はじめに

この説明書を読んで製品の運転方法や整備方法を十分に理解し、他人に迷惑の掛からないまた適切な方法でご使用ください。この製品を適切かつ安全に使用するのはお客様の責任です。

弊社のウェブサイトwww.Toro.comで、製品の安全な取扱いや運転に関する講習資料、アクセサリ情報の閲覧、代理店についての情報閲覧、お買い上げ製品の登録などを行っていただくことができます。

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマーサービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。図 1 にモデル番号とシリアル番号を刻印した銘板の取り付け位置を示します。いまのうちに番号をメモしておきましょう。

g027159

この説明書では、危険についての注意を促すための警告記号(図 2)を使用しております。これらは死亡事故を含む重大な人身事故を防止するための注意ですから、必ずお守りください。

g000502

この他に2つの言葉で注意を促しています。重要「重要」は製品の構造などについての注意点を、はその他の注意点を表しています。

この製品は、関連する全ての欧州指令に適合しています。詳細についてはこの冊子の末尾にあるDOI(適合宣誓書)をご覧ください。

警告

カリフォルニア州

第65号決議による警告

米国カリフォルニア州では、この製品を使用した場合、ガンや先天性異常などを誘発する物質に触れる可能性があるとされております。

安全について

この機械は EN ISO 5395:2013 適合製品です。

不適切な使い方をしたり手入れを怠ったりすると、人身事故につながります。事故を防止するため、以下に示す安全上の注意を必ずお守りください

  • このカッティングユニットをお使いになる前に、トラクションユニットのオペレーターズマニュアルをよくお読みになり、内容を十分に理解し、適切な方法でお使いください。

  • このカッティングユニットをお使いになる前に、このオペレーターズマニュアルをよくお読みになり、内容を十分に理解し、適切な方法でお使いください。

  • 絶対に、子供にトラクションユニットやカッティングユニットを操作させないでください。大人であっても、適切な講習を受けていない人にはトラクションユニットやカッティングユニットを操作させないでください。このオペレーターズマニュアルの内容をきちんと理解した人のみがカッティングユニットを取り扱ってください。

  • 疲れている時、病気の時、アルコールや薬物を摂取した時は絶対にカッティングユニットを取り扱わないでください。

  • ガードなどの安全装置は必ず所定の場所に取り付けて使用してください。安全カバーが破損したり、ステッカーの字が読めなくなったりした場合には、適切に修理してから再使用するようにしてください。また、常にカッティングユニット全体の安全を心掛け、ボルト、ナット、ねじ類が十分に締まっているかを確認してください。

  • 作業には必ず、すべりにくい頑丈な靴をはいてください。必ず長ズボンを着用してください。安全メガネと安全靴の着用をおすすめします。地域によってはこれらの着用が義務付けられていますのでご注意ください。

  • 長い髪はまとめてください。装飾品は身に着けないでください。

  • 作業場所をよく確認し、リール刃にはね飛ばされる危険のあるものはすべて取り除いてください。作業場所から人を十分に遠ざけてください。

  • カッティングユニットが硬いものに当たったり、異常な振動をしたりした場合は、すぐに作業を停止し、エンジンを止めてください。カッティングユニットに損傷が発生していないか点検してください。損傷や異常があれば使用前に修理を行ってください。

  • 機械から離れる前には、必ずカッティングユニットを地面に降下させ、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止させ、キーを抜き取ってください。

  • ボルト、ナット、ねじ類は十分に締めつけ、常にカッティングユニットの安全を心掛けてください。

  • 整備調整・格納作業の前には、エンジンが不意に作動することのないよう、必ずキーを抜き取っておいてください。

  • このマニュアルに記載されている以外の保守整備作業は行わないでください。大がかりな修理が必要になった時や補助が必要な時は、Toro 正規代理店にご相談ください。

  • いつも最高の性能と安全性を維持するために、必ずToroの純正部品をご使用ください。他社の部品やアクセサリを御使用になると危険な場合があり、製品保証を受けられなくなる場合がありますのでおやめください。

