はじめに

この説明書を読んで製品の運転方法や整備方法を十分に理解し、他人に迷惑の掛からない、適切で安全な方法でご使用ください。この製品を適切かつ安全に使用するのはお客様の責任です。

弊社のウェブサイト www.Toro.com で製品やアクセサリ情報の閲覧、代理店についての情報閲覧、お買い上げ製品の登録などを行っていただくことができます。

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマーサービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。図 1にモデル番号とシリアル番号を刻印した銘板の取り付け位置を示します。いまのうちに番号をメモしておきましょう。

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取り付け

マシンの準備を行う

  1. 平らな場所に駐車する。

  2. 駐車ブレーキを掛ける。

  3. エンジンを止め、キーを抜き取る。

セットアップに必要な工具をそろえる

この作業に必要なパーツ

オイルシリンジ1
  • トルクレンチ:5.2-6.8 N·m(0.53-0.69 kg.m = 46-60 in-lb)

  • トルクレンチ:115-129 N·m(11.7-13.2 kg.m = 85-95 ft-lb)

  • トルクレンチ:135-150 N·m(16.6-18.0 kg.m = 100-110 ft-lb)

  • リール駆動シャフトツール : TOR4112(5" リールにのみ必要)

  • リール駆動シャフトツール : TOR4074(7" リールにのみ必要)

整備ツール

オイルシリンジ, P/N 137-0872(図 2を参照)

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取り付け位置を確認する

グルーマキットおよびリールモータの位置を、以下の図で確認してください。

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Note: グルーマキットと後ローラブラシキットの両方をカッティングユニットに取り付ける場合には、グルーマキットを先に取り付けてください。

カッティングユニットの準備

この作業に必要なパーツ

スプライン付き延長インサート(右ねじ)3
スプライン付き延長インサート(左ねじ)2
フランジロックナット(⅜")—モデル 03768 のみ10

Note: 別途明記なき限り、取り外したパーツはすべて廃棄してかまいません。

  1. トラクションユニットから全てのカッティングユニットを取り外す;オペレーターズマニュアル を参照。

  2. 既存のスプライン付きインサートを取り出すために、リールが回転しないようにする;ねじ付きインサートを外すためにリールを固定するにはを参照。

  3. リールシャフトの両端についている既存のスプライン付きインサートを外す(5" リールには P/N TOR4112、7" リールには P/N TOR4074 を使用)。図 4を参照。

    Important: カッティングユニット左側のスプライン付きインサートは左ねじです。カッティングユニット右側のスプライン付きインサートは右ねじです。

    Important: リールシャフト端部についているグリスや汚れをきれいに落としておいてください。

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  4. 新しいインサートを取り付けるために、リールが回転しないように固定する;ねじ付きインサートの着脱のためにリールを固定するには

  5. 新しい(長い)スプライン付きインサートのねじ山部分に中程度のロッキングコンパウンド(Blue Loctite® 243 など)を塗ってリールシャフトに固定する。インサートを115-128 N·m(11.7-13.2 kg.m = 85-95 ft-lb)にトルク締めする。

    Important: 5-15分ほど待ってから、次の手順に移る。

  6. 刈高ブラケットをカッティングユニットのサイドプレートに固定しているキャリッジボルトとロックナットを外す(図 5)。

    Note: 取り外したキャリッジボルトは新しい刈高ブラケットの取り付けに使用します。

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  7. 刈高ブラケットをローラシャフトの前に固定しているねじをゆるめる(図 5)。

  8. カッティングユニットのサイドプレートから既存の刈高ブラケットと前ローラを取り外す(図 5)。

    Note: 外した前ローラは再利用します。

  9. 7" のカッティングユニットまたはサポートロッドが取り付けられているユニットでは、サポートロッドを外して、ボルトを以下のように付け替える:

    1. サポートロッドを固定しているフランジヘッドボルト(2本)を外してサポートロッドを外す(図 6)。

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    2. フランジヘッドボルト(2本)をカッティングユニットの内側から取り付けてフランジナット(⅜")で固定する(図 7)。

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ウェイトブラケットとグルーマ駆動ボックスを取り付ける

この作業に必要なパーツ

ウェイト用ブラケット5
六角ソケット、ボタンヘッド付きボルト(⅜ x ¾")10
グルーマ駆動ボックス(左ドライブ)3
グルーマ駆動ボックス(右ドライブ)2
  1. 左用のグルーマ駆動ボックスと右用のグルーマ駆動ボックスを準備する;図 8を参照。

