はじめに

Important: このキットを取り付ける前に、カッティングユニットがキットに対応していることを以下の表で確認してください:

カッティングユニットのタイプ対応するカッティングユニット対応しないカッティングユニット
(2012 年度以降)(2003-2011)
3000 シリーズ DPAモデル番号:モデル番号:
04651, 04652, 04653, 04654, 04655, 04656, 04657, 04613, 04614, 04615, 04618, 04619, 0462404610, 04611, 04616
歩行型フレックス DPAモデル番号:モデル番号:
04853, 04854, 04863, 04864, 04289, 04290, 04291, 04292, 04251, 04252, 04253, 04254 04200, 04202, 04206, 04207, 04208

この説明書を読んで製品の運転方法や整備方法を十分に理解し、他人に迷惑の掛からない、適切で安全な方法でご使用ください。この製品を適切かつ安全に使用するのはお客様の責任です。

製品の安全や取り扱い講習、アクセサリなどに関する情報、代理店についての情報の入手、お買い上げ製品の登録などをネットで行っていただくことができます:www.Toro.com

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマーサービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。図 1にモデル番号とシリアル番号を刻印した銘板の取り付け位置を示します。いまのうちに番号をメモしておきましょう。

g346921

この製品は、関連する全ての欧州指令に適合しています。詳細についてはこの冊子の末尾にあるDOI(適合宣誓書)をご覧ください。

取り付け

マシンの準備を行う

  1. 平らな場所に駐車する。

  2. 駐車ブレーキを掛ける。

  3. エンジンを止め、キーを抜き取るか点火プラグコードを抜く;マシンのオペレーターズマニュアルを参照。

  4. トラクションユニットにカッティングユニットが取り付けられている場合は外す;詳細はトラクションユニットのオペレーターズマニュアル を参照。

セットアップに必要な工具をそろえる

この作業に必要なパーツ

トルクレンチ(付属せず)

Note: トルクレンチは正転・逆転のどちらでも締め付けできることが必要です。

  • 小さいトルクレンチ:5-12 N∙m (0.6-1.2 kg.m = 46-16 in-lb)

  • 中サイズのトルクレンチ:16ー45 N・m(1.7ー4.5 kg.m = 12ー33 ft-lb)

  • 大きいトルクレンチ:135ー163 N・m(14ー16 kg.m = 100ー120 ft-lb)

  • リール駆動シャフトツール : TOR4112(5" リールにのみ必要)

  • 長尺のバール(3/8 x 12" =9.5 mm x 305 mm)

整備ツール

オイルシリンジ(付属品), P/N 137-0872;ギアボックスの潤滑油の交換を参照。

駆動シャフトツール(オプション), P/N 137-0920; トラクションユニットのサービスマニュアルを参照または弊社代理店に相談のこと。

カッティングユニットの準備

前ローラと刈高アームを外す

  1. カッティングユニットの、前ローラの左右端部を刈高アームに固定しているローラ固定ねじをゆるめる(図 2)。

    g335501
  2. 各刈高アームをカッティングユニットの左右端部に固定しているプラウボルトとフランジロックナットを外す(図 2)。刈高アームとローラアセンブリを取り外す。

    Note: 取り外した部品は新しい刈高アームの取り付けに使用します。

  3. 刈高アームから刈高調整ねじとローラ取り付けねじを取り外す(図 2)。

    Note: 外したローラ取り付けねじとローラは後で取り付けますので保管してください。

電気モータのカウンタウェイトを外す

グリーンズマスター 3000 シリーズで電動リールの製品のみ

電動用カウンタウェイトをリールに固定しているキャップスクリュ(2本)を外してカウンタウェイトを外す(図 3)。

Note: 外したウェイトとキャップスクリュ 2 本は カウンタウェイトの準備を行うで使います。

g037842

カウンタウェイトを外す

  1. カウンタウェイトをカッティングユニットのサイドプレートに固定しているボルト(5/16" x 2¼")2本をナット(2個:サイドプレートに固着)から外す。カウンタウェイトを取り外す(図 4)。