安全ラベルと指示ラベル

Graphic

以下のラベルや指示は危険な個所の見やすい部分に貼付してあります。読めなくなったものは必ず新しいものに貼り替えてください。

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組み立て

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

カッティングユニットを点検する

この作業に必要なパーツ

カッティングユニット1

カッティングユニットの梱包を解いたら、以下のことを確認してください:

  1. リールの両側にグリスが付いていることを確認する。

    Note: リール シャフトの内側スプラインに目で見てはっきりグリスが確認できることが必要。

  2. ボルト ナット類にゆるみがないか点検。

  3. キャリアフレームのサスペンションに噛み込みや引っ掛かりがないか点検。

キックスタンドの使い方

下刃やリールを見るためにカッティングユニットを立てる場合には、ベッドバー調整ねじのナットが床面に接触しないように、カッティングユニットの後ろ側についているスタンド(トラクションユニットの付属品)で支えてください(図 3)。

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後シールドの調整

ほとんどの場合、後シールドは閉じておく(刈りカスを前に排出する)のがベストです。濡れ芝などのように草が非常に重い時はシールドを開ける方が良い場合もあります。

シールド(図 4)を開けるには、シールドを左サイドプレートに固定しているキャップスクリュをゆるめ、シールドを開位置にセットし、キャップスクリュを締めてください。

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付属部品を取り付ける

この作業に必要なパーツ

ストレートグリスフィッティング1
Oリング1

グリスフィッティングはカッティングユニットのリールモータ側に取り付けてください。図 5を参照して、リールモータの位置を確認する。

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  1. リールモータの側サイドプレートの固定ねじを外して廃棄する (図 6)。

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  2. ストレートグリスフィッティングを取り付ける(図 6)。

  3. リールモータ側際サイドプレートにキャップスクリュが付いていない場合は取り付ける(図 6)。

  4. リールモータに O リングを取り付ける(図 7)。

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  5. リールモータを取り付けてサイドプレートにグリスを注入する。グリス排出部からグリスが漏れてくるまで入れる(図 6)。

製品の概要

カッティングユニット重量
0363854 kg (118 lb)
0363954 kg (118 lb)
0364155 kg (121 lb)

アタッチメントとアクセサリ

Toro が認定した各種のアタッチメントやアクセサリがそろっており、マシンの機能をさらに広げることができます。詳細は弊社の正規サービスディーラ、または代理店へお問い合わせください;弊社のウェブサイト www.Toro.com でもすべての認定アタッチメントとアクセサリをご覧になることができます。

せっかく手に入れた大切な機械を守り、確かな性能を維持するために、交換部品はトロの純正部品をご使用ください。純正パーツは、トロが設計・指定した、完成品に使用されているものと全く同じ、信頼性の高い部品です。確かな安心のために、トロの純正にこだわってください。

運転操作

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

調整を行う

リールと下刃の調整を行う

以下の手順で下刃とリールの刃合わせを行い、相互のふれあいの点検を行ってください。この調整の後は、必ずカッティングユニットを実際の現場で使用してその刈り上がり具合をチェックしてください。最適な刈り上がりを実現するためには、さらなる微調整が必要になる場合があります。

Important: 下刃を締め付けすぎると破損する恐れがあります。

  • カッティングユニットのバックラップや、リールの研磨を行った後は、数分間実際に刈り込みを行ってリールと下刃がある程度なじんでからからこの手順を行うほうが良い場合があります。

  • ターフ非常に高密度な場合や、超低刈りで刈り込む場合には、さらなる微調整が必要になる場合があります。

手順を実行するためには、以下の工具が必要です::

  • シム 0.05 mm (0.002")

  • 切れ味確認試験紙

  1. カッティングユニットを平らな面に置く。

  2. ベッドバー調整ねじを左に回して下刃とリールとの接触を完全になくす(図 8)。

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  3. カッティングユニットを立てて下刃とリールが見えるようにする。

    Important: ユニットの背面についているベッドバー調整ねじのナットが床に当たっていないことを確認する(図 9)。

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  4. カッティングユニットの右端から 25 mm 入ったあたりでリール刃と下刃とを交差させる。