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  2. ウェイト用ブラケットをリールに固定する;六角ソケットボタンヘッド付きボルト(⅜ x ¾")2本で 図 9のように取り付ける。

    Note: ウェイトはグルーマ駆動ボックスを取り付けたい側のリールの側部に取り付けます。

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  3. 内部のリールシャフトのねじ部分に、中程度のねじ山ロッキングコンパウンド(Blue Loctite® 243 など)を塗る(図 9)。

  4. グルーマ駆動ボックスをリールシャフトに取り付ける(図 9)。

    Important: カッティングユニット左側のリールのねじ山は左ねじ、右側のリールのねじ山は右ねじです。

  5. リールを固定する;ねじ付きインサートの着脱のためにリールを固定するにはを参照。

  6. リールが回転しないようにしたら、駆動ボックスのシャフトの六角ヘッドを135-150 N∙m(13.8-15.3 kg.m = 100-110 ft-lb)にトルク締めする;図 13を参照。

    Important: 駆動ボックスのシャフトの六角ヘッドを135-150 N∙m(13.8-15.3 kg.m = 100-110 ft-lb)にトルク締めしてください。

    Important: 6ポイントのソケット(肉厚の壁のもの)を使う必要があります。

    Important: この作業にはインパクトレンチを使用しないでください。

    Important: 5-15分ほど待ってから、次の手順に移る。

アイドラアセンブリを取り付ける

この作業に必要なパーツ

六角ソケットボルト10
ピボットハブ5
O リング5
アイドラアセンブリ(左)2
アイドラアセンブリ(右)3
フランジロックナット(⅜")ー モデル 03763 のみ10
ジャムロックナット(⅜")ー モデル 03768 のみ10
  1. グルーマ駆動ボックスを取り付けた側と反対の側にアイドラアセンブリを取り付ける。

  2. ピボットハブアセンブリにOリングを取り付ける。

  3. ピボットハブアセンブリの外側に、固着防止コンパウンドを塗る(図 10)。

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  4. アイドラアセンブリの上から、リールにピボットハブを固定する;六角ソケットボルト2本を使用する(図 10)。

  5. ピボットハブにロックナット(2個)を仮止めする (図 10)。

刈高ブラケットアセンブリと前ローラを取り付ける

この作業に必要なパーツ

左側刈高ブラケットアセンブリ5
右側刈高ブラケットアセンブリ5
アジャスタピン10
コッターピン10
フランジロックナット(⅜" に ⅝" 六角)10
  1. 左右の刈高ブラケットアセンブリと前ローラアセンブリを、カッティングユニットのサイドプレートに仮取めする;先ほど取り外したキャリッジボルトを使用する(図 11)。

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  2. グルーマ駆動ボックス側で、アジャスタアームのロッドをグルーマ駆動ボックスの隙間に入れ、アジャスタピンとコッターピンで図 12のように固定する。

    Note: アジャスタピンは、機体の内側から外側に向けて挿入してください。

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  3. アイドラアセンブリ側で、刈高ブラケットのアジャスタアームのロッドを、アイドラアセンブリのアジャスタカラーに整列させ、アジャスタピンとコッターピンで固定する(図 13)。

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  4. 刈高ブラケットアセンブリをサイドプレートに固定しているキャリッジボルトとロックナットを外す(図 14)。

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  5. 刈高調整ボルトについているロックナットを締めつけ、締め付け位置から ½ 回転戻す(図 14)。

  6. 前ローラを、左右の刈高ブラケットの中間にセットし、キャップスクリュとフランジナットで固定する(図 14)。

    Note: スプリングの力をさらに強くする必要がある場合には、オプションのフランジナット(P/N 3290-357)をアイボルトに取り付け、グルーミング高さを下げた状態でグルーミング高さスプリングを圧縮してください。 このオプションパーツを使用する場合には、グルーマが「入」になっている状態のときのスプリングの長さが 19 mm になるように調整してください(図 15)。

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グルーマドライブにキャップを取り付ける

この作業に必要なパーツ

キャップ5

後ローラブラシキットを取り付けないユニバーサルグルーマアセンブリのみ

  1. スナップリングの溝と外径部分に、中程度のシリンダ保持コンパウンド(Green Loctite® 609 など)を塗る(図 16)。

  2. 16のようにキャップを取り付ける。

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  3. 左側にグルーマを取り付ける場合は、以下の作業を行ってください:

    1. クラッチノブからOリングを外す(図 17)。

    2. クラッチノブをアクチュエータのシャフトに固定しているシャーピンを外す(図 17)。

    3. クラッチノブアセンブリを外して裏返す。

    4. クラッチノブをアクチュエータのシャフトに、シャーピンで固定する(図 17)。

    5. クラッチノブの溝にOリングを取り付ける。

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グルーマアセンブリとオプションのブルーマキットを取り付ける

グルーマとブルーマはそれぞれ別のキットです

この作業に必要なパーツ

ボルト(¼ x 1½" )20
ジャムナット20
シャフトクランプ20

グルーマキットを取り付ける

(別売品)
モデル番号グルーマキット
0377118" グルーマ用ブレードカートリッジキット
0377222" グルーマ用ブレードカートリッジキット
0377827" グルーマ用ブレードカートリッジキット
0376618" QC グルーミングブラシキット
0376722" QC グルーミングブラシキット
  1. カッティングユニットに合ったグルーマブレードカートリッジキットまたはブラシキットを入手する;上の表を参照。

  2. グルーマアセンブリを、グルーマ駆動ボックスのスタブシャフトとアイドラアセンブリとにセットする(図 18)。

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  3. 18のように、グルーマをマシンに取り付ける;ボルトは軽く締めた状態にする。

  4. カジリ防止のために、刈高とグルーミング高さの設定を行い、その後にボルトをゆるめる。

    Note: 刈高の設定については各カッティングユニットのオペレーターズマニュアルを参照;グルーミング高さの調整についてはグルーマの高さを調整するを参照のこと。

  5. ボルトを 5-7 N·m(0.51-0.71 kg.m=46-60 in-lb)にトルク締めする。

  6. 必要に応じて刈高とグルーミング高さの設定を行う。

ブルーマキットを取り付ける

パーツ番号ブルーマキット
132-711518" ブルーマキット
132-712522" ブルーマキット
133-822227" ブルーマキット
  1. カッティングユニットおよび目的に合ったグルーマブレードカートリッジ用のブルーマキット(オプション)を入手する;上の表を参照。

  2. グルーマシャフトの左右の端で、グルーマブレード保持ナットをゆるめる(図 19)。

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  3. グルーマリールの一方の側からブラシを差し入れ、グルーマリールの各溝にブラシが入るようにセットする(図 20)。

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  4. ブラシがグルーマ刃のスロットにきちんと入っていることを確認する (図 19 と 図 21)。

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  5. 19 に示すように、グルーマリールのシャフトとブラシにストラップを巻きつけ、ブラシについている溝にストラップを入れる 図 21

    以下の表を参考にシリーズT4エアレーションストラップをブラシにセットする:

    リールのサイズストラップの間隔
    18" ストラップを以下の刃の間に取り付ける:2-3、11-12、21-22、30-31。
    22" ストラップを以下の刃の間に取り付ける:2-3、14-15、26-27、38-39。
    27" ストラップを以下の刃の間に取り付ける:2-3、23-24 または 24-25、35-36、45-46。

    Important: ストラップは、主に利用する回転方向に合わせて巻き付けてください。図 20 は、主に前転で使用する場合の巻き付け方向です。

    Note: ブルーマのブラシが刃のスロットに正しく嵌まっていない場合には、グルーマシャフトの両端についているグルーマ刃の固定ナットをゆるめ、ブルーマブラシの位置を正しく刃のスロットに調整しなおしてからグルーマブレード保持ナットを締め付ける(図 19)。

  6. グルーマブレード保持ナットを 45.2 N·m(4.6kg.m = 400in-lb)にトルク締めする。

  7. 各ストラップについて、バックルをドライバ(ねじ回し)で押えながら、ロックプライヤーでストラップをつかみ、ストラップを引っ張ってブラシの溝に完全に嵌める(図 19)。

  8. バックルから 6 mm 程度のところでストラップを切断し、余った部分はバックルに折り込む。

角度付きフィッティングを取り付ける

リールマスター 3550 および 3555 用 — 1 番(前中央)カッティングユニットとキット モデル 133-0150 のみ

この作業に必要なパーツ

油圧フィッティング ― 45° (P/N 340-101;別売)1

Important: リールマスター 3550 および 3555 では:#1 前中央カッティングユニット位置とキット 133-0150 のみ;45° 油圧フィッティング(P/N 340–101)を購入して以下の手順で進める。

