はじめに

このロータリーカッティングデッキは、乗用型の装置に取り付けて使用する専門業務用の製品であり、そのような業務に従事するプロのオペレータが運転操作することを前提として製造されています。この製品は、集約的で高度な管理を受けているスポーツフィールドや商用目的で使用される芝生に対する刈り込み管理を行うことを主たる目的として製造されております。この機械は本来の目的から外れた使用をすると運転者本人や周囲の人間に危険な場合があります。

この説明書を読んで製品の運転方法や整備方法を十分に理解し、他人に迷惑の掛からない、適切で安全な方法でご使用ください。この製品を適切かつ安全に使用するのはお客様の責任です。

製品の安全や取り扱い講習、アクセサリなどに関する情報、代理店についての情報の入手、お買い上げ製品の登録などをネットで行っていただくことができます:www.Toro.com

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマー・サービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。図 1にモデル番号とシリアル番号を刻印した銘板の取り付け位置を示します。いまのうちに番号をメモしておきましょう。

Important: シリアル番号デカルについている QR コード(無い場合もあります)をモバイル機器でスキャンすると、製品保証、パーツその他の製品情報にアクセスできます。

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この説明書では、危険についての注意を促すための警告記号(図 2)を使用しております。これらは死亡事故を含む重大な人身事故を防止するための注意ですから、必ずお守りください。

g000502

この他に2つの言葉で注意を促しています。重要 は製品の構造などについての注意点を、はその他の注意点を表しています。

この製品は、関連する全ての欧州指令に適合しています。詳細についてはこの冊子の末尾にあるDOI(適合宣誓書)をご覧ください。

警告

カリフォルニア州

第65号決議による警告

米国カリフォルニア州では、この製品を使用した場合、ガンや先天性異常などを誘発する物質に触れる可能性があるとされております。

安全について

この機械は ANSI B71.4-2017 および EN ISO 5395: 適合製品です。

安全に関する一般的な注意

この機械は手足を切断したり物をはね飛ばしたりする能力があります。重大な人身事故を防ぐため、すべての注意事項を厳守してください。

  • エンジンを始動する前に必ずこのオペレーターズマニュアルをお読みになり、内容をよく理解してください。

  • この機械を運転する時は常に十分な注意を払ってください。運転中は運転操作に集中してください;注意散漫は事故の大きな原因となります。

  • ガードなどの安全保護機器が正しく機能していない時は、運転しないでください。

  • 回転部に手足を近づけないよう注意してください。排出口の近くに手足などを近づけないでください。

  • 作業場所に、無用の大人、子供、ペットなどを近づけないでください。子供に運転させないでください。

  • 運転席を離れる場合はエンジンを止め、(キーが付いている機種では)キーを抜き取り、機械の動きが完全に停止したことを確認してください。調整、整備、格納は機体が十分冷えてから行ってください。

間違った使い方や整備不良は人身事故などの原因となります。事故を防止するため、以下に示す安全上の注意や安全注意標識 Graphic のついている遵守事項は必ずお守りください 「注意」、「警告」、および「危険」 の記号は、人身の安全に関わる注意事項を示しています。これらの注意を怠ると死亡事故などの重大な人身事故が発生する恐れがあります。

カッティングユニットの安全確保

  • トラクションユニットに取り付けたカッティングユニットは、機械の一部になってしまいます。ですから、トラクションユニットのオペレーターズマニュアルもお読みになって、機械全体を安全に取り扱う方法を良く学んでください。

  • 異物をはね飛ばしたときや機体に異常な振動を感じたときにはまずマシンを停止し、キーを抜き取り、各部の動きが完全に止まってからよく点検してください。異常を発見したら、作業を再開する前にすべて修理してください。

  • 各部品が良好な状態にあり、ボルトナット類が十分にしまっているか常に点検してください。読めなくなったステッカーは貼り替えてください。

  • アクセサリ、アタッチメント、交換部品は、必ずトロの純正品をお使いください。

安全ラベルと指示ラベル

Graphic

危険な部分の近くには、見やすい位置に安全ラベルや指示ラベルを貼付しています。破損したりはがれたりした場合は新しいラベルを貼付してください。

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組み立て

警告

始動キーをつけたままにしておくと、誰でもいつでもエンジンを始動させることができ、危険である。

整備・調整作業の前には必ず始動キーを抜いておくこと。

危険

PTO シャフトを接続したままでエンジンが始動すると重大な人身事故が発生する恐れがある。

PTO シャフトがカッティングユニットのギアボックスに接続されるまでは、エンジンを始動してPTOレバーを操作してはならない。

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

Note: グランドマスター 200 シリーズのトラクションユニットに 62" デッキを搭載する場合には、ウェイトトランスファキット(P/N 70-8100)の取り付けが必要になります。

