はじめに

このカッティングユニットは、集約的で高度な管理を受けているゴルフ場や公園、スポーツフィールド、商用目的で使用される芝生に対する刈り込み管理を行うことを主たる目的として製造されております。このマシンは本来の目的から外れた使用をすると運転者本人や周囲の人間に危険な場合があります。

この説明書を読んで製品の運転方法や整備方法を十分に理解し、他人に迷惑の掛からない、適切で安全な方法でご使用ください。この製品を適切かつ安全に使用するのはお客様の責任です。

製品の安全や取り扱い講習、アクセサリなどに関する情報、代理店についての情報の入手、お買い上げ製品の登録などをネットで行っていただくことができます:www.Toro.com

整備について、また純正部品についてなど、分からないことはお気軽に弊社代理店またはカスタマーサービスにおたずねください。お問い合わせの際には、必ず製品のモデル番号とシリアル番号をお知らせください。図 1にモデル番号とシリアル番号を刻印した銘板の取り付け位置を示します。いまのうちに番号をメモしておきましょう。

Important: シリアル番号プレートについている QR コード(無い場合もあります)をモバイル機器でスキャンすると、製品保証、パーツその他の製品情報にアクセスできます。

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この説明書では、危険についての注意を促すための警告記号(図 2)を使用しております。これらは死亡事故を含む重大な人身事故を防止するための注意ですから、必ずお守りください。

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この他に2つの言葉で注意を促しています。重要 は製品の構造などについての注意点を、はその他の注意点を表しています。

この製品は、関連する全ての欧州指令に適合しています。詳細についてはこの冊子の末尾にあるDOI(適合宣誓書)をご覧ください。

安全について

安全に関する一般的な注意

この製品は手足を切断する能力がある。重大な人身事故を防ぐため、すべての注意事項を厳守してください。

  • 本機をご使用になる前に必ずこのオペレーターズマニュアルをお読みになり、内容をよく理解してください。

  • このマシンを運転する時は常に十分な注意を払ってください。運転中は運転操作に集中してください;注意散漫は事故の大きな原因となります。

  • マシンの可動部の近くには絶対に手足を近づけないでください。

  • ガードなどの安全保護機器が正しく機能していない時は、運転しないでください。

  • 排出口の近くに手足などを近づけないでください。

  • 作業場所に、無用の大人、子供、ペットなどを近づけないでください。子供に運転させないでください。

  • 運転席を離れる前に:

    • 平らな場所に駐車する。

    • カッティングユニット下降

    • 駆動系統をOFFにする。

    • 駐車ブレーキを掛ける(装備車の場合)。

    • エンジンを止め、キーを抜き取る。

    • 全ての動きが停止するのを待つ。

間違った使い方や整備不良は人身事故などの原因となります。事故を防止するため、以下に示す安全上の注意や安全注意標識 Graphic のついている遵守事項は必ずお守りください 「注意」、「警告」、および「危険」 の記号は、人身の安全に関わる注意事項を示しています。これらの注意を怠ると死亡事故などの重大な人身事故が発生する恐れがあります。

カッティングユニットの安全確保

  • トラクションユニットに取り付けたカッティングユニットは、機械の一部となります。ですから、トラクションユニットのオペレーターズマニュアルもお読みになって、機械全体を安全に取り扱う方法を良く学んでください。

  • 異物をはね飛ばしたときや機体に異常な振動を感じたときにはまずマシンを停止し、キー付きのマシンではキーを抜き取り、各部の動きが止まってからよく点検してください。異常を発見したら、作業を再開する前にすべて修理してください。

  • 各部品が良好な状態にあり、ボルトナット類が十分にしまっているか常に点検してください。読めなくなったステッカーは貼り替えてください。

  • アクセサリ、アタッチメント、交換部品は、必ずトロの純正品をお使いください。

刈り込みブレードについての安全事項

磨耗の進んだブレードや破損したブレードは、回転中にちぎれて飛び出す場合があり、これが起こるとオペレータや周囲の人間に多大の危険を及ぼし、最悪の場合には死亡事故となる。

  • ブレードが磨耗や破損していないか定期的に点検すること。

  • ブレードを点検する時には安全に十分注意してください。ブレードをウェスでくるむか、安全手袋をはめ、十分に注意して取り扱ってください。ブレードは研磨または交換のみ行い、たたいて修復したり溶接したりしないでください。

