安全について

この他、散布車両のオペレーターズマニュアル に記載されている安全事項や操作手順もよくお読みください。

薬剤の安全管理

警告

この散布装置で取り扱う農薬は人体や動植物、土壌などに危険を及ぼす可能性があるので取り扱いには十分注意すること。

  • 自分自身の安全を守るために、農薬を取り扱う前に、容器に張ってあるラベルや安全データシートなど取り扱い上の注意をよく読んで理解し、薬剤メーカーの指示を守る。たとえば、保護めがね(ゴグル)、手袋など、薬剤との接触を防止し危険から身を守ることのできる適切な保護対策を講じる。

  • 散布する薬剤は一種類とは限らないので、取り扱っているすべての薬剤に関して注意事項を必ず確認する。

  • 上記安全確保に必要な情報が手に入らない場合には、この装置の運転を拒否すること!

  • 散布装置の取り扱いを開始するまえに、その装置を前回使用したあとに薬剤メーカーの指示に従って3回のすすぎ洗いや必要な中和処理が行われたかを確認し、さらに、すべてのバルブについてそれぞれ 3 回の開閉操作を行うこと。

  • 十分な量の水と石鹸を身近に常備し、薬剤が皮膚に直接触れた場合には、直ちに洗浄してください。

  • 薬剤の取り扱いに関する適切な教育訓練を受けてください。

  • 目的にあった適切な薬剤を使用してください。

  • 薬剤を安全に使用するために、薬剤メーカーの指示を必ず守ってください。

  • 薬剤の取り扱いは換気のよい場所で行ってください。

  • 作業にあたっては保護めがね(ゴグル)など、メーカーが指定する安全対策を必ず実行してください。皮膚の露出をできるだけ小さくしてください。

  • いつでも、特に薬剤タンクに薬液を作るときに、真水を手元に用意してください。

  • 薬剤を取り扱い中は、飲食や喫煙をしないでください。

  • 作業終了後は直ちに手足や露出部をよく洗ってください。

  • 使用しなかった薬液や薬剤容器は、メーカーや地域の規則に従って適切に廃棄してください。

  • 薬剤や薬剤からの蒸気は危険です。絶対に、タンクの中に入ったり、頭を入れたり、タンクの上に顔をさらしたりしないでください。

  • 国や自治体の法律や規則を守って散布作業を行ってください。

組み立て

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

マシンの準備を行う

  1. 散布車を平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、ポンプとエンジンを停止し、キーを抜き取る。

  2. タンクと配管内部に残っている液体を排出する。詳細についてはオペレーターズマニュアルを参照のこと。

    Note: 液剤を排出した後でも、ホースの一部に薬剤が残っている可能性がありますから、ホースを取り外す際には十分に注意し、またバケツなどを用意しておいてください。

  3. シートベース・アセンブリのパネルを外して、すすぎタンクのレストブラケットを露出させる。

注意

農薬は人体に危険を及ぼす恐れがある。

  • 農薬を使う前に、農薬容器に貼ってあるラベルをよく読み、メーカーの指示を全て守って使用する。

  • スプレーを皮膚に付けない。万一付着した場合には真水と洗剤で十分に洗い落とす。

  • 作業にあたっては保護ゴーグルなど、メーカーが指定する安全対策を必ず実行する。

すすぎタンクを取り付ける

この作業に必要なパーツ

すすぎタンクのブラケット2
ワッシャ(大)2
フランジナット2
キャリッジボルト2

すすぎタンク用固定ベルトの固定金具を取り付ける

  1. タンク前部固定ベルトをタンク上部に固定している締結具を外す。再利用するので捨てないこと。 Rクランプを固定していた短いキャリッジボルトとナットは廃棄する。

  2. タンク前部固定ベルトの内側の穴にキャリッジボルト(2本)を取り付ける(図 1)。

    g022210
  3. 先ほど外した、タンク固定ベルト用の締結具を使って、タンク固定ベルトをタンクに固定する。

    Note: ベルトがタンクに確実に固定されていることを確認してください。ねじなどの固定具を締めすぎないように注意してください。

すすぎタンクを取り付ける

  1. 運転席後部の、すすぎタンクを取り付ける場所についているガードを取り外す。

  2. すすぎタンクを取り付ける(図 2)。

    Note: 真水タンクを取り外す必要があるかもしれません。

    g022211
  3. 大きいワッシャ2枚とフランジナット2個を使って、すすぎタンクブラケットとRクランプを、先ほど取り付けたキャリッジボルトに取り付ける(図 2)。

Note: すすぎタンクに水を一杯に入れると、水の重量のためにタンクがさらに沈む場合がありますので、タンク固定ベルトの状態をもう一度点検し、必要に応じて増し締めを行ってください。

