はじめに

この機械は回転刃を使用するリール式乗用グリーンモアであり、そのような業務に従事するプロのオペレータが運転操作することを前提として製造されています。この製品は、適切な管理を受けている芝生の刈り込みに使用することを主たる目的とする機械です。この機械は本来の目的から外れた使用をすると運転者本人や周囲の人間に危険な場合があります。

この説明書を読んで製品の運転方法や整備方法を十分に理解し、他人に迷惑の掛からない、適切で安全な方法でご使用ください。この製品を適切かつ安全に使用するのはお客様の責任です。

安全上の注意事項、取扱い説明書、アクセサリについての資料、代理店の検索、製品のご登録などについては www.Toro.com へ。

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社正規代理店におたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。図 1にモデル番号とシリアル番号を刻印した銘板の取り付け位置を示します。いまのうちに番号をメモしておきましょう。

Important: シリアル番号デカルについている QR コード(無い場合もあります)をモバイル機器でスキャンすると、製品保証、パーツその他の製品情報にアクセスできます。

g279286

この説明書では、危険についての注意を促すための警告記号(図 2)を使用しております。これらは死亡事故を含む重大な人身事故を防止するための注意ですから、必ずお守りください。

g000502

この他に2つの言葉で注意を促しています。重要 は製品の構造などについての注意点を、はその他の注意点を表しています。

この製品は、関連するEU規制に適合しています。詳細については、DOC シート(規格適合証明書)をご覧ください。

警告

カリフォルニア州

第65号決議による警告

この製品の電源コードには鉛が使用されており、カリフォルニア州では発ガン性や先天性異常を引き起こす物質とされています。取り扱い後は手をよく洗ってください。

バッテリーやバッテリー関連製品には鉛が含まれており、カリフォルニア州では発ガン性や先天性異常を引き起こす物質とされています。取り扱い後は手をよく洗ってください。

米国カリフォルニア州では、この製品を使用した場合、ガンや先天性異常などを誘発する物質に触れる可能性があるとされております。

安全について

この機械は、EN ISO 5395: 規格に適合しています(ただし所定のセットアップを行うことが必要です)。また、この機械は、ANSI B71.4-2017 規格に適合しています。

安全に関する一般的な注意

この機械は手足を切断したり物をはね飛ばしたりする能力があります。

  • 本機をご使用になる前に必ずこのオペレーターズマニュアルをお読みになり、内容をよく理解してください。

  • この機械を運転する時は常に十分な注意を払ってください。運転中は運転操作に集中してください;注意散漫は事故の大きな原因となります。

  • 機械の可動部の近くには絶対に手足を近づけないでください。

  • ガードなどの安全保護機器が正しく機能していない時は、運転しないでください。

  • 作業場所に、無用の大人、子供、ペットなどを近づけないでください。子供に運転させないでください。

  • マシンを停止させ、キーを抜き取り、各部の動作が完全に停止したのを確認してから運転位置を離れる。調整、整備、洗浄、格納などは、機体が十分に冷えてから行う。

間違った使い方や整備不良は人身事故などの原因となります。事故を防止するため、以下に示す安全上の注意や安全注意標識 Graphic のついている遵守事項は必ずお守りください 「注意」、「警告」、および「危険」 の記号は、人身の安全に関わる注意事項を示しています。これらの注意を怠ると死亡事故などの重大な人身事故が発生する恐れがあります。

安全ラベルと指示ラベル

Graphic

危険な部分の近くには、見やすい位置に安全ラベルや指示ラベルを貼付しています。破損したりはがれたりした場合は新しいラベルを貼付してください。

decal115-8226
decal119-9346
decal133-8061
decal137-8037
decal137-8058
decal137-8127
decal137-9712
decal139-5613
decal139-8320
decal139-8321
decal139-8471
decal139-8554
decal137-8052
decal137-9713

組み立て

ROPSを取り付ける

この作業に必要なパーツ

ロールバー・アセンブリ1
六角ヘッドボルト(⅜ x 1½")8
ナット(⅜")8
  1. 出荷用クレートから上部サポートを外す。

  2. クレートからROPSを取り出す。

  3. 機体の両側で、ROPS ブラケットに ROPS バーを取り付ける;六角ヘッドボルト(⅜ x 1½") 8本、ナット(⅜")8 個を使用する(図 3)。

    Note: ROPS の取り付けは二人以上で行ってください。

    g277676
  4. ボルト・ナットを 51-65 N·m(9.3-11.8 kg.m = 38-48 ft-lb)にトルク締めする。

運転席を取り付ける

この作業に必要なパーツ

運転席キット(別売;弊社代理店にご相談ください)1

運転席キット(別売;弊社代理店に相談のこと)を入手し、キットに付属している取り付け要領書に従って取り付けを行う。

整備用デカルを貼り付ける

この作業に必要なパーツ

整備用デカル(P/N 137-8052)1

運転席に整備用デカル(P/N 137-8052)を貼り付ける;プレミアムシート(モデル 04729)は図 4を参照。標準シート(モデル 04508)は図 5を参照。

g277096
g277097

ハンドルを取り付ける

この作業に必要なパーツ

ハンドル1
キャップ1
ワッシャ1
ロックナット1
  1. ステアリングシャフトに、固着防止コンパウンドを塗りつける。

  2. ステアリングシャフトに、ハンドルを取りつける(図 6)。

    g288302
  3. 主電源コネクタを接続する;主電源コネクタを参照。

  4. イグニッションキーを ON 位置に回す。

  5. インフォセンターの走行情報(traction information)画面へ行く;インフォセンターLCDの使い方を参照。

  6. ハンドル切れ角(画面下部に表示)が “” になるまでハンドルを回す。ハンドルは限度位置以上に回さないこと。

  7. 始動キーを OFF 位置にして抜き取る。

  8. 主電源コネクタの接続を外す。

  9. ステアリングシャフトを回さずに、以下の操作を行う:

    1. ステアリングシャフトからハンドルを外す。

    2. 7 の位置にハンドルを取り付ける。

      g288301
  10. ワッシャとロックナットを使用して、ステアリングシャフトにハンドルを取り付ける(図 8)。

    g010834
  11. ロックナットを 27-35 N·m(2.1-2.6 kg.m = 20-26 ft-lb)にトルク締めする。

  12. ハンドルにキャップを取り付ける。

集草バスケット用フックを取り付ける

この作業に必要なパーツ

集草バスケット用フック6
フランジボルト12

サスペンションアームバーに集草バスケット用フックを取り付ける;6 個のフックに対してフランジボルト 12 本を使用する(図 9)。

g015492

カッティングユニットを取り付ける

この作業に必要なパーツ

カッティングユニット(別売;弊社代理店にご相談ください)3
集草バスケット3
電動用カウンタウェイト3
キャップスクリュ6
O リング3
  1. カッティングユニットの準備を行う;カッティングユニットの オペレーターズマニュアルを参照。

  2. 駆動カップラのスプライン溝にグリスを塗る。

  3. 各リールモータに、図 10のようにOリングを取り付ける。

    g256064
  4. 11 のように、キャップスクリュ2本を使用して既存のカウンタウェイトに電動用ウェイトを取り付ける。

    g036342
  5. カッティングユニットを取り付ける;カッティングユニットを取り付けるを参照。

  6. 集草バスケット用フックそれぞれに集草バスケットを取り付ける。

主電源コネクタを接続する

機体左側で ROPS 用ベースのところにある主電源コネクタを接続する(図 12)。

g293202

マシンの設定の微調整を行う

インフォセンターを使って設定の微調整を行う;インフォセンターでマシンの設定を調整するを参照。

CE用ステッカーを貼り付ける

必要に応じて(CE 規制に適合させる必要のある国や地域)

この作業に必要なパーツ

製造年デカル1
CE 警告デカル(P/N 139-8321)1
CE マークステッカー(パーツ No. 93-7252)1

CE 規制が適用されている国や地域でこの機械を使用する場合には、以下のデカルを貼り付けてください:

  • 製造年デカル および CE マークデカル:運転席下のフレームチューブ(シリアル番号プレートの下)に貼りつける;図 13を参照。

    g280284
  • CE 警告デカル:CE 警告デカル(P/N 139-8321)を、既存の警告デカル(P/N 139-8320)の上から貼り付ける;図 14を参照。

    g235881

タイヤ空気圧を下げる

タイヤは空気圧を高くして出荷しています。運転前に正しいレベルに下げてください;タイヤ空気圧を点検するを参照。

バッテリーチャージャを壁に取り付ける

オプション

バッテリーチャージャは背面に壁掛け穴が付いており、壁に取り付けることができます。ねじは、シャフトの直径が 6 mm、頭部の直径が 11 mm のものを選んでください。

Important: 整備場のどこにチャージャを設置するのが使用上および安全上もっともふさわしいかを検討してください。

バッテリーの充電

バッテリーを充電する; リチウムイオンバッテリーの充電を参照。

製品の概要

g289915
g267033

キースイッチ

始動キーには2つの位置があります:ONとOFFです(図 17)。

マシンのON/OFFはキースイッチで行います;マシンを作動させるマシンの停止手順を参照。

g292048

機能コントロールスイッチ

機能コントロールスイッチ(図 16)には、2種類の走行モード位置とニュートラル位置とがあります。

  • ニュートラル位置:ニュートラル及びバックラップ位置

  • 刈り込み位置:芝刈り位置

  • 移動走行位置:移動走行位置

走行中に刈り込みから移動走行へ、またその逆に移動走行から刈り込みへ(ニュートラルで止めずに)切り替えることができます。マシンを損傷する心配はありません。

移動走行または刈り込みからニュートラルへ切り替えるとマシンは停止します。ニュートラルから刈り込みまたは移動走行へ切り替えようとした時にペダルがニュートラル位置になり、アドバイスが表示されます。

昇降ジョイスティック

昇降ジョイスティック(図 16)はカッティングユニットを昇降させます。また、機能コントロールスイッチの位置により、カッティングユニットの回転開始・停止も行います:

  • 機能コントロールスイッチがニュートラル位置にある場合:ジョイスティックを前または後ろに倒すことによりカッティングユニットが下降または上昇動作を行いますが、リールは回転しません(バックラップモードの時のみこの状態でリールが回転します)。

  • 機能コントロールスイッチが刈り込み位置にある場合:ジョイスティックを前に倒すとカッティングユニットが下降してリールが回転し、刈り込みを開始します。ジョイスティックを後ろに引くとリールは停止して上昇します。

    後ろに軽く引いて手を放すとカッティングユニットを上昇させずにリールの回転だけを止めることができます。ジョイスティックを再び前に倒せばリールが回転を開始、後ろに引けばカッティングユニットが上昇します。この機能はインフォオセンターで設定を行う必要があります;タップオフの遅れ時間を設定するを参照。

  • 機能コントロールスイッチが移動走行位置にある場合:カッティングユニットを上昇させることはできますが回転させることはできません。カッティングユニットを下降させようとすると、インフォセンターにアドバイスが表示されます。

走行ペダル

走行ペダル(図 18)には3つの機能があります: 前進走行、後退走行、それに停止です。右足のつま先とかかとを使います:ペダル前部を踏み込むと前進、後部を踏み込むと後退です。前進中に後退位置に踏み込むと素早く停止することができます。

ペダルから足を離すとペダルはニュートラル位置戻って車両は停止します。前進走行中に足を休めるつもりでペダルの後退位置にかかとを載せないようにしてください(図 19)。

g014603
g005105

最高走行速度の設定は以下の範囲で行います:

  • 刈り込み時前進速度: 3.2-8 km/h

  • 移動走行時前進速度: 8-16 km/h

  • 後退速度: 3.2-4.8 km/h

ステアリングアーム・ロックベダル

このペダル(図 18)を踏むとステアリングアームの高さを調整できるようになります;使いやすい高さに調整できたらペダルから足を離せばアームは再びロックされます。

ブレーキペダル

ブレーキペダル(図 20)を踏み込むと車両は停止します。

g236365

駐車ブレーキ

機体が動かないように駐車ブレーキ(図 20)を掛けてください。駐車ブレーキを掛けるには、ブレーキペダルを踏み込み、ペダルの上部についているラッチを踏み込みます。ブレーキを解除するには、ラッチが落ちるまでペダルを踏み込みます。

インフォセンター

インフォセンターLCDの使い方

インフォセンターLCDディスプレイは、マシンの運転状態、故障診断など)の情報を表示します(図 24)。起動画面、主画面、カッティングユニット画面、走行情報画面があります。

  • 起動画面: キーを ON 位置にした後、マシンの現在の情報を数秒間だけ表示します。

  • 主画面(図 21): キーが ON 位置にある時に、マシンの現在の情報を表示します。この画面には、バッテリーシステムの充電レベルと電流が表示されます。

    g292768
  • カッティングユニットのモータ画面Graphic(図 22): 各カッティングユニットのモータの速度と電流値を表示します。

    g292767
  • 走行情報画面Graphic(図 23): 現在のステアリング角度と、各走行モータに配分されている電流値を表示します。

    g292769
  • メインメニュー: インフォセンターのメニューを理解するを参照。

Note: Graphic 保護メニューで保護されます ― アクセスには PIN の入力が必要です;アクセス制限付きメニューへのアクセスを参照。

主画面、カッティングユニット画面、走行情報画面の切り替えは、右ボタンで行い、画面上の標示項目は矢印ボタンで選択します。

g020650
  • 左ボタン、メニューアクセス/バックボタン:このボタンを押すと、インフォセンターのメニューが表示されます。メニュー表示中にこれを押せばメニューを終了します。

  • 中央ボタン:メニューを下にスクロールするときに使います。

  • 右ボタン:右向き矢印が表示されたとき、その先にあるメニュー項目を見るため、または選択するために使用します。

Note: 各ボタンの機能はメニューの内容によって、変わります。各ボタンについて、その時の機能がアイコンで表示されます。

インフォセンターのアイコン

SERVICE DUE(定期整備時期です)定期整備時期であることを示します
Graphicアワーメータ
Graphic情報アイコン
Graphic機能コントロールスイッチが移動走行設定であることを示します
Graphic機能コントロールスイッチが刈り込み設定であることを示します
Graphicカッティングユニットが上昇中であることを示します。
Graphicカッティングユニットが下降中であることを示します。
Graphicオペレータが着席している必要があります
Graphic駐車ブレーキ作動表示:駐車ブレーキが掛かっていることを示します
Graphic機能コントロールスイッチがニュートラルであることを示します
GraphicPTOが入っています
Graphic停止またはシャットダウン
Graphic始動キー
GraphicPIN コード
GraphicCAN バス
Graphicインフォセンター
Graphicスイッチ
Graphicスイッチを解除する必要があります
Graphic表示されているモードに切り換えてください
Graphic走行モータ
Graphic前画面に戻ります
Graphic項目が選択(または有効化)されていません
Graphic項目が選択(または有効化)されています
Graphicリール
Graphic電気駐車ブレーキ作動表示:電気駐車ブレーキが掛かっていることを示します
表示記号を組み合わせた文章が表示されます。以下に文章の例を示します:
Graphicマシンをニュートラルにセットしてください。
Graphic着席するか駐車ブレーキをかけてください

インフォセンターのメニューを理解する

メインメニューにアクセスするには、主画面、カッティングユニット画面、走行情報画面のいずれかで、何かのボタンを押し、次にGraphicに対応するボタンを押します。するとメインメニューが表示されます。

各メニューにおいてどのような内容が表示されるかは、以下の表をご覧ください。

メインメニュー

メニュー項目内容
FAULTS(不具合)FAULTSメニューには、最近に記録された不具合が表示されます。サービスマニュアルに不具合 メニューとその内容の詳細が解説されています。または弊社ディストリビュータにお問い合わせください。
SERVICE(整備)SERVICEメニューでは、使用時間、積算記録などの情報を見たりキャリブレーションを行うことができます。カッティングユニットのバックラップを行うのもこの画面です。整備作業の表を参照。
DIAGNOSTICS(診断機能)DIAGNOSTICSメニューでは、マシンにおいて現在発生している不具合やそのデータが表示されます。これらを利用して手早い故障探究を行うことができます。特にマシンの制御装置の ON/OFF 状態やコントロールレベル(センサーの値など)が分かるので便利です。
SETTINGS(設定)SETTINGSメニューではインフォセンターの表示や機械の設定を変更することができます。Settings(設定)の表を参照。
ABOUT (マシンについて)ABOUTでは、モデル番号、シリアル番号、ソフトウェアのバージョンなどを確認することができます。About(マシンについて)の表を参照。

Faults(不具合)

メニュー項目内容
CURRENT(現在)キー ON 時間(キーが ON 位置にあった時間の積算値)を表示します。
LAST(最近)不具合が最後に発生した時のキー ON 時間。
FIRST(最初)不具合が最初に発生した時のキー ON 時間。
OCCURRENCES(発生回数)不具合の発生回数

整備作業

メニュー項目内容
HOURSキー、リール、バックラップが ON であった合計時間。
COUNTS(回数)刈り込み、タップオフ、バックラップ回数を表示。
BACKLAP(バックラップ)カッティングユニットのバックラップの開始と停止(これはキーを OFF にすることでも行うことができます)。
CALIBRATION(キャリブレーション)Graphicステアリングシステム、走行システム、昇降アクチュエータのキャリブレーション。詳細についてはサービスマニュアルを参照のこと。

Settings(設定)

メニュー項目内容
UNITS(単位)インフォセンターで表示される項目の単位を選択することができます。ヤードポンド系またはメートル系から選択します。
LANGUAGE(言語)インフォセンターの表示に使う言語を選択することができます。
BACKLIGHT(バックライト)LCD 表示の明るさを調整します。
CONTRAST(コントラスト)LCD 表示のコントラストを調整します。
PROTECTED MENUS(保護項目)パスワードを入力すると見ることができます。
保護設定 Graphic保護項目の保護設定を行います。
RESET DEFAULTS(デフォルトにリセット)Graphicインフォセンターを初期状態にリセットします。
TAPOFF TIME(タップオフ時間) Graphicタップオフの遅れ時間を設定します。
REEL SPEED(リール速度) Graphicリール速度を設定します。
BACKLAP(バックラップ) RPMGraphicバックラップ時の回転速度を設定します。
CLIP CONTROL(クリップコントロール) Graphic自動クリップコントロール機能の ON/OFFの切り替えを行います。
BLADE COUNT(刃数) Graphic各リールの刃数に合わせて設定してください。この設定は クリップコントロール を ONにして使用する時のみ必要となります。
HEIGHT OF CUT(刈高)Graphic希望刈り高を設定します。この設定は クリップコントロール を ONにして使用する時のみ必要となります。
MAX MOW(最大刈り込み速度)Graphic刈り込み時の最大走行速度を設定します。
MAX TRANSPORT(最大移動速度) Graphic移動走行時の最大走行速度を設定します。
MAX REVERSE(最大後退速度) Graphic後退走行時の最大走行速度を設定します。
SLOW & TURN(スロー&ターン) Graphicスロー&ターン機能の ON/OFF を行います。
3WD キット Graphic3WD キットの ON/OFF を行います。
BATT. RESERVEバッテリー残量が低下して管理棟まで帰還する必要がある時の移動走行距離を入力します。

About(マシンについて)

メニュー項目内容
MODELマシンのモデル番号を表示します。
SN(シリアル番号)マシンのシリアル番号を表示します。
S/W Revマスターコントローラのソフトウェアの改訂番号を表示します。
インフォセンター Graphicインフォセンターのソフトウェアの改訂番号を表示します。
CU1 Graphic中央カッティングユニットモータ用ソフトウェアのバージョン名です。
CU2 Graphic左前カッティングユニットモータ用ソフトウェアのバージョン名です。
CU3 Graphic右前カッティングユニットモータ用ソフトウェアのバージョン名です。
LL1 Graphic中央カッティングユニット用ソフトウェアのパーツ番号とバージョン名です。
LL2 Graphic左前カッティングユニット用ソフトウェアのパーツ番号とバージョン名です。
LL3 Graphic右前カッティングユニット用ソフトウェアのパーツ番号とバージョン名です。
TRACTION1Graphic右前走行モータ用ソフトウェアのパーツ番号とバージョン名です。
TRACTION2Graphic左前走行モータ用ソフトウェアのパーツ番号とバージョン名です。
STEERING(ステアリング)Graphicリアステアリングモータ用ソフトウェアのパーツ番号とバージョン名です。
PRECHARGEGraphicプレチャージコントローラ用ソフトウェアのパーツ番号とバージョン名です。
BATTERYGraphicバッテリー用ソフトウェアのパーツ番号とバージョン名です。
CAN BUS(バス)Graphicマシン内部の通信状態を表示します。
TRACTION3Graphic3WD キット(が搭載されてい場合)用ソフトウェアのパーツ番号とバージョン名です。

Note: Graphic 保護メニューで保護されます ― アクセスには PIN の入力が必要です;アクセス制限付きメニューへのアクセスを参照。

アクセス制限付きメニューへのアクセス

Note: 出荷時に設定されている デフォルト PIN は 0000 または 1234 です。PIN を変更後、PIN を忘れてしまった場合には、弊社ディストリビュータにご相談ください。

  1. MAIN MENU(メインメニュー)から中央ボタンで下へスクロールしていくとSETTINGS MENU(設定メニュー)がありますから、ここで右ボタンを押します。

  2. SETTINGS MENU(設定メニュー)から中央ボタンで下へスクロールしていくとPROTECTED MENU (保護メニュー)がありますから、ここで右ボタンを押します。

  3. パスワードを入力するには、中央ボタンを何度か押して最初の桁へ入力します。その後に右ボタンを押すと次の桁へ移動します。これを繰り返して最後の桁まで入力を終えたら、もう一度右ボタンを押します。

  4. 中央ボタンを押して PIN コードを登録します。

    インフォセンターの赤ランプが点灯するまで待ちます。

    Note: インフォセンターが PIN コードを受け付けて保護メニューが開くと、画面右上の部分に PIN という表示が現れます。

「保護メニュー」の設定内容を閲覧・変更することができます。「保護メニュー」にアクセスしたら、下へスクロールして「設定を保護」(Protect Settings)へ進みます。右ボタンを使って設定を変更します。

  • Protect Settings(設定を保護)をOFFにすると、PIN コードを入力しなくても、保護メニューの内容を閲覧・変更、またカッティングユニット画面と走行画面を見ることができるようになります。