    Note: この刃に目印を付ける。

  5. リール刃が下刃と交差しているところで、マークしたリール刃と下刃の間に、シム(0.05 mm = 0.002")を挿入する。

  6. 右側のベッドバーアジャスタを右に回して、シムが軽く挟まれる(引き抜くのに抵抗がある)ようにし、その位置から2クリックもどしてシムを抜き取る。

    Note: カッティングユニットの左右どちらかの側で調整をすると反対側の調整も影響されます。2クリック戻すことにより、反対側の調整作業時のクリアランスを確保します。

    Note: すき間が大きい場合には、左右を交互に締めてすき間を狭めてからシムを挟むようにしてください。

  7. ゆっくりとリールを回転させて、ユニット右側で印をつけた刃を、ユニット左端から内側に約 25 mm 入ったところに交差するさせる。

  8. 左側のベッドバー調整ねじを右に回して、シムが軽く挟まれた状態となり軽い力でシムを引き抜ける程度になるように調整する。

  9. ユニットの右側に戻って、左側と同じ程度の刃合わせになっているかどうかを確認し調整する。

  10. ステップ8と9を繰り返して、カッティングユニットの左右どちらの側でも、同じ力でシムを引き抜けるように、しかしそこから左右でもう1クリック締めるとシムを引き抜けなくなるように、下刃とリール刃のすき間を調整する。

    Note: 以上で、下刃とリールが平行に調整されました。

    Note: 以上の手順は毎日行う必要はありません。研磨や分解を行った後にのみ実行すれば結構です。

  11. この位置(1クリック締めてシムが通らない状態)から、左右のベッドバーアジャスタを、もう1 クリック締め付ける。

    Note: 1ノッチで下刃が 0.022 mm 移動します。調整ねじを締めすぎないように注意してください。

  12. 切れ味確認用の Toro ペーパーを1枚、リールと下刃との間に、下刃に対して直角になるように差し入れて、カッティングユニットの切れ味をテストする(図 10)。

    Note: ゆっくりと リールを前転させる;紙が切れればOK。

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    Note: 紙が切れずに引き込まれるような場合には、バックラップまたは研磨を行って適切な切れ味を取り戻す。

後ローラを調整する

  1. 希望の刈高範囲に必要な数のスペーサを刈高チャートで確認し、スペーサをサイドプレートの取り付けフランジ(図 11)の下に入れて、後ローラのブラケットの位置を正しくセットする(図 11);刈高チャートを参照。

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  2. カッティングユニットの後部を持ち上げて下刃の下に角材などの枕を置く。

  3. 各ローラブラケットをそれぞれのサイドプレート取り付けフランジおよびスペーサに固定しているナット2個を外す。

  4. サイドプレート取り付けフランジとスペーサから、ローラとボルトを外す。

  5. ローラブラケットのボルトにスペーサを通す。

  6. ローラブラケットとスペーサとを、再びサイドプレートの下側に先ほど外したナットでで取り付ける。

  7. 下刃とリールの調整が正しいことを確認する。カッティングユニットを立てて、前ローラと後ローラ、および下刃が見えるようにする。

    Note: リールと後ローラとの平行関係は、カッティングユニット全体の組み立て精度により保証されていますから、調整は不要です。ごくわずかな狂いを戻す調整は可能です。まず、カッティングユニットを定盤の上に載せ、サイドプレート組み付けキャップスクリュをゆるめます (図 12)。

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  8. ガタを除去できたらキャップスクリュを 37-45N·m(36.6-44.7kg.m = 27-33ft-lb)にトルク締めする。

刈高チャートの用語

刈高設定

希望する刈り高のこと。

ベンチセットの刈高

前後のローラが接触している床面から、下刃の先端までの高さのことを言います。

実効刈高

実効刈高とは実際の刈高のことです。名目刈高が同じでも、草種の違い、季節の違い、ターフや土壌のコンディションなどにより実効刈高はさまざまに変化します。カッティングユニットのセットアップ(刈り込み強さ、アタッチメントの有無、ターフ補正設定など)も、実効刈高に影響を与えます。Toro のターフエバリュエータ(モデル 04399)を使って、定期的に実効刈高を確認し、名目刈高との差を把握しておくことをお勧めします。

