はじめに

このロータリーカッティングデッキは、乗用型の装置に取り付けて使用する専門業務用の製品であり、そのような業務に従事するプロのオペレータが運転操作することを前提として製造されています。この製品は、集約的で高度な管理を受けているスポーツフィールドや商用目的で使用される芝生に対する刈り込み管理を行うことを主たる目的として製造されております。この機械は本来の目的から外れた使用をすると運転者本人や周囲の人間に危険な場合があります。

この説明書を読んで製品の運転方法や整備方法を十分に理解し、他人に迷惑の掛からない、適切で安全な方法でご使用ください。この製品を適切かつ安全に使用するのはお客様の責任です。

製品の安全や取り扱い講習、アクセサリなどに関する情報、代理店についての情報の入手、お買い上げ製品の登録などをネットで行っていただくことができます:www.Toro.com

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマーサービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。モデル番号とシリアル番号はカッティングユニット後部のカバーの下に取り付けた銘板に表示されています。いまのうちに番号をメモしておきましょう。

この説明書では、危険についての注意を促すための警告記号(図 1)を使用しております。これらは死亡事故を含む重大な人身事故を防止するための注意ですから、必ずお守りください。

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この他に2つの言葉で注意を促しています。重要 は製品の構造などについての注意点を、はその他の注意点を表しています。

この製品は、関連する全ての欧州指令に適合しています。詳細についてはこの冊子の末尾にあるDOI(適合宣誓書)をご覧ください。

警告

カリフォルニア州

第65号決議による警告

米国カリフォルニア州では、この製品を使用した場合、ガンや先天性異常などを誘発する物質に触れる可能性があるとされております。

安全について

このカッティングユニットは、トラクションユニットに取り付けると、該当する基準に適合します。

安全に関する一般的な注意

この機械は手足を切断したり物をはね飛ばしたりする能力があります。重大な人身事故を防ぐため、すべての注意事項を厳守してください。

  • 本機をご使用になる前に必ずこのオペレーターズマニュアルをお読みになり、内容をよく理解してください。

  • この機械を運転する時は常に十分な注意を払ってください。運転中は運転操作に集中してください;注意散漫は事故の大きな原因となります。

  • 機械の可動部の近くには絶対に手足を近づけないでください。

  • ガードなどの安全保護機器が正しく機能していない時は、運転しないでください。

  • 排出口の近くに手足などを近づけないでください。

  • 作業場所に、無用の大人、子供、ペットなどを近づけないでください。子供に運転させないでください。

  • 運転席を離れる前に:

    • 平らな場所に駐車する。

    • カッティングユニット下降

    • 駆動系統をOFFにする。

    • 駐車ブレーキを掛ける(装備車の場合)。

    • エンジンを止め、キーを抜き取る。

    • 全ての動きが停止するのを待つ。

間違った使い方や整備不良は人身事故などの原因となります。事故を防止するため、以下に示す安全上の注意や安全注意標識 Graphic のついている遵守事項は必ずお守りください 「注意」、「警告」、および「危険」 の記号は、人身の安全に関わる注意事項を示しています。これらの注意を怠ると死亡事故などの重大な人身事故が発生する恐れがあります。

安全ラベルと指示ラベル

Graphic

危険な部分の近くには、見やすい位置に安全ラベルや指示ラベルを貼付しています。破損したりはがれたりした場合は新しいラベルを貼付してください。

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組み立て

警告

始動スイッチにキーをつけたままにしておくと、誰でもいつでもエンジンを始動させることができ、危険である。

カッティングユニットを取り付ける前に、キー抜き取ること。

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

マシンの準備を行う

  1. 平らな場所に駐車する。

  2. 駐車ブレーキを掛ける。

  3. エンジンを止め、キーを抜き取る。

デッキをトラクションユニットに取り付ける

  1. キャリアフレームを倒し、フラグ・ピン、ボルト、ナットを使ってデッキのブラケットに固定する。図 2 のようにセットする。

    Note: 後方のカッティングユニットは、キャリアフレームを前向きに立てる(図 2)。前方のカッティングユニットは、キャリアフレームを後向きに立てる。

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  2. 刈り込みデッキをトラクションユニットの前に置く。