キャスタホイールアセンブリを取り付ける

この作業に必要なパーツ

前キャスタホイール・アセンブリ2
後キャスタホイール・アセンブリ2

Note: スラストワッシャ、スペーサ、テンショニングキャップは、キャスタホイールのスピンドルに取り付けて出荷しています。

  1. スピンドルシャフトからテンショニングキャップを外し、スペーサとスラストワッシャを取り出す(図 3 と 図 4)。

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    g010827
  2. 希望する刈高に合わせて、キャスタスピンドルにスペーサを取り付ける;刈り高の調整の表を参照。

  3. スピンドルにスラストワッシャを入れ、前キャスタスピンドル(丸軸)は前キャスタアームに通し、後キャスタスピンドル(六角)は後キャスタアームに通す。

  4. スピンドルにスラストワッシャをもう1枚入れ、残りのスペーサを入れてからテンショニングキャップを付けてアセンブリを固定する。

    Important: キャスタアームの上部および下部にスラストワッシャがあたる(スペーサでなく)ことが必要です。

  5. 4 つのキャスタホイールがすべて同じ刈高にセットされていることを確認したら、カッティングデッキをパレットから押し出す。

昇降アームを取り付ける

この作業に必要なパーツ

右昇降アーム 1
左昇降アーム 1
ピボットピン2
コッターピン (5/32 x 1¾")2
  1. トラクションユニットの片側で、ホイール&タイヤ・アセンブリを前ホイールスタッドに固定しているホイールナットをゆるめる(外さないこと)。

  2. 機体前部をジャッキアップして前輪を床から浮かす。ジャッキスタンドを使用して機体を確実に支える。

  3. ホイールナットを外して、ホイール&タイヤ・アセンブリをスタッドから抜き取る。

  4. ピボットブラケットに、昇降アームを取り付ける(ボールジョイント側の端部を外側に向ける);ピボットピンとコッターピン(5/32 x 1¾")を使用する)(図 5)。

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  5. 昇降アームの後部を、昇降シリンダに取り付ける;ピボットピンと 2 本のコッターピンを使う(トラクションユニットについている)。

  6. ブレーキ・リターン・スプリングを昇降アームの穴に引っ掛ける図 5

  7. 機体の反対側についても同じ作業を行う。

昇降アームをカッティングユニットに接続する

  1. カッティングデッキをトラクションユニットの前に置く。

  2. 各昇降アームの端部から、ボールジョイントの中心(グリスニップル)までの距離を測定する。この距離が 57 mm あれば適正である(図 6)。

    Note: 所定の距離(57 mm)がない場合には、ボールジョイントを左昇降アームに固定しているジャムナットをゆるめてボールジョイントを左右どちらかに回して長さを調整する。この時点ではまだジャムナットを締め付けないこと。

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  3. 昇降レバーをフロート位置にセットする。昇降レバーを押し下げて、ボールジョイントの穴とキャスタアームの穴とを整列させる。

    Note: グランドマスター 3280–D と 3320 では、昇降アームを下げるためにはエンジンを作動させる必要があります。

  4. ボールジョイントのマウントを、各キャスタアームに固定する;キャップスクリュ(7/16 x 3")2本とフランジナット(7/16")を使用する(図 7)。

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    Note: ボールジョイントマウントは、組み立て時にキャスタアームの上部にあるのが正しい状態です。

  5. ボールジョイントを昇降アームに固定している大きいジャムナットを締め付ける(図 7)。

    Note: ジャムナットを締め付ける時に、ボールジョイントがずれないように(カッティングデッキの昇降動作範囲からずれないように)真っ直ぐに保持しておいてください。

PTOシャフトとガードをカッティングユニットのギアボックスに接続する

  1. PTO ガード取り付けブラケットをギアボックスに固定しているキャップスクリュ(2本)とロックワッシャを外す(図 8)。

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    Note: 外したねじ類は今後のために保管する。

  2. PTO シャフトガードを PTO シャフトに通し、図 8 のように位置決めする。

  3. オスの PTO シャフトとメスの PTO シャフトを接続する。

    Note: ギアケースの入力シャフトの取り付け穴と PTO シャフト穴とを整列させて相互に接続する。

  4. ロールピンで固定する。

  5. キャップスクリュとナットを締めつける。

  6. PTO シャフトガードをギアボックスに取り付ける;さきほど取り外したキャップスクリュ 2 本とロックワッシャを使用する。

後輪を取り付ける

2 輪駆動のグランドマスター 1000 および 200 シリーズのトラクションユニットは、後ウェイトを搭載すると EN ISO 5395 および ANSI B71.4-2017 適合となります。各トラクションユニットのウェイトについての詳細については、それぞれの オペレーターズマニュアル を参照してください。必要なパーツを弊社代理店からご購入ください。

4輪駆動のグランドマスター 200 シリーズのトラクションユニットは、ウェイト搭載なしで EN ISO 5395 および ANSI B71.4-2017 に適合しています。

2 輪駆動のグランドマスター 3280-D および 3320 のトラクションユニットでシリアル番号が 250000101 - 259999999 のものは、ウェイトキット(P/N 24-5780)の搭載により EN ISO 5395 および ANSI B71.4-2017 に適合となります。