  • 複数のブレードを持つ機械では、1つのブレードを回転させると他も回転する場合がありますから注意してください。

安全ラベルと指示ラベル

Graphic

危険な部分の近くには、見やすい位置に安全ラベルや指示ラベルを貼付しています。破損したりはがれたりした場合は新しいラベルを貼付してください。

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組み立て

Note: 前後左右は運転位置からみた方向です。

リール用グリスフィッティングを取り付ける

この作業に必要なパーツ

グリスフィッティング(ストレート)1

カッティングユニットのリールモータ側にグリスフィッティングを取り付けてください。図 3を参照して、各位置に配置されたカッティングユニットのどちら側にリールモータを取り付けるかを確認する。

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  1. リールモータのサイドプレートの固定ねじを外す。ねじは廃棄する (図 4)。

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  2. グリスフィッティング(ストレート)を取り付ける (図 4)。

    Note: グリースフィッティングはリールモーターのスプラインを潤滑するためのものです。

カッティングユニットを調整する

  1. リールと下刃の調整を行う。

  2. 刈高に合わせて後ローラを調整する。

  3. 刈り高を調整する。

  4. 必要に応じて後シールドを調整する。

  5. 全部のカッティングユニットをトラクションユニットに取り付け終わり、刈り込みに使用できる状態になったら、ターフ補正スプリングの調整を行う。

これらの調整についての詳細は、を参照。

リールモータを取り付ける。

この作業に必要なパーツ

O リング1
キャップスクリュ(既に取り付け済みの場合もあり)2

Important: リールモータを取り付ける前に、カッティングユニットをはさんでリールモータの反対側に取り付けるカウンタウェイトまたはアクセサリを購入し、その説明書に従って取り付けを行ってください。

  1. カッティングユニットをトラクションユニットに取り付ける:取り付け要領についてはトラクションユニットのオペレーターズマニュアル を参照。

  2. リールモータのサイドプレートにキャップスクリュが付いていない場合は取り付ける (図 4)。

  3. リールモータにOリングを取り付ける (図 5)。

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  4. リールモータを取り付け、キャップスクリュで固定する。

  5. サイドプレートからグリスを注入する。グリスベントからグリスが漏れてくるまで入れること (図 4)。

製品の概要

カッティングユニット重量
0363854kg
0363954kg
0364155kg
0364355kg

アタッチメントとアクセサリ

トロが認定した各種のアタッチメントやアクセサリがそろっており、マシンの機能をさらに広げることができます。詳細は弊社の正規サービスディーラ、または代理店へお問い合わせください;弊社のウェブサイト www.Toro.com でもすべての認定アタッチメントとアクセサリをご覧になることができます。

いつも最高の性能と安全性を維持するために、必ずToroの純正部品をご使用ください。他社の部品やアクセサリを御使用になると危険な場合があり、製品保証を受けられなくなる場合がありますのでおやめください。

運転操作

運転の詳細は、トラクションユニットのオペレーターズマニュアル を参照してください。カッティングユニットは、毎日、使用前に調整をしてください;リールと下刃の調整を行うを参照してください。試験刈りを行って、カッティングユニットが希望通りの刈り上がりに調整されていることを確認してから使ってください。

カッティングユニットを調整する

後シールドを調整する

ほとんどの場合、シールドを閉じた状態にする(前方に排出する)と、最もよく刈りかすを分散します。濡れ芝などのように草が非常に重い時はシールドを開ける方が良い場合もあります。

後シールド(図 6)を開くには、シールドを左サイドプレートに固定しているボルトをゆるめます。シールドを希望位置にセットしたら、ボルトを元通りに締め付けます。

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リールと下刃の調整を行う

毎日のベッドナイフ調整

このカッティングユニットではデュアルノブ方式によってベッドナイフとリールの調整を行うようになっており、最適の調整を簡単に手早く行うことができます。また、このデュアルノブ方式では非常に正確な調整ができますので、ベッドナイフとリールとが相互に研磨しあうようになり、鋭利な刃先が長持ちして、高品質な刈りを長時間持続させることができ、バックラップの頻度を大幅に減らすことができます。

毎日または必要に応じて、刈り込みに出発するまえに、各カッティングユニットの下刃とリールの刃合わせ状態を点検してください。この点検は、前日の調子に係わりなく毎回行ってください。