    Note: カッティングユニットのカウンタウェイトと取り付けボルトは廃棄してかまいません。

    g037843
  2. リールが回転しないように固定して、ベアリングナットを外す;ねじ付きインサートを外すためにリールを固定するにはを参照。

  3. リールのシャフトからベアリングナットを外す(図 4)。

    Important: リールシャフト端部についているグリスや汚れをきれいに落としておいてください。

モータマウントを外す

グリーンズマスター 3000 シリーズで電動リールの製品のみ

カッティングユニットのサイドプレートにモータマウントを固定しているソケットヘッドねじ(5/16" x 1¼")2本を外して、モータマウントを外す(図 5)。

Note: 外したモータマウントとキャップスクリュはモータマウントをカッティングユニットに取り付けるで使用します。

g329966

リールドライブを外す

歩行型グリーンモアのみ

Note: この章で外した部品は別途指示されていない限りすべて保管してください。

  1. リール駆動ハウジングにカバーを固定しているソケットヘッドねじ(4 本)を外す(図 6)。

    g329654
  2. カッティングユニットのサイドプレートにリール駆動アセンブリを固定しているフランジヘッドねじ(¼" x ¾")を外す(図 7)。

    g329655
  3. カッティングユニットのサイドプレートにリール駆動アセンブリを固定しているソケットヘッドねじ(5/16" x 1½")2本をロックナット(サイドプレートに組み付けてある)から外して、リールドライブを外す(図 7)。

カウンタウェイトとグルーマ駆動ボックスを取り付ける

この作業に必要なパーツ

ウェイト1
Torx ソケットねじ2
ロックナット2
右側リールアダプタ(銀色)1
左側リールアダプタ(黒色)1
シムワッシャ2
グルーマ駆動ボックス1

カウンタウェイトの準備を行う

グリーンズマスター 3000 シリーズで電動リールの製品のみ
  1. 電気モータのカウンタウェイトを外すで外したキャップスクリュ(5/16" x 2¾")2 本とカウンタウェイトを、新しいウェイトに組み付ける(図 8)。

    g035689
  2. ボルトを 19.8-25.4 N·m(2.02-2.59 kg.m=175-225 in-lb)にトルク締めする。

カウンタウェイトを取り付ける

  1. 新しいウェイトをカッティングユニットの側面に固定する;ボルト(5/16")2本と、ナット(5/16")2個を使用して図 9のように取り付ける。

    Note: ウェイトはグルーマ駆動ボックスを取り付けたい側に取り付けます。

    g244756
  2. ねじとロックナットを 20-26 N∙m(2.0-2.6 kg.m = 175-225 in-lb)にトルク締めする。

グルーマ駆動ボックスを取り付ける

  1. 10に示す駆動ボックスのシャフトのねじ溝(内側)に、中程度のねじ山ロッキングコンパウンド(例、Blue Loctite® 243)をぬり、リールアダプタとグルーマ駆動ボックスのシャフトを 150-163 N∙m(15-16 kg/cm2=110-120 ft-lb) にトルク締めする。

    Note: カッティングユニットの右側にカウンタウェイトを取り付けた場合は、銀色のアダプタを使用します。カッティングユニットの左側にカウンタウェイトを取り付けた場合は、黒色のアダプタを使用します。

    Important: リールシャフト端部についているグリスや汚れをきれいに落としておいてください。

    g349445

    Important: 5-15分ほど待ってから、次の手順に移る。

    Note: リールアダプタとグルーマ駆動ボックスのトルク締めを行う時、グルーマ駆動ボックスのカッティングユニット側にレンチ用の平面がありますから、ここにグルーマ駆動ボックス用ソケット工具またはレンチを嵌めてグルーマシャフトが回転しないように保持してください(図 11)。

    g350306
  2. カッティングユニットの左側にグルーマ駆動ボックスを取り付ける場合、黒色リールアダプタのねじ山部分にシムワッシャ(2枚)を入れる(図 12)。

    Important: カッティングユニットの右側に取り付ける場合にはシムワッシャは1枚だけ使用します。

    g349496
  3. リールシャフトのねじ溝(内側)に、中程度のねじ山ロッキングコンパウンド(例、Blue Loctite® 243)を塗る。

  4. リールシャフトにグルーマ駆動ボックスを取り付ける(図 12)。

    Important: カッティングユニット左側のリールシャフトは左ねじです。カッティングユニット右側のリールシャフトは右ねじです。

  5. ギアボックスアセンブリを取り付けるために、リールを固定する;ねじ付きインサートの着脱のためにリールを固定するにはを参照。

  6. リールが回転しないようにしたら、駆動ボックスのシャフトの六角ヘッドを135-150 N∙m(13.8-15.3 kg.m = 100-110 ft-lb)にトルク締めする;図 12を参照。