  • 「設定を保護」をONにすると、保護されている内容は表示されなくなり、これらを閲覧・変更するには PIN コードの入力が必要となります。

PIN コードを入力した時は、キースイッチをOFF 位置にし、もう一度キーを ON にすると、このパスワードが記憶されます。

Note: キーを OFF 位置にし、もう一度ONにすると、保護メニューがロックされます。

マシンの構成変更用のパスワードの設定

インフォセンターの設定内容をオペレータが勝手に変更できないようにパスワードを設定することができます。パスワード保護が可能なインフォセンター画面についてはインフォセンターのメニューを理解するを参照してください。

  1. 設定 (SETTINGS) メニューから設定保護(PROTECT SETTINGS)を選択する。

  2. PROTECT SETTINGS を ONにセットする。

  3. 表示にしたがって4桁のパスワードを入力する。

  4. キーをOFF位置にするとパスワードが記憶される。

Note: パスワードを忘れてしまった場合には、トロのディストリビュータに連絡することにより、一時パスワードを入手することができます。

故障記録表示について

不具合が発生すると、インフォセンターに不具合コードが表示されて画面の上方にある赤ランプが点滅します。

不具合コードは記憶され、FAULTS メニューで閲覧が可能です。これを使って不具合の発生原因などの探究が可能です。

不具合コードの一覧はサービスマニュアルをご覧になるか代理店から入手することができます。

主電源コネクタ

マシンの充電、整備やカッティングユニットの取り付け、取り外し、整備などを行う際には、必ずその前に、マシンへの主電源コネクタを外して、マシンに対する給電を停止してください(図 25);コネクタは、トラクションユニット左側、横転保護バーのベース部にあります。マシンを使用するときには、コネクタを接続してください。

g293203

注意

マシンへの電源供給を切断しておかないと、誰でもがマシンを作動させることができ、重篤な人身事故になる可能性がある。

マシンに作業を行う時には必ずコネクタを外しておくこと。

トラクションユニットの寸法および重量については、図 26およびトラクションユニットの仕様を参照してください。

Note: 仕様および設計は予告なく変更される場合があります。

g289936

トラクションユニットの仕様

刈幅151 cm
ホイールトラック126 cm
ホイールベース127 cm
全長(バスケットを含む)249 cm
全幅180 cm
全高205 cm
ウェイト*738 kg
*トラクションユニットに 11 枚刃カッティングユニットを搭載し、標準運転席を取り付け、オペレータを含まない状態の数値。

電気系統の仕様

電圧48 V
Current(現在)DC(Graphic
アンペア時213.6 AH
IP 等級IP 65

アタッチメントとアクセサリ

トロが認定した各種のアタッチメントやアクセサリがそろっており、マシンの機能をさらに広げることができます。 詳細は弊社の正規サービスディーラ、または代理店へお問い合わせください;弊社のウェブサイト www.Toro.com でもすべての認定アタッチメントとアクセサリをご覧になることができます。

いつも最高の性能と安全性を維持するために、必ずToroの純正部品をご使用ください。他社の部品やアクセサリを御使用になると危険な場合があり、製品保証を受けられなくなる場合がありますのでおやめください。

運転操作

運転の前に

運転前の安全確認

安全に関する一般的な注意

  • 子供やトレーニングを受けていない大人には、絶対に運転や整備をさせないでください。地域によっては機械のオペレータに年齢制限を設けていることがありますのでご注意ください。オーナーは、オペレータ全員にトレーニングを受講させる責任があります。

  • 安全な運転操作、各部の操作方法や安全標識などに十分慣れておきましょう。

  • 運転席を離れる前に、マシンを停止し、キーを抜き取り、機械の動きが完全に停止したのを確認する。調整、整備、洗浄、格納などは、機体が十分に冷えてから行ってください。

  • 緊急停止方法に慣れておきましょう。

  • オペレータコントロールやインタロックスイッチなどの安全装置が正しく機能しているか、またガードなどの安全保護具が外れたり壊れたりしていないか点検してください。これらが正しく機能しない時には機械を使用しないでください。

  • 使用前に必ず、カッティングユニットの点検を行ってください。

  • これから機械で作業する場所をよく確認し、機械に巻き込まれそうなものはすべて取り除きましょう。

カッティングユニットの名称

インフォセンターでは各カッティングユニットを 1、2、3 の番号で呼びます(CU1, CU2, CU3 という表記で ABOUT メニューで使われます)。

  • 1 は中央カッティングユニット(図 27

  • 2 は左前カッティングユニット (図 27

  • 3 は右前カッティングユニット(図 27

g289940

インフォセンターでマシンの設定を調整する

インフォセンターで以下の設定の調整を行うことができます:

Note: それぞれの設定がパスワードで保護されます。保護されている設定を変更する場合にはパスワードの入力が必要となります。

タップオフの遅れ時間を設定する

インフォセンターの TAPOFF TIME 画面へ行きます。タップオフ遅れ時間の時は、カッティングユニットは停止しますが上昇しません。ジョイスティックを後ろ位置に何秒間保持したらこの機能を動作させるかを設定します。

以下の表から、遅延時間番号と、対応する遅延時間を決めます。

タップオフ遅れ時間の選択肢

設定数値遅延時間(秒)
1OFF
20.050
30.100
40.150
50.200
60.250
70.300
80.350
90.400
100.450

Note: 出荷時設定は1であり、これはこの機能を使用しないという設定です。

刈り込み時リール速度の調整

インフォセンターの REEL SPEED 画面へ行きます。この設定はクリップコントロール設定が OFF の時に調整できます;クリップコントロールの設定を行うを参照。

以下の表から、リール速度番号と、対応するリール速度を選びます。

刈り込み時リール速度

設定数値リール速度(RPM)
1800
2950
31100
41250
51400
61550
71700
81850
92000

Note: 出荷時の設定は 2000 rpm(速度番号 9)です。

バックラップ時リール速度の調整

インフォセンターの BACKLAP RPM 画面へ行きます。

以下の表から、リール速度番号と、対応するリール速度を選びます。

バックラップ時リール速度

設定数値リール速度(RPM)
1200
2240
3280
4320
5360
6400
7440
8480
9520

Note: 出荷時の設定は 200 rpm(速度番号 1)です。

クリップコントロールの調整を行う

旋回半径有線速度(RDS)システムについて

ムラのない高品質な刈高と見映えの良さを実現するために、このマシンには特許申請中の Radius Dependent Speed™(RDS)システムが搭載されています。RDS システムは、クリップコントロールと 3 輪の回転速度がそれぞれ独立して制御される機能を組み合わせたもので、これらをもとにしてそれぞれの走行モータおよびリールモータの速度を制御して、旋回しながらの刈り込み時にクリップを一定に保持して美しい刈り上がりを作りだします。

旋回しながら刈り込みを行う(外周刈り)時には、内周側のカッティングユニットは外周側のカッティングユニットよりもゆっくり回転します。そしてセンターのカッティングユニットは内側のリールと外側のリールの中間の速度で回転し、これによって、3 台のカッティングユニットが同じクリップで刈り込みを行います。旋回半径が小さくなるほど、内外のリールの速度差が大きくなります。さらに、外周刈りの最中にマシンの走行速度が変化した場合には、RDS が自動的にリール速度を変化させてそれまでと同じクリップレートに維持します。普通の 3 連モアで外周刈りをしていると、内周側のリールで刈られる部分のターフが薄くなってくるという問題がありますが、RDS はその問題を軽減することができます。

また、RDS システムでは、旋回中はそれぞれのホイールモータの回転速度も、リールの回転速度と同じようにコントロールされます。 すなわち、内周側のホイールモータは外周側のホイールモータよりもゆっくりと回転します。これにより、旋回中の車輪の引きずりがなくなり、いわゆる「三連刈りの外周リング」が目立たなくなります。

クリップコントロールの設定を行う

インフォセンターの CLIP CONTROL 画面へ行って RDS システムの設定を行う。

  • クリップコントロールの設定が ON:マシンは刈高で設定された値と BLADE COUNT で設定されたリール刃数情報および左右のホイールの回転速度情報を使用して、それぞれのリールの回転速度を個別に制御します。

  • クリップコントロールの設定が OFF:マシンは REEL SPEED (リール速度)の設定値のみに基づいて制御を行います。リールは一定の速度で回転します。

Note: 出荷時の設定は ON です。

刈高の調整方法

インフォセンターの HEIGHT OF CUT (HOC) (刈高)画面へ行きます。クリップコントロールが ON に設定されている必要があります;クリップコントロールの設定を行うを参照。

Note: 出荷時の設定は 3.2 mm です。

リールの刃数の設定を変える

インフォセンターの BLADE COUNT へ行きます。カッティングユニットに実際に装着されているリールの刃数に応じた数値(5, 8, 11, 14)を選択します。

Note: 出荷時の設定は 11 です。

最大刈り込み速度の調整

インフォセンターの MAX MOW(最大刈り込み)へ行きます。4.8 km/h-8.0 km/h の範囲で、0.3 km/h 刻みで調整可能です。

Note: 出荷時の設定は 6.1 km です。

最大走行速度の調整

インフォセンターの MAX TRANSPORT(最大走行)へ行きます。8.0 km/h-16.0 km/h の範囲で、0.8 km/h 刻みで調整可能です。

Note: 出荷時の設定は 16.0 km です。

最大後退速度の調整

インフォセンターの MAX REVERSE(最大後退)へ行きます。3.2 km/h-4.8 km/h の範囲で、0.8 km/h 刻みで調整可能です。

Note: 出荷時の設定は 4.0 km です。

スロー&ターン機能の設定

インフォセンターの SLOW & TURN(スロー&ターン)へ行きます。スロー・アンド・ターンは、グリーンを出て次の列ぞろえを行うために旋回する時に自動的に走行速度を落としてくれる機能です。

Note: 出荷時の設定は OFF です。

3 WD キット搭載車で 3WD 機能を解除する

インフォセンターの 3WD KIT へ行きます。

ここでキットを無効に設定しても、再起動すると(キースイッチを一旦 OFF にし、その後に ON にすると)3 WD キット搭載状態では再び 3WD が有効になります。

Note: 3 WD キットを搭載すると、キットは自動的に ON になります。

バッテリーリザーブキャパシティ(保持容量)を設定する

BATT. へ行きます。RESERVE へ行き、マシンが管理棟へ帰還するのに必要な距離を入力します。これを設定することにより、出動中に万一バッテリーレベルが相当低下しても、自力で管理棟まで帰還出来るだけの電力を確保することができます;バッテリーシステムの充電レベルをモニタするを参照。