  1. カッティングユニットを硬い表面に下ろし、エンジンを停止し、イグニッション キーを取り外す。

  2. 手でリールをゆっくりと後ろ向きに回転させ、リールと下刃の接触状態を耳で確認する。

    • 接触がまったくない場合には、以下の手順で調整する::

      1. ベッドバー調節ねじ(図 7)を1クリックずつ均等に締めながら、ごく軽い接触が得られるようにする。

        Note: 調整ネジには、各インデックス位置での下刃の0.022 mm毎の移動に対応する戻り止めが付いています。リールと下刃の調整を行うを参照。

        g019940
      2. リールと下刃の間に、下刃に対して垂直になるように、カッティングパフォーマンスペーパー (Toro部品番号125-5610) の長いストリップを挿入し (図 8)、次にリールをゆっくりと前方に回転させる。紙が切れるはずです。切れない場合は、切れるまで手順AとBを繰り返す。

        g027166
    • 過度の接触/リールの引きずりが明らかな場合は、バックラップするか、下刃の前面を再研磨するか、下刃とリールのどちらかまたは両方を研磨して、精密な刈り取りに必要な鋭い刃を実現します。Toroのリールおよびロータリー式芝刈り機の研磨マニュアル (フォーム番号09168SL) を参照してください。

    Important: どんな場合でもごく軽い接触がベストです。軽く接触を維持しないと、下刃/リールの刃先は十分に自研ぎされず、一定期間操作すると鈍くなります。逆に、接触が強すぎると、相互の摩耗が早く進み、摩耗ムラが出て刈り上がりに悪影響が出やすくなります。

    Note: 下刃は、長期間使用しているうちにリールに削られ、リールの端部と接触する縁の部分が角張ってきます。この角張った部分は、ヤスリなどを使って丸めるか、下刃の刃先と面一にするかしてください。

    Note: 出荷時に面取りを施していますが(図 9)、この面取りはベッドナイフの寿命の中ほど(40%)でなくなりますので、面取りが必要になります。

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    Note: 面取りを大きくしすぎると、ターフに刈り残しが出るようになりますから注意が必要です。

リールと下刃の調整を行う

以下の作業は、初回組立、研磨、バックラップ、分解組立などの際に行うものです。毎日行う作業ではありません。

  • カッティングユニットをバックラップした後、または下刃やリールを研磨した後、カッティングユニットで数分間刈り込み、その後、リールとベッドナイフが互いに調整されるように、この手順を繰り返して下刃をリールに合わせ込む必要がある場合があります。

  • ターフの密度が非常に高い場合や、刈高が非常に低い場合には、更に微調整が必要となる場合もあります。

  1. カッティングユニットを平らな水平の作業台の上に置く。

  2. ベッドバー調整ねじを左に回してベッドナイフとリールの接触をなくす(図 10)。

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  3. ベッドナイフとリールが見えるように、カッティングユニットを立てる。

    Important: ユニットの背面についているベッドバー調整ねじのナットが床に当たっていないことを確認する;キックスタンドを使用すること(図 11)。

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  4. リールを回転させ、刃の1つがカッティング ユニットの右側にある下刃の端から約 25 mm 内側で下刃を横切るようにします。

  5. リールブレードが下刃の端と交差する部分に識別マークを付ける。

    Note: これはこの後の調整をやり易くするためである。

  6. 手順5でマークしたポイントで、ブレードと下刃の間に0.05 mmのシム (部品番号 140-5531) を挿入する。

  7. 右側のベッドバーアジャスターを、シムに軽い圧力がかかるまで時計回りに回し、ベッドバーアジャスターを2クリック戻してシムを取り外す。

    Note: カッティングユニットの左右どちらかの側で調整をすると反対側の調整も影響されます。2クリック戻すことにより、反対側の調整作業時にクリアランスを確保します。

    Note: 調整前の下刃とリールの間隔が広すぎる場合には、左右の調整ねじを交互に回して、間隔を適宜小さくしておくとよいでしょう。

  8. 先ほどマークを付けた刃(ユニット右側でシムを挟んでチェックした刃)がカッティングユニットの左端からおよそ 25 mm の位置でリール刃が下刃と交差するようにゆっくりと リールを回して位置を決める。