  1. 油圧モータの油圧フィッティングから油圧ホースを外す。

  2. 新しい 45° フィッティングから 2 つのOリングを外し、これらにグリスを塗って元通りに取り付ける。

  3. 既存のフィッティングを取り外す。

  4. 新しい 45° フィッティングを取り付ける。取り付け角度を図 22のように調整する。フィッティングを 47-58 N∙m(4.8-5.9 kg.m=35-43 ft-lb)にトルク締めする。

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  5. 新しいフィッティングに油圧ホースを接続し、ホースのフィッティングを 50-64 N∙m(5.1-6.5 kg.m=37-47 ft-lb)にトルク締めする。

    Note: ホースがグルーマのアジャスタと接触しないようにフィッティングの角度を調整してください。

運転操作

はじめに

グルーミングはターフ表面のすぐ上で行う作業です。グルーミングは、芝草が縦方向に成長することを促進し、芝目を減らし、ほふく茎を切断することによって密度の高いターフを作ります。グルーミングは、より均一で固いプレー面を作り、ゴルフボールの転がりを素直に、また速くします。

グルーミングとバーチカットは全く異なる作業であり、グルーミングはバーチカットの代わりにはなりません。グルーミングはターフの「毛並み」を揃える日常的な軽い保守作業の一つですが、バーチカットはターフに大きな負担をかける作業であり、実施回数もわずかです。

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グルーミングブラシは、通常のグルーミングよりもさらにやさしい当たりでグルーミングを行うことができます。ウルトラドワーフ草種は、縦伸び傾向が強く、横方向に芽を伸ばして隙間を埋めるのに時間がかかる傾向があるので、ブラシによるグルーミングの方が向いていると思われます。ブラシを低くセットしすぎると芝草の葉身を傷つけやすくなりますから注意が必要です。

バーチカットやサッチングとは異なり、グルーマの刃は決して地中に食い込ませません。グルーミングは、ほふく茎の切断とサッチ除去に有効です。

グルーミングは葉身を傷つける作業ですので、ストレスの強い時期には避けてください。クリーピングベントグラスやブルーグラスなどのような寒地型芝草に対しては、真夏の高温期(高湿期)のグルーミングを控えるようにしましょう。

様々な条件がグルーミングに影響を与えます。例えば:

  • 時期(一年のうちのどの時期か)や天候パターン

  • 芝草の全体的なコンディション

  • グルーミングや刈り込みの頻度: 週に何回行うか、また、二度刈りを行うか

  • メインリールの設定刈高

  • グルーミングリールの設定高さ

  • グルーミングを行い始めてどのくらいの年月が経っているか

  • 草種

  • 管理の全体的な方法(散水、施肥、薬剤散布、コアリング、オーバーシードなど)

  • 通行

  • ストレスのかかる季節(高温、高湿、ハイシーズンなど)

以上のような因子はフェアウェイごとに異なるものです。現場を毎回よく観察し、必要に応じてグルーミングの方法を変更してください。

Note: グルーマの不適切な使用や過度の使用(深すぎる設定やグルーミング回数の多すぎ)は、ターフに無用のストレスを与え、ターフの品質を大きく下落させます。グルーマは注意深く使ってください。

Note: グルーマを使っている時は刈り込み方向を毎回変えるようにしてください。これによりグルーミングの効果をさらに高めることができます。

Note: グルーマはできるだけ直線走行で使ってください。グルーマを使いながらの旋回動作は十分に注意して行ってください。

グルーマの高さを調整する

  1. 清潔で平らな場所でカッティングユニットを完全に降下させ、エンジンを停止、駐車ブレーキを掛け、エンジンのキーを抜き取る。

  2. 前後のローラに汚れや狂いがないこと、またカッティングユニットが希望通りの刈高にセットされていることを確認する(カッティングユニットのオペレーターズマニュアルを参照)。

  3. クイックアップレバー(図 24)を入位置に(ハンドルがカッティングユニットの前方を向くように)セットする。

    Important: 刈高およびグルーミング高さ推奨範囲を参考にしてゲージバーを設定する。

  4. グルーマリールの一端側で、ブレードの一番低い刃先と床との距離を測る(図 24)。高さ調整ノブ(図 24)を使って、グルーマの刃の高さを希望の高さに調整する。

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  5. ステップ4をグルーマの反対側でも行い、調整ができたら、元の側の調整を確認する。

