保守
Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。
推奨される定期整備作業
| 整備間隔 | 整備手順 |
|---|---|
| 使用するごとまたは毎日 |
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| 50運転時間ごと |
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注意
始動キーをつけたままにしておくと、誰でもいつでもエンジンを始動させることができ、危険である。
整備・調整作業の前には必ずエンジンを停止し、キーを抜いておくこと。点火コードが点火プラグに触れないように十分離しておくこと。
ベアリングのグリスアップ
| 整備間隔 | 整備手順 |
|---|---|
| 50運転時間ごと |
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通常の使用条件では、ここに掲載されている時間間隔で、全てのフィッティングおよびブッシュにリチウム系 No. 2 グリスを注入してください。車体を水洗いしたときは整備間隔に関係なく直ちにグリスアップしてください。
グリスアップ箇所は以下の通りです:
カッティングユニットの取り外し
デッキをトラクションユニットに取り付ける
ブレードの整備
刈り込みブレードについての安全事項
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ブレードが磨耗や破損していないか定期的に点検すること。
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ブレードを点検する時には安全に十分注意してください。ブレードをウェスでくるむか、安全手袋をはめ、十分に注意して取り扱ってください。ブレードは研磨または交換のみ行い、たたいて修復したり溶接したりしないでください。
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複数のブレードを持つ機械では、1つのブレードを回転させると他も回転する場合がありますから注意してください。
ブレード回転面の管理
刈り込みデッキは、刈高 50 mm、ブレードのレーキ設定 7.9 mm に設定して出荷されています。また、左右の刈高の差が、± 0.7 mm の範囲になるように設定されています。
刈り込みデッキは、ブレードが当たってもチェンバに変形が発生しない強度を持っています。しかし、硬いものがぶつかった後には、ブレードに破損が発生していないか、また、ブレードの回転面に狂いが発生していないか、必ず点検してください。
ブレード回転面の検査
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デッキから油圧モータを外し、カッティングデッキをトラクタから外す。
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ホイストを使うか、2人がかりで、デッキを平らなテーブルの上に載せる。
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ブレードの片方の端にマジックなどで印をつける。以後、高さの点検はすべてこの印のついた側で行う。
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ブレードの印の付いているほうの端部を12時の位置(車両進行方向)に向け(図 14)、作業台の表面からブレードの切っ先までの高さを測定する。

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印の付いている端部を3時の位置と9時の位置に向けて(図 14)それぞれ高さを測定する。
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12時位置での測定値を、刈り高の設定値と比較する。差が 0.7 mm 以内であれば適正とする。3 時および9 時位置での高さが、12時位置での高さよりも 1.6-6.0 mm 高く、3 時および9 時位置での相互の高さの差が 1.6-6.0 mm 以内であれば適正である。
Note: 上記の範囲から外れている場合には、ブレード回転面の調整へ進む。
ブレード回転面の調整
まず前を調整する(1度に1つのブラケットを調整する)。
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刈り高ブラケット(前、左、右のうち1つ)をデッキのフレームから外す(図 15)。
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デッキフレームとブラケットとの間に厚さ 1.5 mm または 0.7 mm のシム、場合によってはこれらの両方を挿入して、希望する刈高を達成する (図 15)。

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余ったシムを刈り高ブラケットの下に入れ、刈り高ブラケットをデッキのフレームに取り付ける。
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ソケットヘッドボルト/スペーサとフランジナットを固定する。
Note: ソケットヘッドボルトとスペーサとは、デッキフレームの内側に落ちないようにねじ山用の接着剤で接着しています。
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12時位置での高さを測定し、必要に応じて調整を行う。
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左右の刈り高ブラケットの両方ともに調整が必要か、片方のみの調整でよいか判断する。3 時位置または 9 時位置が、新しい前位置の高さよりも 1.6-6.0 mm 高い場合には、その側での調整は不要である。反対側の高さを調整して、正しい側の高さ(1.6-6.0 mm)の範囲になるようにする。
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ステップ 1-3 を繰り返して、左右の刈高ブラケットを調整する。
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キャリッジボルトとフランジナットを固定する。
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もう一度、12時、3時、9時位置で高さの測定を行って確認する。
ブレードの取り外しと取り付け
ブレードが堅いものに当たった、バランスが取れていない、磨耗した、曲がったなどの場合には交換する必要があります。安全を確保し、適切な刈りを行うために、ブレードは必ず Toro 社の純正品をお使いください。
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平らな場所に駐車し、カッティングユニットを移動走行位置まで上昇させ、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止させてキーを抜き取る。
Note: カッティングユニットが落下しないように支持ブロックなどで確実に支える。
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ぼろきれや厚いパッドの入った手袋を使ってブレードの端部をしっかり握る。
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スピンドルのシャフトからブレードボルト、芝削り防止カップ、ブレードを取り外す(図 16)。