2輪駆動のグランドマスター 3280-D およびグランドマスター 3320 のトラクションユニットでシリアル番号が 260000101 以上の製品については、後ウェイトを取り付けない状態で EN ISO 5395 および ANSI B71.4-2017 に適合しています。

4輪駆動のグランドマスター 3280-D のトラクションユニットは、ウェイト搭載なしで EN ISO 5395 および ANSI B71.4-2017 に適合しています。

グリスアップを行う

機械がその性能を正しく発揮できるように、使用を開始する前に、各部の潤滑を行ってください;潤滑を参照。この作業を怠るとマシンに急激な磨耗が発生しますから注意してください。

製品の概要

Note: 仕様および設計は予告なく変更される場合があります。

刈幅1.56m
刈高25-102 mm の範囲で 13 mm 刻みで調整可能
刃先の回転速度4721 m/分(エンジン速度 3250 RPMの時)
刈り込みブレード熱硬化処理鋼鉄製(厚さ 4.8mm、長さ 55cm)3本
キャスタホイール直径 203 mm、グリス注入式ローラベアリング(タイヤ空気圧 241-345 kPa = 2.45-3.5 kg/m2 = 35-50 psi)
駆動システムPTO 駆動のギアボックスから、AA 断面ベルトにてすべてのブレードスピンドルを駆動する。
純重量244kg

アタッチメントとアクセサリ

トロが認定した各種のアタッチメントやアクセサリがそろっており、マシンの機能をさらに広げることができます。 詳細は弊社の正規サービスディーラ、または代理店へお問い合わせください;弊社のウェブサイト www.Toro.com でもすべての認定アタッチメントとアクセサリをご覧になることができます。

いつも最高の性能と安全性を維持するために、必ずToroの純正部品をご使用ください。他社の部品やアクセサリを御使用になると危険な場合があり、製品保証を受けられなくなる場合がありますのでおやめください。

運転操作

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

刈り高の調整

刈高の調整は、前後のキャスタフォークに同数のスペーサを追加または取り外すことにより、25-102mm の間で 13mm 間隔で設定します。下の表に、すべての刈高について、スペーサの組み合わせを示してあります。

刈高の設定 キャスタアームの下のスペーサの数
25mm00
38mm11
51mm22
64 mm33
76 mm44
89 mm55
102 mm66
  1. エンジンを始動し、カッティングユニットを上昇させて刈高の調整ができるようにする。

  2. カッティングユニットが上昇したらエンジンを止める。

前キャスタホイールの調整

  1. スピンドルシャフトからテンショニングキャップを外し、前キャスタアームからスピンドルを抜き出す(図 9)。

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  2. スピンドルシャフトからワッシャを抜き取る。

  3. 希望の刈高になるように適正数のスペーサをシャフトにセットし、ワッシャをはめる。

  4. キャスタスピンドルを前キャスタアームに押し込む。

  5. 外側スラストワッシャと残りのスペーサをスピンドルに通す。

  6. テンショニングキャップを取り付けてアセンブリを固定する。

後キャスタホイールの調整

  1. ゲージホイールをカッティングデッキのブラケットに固定しているテンショニングキャップを外す(図 10)。

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  2. スピンドルシャフトについている C 形スペーサを、必要に応じてシャフトの細くなっている部分から抜き取ってキャスタアームの下側に移して刈高を調整する。

    Note: キャスタアームの上部および下部にスラストワッシャがあたっている(スペーサでなく)ことを確認する。

  3. テンショニングキャップを取り付けてアセンブリを固定する。

    Note: 4つのキャスタホイールがすべて同じ刈高にセットされていることを確認する。

ローラとゲージホイールを調整する

Note: 予定している刈高が 25 mm または 38 mm の場合は、カッティングユニットのローラをブラケットの上穴に取り付けてください。

前ローラの調整

  1. ローラのシャフトをデッキのブラケットに固定しているキャップスクリュとナットを取り外す(図 11)。

    g010788
  2. ブラケットの下側の穴からシャフトを抜き取り、上側の穴に付け替える。

  3. キャップスクリュとナットを使って、ローラのシャフトをデッキに固定する。

前ゲージホイールの調整

  1. ゲージホイールをデッキのブラケットに固定しているキャップスクリュとナットを取り外す(図 12)。

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  2. ローラとスペーサをブラケットの上穴に合わせてセットし、これらをキャップスクリュとナットで固定する。

後(内部)ローラの調整

  1. ローラのシャフトをデッキ裏側のブラケットに固定しているコッターピンを取り外す(図 13)。

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  2. ブラケットの下穴からシャフトを抜き出し、ローラを上穴に合わせてシャフトを取り付ける。

  3. コッターピンを取り付けてアセンブリを固定する。

重量移動機構の調整

グランドマスター 3280-D および 3320 モデルでは、オペレーターズマニュアル の記載に従ってカウンタバランスの圧力調整も行う必要があります。

デフレクタの使用について

危険

デフレクタや、排出カバー、または集草アセンブリを確実に取り付けずに使用すると、人がブレードに触れたり、ブレードに跳ね飛ばされたものが人に当たったりするなどして極めて危険である。回転中のブレードに触れたり、跳ね飛ばされた物に当たると、けがをするばかりでなく場合によっては死亡する。

