はじめに

この説明書を読んで製品の運転方法や整備方法を十分に理解し、他人に迷惑の掛からない、適切で安全な方法でご使用ください。この製品を適切かつ安全に使用するのはお客様の責任です。

弊社のウェブサイト www.Toro.com で安全講習や運転講習の狩猟、アクセサリ情報の閲覧、代理店についての情報閲覧、お買い上げ製品の登録などを行っていただくことができます。

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマーサービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。図 1にモデル番号とシリアル番号を刻印した銘板の取り付け位置を示します。いまのうちに番号をメモしておきましょう。

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この説明書では、危険についての注意を促すための警告記号(図 2)を使用しております。これらは死亡事故を含む重大な人身事故を防止するための注意ですから、必ずお守りください。

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この他に2つの言葉で注意を促しています。重要 は製品の構造などについての注意点を、はその他の注意点を表しています。

警告

カリフォルニア州

第65号決議による警告

米国カリフォルニア州では、この製品を使用した場合、ガンや先天性異常などを誘発する物質に触れる可能性があるとされております。

この製品は、関連する全ての欧州指令に適合しています。詳細についてはこの冊子の末尾にあるDOI(適合宣誓書)をご覧ください。

安全について

この機械は、EN ISO 5395:2013 規格およびANSI B71.4-2012 規格に適合しています。

不適切な使用や整備不良は、死亡や負傷などの人身事故につながります。事故を防止するために、以下に示す安全のための注意事項を必ずお守りください。

  • カッティングユニットをお使いになる前にトラクションユニットのオペレーターズマニュアルもよくお読みになり、内容をよく理解してください。使い方を守ってください。

  • カッティングユニットをお使いになる前に、このオペレーターズマニュアルをよくお読みになり、内容を十分に理解してください。

  • 子供には絶対にトラクションユニットの運転やカッティングユニットの使用をさせないでください。大人であっても適切な訓練を受けていない人には、トラクションユニットの運転やカッティングユニットの操作をさせないでください。このオペレーターズマニュアルを読み、内容をきちんと理解した人のみが取り扱ってください。

  • 疲れている時、病気の時、アルコールや薬物を摂取した時は絶対にカッティングユニットを取り扱わないでください。

  • ガードなどの安全装置は必ず所定の場所に取り付けて使用してください。安全カバーなどが破損したり、ステッカーが破れたり字がよめなくなったりした場合には、機械を使用する前に修理し、ステッカーは新しいものに貼り換えてください。また、常にカッティングユニット全体の安全を心掛け、ボルト、ナット、ねじ類が十分に締まっているかを確認してください。

  • 作業にふさわしい服装をする;安全めがね、すべりにくく安全な靴、聴覚保護具を着用してください。安全靴と長ズボンの着用をおすすめします。地域によってはこれらの着用が義務付けられていますのでご注意ください。衣服のだぶついている部分はまとめてください。

  • 長い髪はまとめてください。装飾品は身に着けないでください。

  • 作業場所をよく確認し、カッティングユニットのリールにはね飛ばされる危険のあるものはすべて取り除いてください。作業場所から人を十分に遠ざけてください。

  • 刃が硬いものにぶつかったりカッティングユニットが異常な振動をしたりした場合は、 直ちに車両を止めてエンジンを停止し、カッティングユニットに損傷が発生していないか点検してください。損傷や異常があれば修理を行ってください。点検修理が終わるまでは作業を再開しないでください。

  • 機械から離れる前には、必ずカッティングユニットを地面に降下させ、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止させ、キーを抜き取ってください。

  • ボルト、ナット、ねじ類は十分に締めつけ、常にカッティングユニットの安全を心掛けてください。

  • 整備・調整・格納作業の前には、エンジンが不意に作動することのないよう、必ずキーを抜き取っておいてください。

  • このマニュアルに記載されている以外の保守整備作業は行わないでください。大がかりな修理が必要になった時や補助が必要な時は、Toro 正規代理店にご相談ください。

  • いつも最高の性能と安全性を維持するために、必ずToroの純正部品をご使用ください。他社の部品やアクセサリを御使用になると危険な場合があり、製品保証を受けられなくなる場合がありますのでおやめください。