  9. シムが軽く挟まれた状態で引き抜ける程度まで、左側のベッドバー調整ねじを右に回して調整する。

  10. ユニットの右側に戻り、左右とも同じ程度の力でシムを引き抜くことができるように、適宜再調整する。

  11. ステップ9と10を繰り返して、カッティングユニットの左右どちらの側でも、同じ力でシムを引き抜けるように、しかしそこから左右でもう1クリック締めるとシムを引き抜けなくなるように、下刃とリール刃のすき間を調整する。

    Note: 以上で、下刃とリールが平行に調整された。

  12. この位置(あと1クリック締めるとシムが通らなくなる位置)から、ベッドバーアジャスタをそれぞれ右に1クリック締める。

    Note: 1回のクリックで、下刃が 0.022 mm 移動します。調整ねじを締めすぎないように注意してください。

  13. 刃合わせチェックペーパー (Toro P/N 125-5610) を、リールとベッドナイフとの間に入れてベッドナイフに対して直角にセットし (図 8)、リールを ゆっくりと 前転させる;紙が切れれば適切。左右のベッドバー調整ボルトをそれぞれ1クリックだけ締め、もういちど紙を切るテストを行う。紙が切れるまでこれを繰り返す。

    Note: 過度の接触/リールの引きずりが明らかな場合は、バックラップするか、下刃の前面を再研磨するか、下刃とリールのどちらかまたは両方を研磨して、精密な刈り取りに必要な鋭い刃を実現します。Toroのリールおよびロータリー式芝刈り機の研磨マニュアル (フォーム番号09168SL) を参照してください。

後ローラの高さを調整する

  1. 12に従って、サイドプレート取り付けフランジ (図 12) の下に必要な枚数のスペーサーを入れて、後部ローラーブラケット(刈り高さと下刃の選択表)を希望の刈高範囲に調整する。

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  2. カッティングユニットの後部を持ち上げてベッドナイフの下に角材などの枕を置く。

  3. 各ローラーブラケットとスペーサーを各サイドプレート取り付けフランジに固定しているナット2個を取り外す。

  4. ローラーとネジをサイドプレート取り付けフランジとスペーサーの下にする。

  5. スペーサを、ローラブラケットの上にしてボルトに通す。

  6. ローラブラケットとスペーサを、サイドプレート取り付けフランジの下側に、先ほど取り外したナットを使って取り付ける。

  7. ベッドナイフとリールの接触状態が良好であることを確認する。カッティングユニットを立てて、前ローラと後ローラ、およびベッドナイフが見えるようにする。

    Note: リールと後ローラとの平行関係は、カッティングユニット全体の組み立て精度により保証されていますから、調整は不要です。カッティングユニットをサーフェスプレート上にセットし、サイドプレート取り付けキャップネジを緩めることにより、ある程度の調整が可能です (図 13) 。ガタを除去し、キャップスクリュを 37-45 N·m(36.6-44.7 kg.m = 27-33 ft-lb)にトルク締めする。

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ターフ補正スプリングを調整する

ターフ補正スプリングは、カッティングユニットの前から後ろへの「体重移動」を行う働きがあります。これにより、マーセリングやボビングと呼ばれる「波打ったような」仕上がりを防いでいます。

Important: この調整は、カッティングユニットをトラクタに取り付け、ユニットを真っ直ぐ前に向けて床に降ろした状態で行ってください。

  1. スプリングロッドの後穴にヘアピンコッターを忘れずに取り付けてください(図 14)。

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  2. スプリングロッド前部の6角ナットを締めて、スプリング(圧縮状態)の長さが15.9 cm になるようにする(図 14)。

    Note: アップダウンの激しい場所で使用する時には、スプリングの長さを 1.3 cmに調整してください。

    Note: 刈高を変更したときや下刃の角度を変更したときはスプリングの長さを再調整してください。

刈高の調整

Note: 刈高を 25.4 mm 以上に設定するには高刈りキットを取り付けることが必要です。

  1. 刈り高ブラケットをカッティングユニットのサイドプレートに固定しているロックナットをゆるめる(図 15)。

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  2. ゲージバー(図 16)のナットを緩め、調整ボルトで希望の刈高さに設定する。