  • デフレクタは排出方向を下向きにする重要な部材であるから、絶対に取り外したままで刈り込みを行ってはならない。デフレクタが破損している場合には直ちに交換すること。

  • 刈り込みデッキの下には絶対に手足を差し入れないこと。

  • 排出部やブレード部に手を入れる場合には、必ず、ブレード制御スイッチ(PTO)をOFF位置にし、エンジンを止め、キーをOFF位置にして抜き取っておくこと。

  • デフレクタが降りた位置になっているのを必ず確認しておくこと。

Note: デフレクタはスプリングの力で降下位置(図 14)に保持されていますが、必要に応じて一時的に位置を変えることができます。

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ヒント

スロットルは高速に設定し走行速度を調整

芝刈り作業に必要なパワーを十分に引き出すために、エンジンは常にスロットル全開で使用し、コンディションに合わせて走行速度を調整してください。カッティングユニットへの負荷が大きくなったら走行ペダルの踏み込みを浅くして走行速度を遅くし、走行に掛かる負荷を下げてください。

刈り込みの方向

刈り込みの方向を変えるようにしましょう;同じルートで長期間刈り込むとターフにタイヤマークがついてしまいます。また、刈りかすの飛散方向も変わるので自然分解が促進され、栄養的にも有利です。

刈り込み速度

遅めの速度で刈り込むとカットの質が向上します。

刈高を下げすぎない

いままで使っていた芝刈り機よりも広い刈り幅で刈る場合には、以前の刈り高より少し高目の設定で刈って、以前と同じ刈高に仕上がるか、凹凸面を削らないか、確認してください。

条件に合った適切な刈り高を選択する

一度に切り取る長さは25 mm以内に抑えましょう。草丈の1/3 以上は刈り取らないのが原則です。成長期の密生している芝生では、刈り込み速度を遅くしたり、刈り高設定をさらに一目盛り上げる必要があるかもしれません。

Important: 草丈の 1/3 以上を刈り取る場合や、長く伸びたまばらな草地を刈る場合、あるいは乾燥した草地を刈る場合には、空中に舞うほこりを減らしたり駆動部への負荷を減らす効果のあるフラットセール・ブレードの使用をお奨めします。

丈の高い草

芝生が伸びすぎてしまった時や、濡れている芝を刈る時は、刈り高を高めに設定して刈りましょう。その後に通常の刈り高に下げてもう一度刈るときれいに仕上がります。

カッティングユニットをきれいに維持する

芝刈り作業が終わったらホースと水道水でカッティングユニットの裏側を洗浄してください。カッティングユニットの内側に刈りかすやごみが溜まると切れ味が落ち、仕上がりが悪くなります。

火災防止のため、エンジンやマフラー、バッテリー、駐車ブレーキ、カッティングユニット、燃料タンクなどの周囲に、余分なグリス、草や木の葉、ほこりなどが溜まらないようご注意ください。 こぼれたオイルや燃料はふきとってください。

ブレードの保守

ブレードの刃先が鋭利であれば、芝草の切り口もきれいです。シーズンを通してブレードの刃先を鋭利にしておきましょう。切れ味の悪い刃先は芝草を引きちぎるので、切り口が茶色に変色し、芝草の成長を悪くし、また病気にもかかりやすくなります。ブレードの磨耗や破損を毎日点検してください。必要に応じてブレードを研磨してください。ブレードが破損したり磨耗したりした場合には、直ちに交換してください;トロの純正ブレードを使ってください。ブレードの取り外しと取り付けを参照してください。

保守

推奨される定期整備作業

整備間隔整備手順
使用開始後最初の 2 時間
  • キャスタホイールナットを締めつける。
  • 使用開始後最初の 10 時間
  • キャスタホイールナットを締めつける。
  • 使用するごとまたは毎日
  • キャスタ・アームのブッシュにグリスを補給する。
  • キャスタホイールのベアリングにグリスを補給する。
  • 使用後毎回
  • カッティングユニットを洗浄します。
  • 50運転時間ごと
  • 各グリス注入部のグリスアップを行う。
  • ギアボックスの潤滑油を点検する。
  • キャスタホイールナットを締めつける。
  • 400運転時間ごと
  • ギアボックスの潤滑油を交換する。
  • 始業点検表

    このページをコピーして使ってください。

    点検項目第週
    デフレクタが下向きになっているか点検する(該当機種の場合)。       
    タイヤ空気圧を点検する       
    バッテリーの状態を点検する。       
    グリスアップを行なう。1       
    塗装傷のタッチアップ       

    1. 車体を水洗いしたときは整備間隔に関係なく直ちにグリスアップする。

    要注意個所の記録
    点検担当者名:
    内容日付記事
       
       
       
       
       