すすぎ用ノズルを取り付ける

この作業に必要なパーツ

すすぎ用ノズル アセンブリ2
すすぎノズル・ホースバーブ2
プラスチック製フランジナット2

メインタンクに穴を開ける

  1. タンクの蓋を開けてフィルタバスケットを取り外す。

  2. メインタンクについているドリルマーク(2つ)を探し出す(図 3)。

    g022212
  3. 4 cm の円形ノコを使って、それぞれのマークのところに穴を切る。

    Note: ドリル作業時に出る削りかすを回収するために、タンクの内側の、ドリルで穴を開ける位置の下に回収容器を取り付けてください。

    Important: タンク内部に削りかすなどを残すと配管を詰まらせるなどのトラブルが発生する可能性が高くなります。

すすぎ用ノズルを取り付ける

  1. 4 のようにすすぎ用ノズル2個を取り付ける。

    g022281
  2. 先ほどあけた穴の下から上へ、ノズル・アセンブリを通して取り付ける(図 5)。

    g022282
  3. タンク上部のバルクヘッドのねじ山に、プラスチック製フランジナットを取り付ける(図 5)。バルクヘッドのフィッティングとタンクの下との間のシールが正しく入っていることを確認する。

  4. すすぎノズル・バルクヘッドの、ねじ切りされている開口部にすすぎノズル・ホースバーブ(2個)を取り付ける(図 6)。

    g022283
  5. ホースのバーブ(鋸歯部)を、機体右側中央部に向ける。

ポンプを取り付ける

この作業に必要なパーツ

すすぎポンプ取り付けブラケット1
すすぎポンプ1
キャリッジボルト2
フランジナット2
ワッシャ(小)4
ボルト4
ポンプのホースバーブ2
  1. タンク後部固定ベルトをタンク上部に固定している締結具を外す。外した部品は捨てないこと。

  2. タンク固定用後部ベルトの右側の内側の下の穴にキャリッジボルト(2本)を取り付ける(図 7)。

    g022213
  3. 先ほど外した、タンク固定ベルト用の締結具を使って、タンク固定ベルトをタンクに固定する。

    ベルトがタンクに確実に固定されていることを確認する。締めすぎないように注意すること。

  4. 先ほどとりつけたキャリッジボルトに、すすぎポンプ取り付けブラケットを取り付ける;フランジナット2個を使用する(図 8)。

    g022214
  5. ポンプのホースバーブは 図 9 のように取り付ける。

    g022215
  6. ポンプをフレームに固定する;ボルト 4 本、小さいワッシャ 4 枚を使用する(図 8)。

  7. ポンプのワイヤハーネスを、機体後ろ近くにあるメインワイヤハーネスに接続する。

ホースとフィルタを取り付ける

この作業に必要なパーツ

すすぎフィルタホース・アセンブリ1
T字フィッティング1
124.5 cm ホース1
48 cm ホース2
ホースクランプ 8
すすぎポンプカバー1
ヘアピン2

すすぎノズル用ホースとT字フィッティングを取り付ける

Note: ホースフィッティングの端部(鋸状になっている)に植物油などを塗っておくと楽に接続することができるでしょう。

  1. 先ほど取り付けたすすぎノズル・ホースバーブに、それぞれ 48 cm ホースを取り付ける;ホースクランプ2個を使用する(図 10)。

    g022216
  2. ホースの自由端を、T字フィッティングに接続する;ホースクランプ(2個)を使用する(図 10)。

すすぎフィルタを取り付ける

  1. すすぎフィルタホースの長い方の端を、T字フィッティングに取り付ける;ホースクランプを使用する(図 10)。

  2. すすぎフィルタホースのもう一方の端を、すすぎポンプの上側ホースバーブに接続する;ホースクランプを使用する(図 10)。

すすぎタンク用ホースを取り付ける

  1. すすぎタンクホースを、タンク前部固定ベルトとタンクの側面との間に通す(図 11)。

    g022217
  2. すすぎタンクのホースバーブ(鋸歯状)を、バルクヘッド・フィッティングに取り付け、リテーナフォークで固定する(図 12)。フィッティングを回して後ろ向きにする。

    g022144
  3. ホースの端部を、すすぎポンプの下側ホースバーブに接続する;ホースクランプを使用する(図 11)。

  4. ポンプの上からポンプカバーを取り付け、ヘアピン2本で固定する。

ダッシュスイッチを取り付ける

この作業に必要なパーツ

ダッシュボード・スイッチ1

ダッシュボード・スイッチを取り付ける

  1. スプレーヤのコンソール側面で、すすぎタンク用スイッチのプラグ(打ち抜き部)を探し出す(図 13)。

    g022218
  2. パネルをコンソールに固定しているボルトを外す。ボルトは捨てないこと。

  3. メインハーネスの中から rinse tank と書かれたボックス型のコネクタを探し出し、これを、コンソールアームの側面にある穴へ配設する。

  4. ボックス型コネクタにスイッチを取り付ける(図 13)。

    Note: スイッチの方向に間違いがないことを確認する;上側を押したときには作動したまま、下向きに押すと作動停止となるのが正しい。

  5. スイッチをダッシュボードに押し込むようにして取り付ける。

  6. 先ほど取り外したボルトを使用して、コンソールパネルをコンソールに固定する。

運転操作

このタンク洗浄すすぎキットを使用すると、タンク内にすすぎ液、すなわち、残存薬剤の薄い液が得られます。多くの場合、すでに薬剤を散布し終わった場所にこの薄い薬剤を散布することに問題はありません。しかしながら、様々なケースが考えられますので、すでに薬剤を散布し終わった場所に、薄い薬剤を散布することで薬剤の効果に悪影響がでないかどうかを、事前に薬剤メーカーに確認するようにしてください。