    Important: 駆動ボックスのシャフトの六角ヘッドを135-150 N∙m(13.8-15.3 kg.m = 100-110 ft-lb)にトルク締めしてください。

    Important: 6ポイントのソケット(肉厚の壁のもの)を使う必要があります。

    Important: この作業にはインパクトレンチを使用しないでください。

    Important: 5-15分ほど待ってから、次の手順に移る。

    Note: アウターカバーの下にあるシールを傷つけないように注意してください。

  7. 左側にグルーマを取り付ける場合は、以下の作業を行ってください(図 13):

    1. クラッチノブをアクチュエータのシャフトに固定している六角ソケットねじを外す。

    2. クラッチノブアセンブリを外して裏返す。

    3. クラッチノブをアクチュエータのシャフトに、六角ソケットねじで固定する。

      g298196

グルーマドライブにキャップを取り付ける

この作業に必要なパーツ

キャップ1

以下の作業は、後ローラブラシキットを取り付けないユニバーサルグルーマアセンブリのみに行います

  1. スナップリングの溝と外径部分に、中程度のシリンダ保持コンパウンド(Green Loctite® 609 など)を塗る(図 14)。

  2. 14のようにキャップを取り付ける。

    g346927

アイドラアセンブリを取り付ける

この作業に必要なパーツ

スタブシャフトアセンブリ1
ベアリングシールド2
アイドラアセンブリ1
アジャスタカラー1
フランジナット1

アイドラプレートを組み付ける

  1. アイドラアセンブリに、図 15のように、スタブシャフトアセンブリ、ベアリングシールド(2個)、フランジナットを取り付ける。

    Important: ベアリングシールドを取り付ける。布側をアイドラ内部のベアリングに向けること。

    g329955

    Note: アイドラアセンブリをカッティングユニットの右側に取り付けた場合には、反対側にスタブシャフトとフランジナット(図 16)を取り付ける。

    g329967
  2. アイドラアセンブリのねじ穴にアジャスタカラーを取り付ける(図 15または図 16)。

  3. アジャスタカラーを 23-31 N·m(2.4-3.1 kg.m = 17-23 ft-lb)にトルク締めする。

リールドライブをカッティングユニットに取り付ける

歩行型グリーンモアのカッティングユニットのみ
  1. 17に示すように、アイドラアセンブリをカッティングユニットに合わせる。

    g335504
  2. アイドラアセンブリとリールドライブをカッティングユニットに取り付ける(図 17);リールドライブを外すで取り外したソケットヘッドねじ(5/16" x 1½")とロックナット(5/16")を使用する。

  3. リールドライブをカッティングユニットに取り付ける(図 17)フランジヘッドねじ(¼" x ¾")を使用する。

  4. 以下の表に従ってボルト・ナットのトルク締めを行う:

    締結具トルク
    ソケットヘッドねじ(5/16" x 1½")20-26 N・m(2.1-2.5 1kg.m = 175-225 in-lb)
    フランジヘッドねじ(¼" x ¾")10-26 N·m(1.1-1.2 1kg.m = 90-110 in-lb)
  5. リールドライブハウジングにカバーを取り付ける(図 18)ソケットヘッドねじ(¼" x ¾")4本を使用する。

    g335505
  6. ソケットヘッドねじを 10-12 N·m(1.0-1.2 kg.m = 90-110 in-lb)にトルク締めする。

モータマウントをカッティングユニットに取り付ける

グリーンズマスター 3000 シリーズのカッティングユニットのみ
  1. 19に示すように、アイドラアセンブリをカッティングユニットに合わせる。

    g329944
  2. 19に示すように、アイドラプレートをカッティングユニットのサイドプレートに合わせる。

  3. アイドラプレートを通してモータマウントをカッティングユニットのサイドプレートの内部に取り付ける(図 19)。

  4. マウントをプレート(図 19)に組み付ける;ステップ モータマウントを外すで外したソケットヘッドねじ(5/16" x 1¼")2本を使用する。

  5. ソケットヘッドねじを 20-26 N·m(2.1-2.5 kg.m = 175-225 in-lb)にトルク締めする。

集草バスケットガードを取り付ける

グリーンズマスター 3000 シリーズのカッティングユニットのみ

この作業に必要なパーツ

集草バスケットガード(左)1
集草バスケットガード(右)1
フランジヘッドねじ2
  1. フランジヘッドねじのねじ山にロッキングコンパウンドが付いていない場合には、穴にロッキングコンパウンド(除去可能タイプ)を塗る。