  3. デッキのキャリアフレームを昇降アームのピボットピンに入れ、リンチピンで固定する(図 4)。

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  4. デッキに油圧モータを取り付ける(図 5)。Oリングを忘れずに、また、損傷させないよう注意して取り付ける。

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  5. スピンドルにグリスを注入する。

刈り高を調整する

Important: このカッティングユニットは、リール式のカッティングユニットよりも、実際の刈高が 6 mm 程度低くなることがあります。したがって、リールモアと同じ刈高で刈り込みたい場合には、リール式のユニットよりも刈高を 6 mm 程度高く設定することが必要になる場合があります。

Important: 後カッティングユニットに作業を行う場合には、カッティングユニットを外して行う方がずっと簡単です。

  1. 車両を平らな場所に駐車し、駐車ブレーキを掛け、カッティングユニットを降下させ、エンジンを停止し、キーを抜き取る。

  2. 6のように、各刈り高ブラケットを刈り高プレート(前と右と左)に固定しているボルトをゆるめる。

  3. まず前から調整を始めるので、ボルトを外す。

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  4. チェンバを支えておきながらスペーサを取り外す(図 6)。

  5. 希望の刈り高にチェンバを合わせ、その刈り高の穴とスロットにスペーサを通す(図 7)。

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  6. プレートとスペーサを整列させる。

  7. ボルトを仮止め(指締め)する。

  8. 各サイドについて、ステップ 4-7 の作業を行う。

  9. 全部のボルト(3本)を 41 N·m (4.2 kg.m = 30 ft-lb)にトルク締めする。必ず、前のボルトを先に締めること。

    Note: 刈高を大きく変更する場合(38 mm 以上、例えば、31 mm から 70 mm に変更する場合)には、一度に変更せずに二段階に分けて変更しないとうまく変更できないことがあります。

ローラスクレーパを調整する

オプション

後ローラスクレーパ(オプション)は、スクレーパとローラとの間に 0.5-1 mm の平行な隙間があるときに最も効率よく機能します。

  1. グリスフィッティングと取り付けねじをゆるめる (図 8)。

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  2. スクレーパを上下に移動させてロッドとローラとの隙間が 0.5-1 mm になるように調整する。

  3. グリスフィッティングとねじを取り付けて、交互に 41 N·m(4.2 kg.m = 30 ft-lb) にトルク締めする。

マルチングバッフルを取り付ける

オプション

マルチングバッフルの選択については、代理店にご相談ください。

  1. チェンバの後壁および左側面の壁についている取り付け穴を十分に清掃して異物を取り除く。

  2. 後部の取り付け穴にマルチングバッフルを取り付け、フランジヘッドボルト 5 本で固定する(図 9)。

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  3. どのマルチングバッフルもブレードに触れていないこと、また後チェンバ壁面の内側にはみ出ていないことを確認する。

    危険

    ハイリフトブレードとマルチングバッフルを組み合わせると、ブレードが破損する恐れがあり万一場合には死亡事故となる。

    ハイリフトブレードでの刈り込みにはバッフルを使用してはならない。

製品の概要

Note: 仕様および設計は予告なく変更される場合があります。

長さ80.8 cm
72.1 cm
高さ21.6 cm (キャリアマウントまで)26.7 cm (刈高 18 mm で駆動モータを含む)34.8 cm (刈高 102 mm で駆動モータを含む)
純重量63.5 kg

アタッチメントとアクセサリ

トロが認定した各種のアタッチメントやアクセサリがそろっており、マシンの機能をさらに広げることができます。詳細は弊社の正規サービスディーラ、または代理店へお問い合わせください;弊社のウェブサイト www.Toro.com でもすべての認定アタッチメントとアクセサリをご覧になることができます。

いつも最高の性能と安全性を維持するために、必ずToroの純正部品をご使用ください。他社の部品やアクセサリを御使用になると危険な場合があり、製品保証を受けられなくなる場合がありますのでおやめください。

運転操作

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

注意

始動キーをつけたままにしておくと、誰でもいつでもエンジンを始動させることができ、危険である。

整備・調整作業の前には必ずエンジンを停止し、キーを抜いておくこと。

ブレードの選択

標準コンビネーションセイル

草の状態に関係なく、非常に効率よく草を立たせ、刈りかすをきれいに分散させます。立ち上げをより強く(あるいは弱く)、また排出速度をより強く(あるいは弱く)したい場合には、別種類のブレードの使用を考慮してください。