    注意

    始動キーをつけたままにしておくと、誰でもいつでもエンジンを始動させることができ、危険である。

    整備・調整作業の前には必ずエンジンを停止し、キーを抜いておくこと。

    Important: カバーについているボルトナット類は、カバーを外しても、カバーから外れません。全部のボルト類を数回転ずつゆるめてカバーが外れかけた状態にし、それから、全部のボルト類を完全にゆるめてカバーを外すようにしてください。このようにすれば、誤ってリテーナからボルトを外してしまうことがありません。

    潤滑

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • キャスタ・アームのブッシュにグリスを補給する。
  • キャスタホイールのベアリングにグリスを補給する。
  • 50運転時間ごと
  • 各グリス注入部のグリスアップを行う。
  • 定期的に、全部の潤滑個所にNo.2汎用リチウム系グリスを注入します。機体を水洗いした場合には、直ちに全部のベアリングとブッシュにグリスアップを行ってください。

    以下の各部のグリスアップを行う:

    • 前キャスタのスピンドルブッシュ(図 15

    • 前後のキャスタホイールベアリング(図 15

      g004772
    • 左右の昇降アームのピボットピン(図 16

      g010550
    • ブレードスピンドルのベアリング(図 17

      g010792
    • 左右のプッシュアームのボールジョイント(図 17

    ギアボックスのオイルを点検する

    整備間隔整備手順
    50運転時間ごと
  • ギアボックスの潤滑油を点検する。
  • 400運転時間ごと
  • ギアボックスの潤滑油を交換する。
  • ギアボックスに使用するオイルは石油系または合成の SAE 80W-90 ギア用潤滑油です。適量のオイルを入れて出荷していますが、カッティングユニットを使用する前に点検してください。ギアボックスの容量は 283 ml です。

    1. マシンとカッティングユニットを平らな場所に駐車させる。

    2. ギアボックスの上部についているディップスティック兼給油プラグ(図 18)を取り、オイルの量が、ディップスティックについている2本のマークの間にあることを確認する。油量が少なければ2本のマークの中間まで補給する。

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    カッティングユニットの取り外し

    1. 平らな場所に駐車する。

    2. 床面にカッティングユニットを下降させ、昇降レバーをフロート位置にし、駐車ブレーキを掛け、走行ベダルをニュートラルとし、PTO レバーを OFF 位置とし、エンジンを停止させ、キーを抜き取る。

    3. ボールジョイントマウントをデッキのキャスタアームに固定しているキャップスクリュとロックナットを外す(図 19)。

      g010793
    4. PTO シャフトのオスメスの接続部分を解除して、カッティングユニットをトラクションユニットから引き出す(図 20)。

      危険

      PTO シャフトを接続したままでエンジンが始動すると重大な人身事故が発生する恐れがある。

      PTO シャフトがカッティングユニットのギアボックスに接続されるまでは、エンジンを始動してPTOレバーを操作してはならない。

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    キャスタアームのブッシュの整備

    キャスタアームのチューブ部分には上下にそれぞれブッシュが入れてありますが、これらのブッシュは使用に伴って磨耗してきます。ブッシュを点検するには、キャスタフォークを前後左右に揺り動かして見ます。キャスタのシャフトにガタがある場合にはブッシュが磨耗していますから、交換が必要です。

    1. デッキを上昇させてキャスタホイールを床から浮かし、万一デッキが落ちてきても安全なように角材などで支持する。

    2. 各キャスタスピンドルの上部についているトーショニングキャップ、スペーサ、スラストワッシャを外す。

    3. キャスタスピンドルをチューブから引き抜く。スラストワッシャとスペーサは、スピンドルの一番下に残しておく。

    4. 取り付けチューブの上または下からピンポンチを差し込み、ブッシュをたたき出す(図 21)。もう1個のブッシュについても同様にして取り出す。

      g010828
    5. チューブの内部をきれいに清掃する。

    6. 新しいブッシュの内外面にグリスを塗る。

    7. ハンマーと平たい板を使って、ブッシュをチューブにたたき込む。

    8. キャスタスピンドルの磨耗状態を点検し、必要に応じて交換する。

    9. キャスタシャフトをブッシュとチューブに押し込む。

    10. スラストワッシャとスペーサをスピンドルにはめる。

    11. キャスタスピンドルにテンショニングキャップをはめる。

    キャスタホイールとベアリングの整備

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 2 時間
  • キャスタホイールナットを締めつける。
  • 使用開始後最初の 10 時間
  • キャスタホイールナットを締めつける。
  • 50運転時間ごと
  • キャスタホイールナットを締めつける。
  • キャスタホイールは高性能ローラベアリング上で回転しスパンナブッシュに支えられています。通常の使用では運転時間がかなり長くなってもベアリングの潤滑をきちんとしておけば、ベアリングの磨耗はごくわずかに留まります。しかし、ベアリングの潤滑を怠ると磨耗が急激に進みます。キャスタホイールが素直に回らないのは大抵の場合ベアリングの磨耗が原因です。