安全ラベルと指示ラベル

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危険な部分の近くには、見やすい位置に安全ラベルや指示ラベルを貼付しています。破損したりはがれたりした場合は新しいラベルを貼付してください。

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組み立て

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

カッティングユニットを点検する

この作業に必要なパーツ

カッティングユニット1

カッティングユニットを箱から出して、以下の点検を行ってください:

  1. リールの両側にグリスが付いていることを確認する。

  2. ボルト ナット類にゆるみがないか点検。

  3. キャリアフレームのサスペンションが自由に動くこと、特に、前後に揺れるときに引っ掛かりがないことを確認する。

キックスタンドを使ってカッティングユニットを立てた状態にする

ベッドナイフやリールを見るためにカッティングユニットを立てる場合には、ベッドバー調整ねじのナットが床面に接触しないように、カッティングユニットの後ろ側についているスタンド(トラクションユニットの付属品)で支えてください(図 3)。

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後シールドを調整する

ほとんどの場合、シールドを閉じた状態にする(前方に排出する)と、最もよく分散します。濡れ芝などのように草が非常に重い時はシールドを開ける方が良い場合もあります。

後シールド(図 4)を開くには、シールドを左サイドプレートに固定しているボルトをゆるめます。シールドを希望位置にセットしたら、ボルトを元通りに締め付けます。

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付属部品を取り付ける

この作業に必要なパーツ

グリスフィッティング(ストレート)1
O リング1

グリスフィッティングは、カッティングユニットのリールモータ側に取り付ける必要があります。図 5 でリールモータの位置を確認してください。

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  1. リールモータのサイドプレートの固定ねじを外す。ねじは廃棄する (図 6)。

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  2. グリスフィッティング(ストレート)を取り付ける (図 6)。

  3. リールモータのサイドプレートにキャップスクリュが付いていない場合は取り付ける (図 6)。

  4. リールモータにOリングを取り付ける (図 7)。

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  5. リールモータを取り付けてサイドプレートからグリスを注入する。グリスベントからグリスが漏れてくるまで入れること (図 6)。

カッティングユニットのステアリングを調整する

後カッティングユニットのステアリングを大きくする

後ろのカッティングユニット(2番と3番)のキャリアフレームから、ピボットスペーサ、六角ソケットねじ、およびフランジロックナット(各2)(図 8)を取り外すことにより、これらのカッティングユニットの首振り追従性能を向上させることができます(図 9)。

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ステアリングをロックする

カッティングユニットが首振りしないように固定するには、スナッパピンを使ってピボットヨークをキャリアフレームに固定します(図 10)。

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Note: 法面では、カッティングユニットを固定することをお奨めします。

製品の概要

カッティングユニット重量
27 インチ、8 枚刃66kg
27 インチ、11 枚刃68kg
32 インチ、8 枚刃74kg

アタッチメントとアクセサリ

トロが認定した各種のアタッチメントやアクセサリがそろっており、マシンの機能をさらに広げることができます。詳細は弊社の正規サービスディーラ、または代理店へお問い合わせください;弊社のウェブサイト www.Toro.com でもすべての認定アタッチメントとアクセサリをご覧になることができます。

せっかく手に入れた大切な機械を守り、確かな性能を維持するために、交換部品はトロの純正部品をご使用ください。純正パーツは、トロが設計・指定した、完成品に使用されているものと全く同じ、信頼性の高い部品です。確かな安心のために、トロの純正にこだわってください。

運転操作

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

調整を行う

リールと下刃の調整を行う

この調整によって、リールと下刃のすり合わせを行い、双方の刃先の状態および切れ味を確認してください。また、この調整を終了したのち、必ず実際のフィールドでカッティングユニットの刈り上がりを確認してください。フィールド試験の結果にもとづいて、必要に応じて微調整を行ってください。

Important: リールに対して下刃を強く押し付けすぎると、下刃が破損しますから注意してください。

  • バックラップや研磨を行った後には、実際に数分間の刈り込みを行うとリールと下刃が互いに馴染むので、その後に刃合わせ調整を行うとスムーズな場合があります。

  • ターフの密度が非常に高い場合や、刈高が非常に低い場合には、更に微調整が必要となる場合もあります。

この調整作業には、以下に挙げるものが必要です:

  • シム(0.0508mm):トロのパーツ番号 125-5611

  • 切れ味確認用のペーパー:トロのパーツ番号 125-5610

  1. ベッドバー調整ねじを左に回してベッドナイフとリールの接触をなくす(図 11)。

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  2. ベッドナイフとリールが見えるように、カッティングユニットを立てる。

    Important: ユニットの背面についているベッドバー調整ねじのナットが床に当たっていないことを確認する;キックスタンドを使用すること(図 12)。

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  3. カッティングユニットの右端からおよそ 25mm の位置でリール刃が下刃と交差するようにリールを回して位置を決める。

    Note: その後の調整をやりやすくするために、この刃にマーカーで印をつける。

  4. リール刃と下刃が交差している場所で、リール刃と下刃の間に、シム(0.0508mm)を挿入する。

  5. シムに 軽い 圧迫(シムが挟まれる感じ)を感じるまで、右側のベッドバー調整ねじを右に回し、圧迫を感じたらそこから調整ねじを2クリック戻して、シムを抜き取る。

    Note: カッティングユニットの左右どちらかの側で調整をすると反対側の調整も影響されます。2クリック戻すことにより、反対側の調整作業時のクリアランスを確保します。

    Note: 調整前の下刃とリールの間隔が広すぎる場合には、左右の調整ねじを交互に回して、間隔を適宜小さくしておくとよいでしょう。

  6. 先ほどマークを付けた刃(ユニット右側でシムを挟んでチェックした刃)がカッティングユニットの左端からおよそ 25mm の位置でリール刃が下刃と交差するようにゆっくりと リールを回して位置を決める。

  7. シムが軽く挟まれた状態で引き抜ける程度まで、左側のベッドバー調整ねじを右に回して調整する。

  8. ユニットの右側に戻り、左右とも同じ程度の力でシムを引き抜くことができるように、適宜再調整する。

  9. ステップ 6 と 7 を繰り返して、カッティングユニットの左右どちらの側でも、同じ力でシムを引き抜けるように、しかしそこから左右でもう1クリック締めるとシムを引き抜けなくなるように、下刃とリール刃のすき間を調整する。

    Note: 以上で、下刃とリールが平行に調整された。

    Note: 以上の調整は、毎日行う必要はありません。研磨を行った後や分解して再組み立てを行った時に実施してください。

  10. この位置(あと1クリック締めるとシムが通らなくなる位置)から、ベッドバーアジャスタをそれぞれ右に1クリック締める。

    Note: 1回のクリックで、下刃が 0.022mm 移動します。調整ねじを締めすぎないように注意してください。

  11. 切れ味確認用のペーパー(Toro P/N 125-5610)を一枚、リールと下刃との間に、下刃に対して直角になるように差し入れて、カッティングユニットの切れ味をテストする(図 13)。

    Note: ゆっくりと リールを回転させる;これで紙が切れれば合格である。

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    Note: 接触を強くしないと切れない場合には、鋭利な刃先を取り戻して精密なカットができるようにバックラップか研磨を行うことが必要である。

後ローラを調整する

  1. 希望の刈高範囲に必要な数のスペーサを刈高チャートで確認し、スペーサをサイドプレートの取り付けフランジ(図 14)の下に入れて、後ローラのブラケットの位置を正しくセットする(図 14)。

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  2. カッティングユニットの後部を持ち上げてベッドナイフの下に角材などの枕を置く。

  3. 各ローラブラケットをそれぞれのサイドプレート取り付けフランジおよびスペーサに固定しているナット2個を外す。

  4. サイドプレート取り付けフランジとスペーサから、ローラとボルトを外す。

  5. スペーサを、ローラブラケットの上にしてボルトに通す。

  6. ローラブラケットとスペーサとを、サイドプレート取り付けフランジの下側に、先ほど取り外したナットを使って取り付ける。

  7. ベッドナイフとリールの接触状態が良好であることを確認する。カッティングユニットを立てて、前ローラと後ローラ、およびベッドナイフが見えるようにする。

    Note: リールと後ローラとの平行関係は、カッティングユニット全体の組み立て精度により保証されていますから、調整は不要です。ごくわずかな狂いを戻す調整は可能です。まず、定盤の上でサイドプレート組み付けボルトをゆるめます(図 15)。各部の歪みを解放し、ボルトを締め付けます。ボルトは37~45N·m(3.7~4.6kg.m = 27~33ft-lb)にトルク締めします。