    Note: ボルトの頭の底とバーの面の間の距離が刈高さです。

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  3. ボルトの頭を下刃の刃先に引っ掛け、バーの後端を後部ローラーに載せたままにする(図 17)。

    Note: ショルダ付きローラを装着しているカッティングユニットの刈高を調べる場合には、ローラ端部の直径の大きい部分にゲージバーを当てて測定してください。

  4. フロントローラーがゲージバーに接触するまで調整ボルトを回す(図 17)。

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  5. ローラ全体が下刃と平行になるように、ローラの両側を均等に調節する。

    Important: 前後のローラにゲージが当たり、ボルトの頭がリールにぴったりと掛かっているのが正しい調整状態です。下刃の左右端でこの状態となるように調整してください。

  6. ナットを締めて調整を固定する。

    Note: ナットを締めすぎないこと。ワッシャの遊びがなくなるまで締め付ければそれでよい。

刈り高さと下刃の選択表

刈り高さ表
刈高設定刈り込みの「強さ」後スペーサの数チェーンリンクの数グルーマキットを取り付けている場合**
6.4 mm弱め05Yes
普通05Yes
強め15-
9.5 mm弱め05Yes
普通15Yes
強め25-
12.7 mm弱め05Yes
普通15Yes
強め25Yes
15.6 mm弱め15Yes
普通25Yes
強め35-
19.1 mm弱め25Yes
普通35Yes
強め45-
22.2 mm弱め25Yes
普通35Yes
強め45-
25.4 mm弱め35Yes
普通45Yes
強め54+-
28.6 mm弱め45-
普通55-
強め65-
31.8 mm*+弱め45-
普通55-
強め65-
34.9 mm*+弱め45-
普通55-
強め65-
381 mm*+弱め55-
普通65-
強め75-
41.3 mm*+弱め64-
普通74-
強め84-
44.4 mm*+弱め64-
普通74-
強め85-
47.6 mm*+弱め74-
普通85-
強め95-
50.8 mm*+弱め75-
普通85-
強め95-
+ 昇降アームの U ブラケットを下穴にセットします(図 20)。
* 高刈りキット(P/N 137-0890)を取り付ける必要があります。刈高ブラケットは、サイドプレートの一番上の穴にセットします。
** Y は、この刈高とスペーサの組み合わせでグルーマの使用が可能であることを示します。

以下の表により、希望する刈高に最も適したベッドナイフを決定してください。

下刃/刈り高さの選択表
ベッドナイフパーツ番号ベッドナイフのリップの高さ 刈高
トーナメント(オプション)147-12574.3 mm 3.8-9.5 mm
(0.170")(0.150-0.375")
ローカット(モデル 03643)147-12445.6 mm 6.4-12.7 mm
(0.220")(0.250-0.500")
EdgeMax® 低刈用 137-60935.6 mm 6.4-12.7 mm
(モデル 03641)(0.220")(0.250-0.500")
先長ローカット(オプション)147-12435.6 mm 6.4-12.7 mm
(0.220")(0.250-0.500")
先長ローカット EdgeMax®(オプション)119-42805.6 mm 6.4-12.7 mm
(0.220")(0.250-0.500")
エッジマックス®137-60946.9 mm9.5-38.1 mm
(モデル 03638, 03639)(0.270")(0.375-1.50")*
スタンダード(オプション)147-12456.9 mm9.5-38.1 mm
(0.270")(0.375-1.50")*
ヘビーデューティー(オプション)147-12469.3mm12.7-38.1 mm
(0.370")(0.500-1.50")
* 暖地型芝草を 12.7 mm 以下の刈高で刈り込む場合には、ローカット用ベッドナイフが必要となる場合があります。
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刈高に関わる用語の解説

刈高の設定

希望する刈り高に設定調整するという意味です。

名目の刈高(作業台で設定した刈高)

前後のローラの底部を結んでできる平面からベッドナイフの先端までの高さのこと、いわば理論上の刈高です。

実効刈高

実際に芝草が刈り取られる高さのことです。名目刈高が同じでも、草種の違い、季節の違い、ターフや土壌のコンディションなどにより実効刈高はさまざまに変化します。カッティングユニットの設定(刈り込みの強さ、ローラの種類と位置、ベッドナイフの種類、装着するアタッチメント、ターフ補正装置の調整など)も、実効刈高に影響を与えます。ターフエバリュエータ(モデル 04399)を使って、定期的に実効刈高を確認し、名目刈高との差を把握しておくことをお勧めします。