刈り込み強さ

カッティングユニットの性能に大きく影響する設定です。刈り込み強さとは、地表面に対する下刃の角度のことです(図 13)。

この角度を何度にセットするのが一番よいかは、ターフのコンディションによって、また、どのような刈り上がりを希望するかによって異なってきます。実際に現場で実験してみることにより、その現場のベスト設定が分かります。また、ターフのコンディションはシーズンを通じて変化しますから、それに応じて調整してゆくことができます。

一般的に、暖地型の芝草(バミューダ、パスパラム、ゾイシアなど)には、弱~普通程度の設定が適しており、寒地型の芝草(ベント、ブルーグラス、ライグラスなど)には、普通~きつめの設定が適しています。設定が強いほど大量の芝草がリールによって下刃に集められるので刈り取り量が多くなります。

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後スペーサ

カッティングユニットの刈り込み強さは後スペーサの数によって決まります。刈高が一定である場合、サイドプレート取り付けフランジの下に入れるスペーサが多いほど刈り込みが強くなります。トラクションユニットに取り付ける全部のカッティングユニットを同じ「きつさ」に設定する必要があります(同じ数の後スペーサ Toro P/N 106-3925 を取り付ける);そうしないと刈り込み後の見栄えが悪くなる場合があります(図 13)。

チェーンリンク

昇降アームチェーンの取り付け場所で後ローラのピッチ角が決まります(図 14)。

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グルーマ

カッティングユニットにグルーマを取り付けた場合の推奨刈高設定値を示しています。

刈高チャート

カッティングユニットにグルーマを取り付けた場合の推奨刈高設定値を示しています。

刈高設定刈り込み強さ後スペーサの数チェーンリンクの数グルーマキットを取り付けている場合**
6.4 mm弱い普通強い001555YY-
9.5 mm弱い普通強い012555YY-
12.7 mm弱い普通強い012555YYY
15.6 mm弱い普通強い123555YY-
19.1 mm弱い普通強い234555YY-
22.2 mm弱い普通強い234555YY-
25.4 mm弱い普通強い345554+YY-
28.6 mm弱い普通強い456555---
31.8 mm*+弱い普通強い456555---
34.9 mm*+弱い普通強い456555---
38.1 mm*+弱い普通強い567555---
41.3 mm*+弱い普通強い678444---
44.4 mm*+弱い普通強い678445---
47.6 mm*+弱い普通強い789455---
50.8 mm*+弱い普通強い789555---
+ 昇降アームの U ブラケットを下穴にセットします(図 14)。* 高刈りキット(P/N 110-9600)を取り付ける必要があります。刈高ブラケットをサイドプレートの上穴に取り付けます。 ** Y は、この刈高とスペーサの組み合わせでグルーマの使用が可能であることを示します。

Note: チェーンリンク 1 環ごとに、後ローラのピッチアングルが 4.5° 変化します。

Note: 昇降アームの U ブラケットを下穴にセットすると後ローラのピッチ角が 2.3° 増えます。

刈高の調整方法

Note: 刈高を 25.4 mm 以上に設定するには高刈りキットが必要です。

  1. 刈り高アームをカッティングユニットのサイドプレートに固定しているロックナットをゆるめる(図 15)。

    g027171
  2. ゲージバー(図 16)のナットをゆるめ、調整ねじを希望の刈り高に合わせる。

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  3. ねじ頭の下からバーの表面までの距離が刈り高となる。

  4. ゲージバーのネジ頭を下刃の先端に引っかけ、バーの後端を後ローラに当てがう(図 17)。

    Note: ショルダローラを使用しているカッティングユニットの場合は、ショルダ部分(ローラの両側にある径の太い部分)にゲージバーを当ててください。

  5. 調整ねじを回して前ローラをゲージバーに接触させる(図 17)。

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  6. ローラ全体が下刃と平行になるように、ローラの両側を均等に調節する。

    Important: 前後のローラにゲージが当たり、ネジ頭がリールにぴったりと掛かっているのが正しい調整状態です。下刃の左右端でこの状態となるように調整してください。