    1. キャスタホイール・アセンブリをキャスタフォークに保持しているボルトからロックナットを外す(図 22)。

      g010829
    2. キャスタホイールをしっかりと握り、キャップスクリュをフォークから抜き取る。

    3. ホイールのハブからスパンナブッシュを取り出す(図 22)。

    4. ホイールのハブからブッシュを外すとベアリングが落ちてくる。

    5. ホイールハブの反対側からもブッシュを外す。

    6. ベアリング、スパンナ、およびハブの内側の磨耗状態を点検し、破損している場合には交換する。

    7. キャスタホイールを組み立てる時は、まず、ブッシュをホイールハブに押し込む。

    8. 次にベアリングをハブに入れる。

    9. ハブの反対側でもブッシュを押し込んでハブの内部にベアリングを閉じ込める(図 22)。

    10. ブッシュとホイールハブにスパナブッシュを注意深く挿入する。

    11. キャスタホイール・アセンブリをキャスタフォークに取り付け、キャップスクリュ、ワッシャ、ロックナットで固定する。

    12. キャスタホイールベアリングのグリス注入部から、No.2汎用リチウム系グリスを注入する。

    ブレードの整備

    刈り込みブレードについての安全事項

    • ブレードが磨耗や破損していないか定期的に点検すること。

    • ブレードを点検する時には安全に十分注意してください。ブレードをウェスでくるむか、安全手袋をはめ、十分に注意して取り扱ってください。ブレードは研磨または交換のみ行い、たたいて修復したり溶接したりしないでください。

    • 複数のブレードを持つ機械では、1つのブレードを回転させると他も回転する場合がありますから注意してください。

    ブレードの変形を調べる

    機械を何かに衝突させてしまった場合には、機械に損傷がないか点検し、必要があれば修理を行ってください。点検修理が終わるまでは作業を再開しないでください。ホイールナットを 176-203 N·m(18.0-20.8 kg.m = 130-150 ft-lb)にトルク締めする。

    1. 平らな場所に駐車し、カッティングユニットを上昇させ、駐車ブレーキを掛け、走行ベダルをニュートラルとし、PTO レバーが OFF になっているのを確認し、エンジンを停止させ、キーを抜き取る。

      Note: カッティングユニットが落下しないように支持ブロックでサポートする。

    2. カッティングユニットの天井から各ブレードの前端の刃先までの距離を測る(図 23)。

      Note: 測定値を記録する。

      g010549
    3. ブレードを半回転させて後ろ側にあった刃先を前側にし、ステップ 2 と同じ位置で、カッティングユニットとブレードの刃先の距離を測る。

      Note: 上記手順2と3で記録した2つの測定値が 3 mm の差の中に収まっていれば適正である。この差が 3 mm を超える場合には、そのブレードが変形しているので交換する;ブレードの取り外しと取り付けを参照。

    ブレードの取り外しと取り付け

    ブレードが堅いものに当たった、バランスが取れていない、磨耗した、曲がったなどの場合には交換する必要があります。安全を確保し、適切な刈りを行うために、ブレードは必ず Toro 社の純正品をお使いください。

    1. 平らな場所に駐車し、カッティングユニットを移動走行位置まで上昇させ、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止させてキーを抜き取る。

      Note: カッティングユニットが落下しないように支持ブロックなどで確実に支える。

    2. ぼろきれや厚いパッドの入った手袋を使ってブレードの端部をしっかり握る。

    3. スピンドルのシャフトからブレードボルト、芝削り防止カップ、ブレードを取り外す(図 24)。

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    4. ブレード、芝削り防止カップ、ボルトを取り付けてボルトを115-149 N·m(11.8-15.2 kg.m = 85-110 ft-lb)にトルク締めする。

      Important: ブレードの立っている側(セイル部)がカッティングユニットの天井を向くのが正しい取り付け方です。

      Note: デッキが何かに衝突した場合には、全部のスピンドルプーリ・ナットを115-149 N·m(11.8-15.2 kg.m = 85-150 ft-lb)にトルク締めする。

    ブレードの点検と研磨

    高品質の刈りを実現するためには、刃先と、刃先の反対側にある立ち上がった部分であるセイル部の両方が重要です。

    シーズンを通じて鋭利な刈り込みブレードを維持するようにしましょう。刃先が鋭利であれば、芝草をむしるような刈りにならず、切り口がきれいです。

    ブレードに過度の磨耗がないか、破損がないか点検してください。セイルは芝草を立たせて刈高を揃える重要部分ですが、使用に伴って摩耗してきます。

    1. 平らな場所に駐車し、カッティングユニットを上昇させ、駐車ブレーキを掛け、走行ベダルをニュートラルとし、PTO レバーが OFF になっているのを確認し、エンジンを停止させ、キーを抜き取る。

    2. ブレードの切っ先を注意深く観察、特に、直線部と曲線部が交わる部分をよく観察する(図 25)。

      Note: この、直線部と曲線部の交差域は、砂などによる磨耗が進みやすい部分なので、機械を使用する前によく点検することが必要である。磨耗が進んでいる場合(図 25)にはブレードを交換する。