刈り込みの「強さ」

刈り込みの「強度」は、刈りあがりに大きな影響を与えます。「強さ」とは、地表面と下刃との角度を言います (図 19)。

この角度を何度にセットするのが一番よいかは、ターフのコンディションによって、また、どのような刈り上がりを希望するかによって異なってきます。使っていくうちにベストの設定がわかるようになります。また、ターフのコンディションはシーズンを通じて変化しますから、それに応じて調整してゆくことができます。

一般的に、暖地型の芝草(バミューダ、パスパラム、ゾイシアなど)には、弱-普通程度の設定が適しており、寒地型の芝草(ベント、ブルーグラス、ライグラスなど)には、普通~きつめの設定が適しています。きつい設定では、リールの回転によって、より多くの芝草がベッドナイフにかき寄せられるので、刈り取り量が多くなります。

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後スペーサ

刈り込みの強さは、後スペーサの数で設定します。一定の刈り高さの場合、サイドプレート取り付けフランジの下にスペーサーを追加すると、カッティングユニットがより強力になります。トラクションユニットに装着されているカッティングユニット全部が同じ姿勢(スペーサ Toro P/N119-0626 の数が同じ)にセットされていることが必要です。姿勢が異なるとターフの見映えが悪くなる可能性があります (図 19)。

チェーンリンク

昇降アームチェーンを取り付ける位置によって、後ローラのピッチ角が決まります(図 20)。

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グルーマ

カッティングユニットにグルーマを取り付けた場合の推奨刈高設定値を示しています。

保守

カッティングユニットを立てる時の注意

ベッドナイフやリールを見るためにカッティングユニットを立てる場合には、ベッドバー調整ねじのナットが床面に接触しないように、カッティングユニットの後ろ側についているスタンド(トラクションユニットの付属品)で支えるようにしてください(図 21)。

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カッティングユニットの潤滑

定期的に、5ヶ所のグリスポイント(図 22)にNo.2リチウム系汎用グリスを注入します。

前ローラと後ローラにはそれぞれ2ヶ所、リールモータのスプラインには1ヵ所ののグリスポイントがあります。

Note: カッティングユニットを水洗いした直後にグリスアップ作業を行うと、機械各部から水分を追い出してベアリングの寿命を延ばすことができます。

  1. グリスニップルの周囲をウェスできれいに拭く。

  2. きれいなグリスがローラのシールやベアリングの逃がしバルブからはみ出してくるまでグリスを注入する。

  3. はみ出したグリスはふき取る。

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ベッドナイフの仕様

ベッドナイフの整備

ベッドバー/ベッドナイフアセンブリの取り外し

  1. ベッドバー調整ねじを左に回して下刃とリールの接触を完全になくす(図 23)。

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  2. スプリングテンションナットをゆるめて、ワッシャがベッドバーを全く押さないようにする(図 23)。

  3. ベッドバーボルト(図 24)を固定しているロックナット(機体両側)をゆるめる。

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  4. 各ベッドバーボルトを外してベッドバーを下方に引くと、カッティングユニットから取り外せるようになります (図 24)。

    ベッドバーの両端にそれぞれナイロンワッシャ2枚とスチールワッシャが1枚ずつあるので注意する(図 25)。

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  5. ベッドナイフを固定しているネジをすべて外して、ベッドバーからベッドナイフを取り外す。ソケット レンチとベッドナイフ スクリュー ツール (部品番号 TOR510880) を使います。

    Note: ベッドナイフのネジを緩めるには、機械式または空気圧式のインパクトレンチを使うことができます。

    Note: ベッドナイフとネジを廃棄する。

新しいベッドナイフの取り付け

  1. 刈り高さと下刃の選択表に従って新しいベッドナイフを選択する。

  2. ベッドバーの表面についている錆や汚れをきれいに落とし、ベッドバーの表面に薄くオイルを塗る。

    Important: ベッドバーから鋳造部品を取り外さないこと。ベッドバーは設計上中央が凹んだ形状になっているので、研磨しないこと。

  3. ベッドバーのネジ山を清掃する。

  4. 新しいベッドナイフのネジに固着防止剤を塗布し、ベッドナイフをベッドバーに取り付ける。

    Important: 新しいベッドナイフネジのみを使うこと。

    Note: ベッドバーによってネジの数が異なります。

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  5. 外側の 2 本のねじを 1 N·m(1.15 kg.m=10 in-lb)にトルク締めする。