Note: 距離は 0.8 km-8 km まで、0.8 km 刻みで設定することができます。

インフォセンターのダイアログメッセージについて

マシンのキャリブレーションを実行中に、インフォセンターにダイアログメッセージが表示されます。これはキャリブレーションの手順を案内するメッセージです。

以下の表に、メッセージの説明があります。

ダイアログメッセージ

メッセージ番号メッセージ
1ペダルをニュートラルに戻してください
4ペダルを前進一杯に踏み込んで保持してください
5最大前進較正に成功しました
9最大前進較正に失敗しました電圧が範囲外です
13ペダルを後退一杯に踏み込んで保持してください
14最大後退キャリブレーションに成功しました
16最大後退キャリブレーションに失敗しました電圧が範囲外です
17キャリブレーションに失敗しましたペダル位置が不明です
18ペダルをニュートラルに戻してください続けますか?
100キャリブレーションに入りました
101キャリブレーション完了です
102キースイッチをサイクル操作してください
110キャリブレーション障害機器が反応しません
111キャリブレーション障害機器の準備ができていません
112キャリブレーション障害アクティブな不具合があります。
113キャリブレーション障害着席していません
114キャリブレーション障害ニュートラルになっていません
115キャリブレーション障害ニュートラルです
116キャリブレーション障害駐車ブレーキが掛かったままです
300ペダルをニュートラルに戻してください
301ハンドルをセンターにしてください続けますか?
302手で後輪をセンタリングしてください続けますか?
303ハンドル操作で後輪を左一杯に切ってください続けますか?
304ハンドル操作で後輪を右一杯に切ってください続けますか?
305後輪のセンターが所定範囲外です
306後輪の角度が所定範囲外です
400注意:マシンはジャッキスタンドで支えてください。続けますか?
401キャリブレーション障害コンタクタが開いたままです
402キャリブレーション障害ペダルがニュートラルです
403ペダルをニュートラルに戻してください
404車輪が停止するまで待ってください。
405ペダルを前進一杯に踏み込んで保持してください
406キャリブレーションがアクティブですペダルを保持してください
500昇降シリンダの伸長がアクティブです
501昇降シリンダの収縮がアクティブです
502ジョイスティックを下降位置操作してください。
503ジョイスティックを上昇位置操作してください。
504カッティングユニットは搭載されていますか?続けますか?
1100走行診断メッセージが有効になりました。
1101ステアリング診断メッセージが有効になりました。

ハンドルの傾斜調整

ハンドルは使いやすい角度に傾けることができます。

  1. ハンドルアセンブリをステアリングアームに固定しているボルト(図 28)をゆるめる。

    g280422
  2. ハンドルを使いやすい角度に調整する。

  3. ボルト(図 28)を締め付けてハンドルアセンブリをステアリングアームに固定する。

毎日の整備作業を実施する

整備間隔整備手順
使用するごとまたは毎日
  • シートベルトに摩耗や傷がないか点検する。一部でも正常に機能しないシートベルトは交換する。
  • 毎日の運転前に以下の作業を行ってください:

    運転中に

    運転中の安全確認

    安全に関する一般的な注意

    • オーナーやオペレータは自分自身や他の安全に責任があり、オペレータやユーザーの注意によって物損事故や人身事故を防止することができます。

    • 作業にふさわしい服装をし、安全めがね、長ズボン、頑丈で滑りにくい安全な靴、および聴覚保護具を着用してください。長い髪は束ねてください。ゆるい装飾品やだぶついた服は身に着けないでください。

    • 疲れている時、病気の時、アルコールや薬物を摂取した時は運転しないでください。

    • この機械を運転する時は常に十分な注意を払ってください。運転中は運転操作に集中してください;注意散漫は事故の大きな原因となります。

    • 使用前に、全部の駆動装置がニュートラルであること、駐車ブレーキが掛かっていることを確認し、正しい運転位置に立ってください。

    • 散布車には人を乗せないでください。

    • 作業場所に、無用の大人、子供、ペットなどを近づけないでください。周囲が無人でない場合は、集草バスケットを取り付けた上で、安全に十分注意してください。

    • 運転は、穴や障害物を確認できる十分な照明のもとで行ってください。

    • ぬれた芝の刈り込みは避けてください。接地力が落ちてスリップする危険が高くなります。

    • カッティングユニットに手足を近づけないでください。

    • バックするときには、足元と後方の安全に十分な注意を払ってください。

    • 見通しの悪い曲がり角や、茂み、立ち木などの障害物の近くでは安全に十分注意してください。

    • 刈り込み中以外は必ずカッティングユニットを止めておいてください。

    • 旋回するときや道路や歩道を横切るときなどは、減速し周囲に十分な注意を払ってください。常に道を譲る心掛けを。

    • 作動中のマシンからは離れないでください。

    • 運転位置を離れる前に:

      • 平らな場所に駐車する。

      • カッティングユニットを床面まで下降させユニットの動作が停止したことを確認する。

      • 駐車ブレーキを掛ける。

      • マシンを停止させ、キーを抜き取る。

      • 全ての動きが停止するのを待つ。

    • 機械の運転は十分な視界の確保ができる適切な天候条件のもとで行ってください。落雷の危険がある時には運転しないでください。

    横転保護バー(ROPS)についての安全確認

    • POPS 構成物は一切機体から外さないでください。

    • 必ずシートベルトを着用し、緊急時にはシートベルトを迅速に外せるよう練習しておいてください。

    • 運転時には必ずシートベルトを着用してください。

    • 頭上の障害物に注意し、これらに衝突しないように注意してください。

    • ROPS自体に損傷がないか、また、取り付け金具がゆるんでいないか、定期的に十分に点検を行い、万一の際に確実に役立つようにしておいてください。

    • ROPS が破損した場合はすべて新しいものに交換してください。修理したり改造しての使用はしないでください。

    斜面での安全確保

    • 斜面はスリップや転倒などを起こしやすく、これらは重大な人身事故につながります。斜面での安全運転はオペレータの責任です。どんな斜面であっても、通常以上に十分な注意が必要です。

    • 斜面については、実地の測定を含めてオペレータ自身が調査を行い、安全に作業ができるかどうかを判断してください。この調査においては、常識を十分に働かせてください。

    • 以下に挙げる、斜面で運転する場合の安全上の注意を必ず読んで内容をしっかり理解してください。実際に運転する前に、現場の状態をよく観察し、その日その場所でこのマシンで安全に作業ができるかどうかを判断してください。同じ斜面上であっても、地表面の条件が変われば運転条件が変わります。

    • 斜面での発進・停止・旋回は避けてください。急に方向を変えたり急な加速やブレーキ操作をしないでください。旋回は速度を落としてゆっくりと行ってください。

    • 走行、ステアリング、安定性などに疑問がある場合には運転しないでください。

    • 隠れた穴、わだち、盛り上がり、石などの見えない障害は、取り除く、目印を付けるなどして警戒してください。深い芝生に隠れて障害物が見えないことがあります。不整地では機体が転倒する可能性があります。

    • ぬれ芝、急斜面など滑りやすい場所で運転すると滑って制御できなくなる危険があります。駆動力を失うと、スリップを起こしたりブレーキや舵取りができなくなる恐れがあります。

    • 段差、溝、盛り土、水などの近では安全に十二分の注意を払ってください。万一車輪が段差や溝に落ちたり、地面が崩れたりすると、機体が瞬時に転倒し、非常に危険です。必ず安全距離を確保してください。

    • 斜面に入る前に、安全の判断をしてください。乗用の刈り込み機械で斜面を刈り込むことに危険が感じられる場合は歩行型の機械をお使いください。

    • 斜面では可能なかぎりカッティングユニットを地表面まで下げておいてください。斜面上でカッティングユニットを上昇させると機体が不安定になる恐れがあります。

    • 集草装置などのアタッチメントを取り付けての作業には十分な注意を払ってください。アタッチメントによってマシンの安定性が変わり、安全限界が変わる場合がありますからご注意ください。

    慣らし運転期間

    運転開始から 8 運転時間を慣らし運転期間とします。

    この期間中の取り扱いは、本機のその後の信頼性を確保する上で非常に重要ですから、各機能や動作を入念に観察し、小さな異常でも早期に発見・解決しておいてください。また、この期間中は部品のゆるみの点検を頻繁におこなってください。

    マシンを作動させる

    Note: カッティングユニットの下に物が落ちていないか確認してください。

    1. 運転席に座ってシートベルトを締める。

    2. スイッチにキーを差し込んで ON 位置に回す。

    マシンの作動後の点検を行う

    1. 機能コントロールスイッチを 刈り込み にする。

    2. 駐車ブレーキを解除する。

    3. 昇降ジョイスティックを前に一度倒す。

      全部のカッティングユニットが降下して回転すれば正常。

    4. 昇降ジョイスティックを後に一度倒す。

      カッティングユニットが停止し、一番上(移動位置)まで上昇すれば正常。

    インタロックシステムのしくみ

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • 安全インタロックシステムの動作を確認します。
  • 注意

    インタロックスイッチは安全装置であり、これを取り外すと予期せぬ人身事故が起こり得る。

    • インタロックスイッチをいたずらしない。

    • 作業前にインタロックスイッチの動作を点検し、不具合があれば作業前に交換修理する。

    安全インタロックは、人身事故や車両を損傷するなどの危険が存在する場合に強制的に運転を停止してオペレータや機械を保護する安全装置です。

    以下の条件がそろっていないとインタロックが作動し、走行することができません:

    • 駐車ブレーキが掛かっていない。

    • 運転席に着席している。

    • 機能コントロールスイッチが刈り込み位置か移動走行位置にセットされている。

    なお、機能コントロールスイッチが刈り込み位置にない場合には、安全インタロックが作動してリールは回転しません(バックラップの時は例外です)。

    安全インタロックシステムの動作を確認する

    以下の手順で安全インタロックシステムの動作を確認します:

    • 運転席から立ち上がってマシンを始動し、駐車ブレーキを解除し、機能コントロールスイッチを刈り込みまたは移動走行位置にして、走行ペダルを踏み込む。

      運転席に着席していない状態では走行しないのが適正。走行しなければインタロックは正常に機能している。正しく動作しないのはインタロックの故障であるから直ちに修理する。

    • 運転席に座ってマシンを始動し、駐車ブレーキを掛け、機能コントロールスイッチを刈り込みまたは移動走行位置にして、走行ペダルを踏み込む。

      駐車ブレーキが掛かっている状態では走行しないのが適正。走行しなければインタロックは正常に機能している。正しく動作しないのはインタロックの故障であるから直ちに修理する。

    • 運転席に座ってマシンを始動し、駐車ブレーキを解除し、機能コントロールスイッチをニュートラル位置にして、走行ペダルを踏み込む。

      機能コントロールスイッチが ニュートラル 位置の時は走行しないのが適正。走行しなければインタロックは正常に機能している。正しく動作しないのはインタロックの故障であるから直ちに修理する。

    • 運転席に座り、走行ペダルをニュートラル位置にし、機能コントロールスイッチをニュートラル位置にし、駐車ブレーキを掛け、マシンを始動し、昇降ジョイスティックを前に倒してカッティングユニットを降下させる。

      カッティングユニットは降下するが回転しないのが正常。回転するのはインタロックの故障です;原因を究明し、修正してください。

    移動走行モードでの運転

    • カッティングユニットが完全上昇位置にあることを確認する。

    • 運転席に座り、シートベルトを締め、駐車ブレーキを解除し、機能コントロールスイッチを移動走行位置にする。

    • 不整地に入る時やアンジュレーションを渡る時には必ず走行速度を落としてください。

    • 本機の車両感覚(車幅)をマスターしましょう。狭い場所での無理な通り抜けを避けましょう。ぶつけて破損するのは時間と費用のロスです。

    グリーンの刈り込み

    実際にグリーンで刈り込みを行う前に、広い場所で基本的な運転操作(走行、停止、カッティングユニットの上昇、下降、旋回動作など)をよく練習してください。

    グリーンでは、刈り込み中にカッティングユニットを破損させるような異物がないか観察し、カップから旗を抜き取り、刈り込みの方向を決めます。刈り込みの方向は、前回の刈り込みの方向をもとにして決めます。いつも前回とは違う方向から刈るようにすると、芝が一定方向に寝てしまわないのできれいに刈ることができます。