特徴: ほとんどの条件で効率よく草を立たせ、刈りかすをきれいに分散させる。

アングルセイル(CE 規格外)

低めの刈高(19-64 mm)で最もよく性能を発揮する。

特徴:

  • 刈り高を低くしても、刈りかすが均一に散る。

  • 刈りかす左側へ片寄る傾向が抑えられるので、バンカーやフェアウェイの周りがきれいに見える。

  • 密集した芝で刈り高が低い方が小さなパワーで刈れる。

ハイリフト平行セイル(CE 規格外)

高めの刈高(70-102 mm)で最もよく性能を発揮する。

特徴:

  • 上昇気流も排出速度も大きい。

  • 密度の低い芝生や柔らかい芝生で刈り高を高くしたときに、芝草をしっかりと立たせる

  • 濡れてくっつきやすくなった刈りかすを効率良く排出し、デッキが詰まりにくい

  • 大きなパワーを必要とする

  • 刈りかすが左側へ片寄る傾向が強いので、刈り高が低いと刈りかすが畝状にたまりやすい

警告

ハイリフトブレードとマルチングバッフルを組み合わせると、ブレードが破損する恐れがあり万一場合には死亡事故となる。

ハイリフトブレードでの刈り込みにマルチングバッフルを使用してはならない。

アトミックブレード

落ち葉のマルチングに最高の性能を発揮するように設計されているブレード。

特徴: 落ち葉のマルチングに最適

ヒント

刈り込みは芝が乾いている時に

刈り込みは、朝露を避けて遅めの午前中か、直射日光を避けて午後遅くに行いましょう。露があると草がかたまりになりやすく、また刈りたての草は強い直射日光に当たるとダメージを受けます。

条件に合った適切な刈り高を選択する

一度に切り取る長さは 25 mm 以内に抑えましょう。草丈の1/3 以上は刈り取らないのが原則です。成長期の密生している芝生では刈り高設定をさらに一目盛り上げる必要があるかもしれません。

鋭利なブレードで刈り込む

鋭利な刃は、芝草を引き裂いたり引きちぎったりせずにきれいな刈り込みができます。鋭利でない刃は、芝草を引き裂いたり引きちぎったりするのできたない刈り込みになります。また、芝草の生長に悪影響を与え、芝草が病害などにかかりやすくもなります。ブレードが適切な状態であり、セールの形状が完全であることを確認してください。

カッティングユニットの点検

各カッティングユニットのチェンバが良好な状態であることを確認してください。チェンバの構成部分に曲がりや凹みがある場合は修復して、ブレードとチェンバとの間に正しい距離を確保してください。

刈り込み作業後のデッキのハウジングの点検

きれいな刈りあがりを維持するために、刈り込みデッキの裏側をきれいに洗浄してください。刈りかすがこびりつくと、刈り込みの性能が十分に発揮されなくなります。

アクセサリの選択

オプションの機器構成

 アングルセイルブレードハイリフトパラレルセイルブレード(マルチングバッフルと同時に使用しないこと)(CE 規格外)マルチングバッフルローラスクレーパ
芝生の刈り込み:刈高 19-44 mmほとんどの場合に推奨密度の低いまたはまば らな草地で使用可能寒地型の芝草を少なくとも週 3 回刈る (草丈の⅓ 以上を切 り込まない)場合に刈りかすの分散をきれいにする。ハイリフト平行セイルブレードには使用しないことローラに刈りかすや大きな葉などがこびりつく場合に使用する。場合により、刈りかすのダマが増える場合がある。
芝生の刈り込み:刈高 50-64 mm密度の高いまたはよく 繁茂した草地に推奨密度の低いまたはま ばらな草地に推奨
芝生の刈り込み:刈高 70-100 mmよく茂った草地で使用 可能ほとんどの場合に推奨
落ち葉のマルチングマルチングバッフルの使用を推奨使用禁止コンビネーションセイルまたはアングルセイルとのみ使用可能
長所低い刈高で刈りかすを均等に分散。バンカーやフェアウェイまわりでの仕上がりがきれい。パワー消費が少ない草をしっかり立たせ、排出力も強い。密度の低いまばらなターフを高い刈高で刈り込むことができる。ぬれてベタつく刈りかすも効率よく排出する。用途により、刈りかすの分散をきれいにし刈り上がりを美しく見せることができる。落ち葉のマルチングに非常に効果がある。ローラへの刈りかすのこびりつきを減らす。
短所刈高が高いと十分に草を立たせられない;草がぬれているとデッキ裏側にこびりついて刈り上がりが悪くなりパワー消費も増える。用途によってはパワー消費が大きくなる。旺盛に成長した草を低く刈ると刈りかすがうね状にあつまる傾向が出る。マルチングバッフルと一緒に使用しないこと。一度に大量の草を処理しようとするとデッキ内部に「たまり」を作る。 