  6. ベッドナイフの中央から作業し、ネジを29.8 +/- 1 N∙m (2.8 +/-kg.m) のトルクで締める。

    Important: 機械式または空気圧式のインパクトレンチを使ってベッドナイフのネジを締めないこと。

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  7. 新しいベッドナイフを研磨する。 ベッドナイフの使用限界表を参照方。

ベッドナイフの使用限界表

ベッドナイフの使用限界を以下の表に示します。

Important: 使用限界を超えているベッドナイフでは、刈り込み後の見映えが悪くなったり、カッティングユニットの耐衝撃性が低下したりする可能性があります。

ベッドナイフの使用限界表
ベッドナイフパーツベッドナイフのリップの高さ使用限界 *研磨角度
上面角/前面角
トーナメント(オプション)147-12574.3 mm 3.4 mm 5/5°
(0.170")(0.134")
EdgeMax® ローカット(モデル 03641)137-60935.6 mm4.8 mm10°/5°
(0.220 インチ)(0.190 インチ)
ローカット(モデル 03643)147-12445.6 mm4.8 mm10°/5°
(0.220 インチ)(0.190 インチ)
先長ローカット EdgeMax®(オプション)119-42805.6 mm4.8 mm 10°/10°
(0.220 インチ)(0.190 インチ)
先長ローカット(オプション)147-12435.6 mm4.8 mm10°/10°
(0.220 インチ)(0.190 インチ)
エッジマックス® 137-60946.9 mm4.8 mm10°/5°
(モデル 03638, 03639)(0.270 インチ)(0.190 インチ)
スタンダード(オプション)147-12456.9 mm4.8 mm10°/5°
(0.270 インチ)(0.190 インチ)
ヘビーデューティー(オプション)147-12469.3mm4.8 mm10°/5°
(0.370 インチ)(0.190 インチ)

ベッドナイフの上面と前面の推奨研磨角度 (図 28)

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Note: どのベッドナイフの場合も、使用限界の測定基準はベッドナイフの底面です(図 29)。

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上面の研磨角度を点検する

ベッドナイフの研磨では、研磨角度が非常に重要です。

傾斜計(トロのパーツ番号 131-6828)と傾斜計マウント(トロのパーツ番号 131-6829)を使用して研磨機の設定角度を調べ、必要に応じて修正を行ってください。

  1. 30に示すように、ベッドナイフの底部に傾斜計をセットする。

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  2. 傾斜計についている Alt Zero ボタンを押す。

  3. 傾斜計マウントのマグネットのエッジがベッドナイフのエッジに密着するように、ベッドナイフのエッジに傾斜計マウントをセットする(図 31)。

    Note: このとき、ステップ 1の時と同じ側にデジタル表示が見えるようにしてください。

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  4. 31に示すようにマウントに傾斜計を取り付ける。

    Note: この時の読みが、研磨機によって作られた角度であり、この角度が推奨値から 2° 以内であれば適正です。

ベッドバー/ベッドナイフアセンブリの取り付け

  1. ベッドバー/ベッドナイフアセンブリを取り付け、固定用耳をワッシャーとベッドバー調整ネジの間に配置する。

    Important: 図 32に示すように、DPAアジャスターをベッドバーの耳の中央に配置する。DPAアジャスターがベッドバーの耳の中央以外に取り付けられている場合、下刃とリールの接触に悪影響を及ぼす可能性があります。

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  2. ベッドバーボルト (ナット付きボルト) とワッシャー3枚 (合計6個) を使って、ベッドバーを各サイドプレートに固定する。

  3. サイドプレートのボスの両側にナイロンワッシャを入れる。その外側からスチール製ワッシャを取り付ける(図 25)。

  4. ベッドバーボルトを 37-45 N·m (3.7-4.6 kg.m = 27-33 ft-lb)にトルク締めする。

  5. 外側のスチールワッシャーが手でちょうど回転するくらいまで、ベッドバーロックナットをゆっくりと締める。

    Important: サイドプレートをゆがめる恐れがあるのでロックナットは締め付け過ぎないように注意してください。

    Note: ベッドバーとサイドプレートの間のナイロンワッシャーには小さな隙間があります。

  6. スプリングがつぶれるまでテンションナットを締め、そこから半回転戻す(図 33)。

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リール仕様

リールの2番取り(リリーフ研磨)