  2. 集草バスケットガードを刈高アームに固定する(図 20)。

    g349743
  3. 反対側でも同じ作業を行う。

刈高ブラケットアセンブリと前ローラを取り付ける

この作業に必要なパーツ

左側刈高ブラケットアセンブリ1
右側刈高ブラケットアセンブリ1
ショルダボルト2
硬化ワッシャ 1
  1. 先ほど外した刈高調整ねじを、刈高アセンブリの上部に取り付ける(図 21)。

    g349744
  2. 刈高アセンブリを、カッティングユニットのサイドプレートに取り付ける;先ほど取り外したプラウボルト、ナット、特殊ワッシャを使用する(図 21)。

  3. ショルダボルトをアジャスタアームアセンブリに取り付ける時に、中程度のロッキングコンパウンド(Blue Loctite® 243 など)を塗る。

  4. グルーマ駆動ボックス側で、刈高ブラケットのアジャスタアームをグルーマ駆動ボックスの内側にセットし、ショルダボルトと硬化ワッシャを使って図 22のように固定し、ショルダボルトを 16-22 N⋅m(1.7-2.2 kg/m = 12-16 ft-lb)にトルク締めする。

    g349746
  5. アイドラアセンブリ側で、アジャスタアームアセンブリのロッドをアイドラアセンブリに固定する;ショルダボルトをアジャスタアームのロッドとアジャスタカラーに図 23のように通し、20-26 N∙m(2.-2.6 kg.m = 15-19 ft-lb)にトルク締めする。

    g349745
  6. 前ローラのシャフトを左右の刈高ブラケットの中央にセットし、古い刈高アームから外した取り付けねじ2本で固定する(図 24)。

    g231793
  7. 前ローラシャフトの左右それぞれにグルーマガードを取り付ける(図 24)。

  8. グルーマガードを 22-24 N·m(2.2-2.5 kg.m=16-18 ft-lb)にトルク締めする。

グルーマを取り付ける

この作業に必要なパーツ

ボルト(¼" x 1½")4
ジャムロックナット4
シャフトクランプ4
グルーミングリール(別売)1
  1. お持ちのカッティングユニットおよび希望するグルーミングに合ったグルーミングリールを、以下の表からお選びください:

    • 46 cm ツインチップ刃(モデル 04801)

    • 46 cm ソフトブラシ(モデル 04268)

    • 46 cm ハードブラシ(モデル 04269)

    • 53 cm ツインチップ刃(モデル 04802)

    • 53 cm ソフトブラシ(モデル 04270)

    • 53 cm ハードブラシ(モデル 04271)

  2. グルーミングリールアセンブリを、駆動ボックスとアイドラアセンブリとの間にセットする(図 25)。

    g283516
  3. グルーマボックスが正しく整列していることを確かめた上で、以下を行う:

    1. グルーマアセンブリを、取り付け位置にボルトで仮止めする。

    2. グルーマの食い込み深さを、刈高と同じ高さにセットする。

    3. グルーマボックスが正しくセンタリングされていることを確認する。

    Note: 刈高の設定については各カッティングユニットのオペレーターズマニュアルを参照;グルーミング高さの調整についてはグルーマの高さを調整するを参照のこと。

  4. 25にある、グルーマアセンブリを固定しているボルトを本締めし;5-7 N∙m(0.56-0.69 kg.m = 46-60 in-lb)にトルク締めする。

    Important: ボルトとジャムナットを締め付ける時に、グルーマボックスの側面に負荷を一切掛けない、ボックスのセンタリングを崩さず、リールに対して直角に維持するように注意してください。

グルーマのスプリングの力を調整する

この作業に必要なパーツ

ワッシャ(P/N 3256-24、別売品)

低いグルーミング位置で使用する場合にはスプリングの力を強くする必要があります。追加のワッシャ(P/N 3256-24)をアイボルトに取り付け、グルーミング高さスプリングが適切に圧縮されるようにしてください。