    グリーンを刈り込む

    1. グリーンの一方の縁から刈り始め、細長いじゅうたんを敷くつもりで真っ直ぐに進んでください。

      Note: このパターンで作業すると、無駄な重なりをなくし、固結を最小限に抑えながら、美しい縞模様を作ることができます。

    2. 機能コントロールスイッチを 刈り込み にする。

    3. 集草バスケットの先端がグリーンの縁に掛かったところで昇降レバーを前に倒します。

      Note: これによりカッティングユニットが芝面に下降しリールが回転を始めます。

      Important: 中央ユニットはやや遅れて動作を開始しますので、練習によってこのタイミングを早くつかんで、外周部分への削り込みをなくし、仕上げ刈りの手間を最小限にしましょう。中央ユニットの動作の遅れは走行速度によって決まります。走行速度が遅い場合には遅れ時間が長くなり、速いと短くなります。マシンは走行速度をモニターしてこの遅れ時間を調整し、全部のユニットが一直線上に降りるようにしています。

    4. 行きと帰りでのオーバーラップができるだけ小さくなるように運転します。

      Note: グリーン内をぶれずにきれいに直進し、刈り込みの済んだ列との距離を一定に保って走るためには、車体前方 1.8 から 3 m のところに視線を置いて、刈り込み済みの済んでいる列にラインを合わせるようにするのがコツです(図 30)。ハンドルを目印にして距離を合わせても良いでしょう。その場合、ハンドルの縁と本機前方の目標ラインとを重ねて見ながら運転します。

    5. 集草バスケットの先端がグリーンの縁に掛かったところで昇降ジョイスティックを軽く引いて、全部のカッティングユニットが上昇するまで保持します。これによりリールの回転は停止し、カッティングユニットが上昇します。

      Important: このタイミングを間違うとグリーンのエッジ部分を刈り込んでしまいます。またカッティングユニットを降ろすタイミングが遅いと外周近くに刈り残しを作ってしまいます。タイミングを早くつかんでください。

    6. U ターンするとき、一旦反対側にハンドルを切ってから旋回すると、楽に、しかも効率良く回ることができて次の列そろえが楽になります。反対側に軽く振ってから旋回すると雨だれ形の旋回(図 29)になって、スムーズに次の列に入ることができます。

      Note: スロー&ターン機能が ON の場合には、旋回中は自動的に減速しますので走行ペダルを操作する必要はありません。

      g229671

      Note: できるだけ小さな半径でターンをする方が刈り込みを能率よく行うことができますが、芝草が弱っている時などは大きな半径で優しく回ってください。

      g005116

      Important: 絶対にグリーンの上に停止してはいけません。特に、カッティングユニットを作動させたままで停止するとターフが損傷します。グリーンの上で停止するとタイヤ跡が残ることがあります。

    外周刈りと仕上げ

    1. 最後にグリーンの外周を刈ります。これも前回と反対の方向から刈るようにしましょう。

      刈り込んだ後の見映えをより良くしたり、いわゆる外周リングを目立たなくする方法については旋回半径有線速度(RDS)システムについてを参照してください。

      Note: 常に天候や芝状態を考慮すること、毎回刈り込みの方向を変えることが大切です。

    2. 外周刈りが終わったら、タップオフ遅延が ON の場合には昇降ジョイスティックを軽く後ろに引いて、そのままグリーンから出てください。全部のカッティングユニットがグリーンの外に出たら、昇降ジョイスティックを後ろに引いてカッティングユニットを上昇させます。

      Note: このようにすれば、グリーンの上に刈りかすがこぼれ落ちません。

    3. 旗を戻して終了です。

    4. 全部の集草箱を空にしてから、次のグリーンに移動します。

      Note: 濡れて重くなった刈りかすは集草バスケット、サスペンション、アクチュエータへの負担となります。マシンに余分な重要を掛けることになり、エネルギー効率を悪くします。

    バッテリーシステムの充電レベルをモニタする

    バッテリーシステムの充電レベルを調べるには、インフォセンターのメイン情報画面を見てください;インフォセンターLCDの使い方を参照。

    バッテリー残量アドバイスの内容

    • バッテリーの残量が少なくなるとインフォセンターに残量低下アドバイスが表示されます。作業中にこれが表示された場合には、刈り込み中のグリーンが終了したら管理棟などにかえって充電を行ってください;リチウムイオンバッテリーの充電を参照。

    • 作業中にバッテリーの残量がさらに少なくなると(10%未満)、警告アドバイスがインフォセンターに表示されます。このアドバイスが出たらカッティングユニットは作動しなくなり、低速での移動走行以外はできなくなります。ただちに管理棟などに帰ってバッテリーの充電を行ってください;リチウムイオンバッテリーの充電を参照。

    マシンの停止手順

    1. 平らな場所に移動する。

    2. 機能コントロールスイッチを ニュートラル にする。

    3. 駐車ブレーキを掛ける。

    4. マシンを停止する時にはキーをOFF位置にする。

    5. キーを抜き取る。

    運転終了後に

    運転終了後の安全確認

    安全に関する一般的な注意

    • 運転席を離れる前に、マシンを停止し、キーを抜き取り、機械の動きが完全に停止したのを確認する。調整、整備、洗浄、格納などは、機体が十分に冷えてから行ってください。

    • 火災防止のため、機体、特にカッティングユニットや駆動部に、草や木の葉、ホコリなどが溜まらないようご注意ください。

    • 格納時や搬送時には主電源コネクタを外してください。

    • 移動走行時など、刈り込みなどの作業をしていない時には、アタッチメントの駆動を解除しておいてください。

    • 閉めきった場所に本機を格納する場合は、機械が十分冷えていることを確認する。

    • 必要に応じてシートベルトの清掃と整備を行ってください。

    • ガス湯沸かし器のパイロット火やストーブなど裸火や火花を発するものがある近くでは、本機を保管・格納しないでください。

    牽引時の安全事項

    • この機械の牽引は、必ず牽引装置(ヒッチ)を装備した車両で行ってください。牽引される側の機械は、ヒッチポイントでのみ連結してください。

    • メーカーが決めた牽引時の重量制限や斜面での牽引制限を守ってください。斜面などでは、牽引される側の機械の重量によって運転制御ができなくなる危険があります。

    • 牽引される側の機械には絶対に子供などを乗せないでください。

    • 牽引は低速で行い、停止距離を十分にとってください。

    バッテリーのチャージャの安全確保

    概要

    • バッテリーチャージャの不適切な取り扱いは人身事故につながります。事故防止のため、安全上の注意を必ずお守りください。

    • 付属のチャージャ以外のものでバッテリーの充電をしないでください。

    • 使用している電源とチャージャの電圧仕様が一致していることを確認してください。

    • 米国外で使用する場合には、必要に応じて付属の変換プラグをご使用ください。

    • 雨の中やぬれた状態で充電を行わないでください。

    • チャージャを濡らさないでください;雨や雪がかからぬよう防護措置をお願いします。

    • トロが発売していない、または推奨していないアクセサリを使用すると、火災、感電その他の人身事故が起こる恐れがあります。

    • バッテリーの爆発事故を防止するために、チャージャの近くで使用する機器については以下の注意を必ずお守りください。

    • バッテリーを充電しすぎると爆発性のガスが発生することがあります。

    • バッテリーを開けないでください。

    • 万一バッテリーから液漏れが発生した場合には、液に触れないでください。バッテリー液に触れてしまった場合は、真水で洗浄後、医師の手当てを受けてください。バッテリー液に触れると痛みを感じたり火傷を負ったりします。

    • バッテリーの整備が必要になった場合には、トロ正規ディストリビュータにご連絡ください。

    トレーニング

    • 子供やトレーニングを受けていない大人には、絶対にチャージャの操作や整備をさせないでください。地域によっては機械のオペレータに年齢制限を設けていることがありますのでご注意ください。オーナーは、オペレータ全員にトレーニングを受講させる責任があります。

    • ご使用になる前に全部の注意事項に目を通し、チャージャの取り扱いに際してはそれらの注意事項を必ず守ってください。チャージャの正しい使用方法に慣れてください。

    運転の前に

    • 充電中は周囲に人、特に子供を近づけないでください。

    • 充電作業にふさわしい服装をし、安全めがね、長ズボン、頑丈で滑りにくい安全な靴を着用してください。

    • 充電は、マシン停止後 5 秒以上経過して回路が完全に機能を停止した後に開始してください。これを怠るとアークが発生する危険があります。

    • 充電中は十分に換気してください。

    • 充電に関わる注意事項は必ずお守りください。

    • このチャージャは、通常のAC 120 および 240 ボルト用の充電装置であり、付属のアースプラグは 120 ボルト用です。240 V で使用する場合には、弊社正規代理店にご確認の上、適切な電源コードをご使用ください。

    運転操作

    • コードはていねいに取り扱ってください。コードを持ってチャージャをぶら下げたり、コンセントから外すときにコードを持って引き抜いたりしないでください。コードが高温や油脂や鋭利なものに触れないように注意してください。

    • チャージャは、アース端子付きの(三又)コンセントに直接接続して使用してください。アースされていないコンセントやアダプタを介してのご使用はお控えください。

    • 付属のコードを改造しないでください。

    • バッテリーの上や近くに金属製の工具などを落とさないでください;火花が飛んだりショートを起こしたりするとバッテリーが爆発する危険があります。

    • 指輪、ブレスレット、ネックレス、腕時計などの金属製品を身に着けての作業は危険ですからおやめください。リチウムイオンバッテリーは非常に大きなエネルギーを蓄えており大火傷を負う危険があります。

    • 暗い場所などチャージャをはっきりと見ることができない場所では絶対に取り扱わないでください。

    • 延長コードは適正なものを使ってください。

    • コンセントに差し込まれている間にコードに傷が付いた場合には、コンセントから抜きとり、弊社サービスディーラから代わりのコードを購入してください。

    • 以下の場合はチャージャをコンセントから抜いてください: 使用していないとき、チャージャを別の場所に移動するとき、チャージャに整備作業を施すとき。

    保守整備と格納保管

    • チャージャの保管は、屋内の乾燥した場所、部外者の手の届かない場所を選んでください。

    • チャージャを分解しないでください。整備や修理が必要になった場合には、トロ正規ディストリビュータにご連絡ください。

    • 感電事故を防ぐため、チャージャの保守作業や清掃作業は必ずプラグをコンセントから抜いて行ってください。

    • 機体に貼ってある安全ラベルや説明ラベルは必要に応じて新しいものに貼り替えてください。

    • 破損したコードやプラグをチャージャに使用しないでください。コードやプラグが破損した場合は直ちに交換してください

    • チャージャが衝撃を受けたり、チャージャを落としたりした場合には、チャージャの使用を中止し、トロのディストリビュータに検査を依頼してください。

    刈り込み作業後の点検と清掃

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • 作業後の洗浄と点検
  • 芝刈り作業が終わったら、ホースと水道水で洗車をしますが、水圧が高いとシールやベアリングや電気機器に浸水しますからノズルは使用しないでください。電気配線部分には水を掛けないでください。

    Important: 塩分を含んだ水や処理水は機体の洗浄に使用しないでください。

    Important: 圧力洗浄機で機体を洗浄しないでください。高圧の水で洗浄すると電気系統の損傷、重要なデカルのはがれ、グリス部への水の浸入などを起こす恐れがあります。シールの裏側に水が入るとハウジング内部のオイルやグリスが汚染されてしまいます。コントロールパネルやバッテリーの周囲に大量の水を掛けないでください。