Important: 水和剤を使用する時、水和剤をメインタンクに正しい方法で投入しないと、剤を配管などに詰まらせてしまう可能性がありますが、このタンク洗浄すすぎキットは、そのような詰まりを除去するためのものではありません。

各部の名称とはたらき

タンク洗浄すすぎキットは、1個のスイッチ(3ポジション)で操作します。

  • 上位置: すすぎポンプが ON になり、スイッチはこの位置でロックし、遅延タイマーが作動します。

  • ニュートラル: すすぎポンプは OFF になり、スイッチは中間位置になります。

  • 下位置: すすぎポンプが ON になりますが、スイッチを手でこの位置に保持しないとポンプは停止します;遅延タイマーは作動しません。

スイッチを押して上位置にするとタイマーによる自動すすぎを開始します。ポンプが 60 秒間作動し、すすぎタンクの約 1/3 の量の水がメインタンクに送られます。この間、スイッチは上位置にあります。60秒後に、ポンプは停止します。スイッチ自体は上位置のままですので、手動で中央位置または手動位置に動かしてください。

スイッチが ニュートラル 位置にある時は、ポンプに通電されないので、すすぎキットは OFF 状態です。

スイッチを押して下位置にすると手動すすぎが行われます。スイッチを押している間だけ、ポンプが作動します。スイッチから手を離すと、スイッチはニュートラル位置に戻り、ポンプは停止します。スイッチを下位置に保持している間、ポンプが作動します。

タンクに水を入れる

平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、ポンプとエンジンを停止し、キーを抜き取る。

すすぎタンクのキャップを外し、タンクに一杯(約 66 リットル)の真水を入れてください。キャップを元通りに取り付けます。

Important: すすぎタンク(66 リットル)にはきれいな真水以外は入れないでください。真水以外のものを入れると、安全上の問題や、装置の不具合が発生する可能性があります。

すすぎサイクルの操作方法

すすぎサイクルを使用すると、移動走行を行いながらすすぎを実行することができます。

  1. すすぎポンプを ON にする:

    • タイマーによる自動すすぎを行う場合には、スイッチを上位置にセット。

    • 希望する時間だけポンプを作動させたい場合にはスイッチを下位置に押す。

  2. タンクに約 22 リットルほどの水が入ったころを見計らって、攪拌スイッチを ON にして攪拌ループに真水を送るとよい。

  3. すすぎが終わったら、液は、法律に従って処分する。処分方法としては:

    • メインタンクが空になるまで、すすぎ液をブームから散布する。

    • または、メインタンクのドレンバルブを開いて、適切な容器にすすぎ液を回収して処分する。

    Note: 必要に応じて、すすぎをもう1回または 2 回繰り返してください。

保守

すすぎポンプのフィルタを点検する

整備間隔整備手順
使用開始後最初の 5 時間
  • すすぎポンプのフィルタを点検します
  • 50運転時間ごと
  • すすぎポンプのフィルタを点検します
  • フィルタに破損の兆候がないか点検してください。破損している場合には交換してください。

    すすぎシステムに漏れや破損がないか点検する

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 5 時間
  • ホースに破損がないか点検する。
  • 使用するごとまたは毎日
  • ホースから液もれがないか点検してください。
  • 100運転時間ごと
  • ホースとOリングに破損がないか点検してください。
  • 最初の 5 運転時間後、すべてのホースについて、漏れの有無および破損の兆候がないか点検してください。ホースのクランプと、リテーナフォークを点検してください。どの接続部もゆるみがないことを確認してください。破損している部品はすべて交換してください。以上の点検を、すすぎシステムを使用する前に毎回実施してください。

    100 運転時間後、全部のホースとOリングを点検してください。破損している部品はすべて交換してください。

    交換部品についてはトロ社代理店にご連絡ください。

    すすぎタンク固定ベルトの点検

    整備間隔整備手順
    使用開始後最初の 1 時間
  • すすぎタンク固定ベルトを点検してください。
  • メインタンクに水を入れ終わったら、タンク固定ベルトにゆるみがないかどうか点検してください。ベルトにゆるみがある場合には、ベルトの上部にある締め具を締めてベルトとタンクとが面一になるようにします。締め付けすぎないようしてください。

    Important: ベルトを締め付けすぎると、ベルトが変形したり破断したりする可能性があります。

    保管

    格納期間が30日間以上にわたる場合には、ポンプの吸水ライン、吐水ライン、およびフィルタ・ラインを外してください。