  1. カッティングユニットを希望の刈高に設定する;カッティングユニットの オペレーターズマニュアルを参照。

  2. グルーミング高さを設定する;グルーマの高さを調整するを参照。

  3. グルーマのアジャスタが「入」(動作する)位置になっていることを確認する;移動走行を行うとき を参照。

  4. 26に示すように、ワッシャ間の距離(現在のスプリングの長さ)を測定する。

    g346933
  5. 現在のスプリング長さから 19 mm を差し引き、得られた差を 1.5 mm で割ると、追加で必要となるワッシャの枚数が得られる。

サスペンション前ローラを取り付ける

この作業に必要なパーツ

グリーンズマスター 3120, 3150, 3250 用プルリンクキットと延長カップラ(別売)

マシンによっては、このユニバーサルグルーマキットを取り付けに、プルリンクキットと延長カップラが必要になります;以下のリストおよびそれらの取り付け要領書を参照してください。

  • 2018 年以前のグリーンズマスター 3120 と 3150 のトラクションユニットは、ローラシャフトのねじ山が細かいので、プルリンクキット P/N 106-2643 が必要です。

  • 2018 年以降のグリーンズマスター 3120 と 3150 のトラクションユニットは、ローラシャフトのねじ山が粗い製品です。プルリンクキット P/N 138-4976 が必要です。

  • グリーンズマスター 3250 のトラクションユニットには、カッティングユニット 1 台あたり 1 個のプルリンクキット P/N 112-9248 が必要です。

運転操作

はじめに

グルーミングはターフ表面のすぐ上で行う作業です。グルーミングは、芝草が縦方向に成長することを促進し、芝目を減らし、ほふく茎を切断することによって密度の高いターフを作ります。グルーミングは、より均一で固いプレー面を作り、ゴルフボールの転がりを素直に、また速くします。

グルーミングとバーチカットは全く異なる作業であり、グルーミングはバーチカットの代わりにはなりません。グルーミングはターフの「毛並み」を揃える日常的な軽い保守作業の一つですが、バーチカットはターフに大きな負担をかける作業であり、実施回数もわずかです。

g006671

グルーミングブラシは、通常のグルーミングよりもさらにやさしい当たりでグルーミングを行うことができます。ウルトラドワーフ草種は、縦伸び傾向が強く、横方向に芽を伸ばして隙間を埋めるのに時間がかかる傾向があるので、ブラシによるグルーミングの方が向いていると思われます。ブラシを低くセットしすぎると芝草の葉身を傷つけやすくなりますから注意が必要です。

バーチカットやサッチングとは異なり、グルーマの刃は決して地中に食い込ませません。グルーミングは、ほふく茎の切断とサッチ除去に有効です。

グルーミングは葉身を傷つける作業ですので、ストレスの強い時期には避けてください。クリーピングベントグラスやブルーグラスなどのような寒地型芝草に対しては、真夏の高温期(高湿期)のグルーミングを控えるようにしましょう。

様々な条件がグルーミングに影響を与えます。例えば:

  • 時期(一年のうちのどの時期か)や天候パターン

  • 各グリーンの全体的なコンディション

  • グルーミングや刈り込みの頻度: 週に何回行うか、また、二度刈りを行うか

  • メインリールの設定刈高

  • グルーミングリールの設定高さ

  • グリーンでグルーミングを行い始めてどのくらいの年月が経っているか

  • グリーンで使用している草種

  • グリーンの芝管理の全体的な方法(散水、施肥、薬剤散布、コアリング、オーバーシードなど)

  • 通行

  • ストレスのかかる季節(高温、高湿、ハイシーズンなど)

以上のような因子はグリーンごとに異なるものです。各グリーンを毎回よく観察し、必要に応じてグルーミングの方法を変更してください。

各種のグルーミングシャフトをご用意しております。13 mm 間隔にすると、ほふく茎を切断する程度に深く、しかしターフをひどく薄くするほどに強くなくグルーミングができます。スペーサを抜き取って代わりにブレードを入れる、あるいはスペーサを追加することにより、グルーマの刃の間隔を 6 mm と 19 mm との間で調整することができます。

Note: 成長が速い時期(春から初夏まで)には、刃の間隔を 6 mm にして、主にキャノピ(ターフ上層)をグルーミングします。成長が遅い時期(晩夏から冬まで)には、刃の間隔を 19 mm にします。ストレス期にグルーマを使用すると芝を薄くしてしまう恐れがあります。