保守

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

推奨される定期整備作業

整備間隔整備手順
使用するごとまたは毎日
  • ブレードの停止に要する時間を確認します。
  • 50運転時間ごと
  • ベアリングのグリスアップ
  • 注意

    始動キーをつけたままにしておくと、誰でもいつでもエンジンを始動させることができ、危険である。

    整備・調整作業の前には必ずエンジンを停止し、キーを抜いておくこと。点火コードが点火プラグに触れないように十分離しておくこと。

    ベアリングのグリスアップ

    整備間隔整備手順
    50運転時間ごと
  • ベアリングのグリスアップ
  • 通常の使用条件では、ここに掲載されている時間間隔で、全てのフィッティングおよびブッシュにリチウム系 No. 2 グリスを注入してください。車体を水洗いしたときは整備間隔に関係なく直ちにグリスアップしてください。

    グリスアップ箇所は以下の通りです:

    • カッティングユニットのスピンドルシャフトのベアリング(ユニット2台に1ヶ所)ー 図 10

      Note: どちらでも使いやすい方のフィッティングを使って構いません。スピンドルハウジングの底(カッティングユニットの下)から少量のグリスがはみ出てくるまでポンプでグリスを注入してください。

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    • 後ローラのベアリング(各ユニットに2ヶ所)ー 図 11

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      Note: 角ローラマウントにあるグリス溝と、角ローラシャフトのグリス穴とを合わせてください。溝と穴をあわせやすいように、ローラシャフトの片側の端部に合印がついています。

    カッティングユニットの取り外し

    1. 平らな場所に駐車し、カッティングユニットを床まで下降させ、エンジンキーをOFF 位置にし、駐車ブレーキを掛ける。

    2. カッティングユニットから油圧モータを外す(図 12)。異物がつかないように、スピンドル上部にはカバーを掛けておく。

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    3. デッキのキャリアフレームを昇降アームのピボットピンに固定しているリンチピンを外す(図 13)。

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    4. カッティングユニットをトラクションユニットから引き出す。

    デッキをトラクションユニットに取り付ける

    ブレードの整備

    刈り込みブレードについての安全事項

    • ブレードが磨耗や破損していないか定期的に点検すること。

    • ブレードを点検する時には安全に十分注意してください。ブレードをウェスでくるむか、安全手袋をはめ、十分に注意して取り扱ってください。ブレードは研磨または交換のみ行い、たたいて修復したり溶接したりしないでください。

    • 複数のブレードを持つ機械では、1つのブレードを回転させると他も回転する場合がありますから注意してください。

    ブレード回転面の管理

    刈り込みデッキは、刈高 50 mm、ブレードのレーキ設定 7.9 mm に設定して出荷されています。また、左右の刈高の差が、± 0.7 mm の範囲になるように設定されています。

    刈り込みデッキは、ブレードが当たってもチェンバに変形が発生しない強度を持っています。しかし、硬いものがぶつかった後には、ブレードに破損が発生していないか、また、ブレードの回転面に狂いが発生していないか、必ず点検してください。

    ブレード回転面の検査

    1. デッキから油圧モータを外し、カッティングデッキをトラクタから外す。

    2. ホイストを使うか、2人がかりで、デッキを平らなテーブルの上に載せる。

    3. ブレードの片方の端にマジックなどで印をつける。以後、高さの点検はすべてこの印のついた側で行う。

    4. ブレードの印の付いているほうの端部を12時の位置(車両進行方向)に向け(図 14)、作業台の表面からブレードの切っ先までの高さを測定する。

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    5. 印の付いている端部を3時の位置と9時の位置に向けて(図 14)それぞれ高さを測定する。