    機体の洗浄が終了したら、カッティングユニットの切れ味をチェックしてください。

    トレーラへの積み込み

    • トレーラやトラックに芝刈り機を積み降ろすときには安全に十分注意してください。

    • 積み込みには、機体と同じ幅のある歩み板を使用してください。

    • 荷台に載せたら、ストラップ、チェーン、ケーブル、ロープなどで機体を確実に固定してください。機体の前後に取り付けた固定ロープは、どちらも、機体を外側に引っ張るように配置してください (図 31)。

      g292693

    緊急時の牽引について

    Note: 手順については図 32を参照。

    g267401

    マシンを牽引する場合には、以下の要領でブレーキアクチュエータを解除することが必要です:

    1. 駐車ブレーキを掛ける。

    2. キーを抜き取り、主電源コネクタを外す。

      Important: 主電源コネクタを外さずに牽引すると電気系統を損傷する恐れがあります。

    3. 3 WD キット搭載マシンでは、キットのワイヤハーネスをメインのワイヤハーネスから外す。

      Important: キットのハーネスメインのハーネスを外さずに牽引すると電気系統を損傷する恐れがあります。

    4. 左右の前輪に輪止めを掛ける。

    5. アイボルトをスプリングブラケットに固定しているナットをゆるめてスプリングのテンションを解除する(図 32)。

    6. スプリングを外す。

    7. アームブラケットの穴にラチェット(⅜")を入れてアクチュエータシャフトを押し込む。

      危険

      アクチュエータがブレーキから外れると、マシンはブレーキを解放した状態となって自由に転がる。マシンが勝手に動き出して人に当たるなどすると人身事故になる危険がある。

      牽引中以外には、必ず駐車ブレーキを掛けること。

    8. 牽引中にブレーキでマシンの制御を行えるように、一人がマシンの運転席に座ってシートベルトを着用する。

      Note: これにより、牽引中にマシンを確実に制御することができます。

    9. タイヤの輪止めを取り外す。

    10. 牽引準備が整ったら駐車ブレーキを解除する。

    11. マシンの後キャスタフォークに牽引ロープを取り付けて牽引する(図 33)。

      Important: 牽引速度は 5 km/h 以内としてください。この速度を超えると電気系統を損傷する恐れがあります。

      g270135

    目的地まで牽引したら、以下の作業を行ってください:

    1. 駐車ブレーキを掛ける。

    2. キャスタフォークから牽引ロープなどを外す。

    3. スプリングを 図 32 のように取り付ける。

    4. アイボルトのナットを締め付けてスプリングの長さ(取り付けた状態)を 11.4 cm にする(図 32)。

    リチウムイオンバッテリーの保守

    警告

    バッテリーには高電圧部があり、これに触れると感電やけどなどを負う危険がある。

    • バッテリーを開けないこと。

    • 万一ケースが割れた場合には、バッテリーの取り扱いに細心の注意を払うこと。

    • バッテリーパックの充電は必ず専用の充電器(モデル 04012)で行うこと。

    リチウムイオンバッテリーは、所定の仕事を行うことのできる十分な電力の蓄積を、製品寿命の最後まで行えるように作られています。最初の 4 年間は、1回の満充電で 13,006 m2の刈り込みを行うことができますが、これは、以下の条件を前提としております:

    • リールとベッドナイフが鋭利に維持されていること。

    • オペレーターズマニュアルに従ってリールと下刃の刃合わせの調整が行われていること。

    • グルーマの設定は刈高の半分の深さであること。

    • 後ローラブラシの設定はごく軽い設定であること。

    • 移動走行距離は 13 km 程度であること。

    • 刈り込みを行う場所のアンジュレーションが軽度であること。

    時間の経過とともに、1回の充電でバッテリーが行うことのできる仕事の量は徐々に低下してきます。

    Note: 実際の性能は、現場までの移動のためにマシンを作動させる時間、運転場所のアンジュレーション、ベッドナイフとリールの鋭利さと刃合わせ条件など、いろいろな条件によって変わってきます。

    バッテリーの寿命を最大限に延ばして十分な利用ができるよう、以下の注意点をお守りください。

    • バッテリーを開けないでください。内部に交換可能な部品などはありません。パックを開けると製品保証が適用されなくなります。バッテリーにはいたずら防止装置が付いています。

    • マシンの駐車・格納は、汚れていない乾燥した場所で、直射日光や熱源、雨や湿気を避けて行ってください。気温が-30°C を下回るような場所や 60°C を上回るような場所で保管しないでください。この範囲外の温度では、バッテリーが破損します。 保管中の高温、特に高充電状態で高温にさらされると、バッテリーの寿命が低下します。

    • マシンを使用しない期間が 10 日間を超える場合には、直射日光のあたらない乾燥した涼しい場所で雨や湿気を避けてマシンを格納し、少なくとも 50% 充電した状態で保管してください。

    • 高温下や直射日光の下で刈り込みを行うとバッテリーがオーバーヒートする可能性があります。このようなことが起こった場合には、インフォセンターに高温警告が表示されます。そして、カッティングユニットが停止し、マシンはスローダウンします。

      このような状態になったら、直ちにマシンを直射日光の当たらない場所に移動させ、バッテリーが十分冷えるまで待ってください。

    • また、リールとベッドナイフの摺り合せを出来る限り軽くしてください。これにより、カッティングユニットを回転させるために必要な力が少なくなり、1回の充電でできる仕事の量を大きくすることができます。リールとベッドナイフの摺り合わせを点検するを参照。

    • リール刃と下刃を鋭利に維持してください。刃の切れが悪いとリールを回転させるために余分な力が必要になり、1回の充電でできる仕事の量が少なくなります。

    • グルーマを使用する場合、グルーマの高さ設定が刈高の1/2を超えないようにしてください。たとえば、刈高の設定が13 mm の場合はグルーマの設定は 6.5 mm 以下としてください。

    • また、後ローラブラシの接触は出来る限り軽くしてください。これにより、カッティングユニットを回転させるために必要な力が少なくなり、1回の充電でできる仕事の量を大きくすることができます。

    • 照明キットを搭載しているマシンでは、必要時以外には照明を使用しないでください。

    リチウムイオンバッテリーの輸送

    米国交通省および国際交通規制当局の定めにより、リチウムイオン電池の輸送に際しては特殊な梱包が義務付けられており、また、その搬送には専用の機材を使用することが求められております。米国内においては、バッテリーをマシンに取り付けてバッテリー駆動機械となったものについては、ほとんど規制なく搬送を行うことができます。バッテリーや、バッテリーを搭載した機械を搬送するに当たってどのような規制が存在するかは、米国内の規制については米国交通省へ、米国外においては各国や地域の所轄政府機関にお問い合わせください。

    バッテリーを輸送する場合にの詳細については、弊社ディストリビュータにご相談ください。

    リチウムイオンバッテリー用の充電器について

    バッテリーチャージャの標示やコードについては図 34を参照してください。

    g251620g251632

    電源への接続

    感電事故を防止するため、このチャージャではアース付き3又プラグ(タイプB)を使用しています。付属のプラグがコンセントに合わない場合には、代理店にて適合するプラグをお求めください。

    チャージャや電源コードを変えないでください。

    危険

    マシンに充電中に水に触れると感電して人身事故となり、最悪の場合死亡する危険がある。

    • ぬれた手でプラグやチャージャを操作したり、水たまりに立って操作しないこと。

    • 雨の中やぬれた状態でバッテリーの充電を行わないでください。

    Important: 電源コードの被覆が割れたり穴が開いたりしていないか、定期的に点検してください。破損しているコードを使用しないでください。コードを水たまりの上やぬれた芝生の上に置かないでください。

    1. 電源コードに付いているチャージャ用プラグを、対応するチャージャの電源ソケットに接続する。

      警告

      破損したコードは感電事故や火災の原因となる。

      チャージャを使用する前に電源コードを十分に点検すること。コードが破損している場合は、新しいコードが入手できるまで充電を行わないこと。

    2. 電源コードに付いているコンセント用プラグを、アース付きの電源コンセントに接続する。

    リチウムイオンバッテリーの充電

    注意

    トロ社が供給したバッテリーチャージャ以外のチャージャでバッテリーを充電すると、高熱を発生したりするなどして製品の破損や施設の損傷、人身事故などを起こす恐れがある。

    バッテリーの充電は専用の充電器(モデル 04012)で行うこと。

    Important: バッテリーの充電は推奨温度範囲内で行ってください;以下の表を参照してください:

    Note: 充電器は、以下の表に示された動作範囲を外れた温度では正常に機能しません。

    充電のための推奨温度範囲

    通常充電範囲0°-45°C
    低温時の充電範囲(低電流にて)-5°-0°C
    高温時の充電範囲(低電流にて)45°-60°C
    1. マシンを、所定の充電場所に駐車する。

    2. 駐車ブレーキを掛け、機能コントローラスイッチをニュートラルにする。

    3. カッティングユニットが解除状態であることを確認しユニットを床面まで降下させる。

    4. マシンを停止させ、キーを抜き取る。

    5. 主電源コネクタを外してバッテリーとマシンの接続を解除する;主電源コネクタを参照。

    6. コネクタにごみやほこりが付着していないことを確認する。

    7. チャージャからの出力コネクタをマシンの充電コネクタに接続する(図 35)。

      Note: マシンのコネクタはマシンに固定されている主電源コネクタの下にあります。

      g292546
    8. チャージャの電源コードを電源に接続する;電源への接続を参照。

    9. チャージャがバッテリーの充電を開始したことを確認する。

      Note: バッテリー充電インジケータが点滅し、充電出力インジケータが点灯していれば正常に充電が行われています。

    10. 適正レベルまで充電できたら、チャージャの接続を外す;充電を終了するを参照。

    充電プロセスの監視とトラブルシューティング

    Note: 充電中は、LCD 状態表示ディスプレイが充電状態を表示します。ほとんどがルーチンです。

    何らかの不具合がある場合には、エラー表示ランプがオレンジ色で点滅するか赤色で点灯します。インフォセンターにはエラーメッセージが表示されます;表示は 1 桁ずつおこなわれ、E または F の文字で始まります(例:E-0-1-1)。

    エラー処理については、を参照してください。掲載されているエラー処理で問題を解決できない場合には、弊社代理店にご連絡ください。

    充電を終了する

    充電が完了すると、バッテリー充電インジケータランプ(図 34)が緑色に点灯し、充填出力インジケータが消灯します。

    1. 充電器のコネクタをマシンから外します。

    2. 破損防止のため、充電器のコネクタとコードを収納します。

    3. 主電源コネクタが汚れていないのを確認する。

    4. 主電源コネクタを接続する;主電源コネクタを参照。

    5. マシンを ON にする;マシンを作動させるを参照。

    6. 充電レベルを確認する;インフォセンターLCDの使い方を参照。

    保守

    保守作業時の安全確保

    • 運転席を離れる前に:

      • 平らな場所に駐車する。

      • 機能コントロールスイッチを ニュートラル にする。

      • カッティングユニットが解除状態であることを確認しユニットを床面まで降下させる。

      • 駐車ブレーキを掛ける。

      • マシンを停止させ、キーを抜き取る。

      • 全ての動きが停止するのを待つ。

    • 保守作業は、各部が十分冷えてから行う。

    • 適切な資格を持っている人のみが機械の整備を行ってください。

    • 整備作業にかかる前に主電源コネクタを外す。

    • 可能な限り、マシンを作動させながらの整備はしない。可動部に近づかない。

    • 機体の下で作業する場合には、必ずジャッキスタンドで機体を確実に支える。

    • 機器類を取り外すとき、スプリングなどの力が掛かっている場合があります。

    • マシン各部が良好な状態にあり、ボルトナット類が十分にしまっているか常に点検してください。

    • 読めなくなったデカルは貼り替えてください。

    • 機械の性能を完全に引き出し、かつ安全にお使いいただくために、交換部品は純正品をお使いください。他社の部品を御使用になると危険な場合があり、製品保証を受けられなくなる場合がありますのでおやめください。

    推奨される定期整備作業

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 8 時間
  • ホイールナットのトルク締めを行う。
  • 走行モータのギアボックスのオイルを交換する。
  • 使用するごとまたは毎日
  • シートベルトに摩耗や傷がないか点検する。一部でも正常に機能しないシートベルトは交換する。
  • 安全インタロックシステムの動作を確認します。
  • 作業後の洗浄と点検
  • タイヤ空気圧を点検する。
  • リールとベッドナイフの摺り合わせを点検する。
  • 機体を洗浄する(高圧洗浄器は使わない)。
  • 50運転時間ごと
  • バッテリーケーブルの接続状態を点検する。
  • 200運転時間ごと
  • ホイールナットのトルク締めを行う。
  • 800運転時間ごと
  • 走行モータのギアボックスのオイルを交換する。
  • 始業点検表

    このページをコピーして使ってください。

    点検項目第週
    インタロックの動作を点検する。       
    計器類の動作を確認する。       
    ブレーキの動作を確認する。       
    タイヤ空気圧を点検する。       
    リールとベッドナイフの摺り合わせを点検する。       
    刈高の調整具合を点検する。       
    塗装傷のタッチアップ修理を行う。       
    マシンを洗浄する。       
    要注意個所の記録
    点検担当者名:
    内容日付記事
       
       
       
       
       

    整備前に行う作業

    車体をジャッキで持ち上げる場合

    危険

    機械式や油圧式のジャッキが外れると重大な人身事故が発生する。

    • 機体をジャッキアップしたら、ジャッキスタンドで支える。

    • マシンを浮かす作業は機械式または油圧式のジャッキ以外では行わない。

    1. ジャッキアップポイントの下にジャッキを置く(図 36)。

      • 機体左側のフットステップ

      • 機体右側のジャッキブラケット

      • 機体後部のキャスタフォーク

      g286954
    2. マシンを浮かせたら、以下の部分に適切なジャッキスタンドを入れて機体を支える(図 37)。

      • 機体後部のバッテリートレイ

      • 機体前部のカッティングユニット用ピボットマウント

    g296353

    フードを上げる

    1. フードの両側でストラップを外す(図 38)。

      g292114
    2. フードを上げる(図 38)。

    電気系統の整備

    電気系統に関する安全確保

    • 修理作業にかかる前に主電源コネクタを外す。

    • バッテリーの充電は、火花や火気のない換気の良い場所で行ってください。バッテリーと充電器の接続や切り離しを行うときは、充電器をコンセントから抜いておいてください。また、安全な服装を心がけ、工具は確実に絶縁されたものを使ってください。

    マシンへの電源の接続と切断

    マシンには、バッテリーから主電源コネクタを経由して電源が供給されます。コネクタを外せば電源供給が停止され、接続すれば供給が始まります。主電源コネクタを参照。

    ヒューズの搭載位置

    48 V システムのヒューズ

    48 V システムのヒューズは座席下にあります(図 39)。

    g288685

    12 V システムのヒューズ

    12 V システムのヒューズは、マシン右側のカバーの下(図 40)にあります。

    g279712

    ヒューズブロックの各ヒューズの対応先は図 41で解説しています:

    g279711

    リール駆動回路のヒューズの搭載場所

    リール駆動回路のヒューズは、マシン左側のカバーの下にあります。左側のカバーを外し、ヒューズブロックのカバーも外すとアクセスできます(図 42)。

    g278267

    ヒューズブロックのデカルの記号の意味は図 43で解説しています:

    g278268

    プレチャージコントローラのヒューズ

    プレチャージコントローラの保護ヒューズは、中央(後)バッテリーセットの左側にあるワイヤハーネスに付いている専用ヒューズホルダーに入っています(図 44)。

    g292133

    ホイールモータと電装系ヒューズ

    • 右ホイールモータのヒューズ(60 A)は座席下にあります(図 45)。

      g288688
    • 左ホイールモータのヒューズ(60 A)は、マシン左側のカバーの下、リール駆動回路用ヒューズの近くにあります(図 46)。

      g282896
    • 回路保護用のヒューズは主電源コネクタの下にあります(図 47)。

      g296483

    バッテリーの整備

    Note: マシンはリチウムイオンバッテリーを8本搭載しています。

    リチウムイオンバッテリーは、国や地域の法令に従って廃棄やりサイクルを行ってください。万一バッテリーに問題が発生したり検査の必要が生じた場合には、弊社ディストリビュータにご相談ください。

    バッテリーの交換可能パーツはラベルのみです。バッテリーの主コンパートメントを開けると製品保証が適用されなくなります。万一バッテリーに不具合が発生した場合には、弊社ディストリビュータにご相談ください。

    バッテリーチャージャの保守整備

    Important: 電気修理はすべてトロの正規代理店にお任せください。

    お客様ができるバッテリー整備は、破損からの保護や悪天候からの保護以外にはほとんどありません。

    バッテリーチャージャのコードについて

    • コードは使用後に軽く湿らせた布できれいに拭いてください。

    • 清掃後のコードは輪にして保管してください。

    • コードが損傷していないか定期的に点検し、交換が必要な時はToroの承認する製品を入手してください。

    バッテリーチャージャのケースの清掃

    ケースは使用後に軽く湿らせた布できれいに拭いてください。

    走行系統の整備

    タイヤ空気圧を点検する

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • タイヤ空気圧を点検する。
  • タイヤ空気圧はターフのコンディションに合わせて適宜変えてください:適正範囲の最低値は 0.83 bar、最高値は 1.10 barです。

    Important: タイヤ空気圧は3輪とも同じに調整してください。3輪とも同じでないと適切な性能を発揮することができません。

    ホイールナットのトルクを点検する

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 8 時間
  • ホイールナットのトルク締めを行う。
  • 200運転時間ごと
  • ホイールナットのトルク締めを行う。
  • 警告

    適切なトルク締めを怠ると車輪の脱落や破損から人身事故につながる恐れがあります。

    各ホイールナットを所定のトルクに適切な締め付け順序を守って締め付ける。

    ホイールナットの規定トルク:108-122 N·m(9.7-12.5 kg.m = 80-90 ft-lb)

    均等な締め付けになるように図 48に示すパターンで少しずつ締め付けてください。

    g274650

    走行モータのギアボックスのオイル交換

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 8 時間
  • 走行モータのギアボックスのオイルを交換する。
  • 800運転時間ごと
  • 走行モータのギアボックスのオイルを交換する。
  • オイルの仕様: SAE 80W90

    ギアボックスの容量: 約 384 ml

    1. 車体をジャッキで持ち上げる;車体をジャッキで持ち上げる場合を参照。

      Important: ギアボックスに適正量のオイルを入れるためには機体が水平であることが必要です。ジャッキスタンドで機体を水平に支持してください。

    2. 以下の要領で左右のタイヤを外します:

      1. ホイールラグナットをゆるめて外す(図 49)。

        g280226
      2. 左右のタイヤを外す。

    3. ホイールモータアセンブリ下にオイルを受ける容器を置く(図 50)。

      g322517
    4. ドレンポートからプラグを外す(図 50)。

      Note: ドレンポートはギアボックスの底部にあります。

      Note: オイルが完全に抜けるまで待ってください。

    5. プラグをきれいに拭く。

    6. ドレンポートにドレンプラグを取り付ける(図 50)。

    7. ギアボックス上部から換気ホースとフィッティングを外す(図 51)。

      g322518
    8. 給油ポートから所定のオイルを 384 ml 入れる。

    9. 給油ポートに換気ホースとフィッティングを取り付ける(図 51)。

    10. 以下の要領でタイヤを取り付ける:

      1. 左右のホイールハブにタイヤを取り付ける。

      2. ホイールラグナットを取り付ける(図 49)。

      3. 各ラグナットをホイールナットのトルクを点検するに表示されている所定のトルクにトルク締めする。

    ブレーキの整備

    ブレーキの調整

    駐車中にブレーキが十分に利かずに車両が動いてしまう場合には、調整してください;さらに詳しいことについては弊社代理店に問い合わせるか サービスマニュアル を参照してください。

    カッティングユニットの保守

    刈り込みブレードについての安全事項

    磨耗したり破損したりしたリール刃や下刃は使用中に割れて破片が飛び出す場合があり、これが起こるとオペレータや周囲の人間に多大の危険を及ぼし、最悪の場合には死亡事故となる。

    • リール刃や下刃が磨耗や破損していないか定期的に点検すること。

    • 刃を点検する時には安全に十分注意してください。必ず手袋を着用してください。リールと下刃は研磨するか交換するかのみ行い、たたいて修復したり溶接したりしないでください。

    • 複数のカッティングユニットを持つ機械では、1つのリールを回転させると他のカッティングユニットのリールも回転する場合がありますから注意してください。

    カッティングユニットの取り付けと取り外し

    Note: カッティングユニットが機体から外した場合には、そのカッティングユニットのリールモータを、サスペンションアームの前部にある一時保管位置にセットしておくと、誤って破損させるなどの事故を防止することができます。

    Important: リールモータをホルダー(フレーム)に入れたままでサスペンションを「移動走行」位置にしないでください。モータやホースが破損する恐れがあります。

    Important: ベッドナイフやリールを見るためにカッティングユニットを立てる場合には、ベッドバー調整ねじのナットが床面に接触しないように、カッティングユニットの後ろ側をスタンドなどで支えてください(図 52)。

    g014596

    カッティングユニットを取り付ける

    カッティングユニットを取り付けるためには、サスペンションを下げる必要があります。サスペンションは以下の要領で下げます:

    1. よごれのない平らな場所に駐車する。

    2. 機能コントロールスイッチを ニュートラル にする。

    3. スイッチにキーを差し込んで ON 位置に回す。

    4. 昇降ジョイスティックでサスペンションを下げる。

    5. 駐車ブレーキを掛け、マシンを停止させ、キーを抜き取る。

    カッティングユニットの取り付けは以下の要領で行います:

    1. 主電源コネクタを外す;主電源コネクタを参照。

      注意

      マシンへの給電遮断をしないと、誰でもいつでもカッティングユニットを始動させることができ、手や足に大怪我を負う危険がある。

      カッティングユニットの整備などを行う際には、必ずその前に、主電源コネクタ部で電源を遮断すること。

    2. フットレストを跳ね上げて開き、中央カッティングユニット取り付け位置へのアクセスを確保する(図 53)。

      注意

      フットレストが閉じると、指を挟まれる恐れがある。

      開いているフットレストが急に閉じて、指が挟まれないように注意すること。

      g014602
    3. 中央サスペンションアームの下にカッティングユニットを置く。

    4. サスペンションアームのバーについているラッチ(図 54)を開き、サスペンションアームを押し下げてバーをカッティングユニットの両方のピッチアームの上におろし、ラッチがカッティングユニットのクロスバーの下にくるようにする(図 55)。

      g014609
      g014611
    5. ラッチを下げて閉じるとカッティングユニットのバーがロックされてユニットがアームにセットされる(図 54)。