    グルーマの左右で、高さ設定が同じになるように調整すること。必要に応じて高さを調整する。

刈高およびグルーミング高さの推奨範囲

刈高 (mm)刈高 (" )後ローラスペーサの数推奨グルーミング高さ=刈高 - グルーマの掛かり推奨グルーミング高さ=刈高 - グルーマの掛かり
(mm)(" )
6.30.25003.1-6.30.125-0.250
9.50.37504.7-9.50.187-0.375
9.50.37514.7-9.50.187-0.375
12.70.50006.3-12.70.250-0.500
12.70.50016.3-12.70.250-0.500
12.70.50026.3-9.50.250-0.375
15.80.62509.5-15.80.375-0.625
15.80.62519.5-15.80.375-0.625
15.80.62529.5-12.70.375-0.500
19.00.750112.7-19.00.500-0.750
19.00.750212.7-19.00.500-0.750
19.00.750312.7-15.80.500-0.625
22.20.875115.8-22.20.625-0.875
22.20.875215.8-22.20.625-0.875
22.20.875315.8-19.00.625-0.750
25.41.002*19.0-25.40.750-1.00
25.41.00319.0-25.40.750-1.00
25.41.00419.0-22.20.750-0.875

Note: グルーミングの推奨最大高さは、グルーマの刃が刈高の半分(最大でも6 mmまで)下まで食い込む程度です。

* グルーマ前部の刈高ブラケットをサイドプレートの下側(カッティングユニットの位置)に移動させます。

グルーマの回転方向を変更するとき

グルーマの回転には3つの設定があります: ニュートラル、前転、逆転です。回転方向の変更は、グルーマ駆動ボックスについているノブで行います。希望する回転方向の記号を調整ノッチに合わせてください。

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グルーマの動作状態をテストする。

Important: グルーマの不適切な使用や過度の使用(深すぎる設定やグルーミング回数の多すぎ)は、ターフのストレスを高め品質下落の要因となります。グルーマは注意深く使ってください。

危険

バックラップ中にリールに触れると大けがをする。

  • カッティングユニットの調整を行う場合には、必ず事前にリールを回転禁止にセットし、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止し、キーを抜き取ること。

  • リールその他の可動部に手指や衣類等を近づけないよう注意すること。

実際に使用を開始する前に、グルーマを使用するとどうなるかを確認しておくことが重要です。

適切な設定を決めるための手順:

  1. カッティングユニットのリールを、グルーマなしで使う場合の普通の刈高にセットする。前ローラは溝付きローラ、後ローラはフルローラを使用する。

    グルーミングリールの深さ設定をチェックする目安としては、刈りかすの量が主要な目安となる。

  2. グルーミングリールを希望の深さにセットする。

  3. テスト場所でグルーマを使ってみて 予想通りの結果が出ているかを確認する。思い通りの結果でない場合は、グルーマの高さ(深さ)を変更してもう一度テストする。

テスト場でグルーミングを行った2-3日後に、現場を観察する。グルーミングしなかった場所が緑色であるのに、グルーミングした場所が黄変していたり、茶色に変色している場合には、グルーミングがきつすぎると判断する。

保守

ギアボックスの潤滑油の交換

整備間隔
最初の 100 運転時間後
500 運転時間ごと/ 1年に 1 回(いずれか早く到達した方の時期)
  1. グルーマハウジングの外面をきれいに拭く。

    Important: グルーマハウジングの外側にごみや刈りかすをためないようにしてください。グルーマ内部に異物が入るとギアボックスを破損させる恐れがあります。

  2. ハウジングの下にあるドレンプラグを抜く(図 28)。

  3. ハウジングの側面にあるオイル補給プラグと上部にある通気プラグを抜いてオイルを抜けやすくする(図 28)。

  4. オイルドレンポートの下に適当なオイル回収容器を置く。

  5. オイルが完全に抜けるように、排出口が一番下になるようにカッティングユニットを後ろに傾けてキックスタンドで支える(図 26)。

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  6. カッティングユニットを前後に揺らしてオイルを完全に排出する。オイルが完全に抜けたら、カッティングユニットを、平らな場所に置く。

  7. ドレンプラグを取り付ける。

  8. シリンジ(P/N 137-0872)を使って 80-90W を入れる。5" リール用には 50 cc、7" リール用には 90 cc 。

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  9. 補給プラグを取り付け、通気プラグは締め付ける。