    6. 12時位置での測定値を、刈り高の設定値と比較する。差が 0.7 mm 以内であれば適正とする。3 時および9 時位置での高さが、12時位置での高さよりも 1.6-6.0 mm 高く、3 時および9 時位置での相互の高さの差が 1.6-6.0 mm 以内であれば適正である。

    Note: 上記の範囲から外れている場合には、ブレード回転面の調整へ進む。

    ブレード回転面の調整

    まず前を調整する(1度に1つのブラケットを調整する)。

    1. 刈り高ブラケット(前、左、右のうち1つ)をデッキのフレームから外す(図 15)。

    2. デッキフレームとブラケットとの間に厚さ 1.5 mm または 0.7 mm のシム、場合によってはこれらの両方を挿入して、希望する刈高を達成する (図 15)。

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    3. 余ったシムを刈り高ブラケットの下に入れ、刈り高ブラケットをデッキのフレームに取り付ける。

    4. ソケットヘッドボルト/スペーサとフランジナットを固定する。

      Note: ソケットヘッドボルトとスペーサとは、デッキフレームの内側に落ちないようにねじ山用の接着剤で接着しています。

    5. 12時位置での高さを測定し、必要に応じて調整を行う。

    6. 左右の刈り高ブラケットの両方ともに調整が必要か、片方のみの調整でよいか判断する。3 時位置または 9 時位置が、新しい前位置の高さよりも 1.6-6.0 mm 高い場合には、その側での調整は不要である。反対側の高さを調整して、正しい側の高さ(1.6-6.0 mm)の範囲になるようにする。

    7. ステップ 1-3 を繰り返して、左右の刈高ブラケットを調整する。

    8. キャリッジボルトとフランジナットを固定する。

    9. もう一度、12時、3時、9時位置で高さの測定を行って確認する。

    ブレードの取り外しと取り付け

    ブレードが堅いものに当たった、バランスが取れていない、磨耗した、曲がったなどの場合には交換する必要があります。安全を確保し、適切な刈りを行うために、ブレードは必ず Toro 社の純正品をお使いください。

    1. 平らな場所に駐車し、カッティングユニットを移動走行位置まで上昇させ、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止させてキーを抜き取る。

      Note: カッティングユニットが落下しないように支持ブロックなどで確実に支える。

    2. ぼろきれや厚いパッドの入った手袋を使ってブレードの端部をしっかり握る。

    3. スピンドルのシャフトからブレードボルト、芝削り防止カップ、ブレードを取り外す(図 16)。

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    4. ブレード、芝削り防止カップ、ボルトを取り付けてボルトを115-149 N·m(11.8-15.2 kg.m = 85-110 ft-lb)にトルク締めする。

      Important: ブレードの立っている側(セール部)がカッティングデッキの天井を向くのが正しい取り付け方です。

      Note: 7デッキが何かに衝突した場合には、全部のスピンドルプーリ・ナットを115-149 N·m(11.8-15.2 kg.m = 85-150 ft-lb)にトルク締めする。

    ブレードの点検と研磨

    1. 刈り込みデッキを移動走行位置まで上昇させ、キーを OFF 位置にし、駐車ブレーキを掛ける。

    2. 刈り込みデッキが落下しないように支持ブロックでサポートする。

    3. ブレードの切っ先を注意深く観察、特に、直線部と曲線部が交わる部分をよく観察する(図 17)。

      Note: この、直線部と曲線部の交差域は、砂などによる磨耗が進みやすい部分なので、機械を使用する前によく点検することが必要である。

    4. 磨耗が進んでいる場合(図 17)には、ブレードを交換する;ブレード回転面の管理を参照。

      危険

      ブレードの磨耗を放置すると、ブレードのセール部と平坦部との間に割れ目が発生する(図 17)。この割れ目が拡大すると、最終的にはブレードがちぎれてハウジングの下から飛び出し、これがオペレータや周囲の人に重大な人身事故となる。