Note: グルーマの不適切な使用や強すぎる使用(深すぎる設定やグルーミング回数の多すぎ)は、ターフに無用のストレスを与え、ターフの品質を大きく下落させます。グルーマは注意深く使ってください。

Note: グルーマを使っている時は刈り込み方向を毎回変えるようにしてください。これによりグルーミングの効果をさらに高めることができます。

Note: グルーマはできるだけ直線走行で使ってください。グルーマを使いながらの旋回動作は十分に注意して行ってください。

グルーマの高さを調整する

Note: eフレックスのトラクションユニットにグルーマを取り付けている場合には、グルーマ使用時にはバッテリーの消耗が早くなりますからご注意ください。グルーマの設定を深くすればするほど、グルーマを駆動するためにより大きなパワーが必要となり、バッテリーが早く消耗します。

以下の表、図、および試験手順を利用して適切な設定を決めてください。

グルーマの高さと深さの表

必要な後ローラスペーサの個数刈高グルーミング高さ範囲
01.5 mm3.0 mm4.8 mm6.4 mm0.8~1.5 mm1.5~3.0 mm2.3~4.8 mm3.0~6.4 mm
17.9 mm9.7 mm3.8~7.9 mm4.6~9.7 mm
211.2 mm*12.7 mm*5.3~11.2 mm6.4~12.7 mm
315.9 mm*9.4-15.9 mm
419.1 mm (0.75 inch)*12.7-19.1 mm

Note: 歩行型モアにユニバーサルグルーマ駆動キットを取り付けた場合の最大刈高範囲は 12.7 mm となります。

* 高刈りグルーミングキット(P/N 133-9110)を使用
 

カッティングユニットの準備

  1. ローラが汚れていないのを確認する。ユニットを水平で平らな作業台の上に置く。

  2. グルーマの高さと深さの表を使用して、希望するグルーミング深さに必要な後ローラスペーサの数を確認する。

    Note: 高刈りグルーミングキットには後部スペーサ 6 枚と長い後ローラボルト 4 本が入っています。

  3. メインリールの刈高をセットする。

グルーマの高さを調整する

  1. グルーマの高さと深さの表を使用して、希望するグルーミング深さに必要なポジションを確認する。以下の手順でグルーミングリールの上下調整を行う:

    Important: 設定刈高が 13 mm までは、刈高の ½ よりも低くグルーマをセットしてはならない。それ以下の刈高では刈高よりも 6 mm 以上は下げない。

    Important: 設定刈高よりも高くグルーマをセットすると、クイックアップ位置を使用した時にグルーマと集草バスケットが接触する可能性があります。作業 位置では、絶対にグルーマリールを刈高より高くセットしないでください。

  2. クイックアップレバー(図 28)を作業位置に(ハンドルがカッティングユニットの前方を向くように)セットする。

    g031469
  3. グルーマリールの一端側で、ブレードの一番低い刃先と床との距離を測る(図 28)。高さ調整ノブ(図 28)を使って、グルーマの刃先の高さを希望の高さに調整する。

  4. ステップ3をグルーマの反対側でも行い、調整ができたら、元の側の調整を確認する。グルーマの左右で、高さの測定値が同じになっていれば良い。グルーマの左右で高さの測定値が同じでない場合には、調整ノブで同じ高さに調整する。

グルーマの回転方向を変更するとき

グルーマの設定は 3 種類:ニュートラル(N)、前転(F)、後転(R)。回転方向の変更は、グルーマ駆動ボックスについているノブで行います。希望する回転方向の記号を調整ノッチに合わせてください。

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グルーマの動作状態をテストする。

Important: グルーマの不適切な使用や過度の使用(深すぎる設定やグルーミング回数の多すぎ)は、グリーンのストレスを高め品質下落の要因となります。グルーマは注意深く使ってください。

危険

バックラップ中にリールに触れると大けがをする。

  • カッティングユニットの調整を行う場合には、必ず事前にカッティングユニットを回転禁止にセットし、駐車ブレーキを掛け、エンジンを停止し、可動部が完全に停止するのを待つこと。

  • リールその他の可動部に手足や衣類等を近づけないよう注意すること。

適切な設定を決めるための手順:

  1. カッティングユニットのリール(刈り込みリール)を、グルーマなしで使う場合の普通の刈高にセットする。

  2. グルーマリールを、刈高と同じ高さ、ローラより高い位置、にセットする。

  3. グルーミングブラシも、ローラより高く、刈高と同じ高さにセットする。

    Note: 希望する以上の傷をつけないように、グルーミングブラシを調整(上下方向に 0.25 mm 刻み)する。

  4. テスト用グリーンで1畝だけ試し刈りを行い、次にグルーミングリールをローラの高さから ½ だけ下げて、もう1畝の試し刈りを行う。

    Note: (たとえば刈高が 3.2 mm に設定されている場合は、グルーミングリールをローラよりも 1.6 mm 高くセットする)。

  5. 結果を比較する。

    Note: 最初の設定、すなわちグルーマの高さを刈高まで上げた設定の方が、2度目の設定よりもずっと刈かすの収量が少ないはずである。

  6. 2-3日後に、テストグリーンの状態を観察する。グルーミングしなかった場所が緑色であるのに、グルーミングした場所が黄変していたり、茶色に変色している場合には、グルーミングがきつすぎると判断する。

    Note: グルーミングを行うと、ターフの色が変わります。慣れてくるにつれて、ターフの色(およびその他の様々な注意深い観察)によって、現在のグルーミングが適切かどうかが判断できるようになります。グルーミングは芝草を立たせる動作を伴い、またサッチも除去するので、グルーマを使用しない芝刈りとは異なった仕上がりになります。この効果はグルーマをグリーンで使い始めた最初の数回に最も顕著に現れます。

    Note: グルーマを使用する時は、マルチパス(2度刈り、3度刈り....)は避けてください。マルチパスでは1回ごとにグルーマがさらに深く食い込むようになります。グルーマを使用する時は、マルチパスは行なわないでください。

    テストグリーンで希望通りの仕上がり状態ができることを確認したら、実際のグリーンでのグルーミングを開始する。ただし、グリーンは1つ1つが違うので、グルーミングの結果もそれぞれ異なり、また一定とはならない。また、成長条件も常に変化していることを理解する必要がある。グリーンの状態をよく観察し、こまめに調整を行うようにする。

移動走行を行うとき

グルーマを作動させずに刈り込みを行う場合や、現場から現場へ移動する場合には、クイックアップレバーを移動走行位置(図 30)にセットしてください。

Note: グルーマリールが上昇します。

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保守

ギアボックスの潤滑油の交換

整備間隔
最初の 100 運転時間後
500 運転時間ごと/ 1年に 1 回(いずれか早く到達した方の時期)
  1. グルーマハウジングの外面をきれいに拭く。

    Important: グルーマハウジングの外側にごみや刈りかすをためないようにしてください。グルーマ内部に異物が入るとギアボックスを破損させる恐れがあります。

  2. ハウジングの下にあるドレンプラグを抜く(図 33)。

  3. ハウジングの側面にあるオイル補給プラグと上部にある通気プラグを抜いてオイルを抜けやすくする(図 33)。

  4. オイルドレンポートの下に適当なオイル回収容器を置く。

  5. オイルが完全に抜けるように、カッティングユニットを立てて排出口が一番下になるようにする(図 31)。

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  6. カッティングユニットを前後に揺らしてオイルを完全に排出する。オイルが完全に抜けたら、カッティングユニットを、平らな場所に置く。

  7. ドレンプラグを取り付ける。

  8. シリンジ(P/N 137-0872)を使って 80-90W オイルを 50 cc 入れる。

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  9. 補給プラグを取り付け、通気プラグは締め付ける。

  10. 全部のプラグを 3.62-4.75 N·m(0.37-0.48 kg.m = 32-42 in-lb)にトルク締めする。

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グルーマ駆動ボックスを取り外す

Note: 以下、特に指示がない限り、取り外した部品はすべて再使用します。

Important: グルーマ駆動ボックスの取り外しが難しい場合には、トラクションユニットのサービスマニュアルを参照するか、ディストリビュータにご相談ください。

  1. グルーマからキャップを外す。

  2. グルーマを駆動ボックスに接続しているクランクボルトを外す(図 34)。

  3. グルーマを駆動ボックスをアジャスタアームに接続しているショルダボルトと硬化ワッシャを外す(図 34)。

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  4. リールが回転しないように固定する;ねじ付きインサートを外すためにリールを固定するにはを参照。