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    3. すべてのブレードの刃先を点検し、刃先が丸くなっていたり打ち傷がある場合には研磨する(図 26)。

      Note: 研磨は刃先の上面だけに行い、刃の元々の角度を変えないように十分注意する(図 26)。両方の刃先から等量を削るとブレードのバランスを維持することができます。

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      Note: ブレードを取り外し、研磨機で研磨する。研磨後、ブレードと、芝削り防止カップをつけてブレードボルトで固定する;ブレードの取り外しと取り付けを参照。

    ブレードの点検とミスマッチの修正

    一つのブレードの刈高が他よりも高い(低い)場合には、以下のようにして修正します:

    1. 平らな床面にカッティングデッキを下降させ、駐車ブレーキを掛け、走行ベダルをニュートラルとし、PTO レバーを OFF 位置とし、エンジンを停止させ、キーを抜き取る。

    2. 全部のタイヤの空気圧が同じであることを確認する。

    3. 刈高を 102 mm に設定する;刈り高の調整を参照。

    4. ブレードを手で回転させて先端同士が隣り合うようにする。

      Note: 互いに隣あっているブレードの先端の高さの差が 3 mm 以内であれば適正とする。高さの差が 3 mm を超えている場合には、10 へ進んでスピンドルハウジングとデッキとの間にシムを入れて調整する。

    5. フロントの刈高ピンがフレームのクッションに正しく入っていることを確認する。ピンの位置が正しくない場合には、クッションの下にシムを入れて正しい高さにする。

    6. 全部のブレードを A 位置(図 27)にし、水平な床面から各ブレードの刃先までの高さを測定する(図 28)。

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    7. 各ブレードを B 位置(図 27)まで回転させ、同様にして各ブレードから床面までの高さを測定する(図 28)。

    8. 各ブレードを C 位置まで回転させ、同様にして各ブレードから床面までの高さを測定する(図 27 と 図 28)。

    9. 各位置での測定値を比較する。

      Note: 隣り合う2枚のブレードで、すべての測定値が 6 mm の範囲内に収まっていれば適正である。また、全部のブレードについての計測値の差が 10 mm 以下であれば適正とする。測定値の差が上記の範囲を超えている場合には手順(10)へ進む。

    10. シムを取り付ける部分のキャップスクリュ、平ワッシャ、ロックナットを外す。

      Note: ブレードの高さ調整に使うシム(P/N 3256-24)を、スピンドルハウジングとデッキの底との間に入れる。

    11. ブレードの整列状態を確認し、必要に応じてさらにシムを追加して調整する。

    アイドラプーリの調整

    アイドラプーリは、駆動力がブレードプーリに伝わるように、ベルトを押さえつける役割を果たしています。十分な力でベルトを押さえつけていないと、プーリに十分な力が伝達されません。ベルトの張りを出すために、ベルトを押している大きいナットに 47-54 N·m(4.8-5.5 kg.m = 35-40 ft-lb)のトルクを掛けておく必要があります。アイドラの調整がこの範囲にない場合には調整してください。

    Important: カバーについているボルトナット類は、カバーを外しても、カバーから外れません。全部のボルト類を数回転ずつゆるめてカバーが外れかけた状態にし、それから、全部のボルト類を完全にゆるめてカバーを外すようにしてください。このようにすれば、誤ってリテーナからボルトを外してしまうことがありません。

    1. 平らな場所に駐車する。

    2. カッティングデッキを下降させ、駐車ブレーキを掛け、走行ベダルをニュートラルとし、PTO レバーを OFF 位置とし、エンジンを停止させ、キーを抜き取る。

    3. 中央のカッティングデッキのカバーを外す。

    4. アイドラプレートを固定しているナット(2個)をゆるめる。

    5. ソケットとトルクレンチを使用して、アイドラ調整ナットを 47-54 N·m(4.8-5.5 kg.m=35-40 ft-lb)にトルク締めする(図 29)。

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    6. ベルトにトルクを掛けたままの状態で2つのナットを締め付けてアイドラプレートを固定する。

    7. アイドラ調整ナットを開放する。

    8. カバーを取り付ける。

    駆動ベルトの交換

    ブレード駆動ベルトは調整可能なアイドラで張力を維持しており、非常に耐久性の高い部品です。しかし長期間のうちに必ず磨耗が現れてきます。磨耗の兆候として:ベルトが回転するときにきしみ音がする、刈り込み中にベルトが滑ってブレードが回らない、ベルトの縁がほつれている、焼けた跡がある、割れているなどがあります。これらを発見したらベルトを交換してください。

    Important: カバーについているボルトナット類は、カバーを外しても、カバーから外れません。全部のボルト類を数回転ずつゆるめてカバーが外れかけた状態にし、それから、全部のボルト類を完全にゆるめてカバーを外すようにしてください。このようにすれば、誤ってリテーナからボルトを外してしまうことがありません。