新品リールには、ランド部の幅が 1.3-1.5 mm あり、30 °の逃げ角(2番角、リリーフ角)を付けてあります。

ランド部の幅が 3 mm を超えたら以下の作業を行ってください:

  1. 全部のリール刃に 30 °の角度で2番削りを行って、ランド部の幅を 1.3 mm にしてください (図 34と図 35)。

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  2. 円筒研磨を行って各刃先の軌道円の差を 0.025 mm 未満にしてください。

    Note: これにより、ランド部の幅がわずかに大きくなります。

    Note: リールやベッドナイフの鋭利な刃先を長持ちさせるには、リールやベッドナイフを新たに研磨して使い始めたときに、フェアウェイを2面刈り込むごとに刃合わせのチェックを行い、刃先にバリが出ていたら除去してください。バリは刃と刃の接触を大きくして摩耗を早めます。

  3. 直径測定テープを使って、リールの両端の外径を測定します (図 36)。両端の間の外径の差は0.250 mm未満である必要があります。差がこれよりも大きい場合には、研磨を行って真の円筒に戻す。

    Note: リール外径測定用テープは、弊社代理店でお求めになれます。

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HD デュアルポイントアジャスタ(DPA)の整備

  1. 全部のパーツを取り外す(HD DPA キットの 取り付け要領書 および図 37を参照)。

  2. カッティングユニットのセンターフレームのブッシュ挿入場所に固着防止剤を塗布する(図 37)。

  3. フランジブッシュのキーとフレームのキー溝を揃えて、ブッシュを挿入する(図 37)。

  4. アジャスタシャフトにウェーブワッシャを通し、アジャスタシャフトをカッティングユニットのフレームのフランジブッシュに通す(図 37)。

  5. 平ワッシャとロックナットでアジャスタシャフトを固定する(図 37)。

  6. ロックナットを 20-27 N・m (2.1-2.6 kg.m = 15-20 ft-lb)にトルク締めする。

    Note: ベッドバーアジャスタのシャフトは左ねじである。

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  7. アジャスタシャフトに嵌るベッドバー調整ねじのねじ山部分に固着防止コンパウンドを塗布する

  8. ベッドバー調整ねじをアジャスタシャフトにはめ込む。

  9. 硬化ワッシャ、スプリング、スプリングテンションナットをアジャスタねじに仮止めする。

  10. ベッドバーアジャスタとスラストワッシャとの間にベッドバーの固定用「耳」を入れる。

  11. ベッドバーボルト(とボルトについているナット)とワッシャ6枚で、ベッドバーを各サイドプレートに固定する。

    Note: サイドプレートのボスの両側にナイロンワッシャを入れる。

  12. その外側からスチール製ワッシャを取り付ける(図 37)。

  13. ベッドバーボルトを 37-45 N·m(3.7-4.6 kg.m = 27-33 ft-lb)にトルク締めする。

  14. 左右の遊びが完全になくなって外側のスチール製ワッシャが回らなくなるまで(ただし決して締めすぎになったりサイド・プレートが変形したりしていない)ロックナットを締め付ける。

    Note: 内側のワッシャには遊びがあってかまいません(図 37)。

  15. 各ベッドバーアジャスタアセンブリを締め付けて圧縮スプリングを完全に圧縮し、そこから1/2回転だけ戻す(図 37)。

  16. カッティングユニットの反対側についても同じ作業を行う。

  17. リールと下刃の調整を行う; リールと下刃の調整を行うを参照。

ローラの整備

ローラの整備用として、ローラリビルドキット(Part No. 114–5430)およびローラリビルドツールキット(Part No. 115–0803)を販売しております(図 38)。ローラリビルドキットは、ローラの分解組み立てに必要なすべてのベアリング、ベアリングナット、内側シール、外側シールをセットにしたキットです。ローラリビルドツールキットは、ローラリビルドキットをつかってローラの再組み立てを行うのに必要な工具と説明書のキットです。詳細は、パーツカタログをご覧になるか、代理店にお問い合わせください。

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