保守
カッティングユニットの潤滑
定期的に、各ユニットそれぞれ5ヶ所のグリスポイント(図 22)にNo.2リチウム系汎用グリスを注入します。
前ローラと後ローラに 2 か所、リールモータのスプラインに1か所の潤滑ポイントあります。
Note: カッティングユニットを水で洗浄した場合はすぐにグリスアップしてください。ベアリング内から水を追い出しておくことにより、ベアリングの寿命を延ばすことができます。
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グリスフィッティングの周囲をウェスできれいに拭く。
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ローラのシール部とベアリング解放バルブからきれいなグリスがはみ出てくるまでグリスの注入を続ける。
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はみ出したグリスはふき取る。
二番取り
未使用のリールは、ランド部の幅が 1.3-1.5 mm あり、30 °の逃げ角(2番角、リリーフ角)を付けてあります。
ランド部の幅が 3 mm を超えたら、以下を行ってください。
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全部のリール刃に 30 °の角度で2番削りを行って、ランド部の幅を 1.3 mm にしてください (図 23と図 24)。
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回転研磨を行ってリールの真円度を 0.025 mm 以内にする。
Note: これにより、ランド部の幅は若干大きくなります。
Note: リールやベッドナイフの鋭利な刃先を長持ちさせるには、リールやベッドナイフを新たに研磨して使い始めたときに、フェアウェイを2面刈り込むごとに刃合わせのチェックを行い、刃先にバリが出ていたら除去してください。バリは刃と刃の接触を大きくして摩耗を早めます。
ベッドナイフの整備
ベッドナイフの使用限界を以下の表に示します。
Important: 使用限界を超えているベッドナイフでは、刈り込み後の見映えが悪くなったり、カッティングユニットの耐衝撃性が低下したりする可能性があります。
下刃の使用限界表 | ||||
下刃 | パーツ番号 | ベッドナイフのリップの高さ* | 使用限界* | 研磨角度上面/前面角 |
EdgeMax® ローカット(モデル 03641) | 127-7132 | 5.6 mm | 6.4-12.7 mm | 10/5° |
ロー・カット(オプション) | 110-4084 | 5.6 mm | 4.8 mm | 10/5° |
先長 EdgeMax® ローカット(オプション) | 119-4280 | 5.6 mm | 4.8 mm | 10/10° |
先長ローカット(オプション) | 120~1640 | 5.6 mm | 4.8 mm | 10/10° |
EdgeMax® (モデル 03638 と 03639) | 108-9095 | 6.9 mm | 4.8 mm | 10/5° |
スタンダード(オプション) | 108-9096 | 6.9 mm | 4.8 mm | 10/5° |
ヘビーデューティー(オプション) | 110-4074 | 9.3 mm | 4.8 mm | 10/5° |
ベッドナイフの上面と前面の推奨研磨角度(図 25)
Note: ベッドナイフの使用限界はベッドナイフの底面を基準としています(図 26)。
上面角のチェック
ベッドナイフの上面の角度は非常に重要です。
傾斜計(P/N 131-6828)と傾斜計マウント(P/N 131-6829)を使用して研磨機の設定角度を調べ、必要に応じて修正を行ってください。
ベッドバーの整備
ベッドバーの取り外し
ベッドバーの取り付け
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ベッドバーアジャスタとスラストワッシャとの間にベッドバーの固定用「耳」を入れる。
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ベッドバーボルト(とボルトについているナット)とワッシャ 6 枚で、ベッドバーを各サイドプレートに固定する。
Note: サイドプレートのボスの両側にナイロンワッシャを入れる。その外側からスチール製ワッシャを取り付ける(図 31)。
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ベッドバーボルトを 37-45 N·m (3.7-4.6 kg.m = 27-33 ft-lb)にトルク締めする。
Note: 外側のスチール製ワッシャの遊びがなくなって回らなくなっているが、サイドプレートを変形させるほどには締めすぎていない程度に、ロックナットを締め付ける。内側のワッシャには遊びがあってよい。
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スプリングがつぶれるまでテンションナットを締め、そこから半回転戻す (図 32)。
HD デュアルポイントアジャスタ(DPA)の整備
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すべてのパーツを外す(取り付け要領書(HD DPA キットと図 33)を参照。
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カッティングユニットのセンターフレームのブッシュ部の内側の固着防止コンパウンドを塗る(図 33)。
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フランジブッシュのキーをフレームのスロットに合わせてブッシュを取り付ける(図 33)。
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アジャスタのシャフトに波ワッシャと取り付け、アジャスタのシャフトをカッティングユニットのフレームのフランジブッシュに入れる(図 33)。
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アジャスタのシャフトを平ワッシャとロックナットで固定する(図 33)。
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ロックナットを 20-27 N·m(18-21 kg.m=15-20 ft-lb)にトルク締めする。
Note: ベッドバー調整シャフトは左ねじです。
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アジャスタシャフトに嵌るベッドバー調整ねじのねじ山部分に固着防止コンパウンドを塗布する。
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ベッドバーアジャスタねじをアジャスタのシャフトに取り付ける。
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硬化ワッシャ、スプリング、スプリンクラーテンションナットを、アジャスタねじに仮止めする。
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ベッドバーアジャスタとスラストワッシャとの間にベッドバーの固定用「耳」を入れる。
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ベッドバーボルト(とボルトについているナット)とワッシャ 6 枚で、ベッドバーを各サイドプレートに固定する。
Note: サイドプレートのボスの両側にナイロンワッシャを入れる。
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その外側からスチール製ワッシャを取り付ける(図 33)。
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ベッドバーボルトを 37-45 N·m (3.7-4.6 kg.m = 27-33 ft-lb)にトルク締めする。
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外側のスチール製ワッシャの遊びがなくなって回らなくなっているが、サイドプレートを変形させるほどには締めすぎていない程度に、ロックナットを締め付ける。
Note: 内側のワッシャには遊びがあってよい(図 33)。
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各ベッドバーアジャスタアセンブリのナットを締め付けて圧縮スプリングを完全に縮め、そこから 1/2 回転戻す(図 33)。
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同様の方法でカッティングユニットの反対側でも作業を行う。
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リールと下刃の調整を行う;リールと下刃の調整を行うを参照。
ローラの整備
ローラリビルドキットおよびローラリビルド工具キット(図 34)を発売しています。ローラリビルドキットは、ローラの分解組み立てに必要なすべてのベアリング、ベアリングナット、インナーシール、アウターシールをセットにしたキットです。ローラリビルドキットには、キットを使用してローラのリビルドを行うのに必要なすべてのツールと説明書が付属しています。詳細は、パーツカタログをご覧になるか、代理店にお問い合わせください。