  5. 34のように、補強ねじ(P/N 1-803022;別売)をグルーマ駆動六角ヘッドのねじ溝に取り付けて 13.5 N⋅m(1.4 kg.m = 120 in-lb)にトルク締めする。

  6. グルーマ駆動六角ヘッドを回して、リールからグルーマ駆動ボックスを外す(図 34)。

    Important: グルーマ駆動ボックスがカッティングユニットの右側に取り付けられている場合には、グルーマ駆動六角ヘッド(右ねじ)を左に回すと駆動ボックスのシャフトをカッティングユニットから外すことができます。

    Important: グルーマ駆動ボックスがカッティングユニットの左側に取り付けられている場合には、グルーマ駆動六角ヘッド(左ねじ)を左に回すと駆動ボックスのシャフトをカッティングユニットから外すことができます。

    Important: 6ポイントのソケット(肉厚の壁のもの)を使う必要があります。

グルーミングリールの洗浄

整備間隔整備手順
使用後毎回
  • 使用後はホースでグルーマを水洗いしてください。ただし、ベアリング部分には直接水流を当てないように注意してください。錆の発生を防止するため、水洗い後は速やかに乾燥させてください。

    ブレードの点検

    整備間隔整備手順
    使用するごとまたは毎日
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    グルーミングリールの刃は摩耗や破損が発生しやすいので頻繁に点検してください。曲がった刃はプライヤーなどで修正してください。摩耗した刃は交換し、ロックナットを42-49 N·m (4.3-5.0 kg.m = 31-36 ft-lb) にトルク締めする。刃の点検を行う時には、ブレードシャフトの左右のナットが十分に締まっていることを確認してください。

    Note: スプリング鋼製のブレードの場合は、刃の前側が摩耗したら、グルーミングリールを外して分解して刃を裏返し(180° 回転)させると再使用できます。摩耗していない側が回転の前方を向くように取り付けてください。

    Note: グルーマを使うと異物(土や砂)も多く巻き上げることになりますので、リールや下刃の点検もより頻繁に行うことが必要になります。特に砂地のグリーンや、深く食い込ませるグルーミングを行なう場合には、点検が重要になります。

    リール固定手順

    警告

    リール刃は非常に鋭利で、手足を切断できるほどである。

    • リールの軌道内に手足を入れないこと。

    • リールに作業を行う場合には、リールが回転しないよう確実に固定すること。

    ねじ付きインサートを外すためにリールを固定するには

    1. リールの底部にアクセスできるようにカッティングユニットを立てる。

    2. 長い柄のバール(9 mm x 30 cm 程度のドライバータイプのもの。握りのついているものがよい)を用意する。バールは、トルク作業を行う側に近い側で、リールの下から差し込むようにする(図 36)。

    3. リールサポートプレートの溶接されている側からバールを入れ(図 36)、

      Note: リールのシャフトの上側と枚のリール刃の背中側にバールを差し込むと、リールが回転できなくなる。

      Important: リールの刃先にバールを触れると刃こぼれなどを起こす;バールを当てないように十分注意すること。

      Important: カッティングユニット左側のインサートは左ねじです。カッティングユニット右側のインサートは右ねじです。

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    4. バールの握り部分をローラに載せる。

    5. バールでリールが確実に止まっていることを確認しながらインサートを外す。作業が終わったらバールを外す。

    6. ローラが下になるようにカッティングユニットを降ろす。

    ねじ付きインサートの着脱のためにリールを固定するには

    1. 長い柄のバール(9 mm x 30 cm 程度のドライバータイプのもの。握りのついているものがよい)を用意する。バールは、トルク作業を行う側に近い側で、リールの前から差し込むようにする(図 37)。

    2. リールサポートプレートの溶接されている側からバールを入れ(図 37)、

      Note: リールのシャフトの上側と枚のリール刃の背中側にバールを差し込むと、リールが回転できなくなる。

      Important: リールの刃先にバールを触れると刃こぼれなどを起こす;バールを当てないように十分注意すること。

      Important: カッティングユニット左側のインサートは左ねじです。カッティングユニット右側のインサートは右ねじです。

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    3. バールの握り部分をローラに載せる。

    4. バールを保持しながら、ねじ山付きインサートの説明通りにインサートを取り付ける。インサートを支持された値までトルク締めする。

    5. バールを外す。