      • ブレードが磨耗や破損していないか定期的に点検すること。

      • 磨耗したり破損したりしたブレードは必ず交換する。

      g006924
    5. 全部のブレードの切っ先を丁寧に点検する。切っ先が鈍くなっていたり欠けていたりした場合には研磨する。研磨は刃先の上面だけに行い、刃の元々の角度を変えずに刃先を鋭利にする(図 18)。

    6. 刃先に摩耗や欠けがある場合には研磨するが、研磨は刃先の上面だけに行い、刃の元々の角度を変えないように十分注意する(図 18)。

      Note: ブレードの左右を均等に削れば、バランスを狂わすことなく研磨を行うことができる。

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    7. ブレードが真っ直ぐか曲がっているかを点検するには、平らな面において端部を観察する。

      Note: ブレードを平面に置いたとき、両端部が中心部よりもわずかに下がっており、刃部がブレードのヒール部(かかと、後部)よりも下がっているのが正しい形状である。このような形状であれば、切り口がきれいな刈り上がりとなり、エンジンのパワー消費も最小限ですむ。逆に、両端部が中央部よりも高くなっていたり、刃部がヒール部よりも高くなっている場合、そのブレードは変形しているので交換すること。

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    8. ブレードを取り付ける時は、セイル(立ち上がっている部分)がカッティングデッキの天井を向くように取り付け、芝削り防止カップをつけてブレードボルトで固定する。各ブレードボルトを 115-150 N·m(12-15 kg.m = 85-110 ft-lb)にトルク締めする。

    ブレードの停止に要する時間を確認する

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
  • ブレードの停止に要する時間を確認します。
  • ブレード回転スイッチを OFF にしてからおよそ 5 秒以内にカッティングデッキのブレードが完全に停止する必要があります。

    Note: ブレードが物を跳ね飛ばしたり、ほこりを巻き上げたりしないよう、この点検はきれいに刈り込んだターフの上または平らな床の上で行ってください。

    1. 刈込ブレードから少なくとも 6m 離れた位置に人を立たせて、ブレードの動きを観察するようにしてください。

    2. カッティングデッキのスイッチを切ってからブレードが完全に停止するまでに掛かった時間を計ります。

      Note: 停止に要する時間が 7 秒以上の場合は、ブレーキバルブの調整が必要です。この調整は、弊社代理店に依頼してください。

    前ローラの整備

    前ローラに磨耗や過剰なガタ、固着などが発生していないか点検してください。これらの症状が見られたら、ローラの整備を行うか、必要部材の交換を行ってください。

    前ローラの分解

    1. ローラ取り付けボルトを外す(図 20)。

    2. ローラハウジングの端部からポンチを差し込み、ベアリングのインナーレースを均等に叩き込んで、ベアリングを反対側にたたき出す。インナーレースのリップが 1.5 mm 突き出れば適正である。

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    3. 2 つ目のベアリングはプレスを使って抜く。

    4. ローラハウジング、ベアリング、ベアリングスペーサに破損がないか点検する(図 20)。破損している部品を交換し、組み立てを行う。

    前ローラの組み立て

    1. 第一のベアリングをローラハウジングに押し込む(図 20)。アウターレースのみを押すか、インナーレースとアウターレースを均等に押すかする。

    2. スペーサを入れる(図 20)。

    3. 第二のベアリングをローラハウジングに押し込む(図 20)。インナーレースがスペーサに接触するまで、インナーレースとアウターレースを均等に押す。

    4. ローラアセンブリをカッティングユニットのフレームに組み付ける。

    5. ローラアセンブリとカッティングユニットのローラ取り付けブラケットとの間の隙間が 1.5 mm 未満となっていることを確認する。隙間が 1.5 mm を超えている場合には、直径 ⅝" のワッシャを必要なだけはさんで隙間を埋める。

      Important: ローラアセンブリ取り付け時に 1.5 mm を超える隙間を残すと、ベアリングの側面に負荷がかかってベアリングが早期に破損する可能性があります。

    6. 取り付けボルトを 108 N·m(11kg.m = 80ft-lb) にトルク締めする。

    保管

    カッティングデッキをトラクションユニットから外した場合は、必ずスピンドルの上部にスピンドルプラグを取り付けて、ほこりや水の浸入を防止してください。