。
  • カッティングユニットのベルトカバーの裏側を清掃する。
  • ブレードを駆動しているベルトはスプリング付きのアイドラで張りを調整されており、非常に耐久性が高く、長期間にわたって使用することができます。しかし長期間のうちに必ず磨耗が現れてきます。磨耗の兆候として:ベルトが回転するときにきしみ音がする、刈り込み中にベルトが滑ってブレードが回らない、ベルトの縁がほつれている、焼けた跡がある、割れているなどがあります。これらを発見したらベルトを交換してください。

    1. カッティングユニットを床まで降下させる。カッティングユニットからベルトカバーを外して脇に置く。

    2. トルクレンチなどの工具を使ってアイドラプーリ(図 32)をベルトから引き離してベルトの張りをなくし、ベルトをギアボックスのプーリ(図 33)から外す。

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    3. スピンドルプーリとアイドラプーリから古いベルトを外す。

    4. 図のように、スピンドルプーリとアイドラプーリに新しいベルトを回しかける(図 34)。

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    5. ベルトカバーを取り付ける。

    デフレクタの交換

    警告

    排出口がデフレクタなどで覆われていないと、デッキから異物が飛び出して人に当たる恐れがあり、このようなことが実際におこると深刻な人身事故になりかねない。また、ブレードに触れて大怪我をする可能性もある。

    • 必ず、カバープレート、マルチプレート、またはシュートと集草バッグを取り付けて運転すること。

    • デフレクタが降りた位置になっているのを必ず確認しておくこと。

    1. デフレクタをピボットブラケットに固定しているロックナット、ボルト、スプリング、スペーサを外す(図 35)。デフレクタを取り外す。

    2. デフレクタにスペーサとスプリングを取り付ける。L 形端部をカッティングユニット後部のエッジに引っ掛ける。

      Note: 必ずスプリングの L 字形端部をカッティングユニット後部のエッジに引っ掛け、それから 図 35 のようにボルトを取り付けてください。

    3. ボルトとナットを取り付ける。スプリングの右側の J 字形フックを、デフレクタに引っ掛ける(図 35)。

      Important: デフレクタを所定位置まで降ろすことができなければいけません。デフレクタを手で上向きにし、自力で下まで完全に下がることを確認してください。

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    カッティングユニットの下側の洗浄

    整備間隔整備手順
    使用後毎回
  • カッティングユニットを洗浄します。
  • カッティングユニットの裏側にたまった刈りかすは毎日取り除いてください。

    1. PTOを解除し、走行ペダルから足を離してニュートラル位置とし、駐車ブレーキを掛ける。

    2. スロットルレバーを 低速 にセットし、エンジンを停止し、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してから運転席を降りる。

    3. カッティングユニットを移動走行位置に上昇させる。

    4. 機体前部を浮かせ、ジャッキスタンドで支持する。

    5. カッティングユニットの裏側を水でていねいに清掃する。

    保管

    1. PTO を解除し、走行ペダルをニュートラルにし、カッティングユニットを降下させ、スロットルレバーを低速位置にし、駐車ブレーキを掛ける。

    2. 必ずエンジンを止め、キーを抜き取る。また、必ず機械各部の動きが完全に停止し、機体の温度が十分に下がったのを確認してから、調整、洗浄、格納、修理などの作業に掛かってください。

    3. カッティングユニットをきれいに洗浄する。特に以下の部分を入念に清掃してください:

      • カッティングユニットの裏側

      • カッティングユニットのベルトカバーの裏側

      • PTO シャフトアセンブリ

      • グリス注入部やピボット部

    4. トラクションユニットのタイヤ空気圧(前と後)を点検・調整する;トラクションユニットのオペレーターズマニュアルを参照。

    5. カッティングデッキのブレードを外して研磨とバランス調整を行う。ブレードを取り付け、ブレードボルトを 115-149 N·m(12-15 kg.m= 85-110 ft.-lb)にトルク締めする。

    6. ボルトナット類にゆるみながいか点検し、必要な締め付けを行う。

    7. グリス注入部やピボット部全部をグリスアップする。余分なグリスはふき取る。

    8. 塗装のはがれている部分に軽く磨きをかけ、タッチアップする。へこみを発見したら修理する。