  7. ナットを締めて調整を固定する。

    Note: ナットを締めすぎないように注意してください。ワッシャの遊びがなくなるまで締め付ければ結構です。

    以下の表により、希望する刈高に最も適した下刃を決定してください。
    下刃選択チャート
    下刃パーツ番号下刃のリップの高さ 刈高
    ロー・カット(オプション)110-40845.6 mm6.4-12.7 mm
    EdgeMax® ローカット(モデル 03641)127-71325.6 mm6.4-12.7 mm
    先長ローカット(オプション) 120~16405.6 mm6.4-12.7 mm
    先長 EdgeMax® ローカット(オプション)119-42805.6 mm6.4-12.7 mm
    EdgeMax® (モデル 03638 と 03639)108-90956.9 mm9.5-38.1 mm*
    スタンダード(オプション)108-90966.9 mm9.5-38.1 mm*
    ヘビーデューティー(オプション)110-40749.3 mm12.7-38.1 mm
    * 暖地型芝草を 12.7mm 以下の刈高で刈り込む場合には、ローカット用下刃が必要となる場合があります。
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ターフ補正スプリングを調整する

ターフ補正スプリングは、前ローラから後ローラへと、カッティングユニットの重量移動を行います。これによりユニットを安定させ、いわゆる「波打ったような」仕上がり(ボビングとかマーセリングといわれる現象)を防いでいます。

Important: この調整は、カッティングユニットをトラクタに取り付け、ユニットを真っ直ぐ前に向けて床に降ろした状態で行ってください。

  1. スプリングロッドの後の穴にヘアピンコッターが差し込まれていることを確認してください(図 19)。

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  2. スプリングロッド前部の6角ナットを締めて、スプリング(圧縮状態)の長さが15.9 cm になるようにする(図 19)。

    Note: アップダウンの激しい場所で使用する時には、スプリングの長さを 12.7 mmに調整してください。

    Note: 刈高や刈り込み強さを変更した場合には、ターフ補正スプリングの設定を行う必要があります。

カッティングユニットの点検と調整

このカッティングユニットではデュアル・ノブ方式によって下刃とリールの調整を行うようになっており、最適の調整を簡単に手早く行うことができます。また、このデュアル・ノブ方式では非常に正確な調整ができますので、下刃とリールとが相互に研磨しあうようになり、鋭利な刃先が長持ちして、高品質な刈りを長時間持続させることができ、バックラップの頻度を大幅に減らすことができます。

毎日または必要に応じて、刈り込みに出発するまえに、各カッティングユニットの下刃とリールの刃合わせ状態を点検してください。前回の刈り上がりが良好であった場合でも、必ずこの点検を行ってください。

  1. 手でリールをゆっくりと後ろ向きに回転させ、リールと下刃の接触状態を耳で確認する。

    Note: 調整ノブのねじを1ノッチ回転させることにより、下刃が、0.018 mm 移動します。リールと下刃の調整を行うを参照。

  2. 切れ味確認用のペーパー(Toro P/N 125-5610)を一枚、リールと下刃との間に、下刃に対して直角になるように差し入れて、カッティングユニットの切れ味をテストする(図 20)。ゆっくりとリールを前転させる;紙が切れればOK。

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    Note: 接触を強くしないと切れない場合には、鋭利な刃先を取り戻して精密なカットができるようにバックラップ、下刃のフェーシング、または研磨が必要です(Toro リール/ロータリー・モアのための研磨マニュアル(Form No. 09168SL)を参照)。

    Important: どんな場合でもごく軽い接触がベストです。軽い接触を維持しないと、下刃とリール刃の接触による相互研磨がうまく行われず、短期間のうちに切れ味の悪い鈍い刃先になってしまいます。また、接触が強すぎると、下刃とリールが早く磨耗し、またその磨耗が不均一に発生する結果、かえって刈り上がりが悪くなる結果となりがちです。

    Note: 下刃は、長期間使用しているうちにリールに削られ、リールの端部と接触する縁の部分が角張ってきます。この角張りをヤスリなどで削って下刃の刃先に揃えてください。