  10. 全部のプラグを 3.62-4.75 N·m(0.37-0.48 kg.m = 32-42 in-lb)にトルク締めする。

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グルーマ駆動ボックスを取り外す

Note: 以下、特に指示がない限り、取り外した部品はすべて再使用します。

Important: グルーマ駆動ボックスの取り外しが難しい場合には、トラクションユニットのサービスマニュアルを参照するか、ディストリビュータにご相談ください。

  1. グルーマからキャップを外す。

  2. グルーマを駆動ボックスに接続しているクランクボルトを外す(図 18)。

  3. グルーマを駆動ボックスをアジャスタアームに接続しているアジャスタピンとコッターピンを外す(図 29)。

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  4. リールが回転しないように固定する;ねじ付きインサートを外すためにリールを固定するにはを参照。

  5. 29のように、補強ねじ(P/N 1-803022;別売)をグルーマ駆動六角ヘッドのねじ溝に取り付けて 13.5 N⋅m(1.4 kg.m = 120 in-lb)にトルク締めする。

  6. グルーマ駆動六角ヘッドを回して、リールからグルーマ駆動ボックスを外す(図 29)。

    Important: グルーマ駆動ボックスがカッティングユニットの右側に取り付けられている場合には、グルーマ駆動六角ヘッド(右ねじ)を左に回すと駆動ボックスのシャフトをカッティングユニットから外すことができます。

    Important: グルーマ駆動ボックスがカッティングユニットの左側に取り付けられている場合には、グルーマ駆動六角ヘッド(左ねじ)を左に回すと駆動ボックスのシャフトをカッティングユニットから外すことができます。

    Important: 6ポイントのソケット(肉厚の壁のもの)を使う必要があります。

グルーミングリールの洗浄

整備間隔整備手順
使用後毎回
  • 使用後はホースでグルーマを水洗いしてください。ただし、ベアリング部分には直接水流を当てないように注意してください。錆の発生を防止するため、水洗い後は速やかに乾燥させてください。

    ブレードの点検

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • グルーミングリールの刃は摩耗や破損が発生しやすいので頻繁に点検してください。曲がった刃はプライヤーなどで修正し、摩耗した刃は交換してください。刃の点検を行う時には、ブレードシャフトの左右のナットが十分に締まっていることを確認してください。

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    リール固定手順

    警告

    リール刃は非常に鋭利で、手足を切断できるほどである。

    • リールの軌道内に手足を入れないこと。

    • リールに作業を行う場合には、リールが回転しないよう確実に固定すること。

    ねじ付きインサートを外すためにリールを固定するには

    1. カッティングユニット左側のシールドボルトをゆるめて後シールドを上げる(図 31)。

    2. 長い柄のバール(9 mm x 30 cm 程度のドライバータイプのもの。握りのついているものがよい)を用意する。バールは、トルク作業を行う側に近い側で、リールの後ろから差し込むようにする(図 31)。

    3. リールサポートプレートの溶接されている側からバールを入れ(図 31)、

      Note: リールのシャフトの上側と2枚のリール刃の背中側にバールを差し込むと、リールが回転できなくなる。

      Important: リールの刃先にバールを触れると刃こぼれなどを起こす;バールを当てないように十分注意すること。

      Important: カッティングユニット左側のインサートは左ねじです。カッティングユニット右側のインサートは右ねじです。

      g280383
    4. バールの握り部分を後ローラに載せる。

    5. バールでリールが確実に止まっていることを確認しながらインサートを外す。作業が終わったらバールを外す。

    6. 後シールドを降ろしてシールドボルトを締め付ける。

    ねじ付きインサートの着脱のためにリールを固定するには

    1. 長い柄のバール(9 mm x 30 cm 程度のドライバータイプのもの。握りのついているものがよい)を用意する。バールは、トルク作業を行う側に近い側で、リールの前から差し込むようにする(図 32)。

    2. リール補強版の溶接側からバールを入れる(図 32)と、

      Note: カッティングユニットの前側で、バールがリール刃、リールシャフト、リールの背面に当たってリールをロックする状態になる。

      Important: リールの刃先にバールを触れると刃こぼれなどを起こす;バールを当てないように十分注意すること。

      Important: カッティングユニット左側のインサートは左ねじです。カッティングユニット右側のインサートは右ねじです。

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    3. バールの握り部分をローラに載せる。

    4. インサートに付属している取り付け要領書に従って取り付けとトルク締めを行い、リールがバールで確実に固定されていることを確認して取り付けを終了し、最後にバールを外す。