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刈高に関わる用語の解説

刈高の設定

希望する刈り高に設定調整するという意味です。

名目の刈高(作業台で設定した刈高)

これは、前後のローラの底部を結んでできる平面からベッドナイフの先端までの高さのこと、いわば理論上の刈り込み高さです。

実効刈高

実際に芝草が刈り取られる高さのことです。名目刈高が同じでも、草種の違い、季節の違い、ターフや土壌のコンディションなどにより実効刈高はさまざまに変化します。カッティングユニットの設定(刈り込みの強さ、ローラの種類と位置、ベッドナイフの種類、装着するアタッチメント、ターフ補正装置の調整など)も、実効刈高に影響を与えます。ターフエバリュエータ(モデル 04399)を使って、定期的に実効刈高を確認し、名目刈高との差を把握しておくことをお勧めします。

刈り込みの「強さ」

刈り込みの「強度」は、刈りあがりに大きな影響を与えます。「強さ」とは、地表面と下刃との角度を言います (図 16)。

この角度を何度にセットするのが一番よいかは、ターフのコンディションによって、また、どのような刈り上がりを希望するかによって異なってきます。使っていくうちにベストの設定がわかるようになります。また、ターフのコンディションはシーズンを通じて変化しますから、それに応じて調整してゆくことができます。

一般的に、暖地型の芝草(バミューダ、パスパラム、ゾイシアなど)には、弱い~普通程度の設定が適しており、寒地型の芝草(ベント、ブルーグラス、ライグラスなど)には、普通~きつめの設定が適しています。きつい設定では、リールの回転によって、より多くの芝草がベッドナイフにかき寄せられるので、刈り取り量が多くなります。

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後スペーサ

刈り込みの強さは、後スペーサの数で設定します。刈高の設定が同じなら、サイドプレート取り付けフランジの下にセットするスペーサの数が多いほど「きつい」刈り込みになります。トラクションユニットに取り付ける全部のカッティングユニットを同じ「きつさ」に設定する必要があります(同じ数の後スペーサ P/N 106-3925 を取り付ける);そうしないと刈り込み後の見栄えが悪くなる場合があります(図 16)。

チェーンリンク

昇降アームチェーンを取り付ける位置によって、後ローラのピッチ角が決まります(図 17)。

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グルーマ

カッティングユニットにグルーマを取り付けた場合の推奨刈高設定値を示しています。

刈高表

刈高設定刈り込みの「強さ」後スペーサの数チェーンリンクの数グルーマキットを取り付けている場合
6.4 mm弱め普通強め0015+5+5+YY-
9.5mm弱め普通強め0125+5+5+YY-
12.7mm弱め普通強め01265+5+YYY
1.59mm弱め普通強め12365+5+YY-
19.1mm弱め普通強め23465+6YY-
22.2mm弱め普通強め234665+YY-
25.4mm弱め普通強め34565+5+YY-
28.6mm弱め普通強め456655---
31.8 mm弱め普通強め456666---
34.9 mm弱め普通強め456666---
38.1 mm弱め普通強め567666---
41.3mm弱め普通強め678555---
44.4mm弱め普通強め678556---
47.6mm弱め普通強め789566---
50.8mm弱め普通強め789666---
54.0mm弱め普通強め8910666---
57.1mm弱め普通強め8910666---
60.3mm弱め普通強め91011666---
63.5mm弱め普通強め91011666---
+ 昇降アームの U ブラケットを下穴にセットします(図 17)。 "Y"は、この刈高とスペーサの組み合わせで 27 インチグルーマの使用が可能であることを示します。

Note: チェーンリンクを1つずらすごとに、後ローラのピッチ角が 4.5 度変わります。

Note: 昇降アームの U ブラケット (図 17) を下穴にセットすると、後ローラのピッチ角が 2.3 度増えます。

刈高の調整方法

  1. 刈り高アームをカッティングユニットのサイドプレートに固定しているロックナットをゆるめる(図 18)。

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  2. ゲージバー(図 19)のナットをゆるめ、調整ねじを希望の刈り高に合わせる。

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  3. ねじの頭の下からバーの表面までの距離が刈り高となる。