      Note: ラッチが正しくロックされると、「カチッ」という音が聞こえ手ごたえが感じられます。

    6. カッティングユニット用モータのスプラインシャフトにきれいなグリスを塗りつける(図 56)。

    7. モータを、カッティングユニットの左側(運転席から見て)に取り付け、カッティングユニットについているモータ固定バーを、モータの上から被せるようにセットし、モータの左右から「カチッ」というロック音が聞こえるまで押し下げる(図 56)。

      g036122
    8. サスペンションアームについているバスケット用フックに集草バスケットを取り付ける。

    9. 残りのカッティングユニットにも同作業を行う。

    10. 主電源コネクタを接続する;主電源コネクタを参照。

    カッティングユニットを取り外す

    1. 汚れのない平らな場所に駐車し、機能コントロールスイッチをニュートラルにし、昇降ジョイスティックを操作してカッティングユニットを降下させる。

    2. 駐車ブレーキを掛け、マシンを停止させ、キーを抜き取る。

    3. 主電源コネクタを外す;主電源コネクタを参照。

      注意

      マシンへの給電遮断をしないと、誰でもいつでもカッティングユニットを始動させることができ、手や足に大怪我を負う危険がある。

      カッティングユニットの整備などを行う際には、必ずその前に、主電源コネクタ部で電源を遮断すること。

    4. リールモータのスロットに嵌っているモータ固定バーを、スロットからカッティングユニット側に押し出すようにして外し、モータを取り外す。

      g036123
    5. 外したモータは、サスペンションアームの前部にある一時保管位置にセットしておく(図 58)。

      g036124

      Note: カッティングユニットの整備(研磨、刈高調整など)を行う場合には、そのカッティングユニットのリールモータを、サスペンションアームの前部にある一時保管位置にセットしておくと、誤って破損させるなどの事故を防止することができます。

      Important: リールモータをホルダー(保管位置)に入れたままでサスペンションを「移動走行」位置にしないでください。モータやワイヤが破損する恐れがあります。カッティングユニットを取り付けない状態でトラクションユニットを移動させなければならない場合には、ケーブルタイでモータを固定してください。

    6. 取り外したいカッティングユニットのサスペンションアームのバーについているラッチを開く(図 54)。

    7. カッティングユニットのバーからラッチを外す。

    8. サスペンションアームの下からカッティングユニットを引き出す。

    9. 必要に応じて、残りのカッティングユニットにも4から8までの作業を行う。

    10. 主電源コネクタを接続する;主電源コネクタを参照。

    リールとベッドナイフの摺り合わせを点検する

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • リールとベッドナイフの摺り合わせを点検する。
  • 前日の調子に関係なく、毎日、芝刈り作業を行う前に、各カッティングユニットのリールとベッドナイフの接触状態を点検してください。リールと下刃の全長にわたって軽い接触があれば適正です。カッティングユニットのオペレーターズマニュアルを参照。

    リールの点検を行う前に、主電源コネクタを外す;主電源コネクタを参照。作業終了後には接続してください。

    カッティングユニットのバックラップ

    警告

    ベッドナイフ、リール、その他の可動部に触れると大けがをする。

    • リールその他の可動部に手指、足、衣類等を近づけないよう注意すること。

    • マシンが動いている間は、止まったリールを絶対に手や足で回そうとしないこと。

    1. 平らな場所に駐車し、カッティングユニットを降下させ、機能コントロールスイッチをニュートラル位置にし、駐車ブレーキを掛け、マシンを停止させてキーを抜き取る。

    2. 各カッティングユニットのリールと下刃をバックラップ用に設定する;カッティングユニットのオペレーターズマニュアルを参照。

    3. スイッチにキーを差し込んでマシンを起動する。

    4. インフォセンターを操作し整備(SERVICE)メニュー画面からバックラップ(BACKLAP)を選択する。

    5. BACKLAP を ONにする。

    6. メインメニューから下へスクロールして設定(Settings)へ行く。

    7. SETTINGS から下へスクロールして BACKLAP RPM へいき、±ボタンを使用して希望する数値に設定する。

    8. 機能コントロールスイッチをニュートラル位置にして、昇降ジョイスティックを前に倒すとリールが回転してバックラップが始まる。

    9. 長い柄のブラシを使ってラッピングコンパウンドを塗布しながらラッピングを続ける。柄の短いブラシは絶対に使用しないこと。

    10. リールの回転が止まってしまったり、回転が一定しない場合には、安定する速度までバックラップ速度を少しずつ上げていく。

    11. バックラップ中にカッティングユニットを調整する必要が生じた場合は、昇降ジョイスティックを後ろに引き、マシンを停止させて、調整を行う。調整が終ったら3-9を行う。

    12. バックラップするユニット全部に上記手順を行う。

    13. 設定ができたら BACKLAP 設定を OFF にするかキーを OFF にする。これによりマシンは前進刈り込み設定に戻る。

    14. カッティングユニットについているラッピングコンパウンドを完全に洗い落とす。必要に応じてリールとベッドナイフの刃合わせを行う。リール回転速度コントロールを、希望の速度位置にセットする。

      Important: カッティングユニットの洗浄には高圧洗浄器を使わないでください。ベアリングやシールを破損させる可能性があります。

    保管

    長期間にわたって保管する場合には、格納保管の準備の作業を行ってください。

    格納保管時の安全確保

    • 運転席を離れる前に、カッティングユニットを降下させ、駐車ブレーキを掛け、マシンを停止し、キーを抜き取り、機械の動きが完全に停止したのを確認する。調整、整備、洗浄、格納などは、機体が十分に冷えてから行ってください。

    • ガス湯沸かし器のパイロット火やストーブなど裸火や火花を発するものがある近くでは、本機を保管・格納しないでください。

    • マシンの格納は、汚れていない乾燥した屋内で、直射日光を避け、子供の手が届かない状態で行ってください。

    格納保管の準備

    1. 各部の調整、洗浄、格納、修理などは、必ずマシンを停止させ、キーを抜き取り、各部が完全に停止し、機体が十分に冷えてから行ってください。

    2. 機体からゴミや刈りかすをきれいに取り除く。必要に応じてリールと下刃の研磨を行う;カッティングユニットのオペレーターズマニュアルを参照。ベッドナイフとリールの刃先に防錆剤を塗布する。

    3. 機体を持ち上げてタイヤに重量がかからないようにする。

    4. 格納期間が長期にわたる場合は、バッテリーの長期保管処理を行う;バッテリーの長期保管処理を参照。

    バッテリーの長期保管処理

    Note: バッテリーは機体から取り外さずに保管することができます。

    以下の表で、保管場所の温度に合った方法で保管してください。

    保管場所の温度条件

    保管場所の条件必要な温度
    通常の保管条件-20° – 45°C
    非常に高温 — 1 ヶ月以下45°-60°C
    非常に低温 — 3 ヶ月以下-30° – -20°C

    Important: この範囲外の温度では、バッテリーが破損します。バッテリーを保存する場所の気温はバッテリーの寿命に影響します。非常に気温の高いところに長期間格納すると、バッテリーの寿命が短くなります。格納は、保管場所の温度条件に示された通常の保管条件で行うようにしてください。

    • 格納前にバッテリーの充電状態を 40% - 60% (50.7 V - 52.1 V) に調整してください。

      Note: 充電状態 50% の時がバッテリー寿命を最も延長できます。満充電 100% で保管するとバッテリーの寿命は短くなります。長期間にわたって格納する場合には 60% 程度まで充電しておいてください。

    • そして6ヶ月ごとにバッテリーをチェックして、充電残量を 40% - 60% に維持してください。残量が40% 未満になっていたら、40% ー 60% まで充電してください。

    • バッテリーの残量確認は、マシンがOFFの状態でマルチメータを使用して行います。マルチメータの読み値と以下の表から残量を決定します:

      電圧充電残量
      52.1V60%
      51.4V50%
      50.7V40%
    • 充電が終了したら、バッテリーチャージャを電源から切り離してください。格納中は、放電を最小限に抑えるために電源コネクタを外しておいてください。

    • チャージャを電源から切り離さず、マシンに接続したままにすると、バッテリーが満充電された時点でチャージャの電源が切れ、再接続しないと次の充電は行われません。

    チャージャの保管

    1. マシンへの通電をOFFにする; マシンへの電源の接続と切断を参照。

    2. チャージャを電源から切り離し、電気コードを確実に巻き取る。

    3. 電源コードに傷や危険な摩耗がないか点検する。破損や摩耗があれば交換する。

    4. チャージャに傷や危険な摩耗やパーツのゆるみがないか点検する修理や交換が必要と思われる場合には、トロの正規代理店に依頼してください。

    5. チャージャと電源コードを共に、よごれていない乾燥した場所(壊されたり薬品などに侵されたりする危険のない場所)で保管する。

    故障探究

    ProblemPossible CauseCorrective Action
    Code E-0-0-1 または E-0-4-7
    1. バッテリー高電圧
    1. バッテリーの電圧が正しいこと、ケーブルが確実に接続されていることを確認;バッテリーの状態が正常であることを確認する。
    Code E-0-0-4
    1. BMS またはバッテリーの不具合を感知
    1. 代理店に連絡する。
    Code E-0-0-7
    1. バッテリーがアンペア時制限を超過
    1. 可能性として:バッテリーの劣化、放電程度が非常に大きい、接続の不完全、寄生負荷の存在などが考えられる。可能な対策:バッテリーを交換する。DC 側の接続を点検する。寄生負荷を発見して除去する。このエラーは、DC サイクルを完了させてチャージャがリセットされるとクリアされる。
    Code E-0-1-2
    1. 極性が逆になっている。
    1. バッテリーとチャージャとの接続が正しくない。接続を点検して修正する。
    Code E-0-2-3
    1. AC 電圧が高すぎる(> AC 270 V)
    1. 安定している AC 電源(AC 85-270 V / 45-65 Hz)にチャージャを接続する。
    Code E-0-2-4
    1. チャージャの初期化失敗。
    1. チャージャが正常に起動しなかった。AC 接続およびバッテリーとの接続を外し、30 秒間まってから再接続する。
    Code E-0-2-5
    1. AC 低電圧発振
    1. AC 電源が不安定発電機が小さすぎる、AC 電源とチャージャを結ぶ電源線が細すぎるなど。安定している AC 電源(AC 85-270 V / 45-65 Hz)にチャージャを接続する。
    Code E-0-3-7
    1. 再プログラミング失敗
    1. ソフトウェアの更新失敗またはスクリプトの実行失敗。新しいソフトウェアが正しくインストールされていることを確認する。
    Code E-0-2-9, E-0-3-0, E-0-3-2, E-0-4-6, または E-0-6-0
    1. バッテリーとの通信エラー
    1. バッテリーへの通信線が正しく接続されていることを確認する。
    ProblemPossible CauseCorrective Action
    F-0-0-1, F-0-0-2, F-0-0-3, F-0-0-4, F-0-0-5, F-0-0-6, または F-0-0-7
    1. チャージャ内部の不具合
    1. AC 接続とバッテリーへの接続を外して少なくとも 30 分間待ってもう一度試みる。再び同じ不具合が出るようであれば弊社代理店に連絡する。