    1. 平らな場所に駐車する。

    2. カッティングデッキを降下させ、駐車ブレーキを掛け、走行ベダルをニュートラルとし、PTO レバーを OFF 位置とし、エンジンを停止させ、キーを抜き取る。

    3. カッティングデッキの上部からカバーを外す。

    4. アイドラプレートを固定しているナット(2個)をゆるめ、古いベルトをプーリから外す。

    5. 新しいベルトを取り付けるには、ギアボックスを取り外す必要がある(ギアボックスベースを固定しているキャリッジボルト4本とロックナットを外す)。

    6. 新しいベルトをギアボックスの周囲からスピンドルプーリ、固定アイドラプーリ、可動プーリへと回し掛ける(図 30)。

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    7. キャリッジボルトとロックナットでギアボックスベースを取り付ける。

    8. トルクレンチを使ってアイドラプーリからベルトに所定のトルクを掛ける;アイドラプーリの調整を参照。

    9. カバーを取り付けます。

    デフレクタの交換

    1. 平らな場所に駐車する。

    2. カッティングユニットを上昇させ、駐車ブレーキを掛け、走行ペダルをニュートラルに戻し、PTO レバーが OFF 位置であることを確認し、エンジンを停止しキーを抜き取る。

    3. カッティングユニットが落下しないように支持ブロックでサポートする。

    4. デフレクタマウントをピボットブラケットに固定しているキャップスクリュ、ロックナット、スプリングを外す(図 31)。

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    5. ピボットブラケットを外すには、キャリッジボルトとナットを外す(図 31)。

    6. キャリッジボルトとナットで、ピボットブラケットを排出口の上に取り付ける。

      Note: キャリッジボルトの頭がデッキの内側になるように取り付けるてください。

    7. デフレクタマウントをピボットブラケットの上に置き、キャップスクリュ、ロックナット、スプリングで固定する。

      Note: 両方のナットが対向するように取り付けてください。ロックナットがデフレクタのピボットと面一になるまでロックナットを締め付ける。

    8. デフレクタを持ち上げて手を離し、スプリングの力で自然に落ちることを確認する。

      Note: スプリングの力で、デフレクタが下位置にしっかりと保持されていることが必要です。必要に応じて修正してください。

    カッティングユニットの下側の洗浄

    整備間隔整備手順
    使用後毎回
  • カッティングユニットを洗浄します。
    1. PTOを解除し、走行ペダルから足を離してニュートラル位置とし、駐車ブレーキを掛ける。

    2. スロットルレバーを 低速 にセットし、エンジンを停止し、キーを抜き取り、各部が完全に停止したのを確認してから運転席を降りる。

    3. カッティングユニットを移動走行位置に上昇させる。

    4. 機体前部を浮かせ、ジャッキスタンドで支持する。

    5. カッティングユニットの裏側を水でていねいに清掃する。

    保管

    1. PTO を解除し、走行ペダルをニュートラルにし、カッティングユニットを降下させ、スロットルレバーを低速位置にし、駐車ブレーキを掛ける。

    2. 運転席を離れる場合はエンジンを止め、キーを抜き取り、機械の動きが完全に停止したことを確認してください。調整、整備、格納は機体が十分冷えてから行ってください。

    3. カッティングユニットをきれいに洗浄する。特に以下の部分を入念に清掃してください:

      • カッティングユニットの裏側

      • カッティングユニットのベルトカバーの裏側

      • PTO シャフトアセンブリ

      • グリス注入部やピボット部

    4. トラクションユニットのタイヤ空気圧(前と後)を点検・調整する;トラクションユニットのオペレーターズマニュアルを参照。

    5. カッティングデッキのブレードを外して研磨とバランス調整を行う。ブレードを取り付け、ブレードボルトを 115-149 N·m(12-15 kg.m= 85-110 ft.-lb)にトルク締めする。

    6. ボルトナット類にゆるみながいか点検し、必要な締め付けを行う。

    7. グリス注入部やピボット部全部をグリスアップする。余分なグリスはふき取る。

    8. 塗装のはがれている部分に軽く磨きをかけ、タッチアップする。へこみを発見したら修理する。

    故障探究

    ProblemPossible CauseCorrective Action
    刈り込みできない、または刈り上がりが悪い。
    1. ブレードが鈍くなっている。
    2. ブレードが曲がるか破損するかしている。
    3. スピンドルボルトがゆるい。
    4. ブレード駆動ベルトがゆるいか破損している。
    5. ギアボックスのプーリがゆるんでいる。
    6. ギアボックスのシャフトが破損している。
    7. PTOベルトが破損している。
    8. PROプーリがゆるいか破損している。
    9. PTOシャフトが破損している。
    10. エンジン出力軸のプーリがゆるいか破損している。
    1. 研磨する。
    2. 交換する。
    3. ボルトを115-149 N·m(11.8-15.2 kg.m = 80-110 ft-lb.)にトルク締めする。
    4. 必要に応じて締め付けまたは交換する。
    5. プーリを締め付ける、または交換する。
    6. 交換する。
    7. 交換する。
    8. プーリを締め付ける、または交換する。
    9. 交換する。
    10. 締め付ける、または交換する。