  4. ゲージバーのねじの頭を下刃の先端に引っかけ、バーの後端を後ローラに当てがう(図 20)。

    Note: ショルダ付きローラを装着しているカッティングユニットの刈高を調べる場合には、ローラ端部の直径の大きい部分にゲージバーを当てて測定してください。

  5. バーの前端がローラに当たるように、調整ネジで調整する(図 20)。

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    Important: 前後のローラにゲージが当たり、ねじの頭がリールにぴったりと掛かっているのが正しい調整状態です。下刃の左右端でこの状態となるように調整してください。

  6. ローラ全体が下刃と平行になるように、ローラの両側を均等に調節する。

  7. ナットを締めて調整を固定する。

    Note: ナットを締めすぎないこと。ワッシャの遊びがなくなるまで締め付ければそれでよい。

    以下の表により、希望する刈高に最も適したベッドナイフを決定してください。
    ベッドナイフ選択チャート
    ベッドナイフパーツ番号ベッドナイフのリップの高さ*刈高
    ローカット(オプション)120–1641(27 インチ)120–1642(32インチ)5.6 mm)6.4~12.7mm
    EdgeMax®(オプション)112-8910(69cm)112-8956(32 インチ)6.9 mm9.5~63.5mm*
    標準(通常装備品) 114-9388(27 インチ)114-9389(32インチ) 6.9 mm9.5~63.5mm*
    ヘビーデューティー(オプション)114-9390(27 インチ)114-9391(32インチ)9.3 mm12.7~63.5mm

    Note: * 暖地型芝草を 12.7mm 以下の刈高で刈り込む場合には、ローカット用ベッドナイフが必要となる場合があります。

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ターフ補正スプリングを調整する

ターフ補正スプリングは、カッティングユニットの前から後ろへの「体重移動」を行う働きがあります。これにより、マーセリングやボビングと呼ばれる「波打ったような」仕上がりを防いでいます。

Important: この調整は、カッティングユニットをトラクタに取り付け、ユニットを真っ直ぐ前に向けて床に降ろした状態で行ってください。

  1. スプリングロッドの後穴にヘアピンコッターを忘れずに取り付けてください(図 22)。

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  2. スプリングロッド前部の6角ナットを締めて、スプリング(圧縮状態)の長さが15.9cm になるようにする(図 22)。

    Note: アップダウンの激しい場所で使用する時には、スプリングの長さを 12.7mmに調整してください。

    Note: 刈高や刈り込みの強さを変更した場合には、ターフ補正スプリングの設定の確認、調整が必要になります。

カッティングユニットを点検・調整する

このカッティングユニットではデュアルノブ方式によってベッドナイフとリールの調整を行うようになっており、最適の調整を簡単に手早く行うことができます。また、このデュアルノブ方式では非常に正確な調整ができますので、ベッドナイフとリールとが相互に研磨しあうようになり、鋭利な刃先が長持ちして、高品質な刈りを長時間持続させることができ、バックラップの頻度を大幅に減らすことができます。

毎日または必要に応じて、刈り込みに出発するまえに、各カッティングユニットの下刃とリールの刃合わせ状態を点検してください。前回の刈り上がりが良好であった場合でも、必ずこの点検を行ってください。

  1. 平らな固い床の上にカッティングユニットを降ろし、エンジンを停止、キーを抜き取る。

  2. 手でリールをゆっくりと後ろ向きに回転させ、リールとベッドナイフの接触状態を耳で確認する。相互の接触が全くない場合は、ベッドナイフ調節ノブを1クリックずつ均等に締めながら、ごく軽い接触が得られるようにする。

    Note: 紙を一枚、下刃の先端から直角に差し入れたときに、リールの両端でも中央部でもその紙が切れなければいけません。

    Note: 調整ノブのねじを1ノッチ回転させることにより、ベッドナイフが、0.022 mm 移動します。

  3. 接触を強くしないと切れない場合には、鋭利な刃先を取り戻して精密なカットができるようにバックラップ、ベッドナイフのフェーシング、または研磨を行うことが必要(Toro リール/ロータリー・モアのための研磨マニュアル、Form No. 09168SL を参照)。

    Important: どんな場合でもごく軽い接触がベストです。接触が全くないと、リールとベッドナイフの相互研磨作用が全くなくなるので、切れ味の落ちるのが早くなります。逆に、接触が強すぎると、相互の摩耗が早く進んで、刈り上がりに悪影響が出やすくなります。