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ブレード、芝削り防止カップ、ボルトを取り付けてボルトを115-149 N·m(11.8-15.2 kg.m = 85-110 ft-lb)にトルク締めする。
Important: ブレードの立っている側(セール部)がカッティングデッキの天井を向くのが正しい取り付け方です。
Note: 7デッキが何かに衝突した場合には、全部のスピンドルプーリ・ナットを115-149 N·m(11.8-15.2 kg.m = 85-150 ft-lb)にトルク締めする。
ブレードの点検と研磨
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刈り込みデッキを移動走行位置まで上昇させ、キーを OFF 位置にし、駐車ブレーキを掛ける。
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刈り込みデッキが落下しないように支持ブロックでサポートする。
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ブレードの切っ先を注意深く観察、特に、直線部と曲線部が交わる部分をよく観察する(図 17)。
Note: この、直線部と曲線部の交差域は、砂などによる磨耗が進みやすい部分なので、機械を使用する前によく点検することが必要である。
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磨耗が進んでいる場合(図 17)には、ブレードを交換する;ブレード回転面の管理を参照。
危険
ブレードの磨耗を放置すると、ブレードのセール部と平坦部との間に割れ目が発生する(図 17)。この割れ目が拡大すると、最終的にはブレードがちぎれてハウジングの下から飛び出し、これがオペレータや周囲の人に重大な人身事故となる。
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ブレードが磨耗や破損していないか定期的に点検すること。
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磨耗したり破損したりしたブレードは必ず交換する。

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全部のブレードの切っ先を丁寧に点検する。切っ先が鈍くなっていたり欠けていたりした場合には研磨する。研磨は刃先の上面だけに行い、刃の元々の角度を変えずに刃先を鋭利にする(図 18)。
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刃先に摩耗や欠けがある場合には研磨するが、研磨は刃先の上面だけに行い、刃の元々の角度を変えないように十分注意する(図 18)。
Note: ブレードの左右を均等に削れば、バランスを狂わすことなく研磨を行うことができる。

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ブレードが真っ直ぐか曲がっているかを点検するには、平らな面において端部を観察する。
Note: ブレードを平面に置いたとき、両端部が中心部よりもわずかに下がっており、刃部がブレードのヒール部(かかと、後部)よりも下がっているのが正しい形状である。このような形状であれば、切り口がきれいな刈り上がりとなり、エンジンのパワー消費も最小限ですむ。逆に、両端部が中央部よりも高くなっていたり、刃部がヒール部よりも高くなっている場合、そのブレードは変形しているので交換すること。

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ブレードを取り付ける時は、セイル(立ち上がっている部分)がカッティングデッキの天井を向くように取り付け、芝削り防止カップをつけてブレードボルトで固定する。各ブレードボルトを 115-150 N·m(12-15 kg.m = 85-110 ft-lb)にトルク締めする。
ブレードの停止に要する時間を確認する
| 整備間隔 | 整備手順 |
|---|---|
| 使用するごとまたは毎日 |
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ブレード回転スイッチを OFF にしてからおよそ 5 秒以内にカッティングデッキのブレードが完全に停止する必要があります。
Note: ブレードが物を跳ね飛ばしたり、ほこりを巻き上げたりしないよう、この点検はきれいに刈り込んだターフの上または平らな床の上で行ってください。
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刈込ブレードから少なくとも 6m 離れた位置に人を立たせて、ブレードの動きを観察するようにしてください。
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カッティングデッキのスイッチを切ってからブレードが完全に停止するまでに掛かった時間を計ります。
Note: 停止に要する時間が 7 秒以上の場合は、ブレーキバルブの調整が必要です。この調整は、弊社代理店に依頼してください。
前ローラの整備
前ローラに磨耗や過剰なガタ、固着などが発生していないか点検してください。これらの症状が見られたら、ローラの整備を行うか、必要部材の交換を行ってください。
前ローラの分解
前ローラの組み立て
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第一のベアリングをローラハウジングに押し込む(図 20)。アウターレースのみを押すか、インナーレースとアウターレースを均等に押すかする。
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スペーサを入れる(図 20)。
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第二のベアリングをローラハウジングに押し込む(図 20)。インナーレースがスペーサに接触するまで、インナーレースとアウターレースを均等に押す。
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ローラアセンブリをカッティングユニットのフレームに組み付ける。
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ローラアセンブリとカッティングユニットのローラ取り付けブラケットとの間の隙間が 1.5 mm 未満となっていることを確認する。隙間が 1.5 mm を超えている場合には、直径 ⅝" のワッシャを必要なだけはさんで隙間を埋める。
Important: ローラアセンブリ取り付け時に 1.5 mm を超える隙間を残すと、ベアリングの側面に負荷がかかってベアリングが早期に破損する可能性があります。
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取り付けボルトを 108 N·m(11kg.m = 80ft-lb) にトルク締めする。

のついている遵守事項は必ずお守りください 「注意」、「警告」、および「危険」
の記号は、人身の安全に関わる注意事項を示しています。これらの注意を怠ると死亡事故などの重大な人身事故が発生する恐れがあります。