    Note: ベッドナイフの両端部にある面取り部(図 21)は、ベッドナイフの寿命の40%が経過すると無くなりますので、面取り部の再生が必要になります。

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    Note: 面取り部を大きくしすぎないでください。ターフに房が残ってしまいます。

保守

カッティングユニットの潤滑

定期的に、各ユニットそれぞれ5ヶ所のグリスポイント(図 22)にNo.2リチウム系汎用グリスを注入します。

前ローラと後ローラに 2 か所、リールモータのスプラインに1か所の潤滑ポイントあります。

Note: カッティングユニットを水で洗浄した場合はすぐにグリスアップしてください。ベアリング内から水を追い出しておくことにより、ベアリングの寿命を延ばすことができます。

  1. グリスフィッティングの周囲をウェスできれいに拭く。

  2. ローラのシール部とベアリング解放バルブからきれいなグリスがはみ出てくるまでグリスの注入を続ける。

  3. はみ出したグリスはふき取る。

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二番取り

未使用のリールは、ランド部の幅が 1.3-1.5 mm あり、30 °の逃げ角(2番角、リリーフ角)を付けてあります。

ランド部の幅が 3 mm を超えたら、以下を行ってください。

  1. 全部のリール刃に 30 °の角度で2番削りを行って、ランド部の幅を 1.3 mm にしてください (図 23と図 24)。

    g028800
    g028838
  2. 回転研磨を行ってリールの真円度を 0.025 mm 以内にする。

    Note: これにより、ランド部の幅は若干大きくなります。

Note: リールやベッドナイフの鋭利な刃先を長持ちさせるには、リールやベッドナイフを新たに研磨して使い始めたときに、フェアウェイを2面刈り込むごとに刃合わせのチェックを行い、刃先にバリが出ていたら除去してください。バリは刃と刃の接触を大きくして摩耗を早めます。

ベッドナイフの整備

ベッドナイフの使用限界を以下の表に示します。

Important: 使用限界を超えているベッドナイフでは、刈り込み後の見映えが悪くなったり、カッティングユニットの耐衝撃性が低下したりする可能性があります。

下刃の使用限界表
下刃パーツ番号ベッドナイフのリップの高さ*使用限界*研磨角度上面/前面角
EdgeMax® ローカット(モデル 03641)127-71325.6 mm6.4-12.7 mm10/5°
ロー・カット(オプション)110-40845.6 mm4.8 mm10/5°
先長 EdgeMax® ローカット(オプション)119-42805.6 mm4.8 mm10/10°
先長ローカット(オプション)120~16405.6 mm4.8 mm10/10°
EdgeMax® (モデル 03638 と 03639)108-90956.9 mm4.8 mm10/5°
スタンダード(オプション)108-90966.9 mm4.8 mm10/5°
ヘビーデューティー(オプション)110-40749.3 mm4.8 mm10/5°

ベッドナイフの上面と前面の推奨研磨角度(図 25

g027268

Note: ベッドナイフの使用限界はベッドナイフの底面を基準としています(図 26)。

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上面角のチェック

ベッドナイフの上面の角度は非常に重要です。

傾斜計(P/N 131-6828)と傾斜計マウント(P/N 131-6829)を使用して研磨機の設定角度を調べ、必要に応じて修正を行ってください。

  1. 27に示すように、ベッドナイフの裏面に傾斜計を置く。

    g034113
  2. 傾斜計の Alt Zero ボタンを押す。

  3. 傾斜計のマウントをベッドナイフのエッジに合わせ、マグネットのエッジとベッドナイフのエッジを密着させる(図 28)。

    Note: ステップ1の時と同じ方向から傾斜計を読むようにしてください。

    g034114
  4. 28に示すように、マウントの上に傾斜計を置く。

    Note: この時の読みが、研磨機によって作られた角度であり、この角度が推奨値から 2 度以内であれば適正です。

ベッドバーの整備

ベッドバーの取り外し

  1. ベッドバー調整ねじを左に回して下刃とリールの接触を完全になくす(図 29)。

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  2. スプリング・テンション・ナットをゆるめて、ワッシャがベッド・バーにまったく押し付けられていない状態にする(図 29)。