    Note: ベッドナイフとリール刃は継続的に接触しているので、使用期間が長くなるとベッドナイフの全長にわたり、切先部に小さなバリが出来てきます。時々ヤスリでこのバリを取り除いてやると切れ味が向上します。ベッドナイフは、長期間使用しているうちにリールに削られ、リールの端部と接触する縁の部分が角張ってきます。この角張った部分はヤスリで削り落としてください。

    Note: 出荷時に面取りを施していますが(図 23)、この面取りはベッドナイフの寿命の中ほど(40%)でなくなりますので、面取りが必要になります。

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    Note: 面取りを大きくしすぎると、ターフに刈り残しが出るようになりますから注意が必要です。

保守

カッティングユニットの潤滑

定期的に、5ヶ所のグリスポイント(図 24)にNo.2リチウム系汎用グリスを注入します。

グリスポイントは、前ローラ(2ヶ所)、後ローラ(2ヶ所)、リールモータのスプライン(1ヶ所)です。

Note: カッティングユニットを水洗いした直後にグリスアップ作業を行うと、機械各部から水分を追い出してベアリングの寿命を延ばすことができます。

  1. グリスニップルの周囲をウェスできれいに拭く。

  2. きれいなグリスがローラのシールやベアリングの逃がしバルブからはみ出してくるまでグリスを注入する。

  3. はみ出したグリスはふき取る。

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リールの2番取り(リリーフ研磨)

未使用のリールは、ランド部の幅が 1.3~1.5mm あり、30 °の逃げ角(2番角、リリーフ角)を付けてあります。

ランド部の幅が 3mm を超えたら以下の作業を行ってください:

  1. 全部のリール刃に 30 °の角度で2番削りを行って、ランド部の幅を 1.3mm にしてください (図 25)。

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  2. 円筒研磨を行って各刃先の軌道円の差を 0.025mm 未満にしてください。

    Note: これにより、ランド部の幅がわずかに大きくなります。

Note: リールやベッドナイフの鋭利な刃先を長持ちさせるには、リールやベッドナイフを新たに研磨して使い始めたときに、フェアウェイを2面刈り込むごとに刃合わせのチェックを行い、刃先にバリが出ていたら除去してください。バリは刃と刃の接触を大きくして摩耗を早めます。

ベッドナイフの整備

ベッドナイフの使用限界を以下の表に示します。

Important: 使用限界を超えているベッドナイフでは、刈り込み後の見映えが悪くなったり、カッティングユニットの耐衝撃性が低下したりする可能性があります。

ベッドナイフの使用限界表
ベッドナイフパーツ番号ベッドナイフのリップの高さ 使用限界*研磨角度上面角/前面角
ローカット(オプション)120-1641(27 インチ)120-1642(32 インチ)5.6mm4.8mm10度/5 度
EdgeMax®(オプション)112-8910(69cm)112-8956(32インチ)6.9mm4.8mm10度/5 度
標準(通常装備品) 114-9388(27 インチ)114-9389(32 インチ)6.9mm4.8mm10度/5 度
ヘビーデューティー(オプション)114-9390(27 インチ)114-9391(32 インチ)9.3mm4.8mm10度/5 度
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Note: どのベッドナイフでも、その使用限界はベッドナイフの底面を基準として判断します(図 27)。

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上面の研磨角度を点検する

ベッドナイフの研磨では、研磨角度が非常に重要です。

傾斜計(トロのパーツ番号 131-6828)と傾斜計マウント(トロのパーツ番号 131-6829)を使用して研磨機の設定角度を調べ、必要に応じて修正を行ってください。

  1. 28に示すように、ベッドナイフの底部に傾斜計をセットする。

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  2. 傾斜計についている Alt Zero ボタンを押す。

  3. 傾斜計マウントのマグネットのエッジがベッドナイフのエッジに密着するように、ベッドナイフのエッジに傾斜計マウントをセットする(図 29)。

    Note: このとき、ステップ 1の時と同じ側にデジタル表示が見えるようにしてください。

    g034114
  4. 29に示すようにマウントに傾斜計を取り付ける。

    Note: これで表示される角度が、研磨機が実際にセットされている角度です。この角度が上面角の推奨値から2度以内であることが必要です。

ベッドバーの整備

ベッドバーの取り外し

  1. ベッドバー調整ねじを左に回して下刃とリールの接触を完全になくす(図 30)。

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  2. スプリングテンションナットをゆるめて、ワッシャがベッドバーを全く押さないようにする(図 30)。

  3. ベッドバーボルト(図 31)を固定しているロックナット(機体両側)をゆるめる。

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  4. 各ベッドバーボルトを抜いて、ベッドバーを下に引き抜いて外す(図 31)。

    Note: ベッドバーの両端にそれぞれナイロンワッシャ2枚とスチールワッシャが1枚ずつあるので注意する(図 32)。

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ベッドバーの取り付け

  1. ベッドバーアジャスタとスラストワッシャとの間にベッドバーの固定用「耳」を入れる。

  2. ベッドバーボルト(とボルトについているナット)とワッシャ6枚で、ベッドバーを各サイドプレートに固定する。

    Note: サイドプレートのボスの両側にナイロンワッシャを入れる。その外側からスチール製ワッシャを取り付ける(図 32)。

  3. ベッドバーボルトを 37~45N·m(3.7~4.6kg.m = 27~33ft-lb)にトルク締めする。

    Note: 左右の遊びが完全になくなって外側のスチール製ワッシャが回らなくなるまで(ただし決して締めすぎになったりサイドプレートが変形したりしていない)ロックナットを締め付ける。内側のワッシャには遊びがあってかまいません。

  4. スプリングがつぶれるまでテンションナットを締め、そこから半回転戻す(図 33)。

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HD デュアルポイントアジャスタ(DPA)の整備

  1. 全部のパーツを取り外す(HD DPA キット(モデル 120–7230)の 取り付け要領書 および 図 34を参照)。

  2. カッティングユニットのキャリアフレームのブッシュ挿入穴に固着防止コンパウンドを塗布する(図 34)。

  3. フランジブッシュのキーとフレームのキー溝を揃えて、ブッシュを挿入する(図 34)。

  4. アジャスタシャフトにウェーブワッシャを通し、アジャスタシャフトをカッティングユニットのフレームのフランジブッシュに通す(図 34)。

  5. 平ワッシャとロックナットでアジャスタシャフトを固定する(図 34)。ロックナットを 20~27N・m (2.1~2.6kg.m = 15~20ft-lb)にトルク締めする。

    Note: ベッドバーアジャスタのシャフトは左ねじである。

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  6. アジャスタシャフトに嵌るベッドバー調整ねじのねじ山部分に固着防止コンパウンドを塗布する

  7. ベッドバー調整ねじをアジャスタシャフトにはめ込む。

  8. 硬化ワッシャ、スプリング、スプリングテンションナットをアジャスタねじに仮止めする。

  9. ベッドバーアジャスタとスラストワッシャとの間にベッドバーの固定用「耳」を入れる。

  10. ベッドバーボルト(とボルトについているナット)とワッシャ6枚で、ベッドバーを各サイドプレートに固定する。

    Note: サイドプレートのボスの両側にナイロンワッシャを入れる。 その外側からスチール製ワッシャを取り付ける(図 34)。 ベッドバーボルトを 37~45 N·m (3.7~4.6 kg.m = 27~33 ft-lb)にトルク締めする。左右の遊びが完全になくなって外側のスチール製ワッシャが回らなくなるまで(ただし決して締めすぎになったりサイドプレートが変形したりしていない)ロックナットを締め付ける。内側のワッシャには遊びがあってかまいません。

  11. 各ベッドバーアジャスタアセンブリを締め付けて圧縮スプリングを完全に圧縮し、そこから1/2回転だけ戻す(図 34)。

  12. カッティングユニットの反対側についても同じ作業を行う。

  13. リールと下刃の調整を行う

ローラの整備

ローラの整備用として、ローラリビルドキット(Part No. 114–5430)およびローラリビルドツールキット(Part No. 115–0803)を販売しております(図 35)。ローラリビルドキットは、ローラの分解組み立てに必要なすべてのベアリング、ベアリングナット、内側シール、外側シールをセットにしたキットです。ローラリビルドツールキットは、ローラリビルドキットをつかってローラの再組み立てを行うのに必要な工具と説明書のキットです。詳細は、パーツカタログをご覧になるか、代理店にお問い合わせください。

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