  3. ベッドバーボルト(図 30)を固定しているロックナット(機体両側)をゆるめる。

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  4. 各ベッドバーボルトを抜いてベッドバーを下に引き抜いて外す(図 30)。

    Note: ベッドバーの両端にそれぞれワッシャ(ナイロン製2枚と打ち抜きスチール製1枚)ずつあるので注意する(図 31)。

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ベッドバーの取り付け

  1. ベッドバーアジャスタとスラストワッシャとの間にベッドバーの固定用「耳」を入れる。

  2. ベッドバーボルト(とボルトについているナット)とワッシャ 6 枚で、ベッドバーを各サイドプレートに固定する。

    Note: サイドプレートのボスの両側にナイロンワッシャを入れる。その外側からスチール製ワッシャを取り付ける(図 31)。

  3. ベッドバーボルトを 37-45 N·m (3.7-4.6 kg.m = 27-33 ft-lb)にトルク締めする。

    Note: 外側のスチール製ワッシャの遊びがなくなって回らなくなっているが、サイドプレートを変形させるほどには締めすぎていない程度に、ロックナットを締め付ける。内側のワッシャには遊びがあってよい。

  4. スプリングがつぶれるまでテンションナットを締め、そこから半回転戻す (図 32)。

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HD デュアルポイントアジャスタ(DPA)の整備

  1. すべてのパーツを外す(取り付け要領書(HD DPA キットと図 33)を参照。

  2. カッティングユニットのセンターフレームのブッシュ部の内側の固着防止コンパウンドを塗る(図 33)。

  3. フランジブッシュのキーをフレームのスロットに合わせてブッシュを取り付ける(図 33)。

  4. アジャスタのシャフトに波ワッシャと取り付け、アジャスタのシャフトをカッティングユニットのフレームのフランジブッシュに入れる(図 33)。

  5. アジャスタのシャフトを平ワッシャとロックナットで固定する(図 33)。

  6. ロックナットを 20-27 N·m(18-21 kg.m=15-20 ft-lb)にトルク締めする。

    Note: ベッドバー調整シャフトは左ねじです。

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  7. アジャスタシャフトに嵌るベッドバー調整ねじのねじ山部分に固着防止コンパウンドを塗布する。

  8. ベッドバーアジャスタねじをアジャスタのシャフトに取り付ける。

  9. 硬化ワッシャ、スプリング、スプリンクラーテンションナットを、アジャスタねじに仮止めする。

  10. ベッドバーアジャスタとスラストワッシャとの間にベッドバーの固定用「耳」を入れる。

  11. ベッドバーボルト(とボルトについているナット)とワッシャ 6 枚で、ベッドバーを各サイドプレートに固定する。

    Note: サイドプレートのボスの両側にナイロンワッシャを入れる。

  12. その外側からスチール製ワッシャを取り付ける(図 33)。

  13. ベッドバーボルトを 37-45 N·m (3.7-4.6 kg.m = 27-33 ft-lb)にトルク締めする。

  14. 外側のスチール製ワッシャの遊びがなくなって回らなくなっているが、サイドプレートを変形させるほどには締めすぎていない程度に、ロックナットを締め付ける。

    Note: 内側のワッシャには遊びがあってよい(図 33)。

  15. 各ベッドバーアジャスタアセンブリのナットを締め付けて圧縮スプリングを完全に縮め、そこから 1/2 回転戻す(図 33)。

  16. 同様の方法でカッティングユニットの反対側でも作業を行う。

  17. リールと下刃の調整を行う;リールと下刃の調整を行うを参照。

ローラの整備

ローラリビルドキットおよびローラリビルド工具キット(図 34)を発売しています。ローラリビルドキットは、ローラの分解組み立てに必要なすべてのベアリング、ベアリングナット、インナーシール、アウターシールをセットにしたキットです。ローラリビルドキットには、キットを使用してローラのリビルドを行うのに必要なすべてのツールと説明書が付属しています。詳細は、パーツカタログをご覧になるか、代理店にお問い合わせください。

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